2026年7月6日月曜日

在英米空軍基地上空へのドローン侵入にロシア関与の疑いが浮上―洋上の貨物船から発進したか。とにかく邪悪なことを展開するロシアですね。日本も対岸の火事とばかり油断していられません

 

在イングランド米軍基地へのドローン侵入に

ロシア関与の可能性が「極めて高い」との報告書

Russia “Highly Likely” Behind Drone Incursions Over U.S. Bases In England Report Concludes


IISS(国際戦略研究所)の調査は、2024年以降ヨーロッパ各地で相次ぐドローン侵入事件でのロシアの役割を包括的に検証した

https://www.twz.com/air/russia-highly-likely-behind-drone-incursions-over-u-s-bases-in-england-report-concludes

2024年11月、本誌は出所不明のドローンによるイングランドの米軍基地上空での一連の侵入事件についてスクープを報じた。無人機の出所は公式には特定されていないようだが、新たな報告書によると、ロシア艦船から発射されたことが示唆されている。

国際戦略研究所(IISS)が作成したこの報告書は、2024年8月に始まった欧州全域でのドローン侵入の相次ぐ事例を調査し、「クレムリンが欧州上空で無人航空機(UAV)による作戦を実施した可能性が極めて高い」と結論づけた。

「ロシアと関連のある船舶や『ダークフリート』が、クレムリンによる欧州に対する広範な非対称戦争の一環として、無人航空機の発射・回収プラットフォームとして使用された可能性が高いと評価される」と報告書は付け加えている。

報告書は、2024年8月から2026年2月にかけて、NATO加盟国12カ国およびアイルランドにまたがる欧州上空で、クレムリンが調整された無人航空機(UAV)作戦を実施した可能性が極めて高いと評価している。

また、ロシアと関連のある船舶や『シャドウ…』が…pic.twitter.com/pGRtWRHPtE

— IISS News (@IISS_org) 2026年7月2日

調査は状況証拠や公開情報に大きく依存している。本誌は調査結果を独自に確認することはできないものの、これらの結果は、飛行の背後に誰がいたのかについて、具体的な答えとは言えないまでも、新たな洞察を提供している。

当メディアが最初に報じたドローンの基地上空への侵入は、IISSが調査した欧州全域での一連の侵入事件の中でも初期の事例だ。報告書によると、ほぼ同時期に、ドイツのラムシュタイン空軍基地上空でも飛行が確認されたという。当メディアはこれらの事件についても報じている

当時当メディアが報じた通り、出所不明のドローンは、最初にRAFレイクンヒース上空で、続いてRAFフェアフォード、RAFフェルトウェル、RAFミルデンホール上空で目撃された。

RAFレイケンヒース。(Google Earth)

特に報告書は、核兵器配備の準備が進むRAFレイケンヒースの重要性に言及している。「一般市民への情報提供呼びかけにより、約170件の目撃情報が寄せられ、約半数は、複数の目撃者による裏付けがあるか、あるいは通常の航空交通では説明のつかない画像で裏付けられたものとして、信憑性ありと判断された。」

「作戦上のセキュリティは高度に維持されていたようだ」とIISSは指摘した。「無人機は、ライトを点灯させたまま低高度でRAF基地周辺の空域に進入し、高い高度で離脱した。到着および離脱の方向は、事象期間を通じ様々であった。」

目撃者の報告は、「複数の機種が関与していた可能性があることを示唆している」と報告書は述べている。「一部の目撃情報はマルチローター型UAVと一致し、他の情報は固定翼型プラットフォームと一致していた。UAVの推進音については証言に一貫性がなく、一部目撃者は、電気モーターというよりはガソリンエンジンに典型的な音を聞いたと述べている。」

「特に注目すべきは、後に2025年のドイツにおけるドローン事件と関連付けられた船舶『Hav Dolphin』が、当時たまたま英国に停泊していたことだ」と調査チームは指摘した。

同船は、いわゆる「ダーク・フリート」の制裁対象船舶でロシアが運用する船舶、あるいはロシアと関連のある船舶の一隻だ。報告書は、欧州の米軍基地での事件後、欧州全域で発生したドローン侵入事件との関連を詳細に論じている。報告書は、これらの船舶を「シャドウ・フリートのタンカー、沿岸貨物船、小型船舶を含む、ロシアと関連のある商船」と記述している。

IISS

IISSは、ロシア製ドローン「オルラン-10」が、これらの侵入事件の際に使用されたプラットフォームの一つであった可能性を示唆した。

「2010年からロシア軍が運用中の小型多目的無人航空機(UAV)『オルラン-10』は、沿岸および内陸の標的に対する遠距離からの情報収集に適した航続距離と搭載能力を備えており、中型商船の甲板スペースにも収まる」とIISSは述べている。

「民間航空測量業務に『オルラン-10』を使用しているロシアの地理空間企業が公表した仕様など、同プラットフォームの商用仕様書によれば、航続距離は500キロメートル、最大飛行時間は12時間、速度は90~130 km/hと記載されており、これらの性能パラメータは、問題となっている欧州の海岸線から視認範囲をはるかに超えた海域を航行する船舶からの海上発射に適している。」

さらに、「『オルラン-10』の動力源は内燃機関である。この詳細は、2024年11月にRAFレイクンヒースで発生した事件に関する目撃証言と照らし合わせると関連性があるかもしれない。同事件では、推進音の性質について、一部観察者から、民生用ドローンやファーストパーソンビュー(FPV)ドローンに典型的な電気モーターというより、ガソリンエンジンに特徴的なものだと説明があった。」

