2026年7月12日日曜日

NATOサミットでウクライナにペイトリオットのライセンス生産の道が開けたが、実現までまだ数年かかる―現在のウクライナにはロシアの飛翔制御ミサイルの有効な迎撃手段がないままだ

 


中距離拡張防空システム(MEADS)発射機からのPAC-3迎撃ミサイル発射。(ジョン・ハミルトン/米陸軍)

ウクライナに「ペイトリオット」のライセンス製造が可能となるが実現に数年かかりそうだ

Ukraine can soon build its own Patriots – but it could take years


https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/10/ukraine-can-soon-build-its-own-patriot-but-it-could-take-years/

ウクライナ・キーウ発――ドナルド・トランプ米大統領が、ウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンスを付eると約束したことは、現在米国がごく少数の同盟国にのみ認めている製造権をウクライナに与えることになる。これは戦争が始まって以来、キーウが期待してきたことだが、国産モデルがウクライナの都市を防衛できるようになるまでには、数年を要する可能性がある。

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今週初めトルコで開催されたNATO首脳会議でトランプ大統領と会談し、木曜日に合意の詳細を説明し、両者が「指導者として」これを解決したと述べ、ウクライナが同システムの製造に「準備が整った国として米国から認められた」と語った。

ペイトリオットの生産ライセンスに関する前向きな決定に感謝する」とゼレンスキー大統領は述べ、トランプが「現在、世界でペイトリオットを生産できる国は2、3カ国しかなく、他の国々は技術的に準備が整っていない」と繰り返し強調していたことを指摘した。

ロシアがウクライナ都市に向けて発射する弾道ミサイルがますます増えている中、ゼレンスキーは長年にわたり、ワシントンに同迎撃ミサイルの提供を強く求めてきた。キーウにペイトリオットミサイル生産を認めるというトランプ提案は、戦場での優位性だけでなく、同盟国や敵対国を問わず国際社会におけるウクライナの地位向上にもつながるが、実現には数年を要し、数十億ドルの費用がかかる見込みだ。

「我々のチーム、外交官、外務省、国防省が、その他の技術的な事項すべてについて合意に達する必要がある」と、ゼレンスキー大統領は木曜日に記者団に語った。「合意が早ければ早いほど、ペイトリオット生産開始も早まるだろう」

この約束により、ウクライナは、西側の武器に依存して参戦した戦争から、この紛争で最も求められている防空兵器を国内製造する段階へと移行することになる。これはキーウにとっての画期的な出来事であり、ワシントンの姿勢がどれほど変化したかを示す指標でもある。また、送付量を制限してきた同盟国に依存することなく、自国を防衛する方向へ、キーウをさらに一歩近づけることになる。

現時点では、この合意の具体的な詳細については、政府当局者や産業界の指導者の双方からほとんど明らかにされておらず、契約もまだ締結されていない。製造業者についても、完全には説明されていない。

「まだそのことを同社には伝えていない」と、トランプ大統領は合意を発表する際、迎撃ミサイルを製造するロッキード・マーティン社について述べた。

2026年7月8日、トルコのアンカラで、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。(ジョナサン・アーンスト/ロイター)

ペイトリオットミサイルのPAC-3迎撃弾は、命中時に標的を破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式を採用しており、弾道ミサイルを阻止できる数少ない兵器の一つであるため、米国が輸出する技術の中でも最も厳重に守られているものの一つとなっている。

ペイトリオット迎撃ミサイルは、レーダー、指揮所、発射機、そして迎撃ミサイル本体といった、武器のエコシステム全体を統合している。ウクライナは、最新型であり製造が最も困難なPAC-3 MSEの製造許可取得を目指している。

米国のライセンスの下でペイトリオットを製造している国は日本だけである。ドイツ、オランダ、スペインは共同で欧州の生産ラインを立ち上げ中であり、ベルリンは別途、独自のライセンス取得について交渉を進めている。

