ペイトリオット迎撃ミサイルが深刻なほど不足、ウクライナは弾道ミサイルを1発も撃墜できない
Out Of Patriot Interceptors, Ukraine Can’t Down Any Ballistic Missiles Striking Kyiv
ミサイル供給が極めて乏しく、需要が極めて高い状況下で、ウクライナは同盟各国にペイトリオット迎撃ミサイルの追加供与を求めている
TWZ
2026年7月6日 午後3時05分(EDT)公開

(陸軍公式写真)
ぺイトリオット迎撃ミサイルが深刻なまで不足し、ウクライナは、ロシアが夜間に繰り広げた致命的な集中攻撃で発射されたイスカンデル弾道ミサイルやジルコン極超音速巡航ミサイルを1発も撃墜できなかったと、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領および空軍当局者が月曜日述べた。ウクライナ当局によると、主にキーウを標的としたこの攻撃により、少なくとも20人が死亡し、さらに数十人が負傷した。
このミサイルおよびドローンによる攻撃は、NATOサミットの前日に発生した。同サミットでは、ゼレンスキー大統領が同盟国に対し、さらなる対ミサイル弾薬の提供を強く求めるものと見られている。また、この集中攻撃は、ウクライナが独自のミサイル迎撃能力の確立に取り組み、寄付に依存する必要がなくなるよう努めている最中に起きた。
「その理由は、まさに迎撃ミサイルの供給不足にある」と、ゼレンスキー大統領はXで不満を述べた。「世界、とりわけ米国や欧州のパートナー諸国が、アンカラでのNATO首脳会議を終えるにあたり、我々の防空、ひいては一般市民の命を守るための強力な決定を下すことが極めて重要だ。『ペイトリオット』用のミサイルが同盟国の倉庫に眠っている限り、それはロシアが住宅を『破壊』し続けることを助長するだけだ。米国と欧州には、このテロを阻止するのに十分な力がある。」
ウクライナ空軍によると、昨夜ロシアが発射した「イスカンデル」23発と「ジルコン」6発はすべて、同国の防空網をすり抜けたという。
「弾道ミサイルを撃墜するには、それを撃墜する手段が必要だ」と、ウクライナ空軍の広報官ユーリー・イグナート氏は国営テレビで述べた。「『ペイトリオット』システムは十分に備わっているが、ミサイルの継続的な供給が必要だ」
イグナト氏によると、ロシア軍は「ウクライナのペイトリオット迎撃ミサイル不足を意図的に利用し、巡航ミサイルやドローンよりも迎撃がはるかに困難な弾道兵器に大きく依存している」と、ウクライナの『ミリタリーニ』誌は指摘した。
対照的に、ウクライナ空軍は、前夜の攻撃において、351機のドローンのうち326機、33発のKh-101巡航ミサイルのうち31発、そして6発のカリブル巡航ミサイルをすべて撃墜したと発表した。
先週、ゼレンスキー大統領は、同盟国が約束した対ミサイル弾薬の提供という公約を果たしていないと不満を漏らした。
「ウクライナには適切な防衛パッケージが必要だ」と、ゼレンスキー大統領は7月2日、ロシアによる新たな大規模な砲撃の後、4発のジルコンミサイルはすべて、74発のイスカンデルミサイルのうち4発しか迎撃できなかったことを受けて述べた。
「我々はこれらのミサイルを必要としている。最大限の圧力をかけつつ交渉を進めている」とゼレンスキー大統領は述べた。「合意に達し、すでに資金を振り込んだ国もある。NASAMS[National Advanced Surface-to-Air Missile System]などがその例だ。」
ゼレンスキー大統領は特にノルウェーを名指しした。
「例えばノルウェーについては……200発のミサイルの代金を支払うという合意があった。しかし、その200発のうち、1発たりとも届いていない」
約束された支援が期日通りに届けられていれば、「家や人命を救う」ことができたはずだとゼレンスキー大統領は付け加え、ウクライナがパートナー国に求めているのは「単に合意されたことを実行してもらうこと」だと強調した。