さらに、オルラン-10が搭載可能なペイロードには、「衛星測位偽装モジュールやGSM(Global System for Mobile Communications)ネットワーク監視モジュールに加え、光学センサーや熱センサーが含まれており、オルラン-10シリーズが受動的なISR(情報・監視・偵察)能力だけでなく、能動的な電子戦能力も有していることを示唆している。」

オルラン-10は、ウクライナ戦争において、ロシアによって情報・監視・偵察(ISR)ドローンとして広く使用されてきた。しかし、それをこのような秘密作戦に用いたのは極めて異例である。報告書はこの点を批判的に指摘し、「識別可能なロシア製UAVプラットフォームの使用には、本質的な帰属リスクが伴う」と述べている。

「別の、かつ作戦上信憑性のある仮説としては、否定の余地を残すために、市販品または改造されたプラットフォームが意図的に使用されたというものである。これには、長距離[一人称視点(FPV)]システム、自家製の固定翼機、あるいは無線周波数(RF)通信の代わりに携帯電話通信を使用するように改造された商用UAVなどが含まれる」とIISSは付け加えた。

ロシアは「オルラン-10」ドローンでウクライナ軍の陣地の探知と攻撃を支援している

同シンクタンクは、海上発射説が「好機、実証済みの能力、そして一貫した地理的パターンの合致に基づいている」と認めている。しかし、当局者が非公式にその可能性を示唆しているにもかかわらず、特定の「影の艦隊」の船舶を特定の事件と公に結びつけた欧州政府はまだない。本報告書の残りの部分では、事件の発生場所と時期について、海上とドローンの関連性を最も妥当な説明として扱っているが、これを裏付けるには、まだ公表されていない証拠が必要であることを認めている。


IISS

ロシアがドローンの侵入の黒幕であると非難されたのは、これが初めてではない。

2025年2月、英国を拠点とするThe i Paper は調査記事で同様の主張を行ったが、同紙は飛行が地上のロシア工作員により行われた可能性を示唆していた。

調査をきっかけに、一部の政治家がさらなる調査を求めている。

「元保守党所属の国防特別委員会委員長、ジュリアン・ルイス氏は次のように述べた。『昨年11月、米英当局が両空軍基地でのドローン侵入を検知した際、調査が進行中であると表明していた』」と同紙は報じた。「『一方で、ここにはレイケンヒースおよびミルデンホール近郊にGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)と関連する工作員が存在した可能性を示す信頼できる証拠がある。私は閣僚に対し、これらすべての調査結果を統合し、できるだけ早く下院で声明を発表するよう求めるつもりだ』」

トム・トゥーゲンハット元安全保障相は『i Paper』に対し、この調査結果は「国防省および英国情報機関による緊急の調査を必要とする」と語った。

それでも、RAFレイクンヒースでの事件に関する国防省の調査は、容疑者の特定に至らず終了した、Bury Mercuryによると。


RAFレイクンヒース。(RAF)

関与した他の基地3箇所に関する調査の結果は明確ではない。

「英国は軍事基地の安全保障を真剣に受け止めており、国防関係者の安全、施設、能力を守るため、同盟国、法執行機関、その他の当局と緊密に連携している」と、英国国防省は木曜日の朝、IISSが「ドローンの侵入の背後にはロシアが関与している可能性が高い」と指摘した疑惑や、その操縦者に関する同機関の評価につい本誌が質問して、以下回答してきた。

「『軍法法案』を通じて、我々は基地を脅かすドローンを撃退するため、防衛要員に大きな権限を付与しており、対ドローン能力にも多額の投資を行ってきました。潜在的な脅威を検知し、抑止し、対応する能力を引き続き強化しています」と国防省は付け加えた。

国防省は、「諜報事項や防衛施設における具体的な警備体制についてはコメントしない」として、これ以上の詳細の提供を拒否した。

また、本誌はこれらの事象へのロシアの関与に関するIISSの主張が正確かどうかを在欧州・アフリカ米空軍(USAFE)に尋ねた。

「2024年に、英国の軍施設数カ所の上空で、小型無人航空機(UAS)による活動があったことは確認できる」と広報担当者は語った。「これらの事象は監視されており、要員や作戦に何の影響もなかったと判断された。」

「作戦上の機密保持のため、諜報に関する事項については言及できない」と広報担当者は付け加えた。「施設の安全と保安を確保するため、英国のパートナーと緊密に連携し続けている。」

同司令部は、これらの侵入の背後に誰がいるのかという当メディアの質問に対する回答は準備中であると述べたが、7月4日祝日までは準備が整わない見通しだ。

ドローンの侵入問題はヨーロッパに限ったことではない。当メディアも頻繁に報じてきた通り全米の軍事施設でも侵入事例多数が発生しており、2023年12月に本誌が最初に報じたラングレー空軍基地のように、水辺に近い場所での事例も含まれている。さらに最近では、B-52戦略爆撃機や核兵器を配備するルイジアナ州バークスデール空軍基地でも極めて懸念すべき一連の侵入事件が発生した。2019年夏には、カリフォーニア沖で米国の海軍艦艇が数日にわたり断続的にドローンの群れに襲われた。他にも多くの事例があり、欧州の場合と同様、これらすべての事例において、誰がそれらのドローンを操縦していたのかは依然として公には明らかになっていない。

IISS報告書は、欧州以外の事例については一切触れていない。しかし、英国やドイツの米軍基地を含む欧州を悩ませてきたドローンの越境飛行の黒幕として、ロシアを明確に指弾している。■

ハワード・アルトマン

シニア・スタッフライター

ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。





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