U.S. Air Force photo by Senior Airman Adrien Tran
「MQ-28 ゴーストバット」が太平洋での大規模合同演習に初参加中
無人戦闘機(CCA)「MQ-28 ゴーストバット」が、日本、グアム、ハワイ、オーストラリアを結ぶ広大な海域で今週始まった米軍主導の大規模合同演習「ヴァリアント・シールド2026(Valiant Shield 26)」に参加している。
MQ-28が多国籍による大規模な実戦演習に投入されるのは、これが初のケースとみられる。これに先立ち、開発元のボーイング社はカリフォーニア州南部沖で自律飛行や迅速展開の検証を目的とした試験飛行を実施したばかりであった。今回演習に投入されたMQ-28(製造番号:ATS-008)は、カリフォーニア州ポイント・ムグーでの試験飛行に使われたものと同一である
今回の演習において、オーストラリア国防軍(ADF)のオブザーバーが米軍主導のMQ-28運用チームに同行している。これにより、同無人機が複雑な複合ドメイン環境下でどう機能するかを、直接検証する機会が得られた。
米インド太平洋軍が統括する「ヴァリアント・シールド2026」は、6月22日に開幕し、7月1日まで実施される。米太平洋艦隊司令官の米海軍大将は、「同盟国との高度な多次元能力の練成は、自由で開かれたインド太平洋への関与を示すものであり、共に対処する能力を強化する」とコメントした。
米空軍が公開した写真によると、MQ-28は6月21日に北マリアナ諸島のロタ島で地上滑走試験などを行った。同機は、有人戦闘機と協調して飛行する「有人・無人機チーム(MUM-T)」の概念を進展させるために使用される。
米空軍は、脅威度の高い環境下で有人機の能力や生存性を高める「戦力倍増戦力」としての効果を分析する方針で、演習に投入された機体の機首には、赤外線捜索追尾(IRST)センサーシステムが搭載されている。
MQ-28は、有人戦闘機や早期警戒管制機(AWACS)などと連携し、センサー範囲の拡大、兵器プラットフォームとしての役割、パイロットのリスク軽減といった任務を担う。
今回の演習にはアメリカ、オーストラリア、日本、カナダ、ニュージーランドが参加しており、広大な地理的環境下で複合的な脅威を検知・追跡・迎撃する現実的なシナリオが用意されている。
将来のインド太平洋における紛争では、同盟国間の有人機と高度な自律システムのシームレスな統合が不可欠であり、今回の演習はオーストラリア空軍(RAAF)が2028年の実戦配備(世界初の運用可能なCCAとなる見込み)を目指す上で重要なステップとなる。
防衛関連の報道によると、今回の展開には米空軍が主導する厳しい環境下の飛行場における「アジャイル戦闘展開(ACE:Agile Combat Employment)」コンセプトでの運用も含まれている。これは将来の中国との衝突を想定した生存戦略として極めて重要視されている。
今回のヴァリアント・シールドには、米海軍の航空母艦「ジョージ・ワシントン」を中心とする空母打撃群や、ミサイル巡洋艦「ロバート・スモールズ」、駆逐艦「ベンフォールド」「シャープ」なども参加している。
さらに、日本国内(鹿屋や奄美大島周辺海域)では、コンテナ型の「タイフォン」ミサイルシステムや高機動ロケット砲システム(HIMARS)を用いた統合対艦戦闘訓練も計画されている(実弾射撃は予定されていない)。
オーストラリア空軍は初期型の「ブロック1」を8機受領しており、これまでにE-7Aウェッジテイル早期警戒管制機やF/A-18Fスーパーホーネットとのチーム編隊などの試験を行ってきた。
ボーイングは、兵器内蔵ベイ(ウェポンベイ)を備え、AIM-120空対空ミサイルや小直径爆弾(SDB)を搭載可能となる、大型で長航続距離の「ブロック3」へ繋ぐ暫定型「ブロック2」を製造中である。
今回の演習への参加は、将来的な輸出入のビジネス展開(海外売却)においても重要な意味を持つ。参加国である日本、カナダ、ニュージーランドに対してその能力を直接アピールする機会となり、ボーイングはすでに日本を有望な潜在顧客として名指ししている。無人戦闘機が実験段階から実戦配備へと移行する中で、この太平洋最大級の演習での成果は、今後の地域防衛のあり方を占う上で世界中から注目されている。■
この記事は以下を再構成したものです
MQ-28 Ghost Bat Drone Debuts In Large-Force Combat Exercise In The Pacific
TWZ
Thomas Newdick
2026年6月24日 12:45 PM EDT
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