ゼレンスキー大統領が迎撃ミサイルの増強を訴えたにもかかわらず、イグナット氏は月曜日、「ペイトリオット迎撃ミサイルの不足はウクライナに限った問題ではなく、世界的な課題である」と認めた。これはTWZが頻繁に報じてきたテーマである。
以前にも指摘した通り、最近の中東紛争における米国の使用、ウクライナによる継続的な消費、そして脅威の高まりに直面している他の20カ国近くへの供給約束が重なり、ペイトリオット迎撃ミサイルの供給は重大な問題となっている。ウクライナがこのシステムを入手する前や、中東で度重なる紛争が発生する前から、世界的なペイトリオットミサイルの備蓄量や、危機時に十分な迎撃ミサイルを生産する能力については懸念されていた。現在、需要は爆発的に増加し、配給制が導入されており、一部の顧客には、注文分が米国の備蓄を補充するために転用されると通告されている。この慣行はトランプ政権第2期以前から続いており、バイデン政権も同盟国に対し、注文分が台湾やウクライナへ振り向けられると伝えている。
それでも、国防総省は最近になって、生産拡大に奔走しているにもかかわらず、十分な備蓄があると主張し続けている。
本誌は最近、戦略国際問題研究所(CSIS)による新たな報告書に関する記事の中で、これらの弾薬の供給問題を取り上げた。
米国の先進兵器備蓄の枯渇の深刻さに関するこの報告書は、現在生産されているPAC-3 MSEについて、「およそ年間650基という基準生産率であり、その半数は米国に、残りは同盟国やパートナー国に供給されている」と指摘している。
1月に国防総省と締結した契約に基づき、ロッキード社はペイトリオットの年間生産数を2,000基に引き上げることを約束している。

ペイトリオット迎撃ミサイル。(ダレル・エイムズ/米国防総省)
米国がウクライナにペイトリオット迎撃ミサイルを供給できるかどうかについては、議会も十分な懸念を抱いており、先月、国防総省に対し、戦火にさらされている同国へのペイトリオットPAC-3迎撃ミサイルの供給をどのように増やすことができるか説明するよう命じた。
本日、サミットに先立ちアンカラで記者団に対し、NATOのマーク・ルッテ事務総長は、米国が防衛上の公約を果たすため、ウクライナへのペイトリオット迎撃ミサイルの供給を積極的に行っているとしつつも、「NATO域内に保管されている迎撃ミサイルの量には限界がある」と述べた。
ウクライナへの支援は、少なくともわずかながらも進んでいる。
先月、NATO国防相会議に先立ちブリュッセルで記者団に対し、ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、ウクライナ向けの米国製兵器・弾薬の購入資金を調達する「優先ウクライナ所要品リスト(PURL)」制度に基づき、防空用弾薬の調達のために2億ドルを提供すると発表した。
「このようにして、我々は文字通り、昼夜を問わず人命を救っているのです」とピストリウスは述べた。同氏はまた、ドイツが「JUMPSTART(ウクライナ多国籍共同プログラム――サービス、訓練、物資の迅速供給)」メカニズムに参加すると発表した。JUMPSTARTは、ペイトリオット防空システム用の迎撃ミサイルの調達に特に焦点を当てている。
「我々は、PAC-3誘導ミサイルの購入に2億ドルを拠出することで貢献に合意した」とドイツ国防相は述べた。2億ドル拠出により、およそ40~50発のペイトリオットPAC-3 MSE迎撃ミサイルを購入できる。
これらの兵器の価格と納期の問題から、米陸軍は防衛関連企業に対し、1発あたり約100万ドルかかる新型ペイトリオット迎撃ミサイルの開発を急がせている。
一方、ポーランドの極右・反ウクライナ政党「連合」の共同党首で、下院(セイム)副議長を務めるクシシュトフ・ボサックは、X上で、ポーランド政府が3月に議会への通知なしにペイトリオット迎撃ミサイルをウクライナに移送したと主張した。
