2026年7月3日金曜日

SSNを全任務に投入するのは浪費だ。米国は通常型潜水艦を調達し局地任務にふさわしい艦を投入すべきだ―これまでも主張あるものの米海軍はちっとも動きません

 Dry Dock At Pearl Harbor for U.S. Navy Submarines

真珠湾にある米海軍潜水艦の乾ドック。米海軍。

米海軍は最高性能の潜水艦を不適切な任務で浪費中:海軍が拒む「安価な潜水艦」の建造が必要だ

The U.S. Navy Is Wasting Its Best Submarines on the Wrong Jobs: The Case for a Cheaper Boat It Refuses to Build

米海軍は原子力攻撃型潜水艦の建造ペースが追いつかず、安価な潜水艦でも対応可能な任務に、最も価値の高い艦艇を投入し続けている。大気非依存推進(AIP)を主張する理由は、「ヴァージニア級」に勝るからではない――米国には潜水艦が不足しており、何かを犠牲にしなければならないからだ

https://www.19fortyfive.com/2026/07/the-u-s-navy-is-wasting-its-best-submarines-on-the-wrong-jobs-the-case-for-a-cheaper-boat-it-refuses-to-build/


海軍の原子力攻撃型潜水艦に対する任務が多すぎるのは、それらが米国にとって最高の水中プラットフォームであり、ワシントン当局がほぼあらゆる任務に投入するようになったからだ。

その習慣が今や代償を生んでいる。

米海軍の潜水艦危機は現実のものだ

2020年12月24日(木)、ヴァージニア級潜水艦「USSヴァーモント」(SSN 792)が、テムズ川を遡り、母港であるニューロンドン潜水艦基地へと帰港中。同艦はヴァージニア級潜水艦の19番艦。グリーンマウンテン州にちなんで命名された米海軍の艦艇としては3番目となる。(米海軍写真:ジョン・ナレウスキー/公開)

ヴァージニア級潜水艦は、米国の軍事力において最も価値の高い資産の一つである。高速で移動し、数ヶ月間潜航し続け、他の潜水艦を捜索・攻撃し、水上艦を脅かし、陸上目標を攻撃し、ほとんどの艦艇が機能不全に陥るか無力化される場所でも作戦行動が可能だ。海軍が同級艦を重宝する理由がある。また、十分な数を建造できない理由もある。

そこで、大気非依存推進(AIP)潜水艦にもっと真剣に目を向けるべきだ。SSNの安っぽい模倣としてではなく、中国に対する奇跡的な解決策としてでもなく、原子力潜水艦の重要性を低下させる手段としてもではない。理由は単純で、厄介なものだ。原子力潜水艦に割り当てられている任務の一部は、静粛で、安価で、航続距離が短く、限定された目的のため建造された潜水艦で遂行できる可能性がある。

海軍の問題は威信ではない。供給不足である。

SSN不足はすでに現実のものだ

ワシントンでは、潜水艦建造について、まるで今後10年間で現在の状況が最終的に救われるかのように語られている。そうなるかもしれない。しかし、今の状況にはあまり役立たない。

攻撃型潜水艦の戦力は、今でも海軍自身の要件を下回っている。ヴァージニア級の建造は、目標とされる年間2隻にまだ達していない。最近の報道によると、引き渡し数は年間1.3隻程度にとどまっており、年間2隻の目標達成は2030年代初頭まで先送りされた。議会予算局(CBO)は、ヴァージニア級潜水艦が当初の契約で定められた引き渡し期日から平均で約4年遅れていると警告している。

こうした数字は、単なる調達上の脚注などではない。それらは戦略そのものを形作るものである。

中国は海軍力の増強を大規模に進めている。台湾は依然として世界で最も危険な火種である。西太平洋には、潜水艦の重要性が極めて高い海域が数多く存在する。AUKUSは、今でも逼迫している米国の潜水艦基盤にさらなる負担を加えている。オーストラリアの将来の原子力潜水艦部隊は戦略的には理にかなっているかもしれないが、短期的な要件を満たすためには、すでに限界に近い米国のシステムから資源を捻出しなければならない。

一般的な答えは、予算を増やし、建造を加速させることだ。それは必要だとはいえ、手遅れでもある。2030年代初頭にさらなる水中プレゼンスを必要とする海軍は、すべての水中任務に本当に原子力潜水艦が必要なのか問わなければならない。

別の種類の潜水艦

AIP(通常型)潜水艦は過大評価されがちであり、その正当性を論じるには、まず「できないこと」から始めるべきだ。

AIP艦は、原子力攻撃型潜水艦のように太平洋を疾走することはできない。同じ自由度で哨戒位置に留まることもできない。同じ搭載量を運んだり、同じ範囲の任務を遂行したりすることもできない。外洋での追跡戦では、SSN(原子力攻撃型潜水艦)が戦いが始まる前から優位に立っている。