ワシントンは、この技術が敵の手に渡ることを懸念し、ライセンス供与に慎重だが、警戒感はさらに強まっている。

米国は今年のイランとの戦争で、1,060~1,430発のペイトリオットを発射したが、1発あたりのコストは約390万ドルに上り、これはウクライナが4年間にわたり西側同盟国全体から受け取った数百発をはるかに上回る数である。

フォーリン・ポリシー・リサーチ・インスティテュートの分析によると、各迎撃ミサイルの製造には24ヶ月、固体ロケットモーターの製造には30ヶ月を要し、各ミサイルのシーカーはアラバマ州ハンツビルにあるボーイング工場のみで製造されている。

この唯一の工場は昨年、650~700個のシーカーを生産したに過ぎず、これが生産ライン全体のボトルネックとなっている。

国防総省は4月、この重要部品の生産量を3倍に増やすため別途の契約を締結したが、今年、48億ドルの契約に基づき発注された迎撃ミサイルでさえ、2030年まで納入されない見込みだ。

「世界中で毎月生産されるこうしたミサイルは、同じ期間に敵がウクライナに向けて発射する数よりも少ない」と、ミハイロ・フェドロフ国防相は述べた。

ロッキード・マーティンはPAC-3を620基を昨年納入した。フォーリン・ポリシー研究所によると、1月に国防総省と締結された枠組み合意では2030年までに年間2,000基へと増産することを目指している。

そしてウクライナには、自国の弾道ミサイル防衛システムがまだない。

ゼレンスキー大統領は今週、ウクライナが国産開発に資源を注ぎ込んでいると発表した。これはフレイヤ「FREYA」と呼ばれる、ペイトリオットに相当する安価で大量生産可能なシステムで、ウクライナ製のミサイルと欧州製のレーダー、発射機、指揮統制システムを中核としている。

ゼレンスキー大統領は木曜日、数日中にフランスなどパートナー諸国にこのシステムを提示する予定だと述べた。

ロシアの弾道ミサイルは、ウクライナ都市に対する最も致命的な兵器で、日曜日夜の大規模な攻撃では、キーウだけで少なくとも22人が死亡したが、ウクライナ空軍によると、ロシアが発射した弾道ミサイル29発は全弾防空網をすり抜けたという。

2022年のロシアによる侵攻以来、ウクライナ民間人1万6,000人以上が死亡したことが、国連人権高等弁務官事務所によって確認されている。

ゼレンスキー大統領は、こうした攻撃をロシアに残された「唯一の優位性」と呼び、ペイトリオットミサイルの生産を「最優先事項」と位置づけている。

ウクライナは「さまざまな方向から」同時に取り組んでいると彼は述べ、米国からのライセンス取得、欧州からの資金調達、そしてフランス製システムの導入を並行して進めていると語った。

ゼレンスキー大統領が「ペイトリオット類似品」と呼ぶ高価なフランス・イタリア共同開発のSAMP/Tは、エマニュエル・マクロン仏大統領との間で結ばれた合意に基づき、すでにウクライナへ搬入され始めている。これは、弾道ミサイルを阻止するために特別設計された、ウクライナの兵器庫にある唯一の他の兵器である。

「生産量はごくわずかで、待ち行列は非常に長く、複数国が関わっている」と、ゼレンスキー大統領はペイトリオットとフランス製システムについて述べた。

大統領は、これらの解決策のいずれでも、ロシアによるウクライナ都市への猛攻を一夜にして終わらせられないことを認め、最優先課題は国内防衛システムの開発だとしている。

「そうすれば、我々だけの能力でウクライナの空を封鎖できる」と彼は述べた。■

ケイティ・リビングストンについて

ケイティ・リビングストンは、『ディフェンス・ニュース』および『ミリタリー・タイムズ』のウクライナ特派員である。キーウを拠点とし、ロシアによる全面侵攻の初期段階から取材を続けてきた。元フルブライト奨学生であり、受賞歴のある記事は欧米の各メディアに掲載されている。


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