「3月、政府はセイムに内緒で、高価かつ入手困難なペイトリオットシステムの迎撃ミサイルをウクライナに引き渡していたことが判明した」とボサックはXで述べた。「これらは、メディアで何年も前から報じられている多層的な防空システムを構築するために、ポーランドが米国から購入したものであり、今日に至るまでそのシステムは完成していない。これらは、ポーランドを脅かし、カリーニングラード州に配備されているロシアのイスカンデルミサイルに対抗できる、ポーランドが保有していた/現在も保有している唯一のミサイルである。」
ウクライナは、迎撃ミサイルの寄贈をさらに求めるだけでなく、独自の開発も進めている。
複数のドローンやFP-5フラミンゴ巡航ミサイルを製造するウクライナの企業「ファイア・ポイント」は、国内で設計・製造された「対弾道ミサイルシールド」の開発に取り組んでいる。このシステムの基幹をなすのは、同社製のFP-7.x迎撃ミサイルだ。2月、同社はこの兵器の試験を公開した。
『Kyiv Postは今月初めに、「このシエナジーールドは『空力的には完成しているが、完全な統合がなされなければまだ実戦運用に至らない』」と報じた。「主任設計者デニス・シュティラーマンは、このシステムはレーダー、指揮センター、安全なデータリンク、そして欧州で開発されたシーカーヘッドに依存していると述べた。同社はパートナーと協力し、これらの要素を統合して機能するミサイル防衛ネットワークを構築している。」

ウクライナのファイア・ポイントがFP-7.Xミサイルを公開、弾道ミサイル迎撃システムの開発を推進
これまで本誌は、ウクライナが最近、少なくともある程度は戦況を好転させていることを指摘してきた。ロシアの兵站網への攻撃により、クレムリンによるさらなる領土獲得の試みが足止めされている。こうした進展は、ウクライナによるドローンの生産拡大と、通信技術およびAIを活用した誘導システムの進歩に大きく起因している。
ロシアがキーウを猛攻撃する一方で、ウクライナも長距離攻撃でロシアを激しく攻撃し続けている。ウクライナが保有する目まぐるしいほど多様な長距離ドローン、そして最近では巡航ミサイルが、ロシア深部のエナジーインフラはじめ重要目標を攻撃し、ロシアに打撃を与えている。さらに、キーウは独自の弾道ミサイルの開発も進めている。ウクライナの長距離攻撃能力が現在、指数関数的なペースで拡大しているように見える中、ウクライナ国境から遠く離れたロシアの標的に対するリスクは高まっている。ロシアには、自国の広大な領域をこうした攻撃から守る能力がない。
この点を踏まえると、ウクライナは弾道ミサイル攻撃に対して事実上無防備であり、確かに厳しい道のりが待ち受けているが、ロシアにも、別個でありながらある意味で類似した、深刻な防空上の問題が存在する。これらすべてが、高性能な防空システムが抱える最大の問題の一つを浮き彫りにしている――敵は、特に長期的には、防空システムが対処し切れないほど多くの攻撃兵器を常に開発しようとする可能性があるということだ。PAC-3MSEのような現代の高性能迎撃ミサイルのコスト、複雑さ、および調達リードタイムを考慮すれば、少なくとも現時点では、この方程式の答えは比較的容易に見出せる。ウクライナについても同様だ。ロシアの防空体制は、ウクライナでの作戦展開や、極めて重要な施設・資産の防衛の必要性により、すでに手薄になっている。広大な領土にわたって発生しうる大規模なドローンや巡航ミサイル攻撃に対する防衛は、単純に不可能なのである。
言い換えれば、戦争開始から4年半が経過した今、双方の防空網に亀裂がはっきり現れ始めている。■
シニア・スタッフライター
ハワードはTWZのシニア・スタッフライターである。紛争について頻繁に執筆しており、特に中東とウクライナに焦点を当てているほか、世界中の軍・諜報当局者や業界リーダーへのインタビューも行っている。現在は、米中央軍および米特殊作戦司令部の本拠地であるフロリダ州タンパ近郊に在住している。
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