しかし、それでは真の問題を見落とすことになる。AIP潜水艦は、あらゆる海域を想定して建造されたわけではない。特定の地理的条件に合わせて建造されるのだ。

適切な海域に1隻配置すれば、状況は一変する。要衝の付近、限られた海域内、あるいは予想される移動経路沿いで待機する静粛性の高い通常動力型潜水艦は、局地的な脅威を生み出し、想定以上に大きな問題へと発展する可能性がある。戦域全体を制圧する必要はない。敵側が「争奪対象」として扱わざるを得ないほど、特定の水域を危険な場所にするだけでよい。

スウェーデンは、バルト海が容赦ない教訓を突きつけるため、このことをより理解している。日本と韓国も、同じ論理に基づいた独自のバージョンを構築してきた。任務範囲が限定され、長距離航行が不要な海域では小型潜水艦も致命的な脅威となり得る。

米海軍がこの点を重視すべき理由は、米国に残る余裕が少なくなっているからだ。通常型潜水艦で対応可能な任務に「ヴァージニア級」を投入するのは、タフさではない。それは、極めて高価な船体を無駄遣いする、不適切な資源配分である。

中国シナリオ

太平洋での懸念は現実のものだ。米国本土を拠点とするAIP潜水艦は、台湾危機を解決することはできない。距離は重要だ。配備地は重要だ。後方支援は重要だ。政治も同様だ。

だからといって、この構想が無意味になるわけではない。設計上の課題がより厳しくなるだけだ。

もし米国のAIP部隊が意味をなすとしたら、前線に配備され、任務に特化しており、同盟国と緊密に連携していなければならない。任務が行われる場所に常駐しなければならないのだ。グアム、日本、オーストラリアの一部、そしておそらくその他のアクセス拠点ははるかに重要になるだろう。海軍は、すべての潜水艦を世界規模の戦力として扱うのではなく、一部を地域的な海上封鎖部隊として考える必要がある。

ここに抑止力としての価値が生まれる。中国海軍は、すべてのAIP潜水艦が「戦いを決定づけるプラットフォーム」であるとは恐れる必要はない。しかし、迅速に通過すべき海域に、静粛な潜水艦が潜んでいるかもしれないと懸念せざるを得なくなる。その懸念が、護衛、捜索、遅延、さらに慎重さを強いると計画は複雑化する。台湾をめぐる危機でこの複雑さは決して小さくない。

原子力潜水艦には多くの役割がある。しかし、一度に存在できる場所は一か所だけだ。

同盟国はもう理解している

ここに同盟関係における厄介な点がある。米国の同盟国が通常動力型潜水艦を維持しているのは、地理的要因が重要ではないと装う余裕など一度もなかったからだ。

日本、韓国、スウェーデン、ドイツなどは、自国の海軍上の課題が自国近海で始まるため、本格的な非原子力潜水艦を建造または運用してきた。彼らは近海を脅威に満ちた海域にしなければならない。自国の海域、予算、戦略的状況に適した潜水艦を必要としているのだ。

米国は各国を盲目的に真似る必要はないが、通常動力型潜水艦を「劣った存在」として扱うのをやめるべきだ。多極化した世界において、同盟戦略とは、ワシントンが従来通りのやり方を続ける一方で、同盟国に支出増を求めるだけであってはならない。

この問題には、同盟国の潜水艦に依存する案もある。もう一つの案は、小規模な米国のAIP(非依存型空気供給)潜水艦部隊だ。いずれにせよ、真に重要な問いは同じである。すなわち、真に原子力推進を必要とする任務に、どれだけの原子力潜水艦の稼働日を割り当てられるか、ということだ。

それこそが試金石となるべきだ。

国防総省が台無しにする恐れ

その危険性は明らかだ。国防総省に控えめなプラットフォーム案を提示すれば、15年を要し、コストがかかりすぎ、誰の満足も得られないような、過剰なプログラムとして返ってくるかもしれない。

そうなれば、AIP導入の根拠は失われてしまう。

もし海軍が、完璧な米国製通常動力潜水艦をゼロから設計することに固執するなら、その構想はおそらく早い段階で頓挫するだろう。もし「ヴァージニア級」がすでに遂行しているあらゆる任務をその潜水艦に詰め込めば、その意義は失われる。もし原子力産業基盤と直接競合すれば、問題の一部となってしまう。

もっと良いアプローチは、範囲を狭くし、あえて華やかさを排することだ。同盟国の設計をじっくり検討すべきだ。ライセンス生産や共同生産も検討すべきである。特定の海域における特定任務を中心に建造すべきだ。要件を十分に厳格に設定し、ペンタゴンの好みを反映した「記念碑」に化さないようにすべきである。

これは原子力潜水艦を諦めることではない。原子力潜水艦を誤用から守るということである。

米海軍の原子力攻撃型潜水艦は、あまりにも重要であり、あらゆる水中任務の不足への万能の解決策になってはならない。各艦にしかできない任務のために温存されるべきである。そのためには、自軍の潜水艦部隊を誇りに思う十分な理由を持つ海軍に謙虚さが求められるだろう。また、手持ちのツールの中で最も優れたものを真っ先に手に取るべきものではないと認めるだけの覚悟ある戦略文化も必要となる。■

著者について:アンドルー・レイサム博士

アンドルー・レイサムは、ミネソタ州セントポールにあるマカレスター・カレッジの国際関係学および政治理論の教授である。

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