自信たっぷりの様子を4年間装い続けてきたプーチン大統領の鎧に本物のひびが生じた
Putin Spent Four Years Projecting Confidence: His Admission This Weekend Was the First Real Crack in the Armor
4年間にわたりプーチンは自信しか見せなかった。しかし今週末、その鎧にひびが入った。ウクライナのドローンが再び製油所を焼き払い、ロシアが燃料不足に直面していると認めた。クレムリンは前線への影響はないと主張しているものの、複数地域で燃料の配給制を実施し、施設の修復を急ぎ、防空体制の構築に奔走しているがすべてを守りきれない。ウクライナの「長距離制裁」は、モスクワに勝利を断念させる選択を迫っている。
National Security Journal
https://nationalsecurityjournal.org/putin-spent-four-years-projecting-confidence-his-admission-this-weekend-was-the-first-real-crack-in-the-armor/

2020年6月のプーチン大統領(ロシア連邦写真)
ウクライナによる長距離ドローン作戦は、新たな段階に入ったようだ。
ウクライナのドローンがまたしてもロシアの大型製油所を攻撃した一方、ウラジーミル・プーチン大統領はロシアが燃料不足に陥っていると公に認めている――これは、ウクライナの攻撃がロシアの国内経済に影響を与えていることを示す、これまでで最も明確な証拠である。
モスクワは、これらの攻撃が戦場の作戦に影響を与えていないと主張しているものの、クレムリンは製油所の修復や防空体制の強化を約束している――特定の地域で燃料の配給制を実施しているにもかかわらずだ。こうした対応は、ロシア製油所に対するウクライナの深部攻撃作戦の戦略的重要性がさらに高まっていることを浮き彫りにしている。
何が起きているのか?
ウクライナのドローンがクラスノダールにあるスラヴィャンスク・ナ・クバニ製油所を攻撃した。同施設は年間約400万トンの原油を処理しており、燃料油、船舶用燃料油、ナフサの重要な輸出拠点となっている。
キーウはこうした攻撃を「長距離制裁」と呼ぶようになってきた。
ウクライナは、単独で戦場における決定的な突破口を開こうとするだけでなく、ロシアの石油収入を減らし、ロシア軍の兵站を混乱させ、ロシアに高額な防衛インフラの建設を強要し、国内に経済的圧力をかけ、戦争継続の長期的なコストを引き上げようとも試みている。
ゼレンスキー大統領は、製油所攻撃を、ロシアが戦争遂行に必要な燃料の供給源を削減するための取り組みであると明確に位置づけている。
プーチン大統領が認めた事実
プーチン大統領は過去4年間にわたり自信と確信に満ちた姿勢を示してきた。しかし、燃料不足を認めたことは、彼にとって極めて弱さを露呈した瞬間である。
プーチン大統領は、製油所の防護強化、修復作業の加速、生産量の増加、追加の燃料輸入、そしてクリミアへの供給を優先すると約束した。
これらすべては注目すべき認識と対策である。モスクワはこれまで、ウクライナによる攻撃の影響を最小限に抑えようとしてきたが、これらの発言は、クレムリンが国内の燃料供給を、プーチン大統領の注意を要する深刻な問題と見なしていることを裏付けている。
たしかにこの問題は顕在化しつつある。燃料不足は広がりつつある。複数の地域で燃料の配給制が導入されている。
一例として、イルクーツクでは、国営ガソリンスタンドでの購入が1台あたり50リットルに制限されている。アレクサンドル・ノヴァク副首相は、国内供給を守るため、燃料輸出の取り決めを見直している。
製油所の一時的な操業停止でさえ、ロシアに燃料を輸出から国内に振り向けることを余儀なくさせている。
製油所を標的にする
ウクライナがロシア製油所を標的にするのは賢明な戦略だ。製油所は防御を強化するのが難しく、修復に多額の費用がかかり、経済的に価値が高く、作戦上も重要だからである。
製油所が1つ破壊されるごとに、軍事物流、民間輸送、そして輸出収入に充てられる精製燃料が減少する。
ロシアは原油の生産を継続できても、精製能力がボトルネックとなる。
クレムリンは、製油所への攻撃が前線の作戦に何の影響も及ぼしていないと主張し続けている。プーチン大統領は、ウクライナがロシア社会を分断し、政治的圧力をかけ、交渉を強要することを狙っていると主張している。
プーチン大統領はまた、エナジーインフラを保護するため、防空装備の生産を急速に拡大すると約束した。これは、比較的安価なウクライナのドローンによって、防衛負担が増大していることを示している。
戦略的意味合い
戦略的な観点で見ると、これらの攻撃は経済戦争への転換を意味する。ウクライナは、軍事部隊以外に、インフラへの攻撃をますます増やしている。
その目的は、長期戦を継続するロシアの能力を低下させることにある。そして、この圧力は防衛資源の配分でジレンマを生み出している。
すべての製油所、燃料貯蔵所、物流拠点が保護を必要とする。しかし、ロシアはすべての重要拠点を均等に防衛できない。
これにより、都市、軍事基地、産業インフラ、最前線部隊の間で、限られた防空資産をどのように配分するかという難しい選択を迫られることになる。
これらの攻撃は、ウクライナのドローンの威力が高まっていることも浮き彫りにしている。報道によれば、ロシアは数百機のドローンを迎撃したというが、それでも重要なインフラは依然として損傷を受けている。
これは、多層的な防衛網を前にしても、飽和攻撃が作戦上の効果をもたらし得ることを示している。
ロシアのエナジー部門へ圧力を継続することで、キーウは交渉上の優位性を強化できそうだ。逆に、モスクワは、将来のドローン攻撃への脆弱性を軽減するため、防空装備の生産加速やインフラの分散化を図ってくるかもしれない。
要するに、ウクライナのドローン作戦はロシアの戦争経済に圧力をかける持続的な取り組みへと進化しつつある。
プーチン大統領が燃料不足を公に認めたことは、こうした攻撃を無視できなくなっていることを示唆している。クレムリンは、攻撃によってロシアの戦略が変更されたわけではないと主張しているものの、攻撃はある程度まで意思決定に影響を与えているようだ。
いずれにせよ、こうした攻撃は明らかに新たな経済的コストを課すもので、モスクワに困難な決断を迫っている。■
著者について:ハリソン・カッス
ハリソン・カッスは、国家安全保障、テクノロジー、政治文化を専門とするライター兼弁護士である。彼の記事は『Tablet』、『City Journal』、『The Hill』、『The Spectator』、『The Cipher Brief』などに掲載されている。オレゴン大学で法学博士号(JD)を、ニューヨーク大学(NYU)でグローバル・ジョイント・プログラム研究の修士号を取得している。詳細は harrisonkass.com を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントをどうぞ。