France Launches The First Of Its New Class Of Super Quiet "Barracuda" Attack Submarines フランスが超静粛攻撃型潜水艦「バラクーダ」初号艦を進水させた
The Suffren and her sisters are set to usher in a new era of French Navy submarine operations.シュフラン級はフランス海軍の潜水艦に新時代を開く
BY JOSEPH TREVITHICKJULY 13, 2019
NAVAL GROUP
フランスの造船メーカーNaval Group が新型原子力推進攻撃型潜水艦シュフラン Suffren を進水させ、6隻建造する同型の一号艦となる。フランス海軍はルビ型と交代させる。新型艦はSCALP対地攻撃巡航ミサイルを運用可能で特殊作戦用の小戦隊も搭載することでこれまでより大幅に戦力を向上去せながら各種ミッションを実施できる。
進水式はシェルブールで行われエマニュエル・マクロン大統領、海軍トップのクリストフ・プラザック大将他が参列し2019年7月12日に行われた。当時はDCNSの社名だった同社がシュフランを起工したのは2007年で、同艦は来年にも就役する予定だ。.
建造は予定より遅れ、DCNSの当初予定では2016年に海上公試、同年後半あるいは翌年早々に引き渡しだった。Naval Groupは固定価格契約を受入れ、建造費の超過分負担も合意したことで建造費を安定させた。フランス政府によれば6隻の建造費合計は102億ドルで、最新の潜水艦建造費としては大幅に低い。
「シュフラン建造は全体として成功となり、従来からの各パートナー、フランス海軍、フランス国防調達庁(DGA)との強い協力の賜物であるが、同時に原子力エナジー代替エナジー委員会(CEA)他民間企業も参画している」と Naval Groupの会長兼CEOエルヴェ・ジローがプレスリリースを発表。「シュフランの試験を造船所内で完結させ、原子炉機関室の立ち上げが数週間後に予定され、同時に姉妹艦の建造も進めていく」
バラクーダ級としても知られる同艦の開発は1998年に始まった。設計には新基軸として高性能ポンプジェット推進装置が含まれ、これにはフランス海軍のトリオンファン級ミサイル原潜で得られた知見が活用されている。
トリオンファン級は1990年代に就役したフランス海軍の第二世代原子力推進弾道ミサイル潜水艦で、同様にシュフラン以下の各艦はフランスの第一世代原子力推進攻撃型潜水艦のルビ級と交代する。ルビ級建造は1980年代前半に始まった。
ルビ級は想定よりノイズが大きくなり潜水艦として致命的な欠点となった。建造最後の2隻で艦体の大幅改良で静粛度はあがり、初期建造の4隻も改良で同様の水準に到達した。
VIA WIKIMEDIA
ルビ級の一隻カサブランカ
Naval Groupはシュフラン級はステルス艦と豪語し、「海洋が自然に発する音」より静かで「エビの出すノイズ」以下としている。あきらかに誇張だが、静かに潜航移動する性能ではバラクーダ級が現時点で最先端設計であるのはあきらかだ。
同社は通常動力の派生型をショートフィン・バラクーダとして2016年に開発し、高性能大気非依存型推進(AIP)を搭載する。オーストラリアが同型で初の採用国となり十数隻の調達を予定し、アタック級として就航させる。建造契約は数十億ドル規模でオーストラリア政府とNaval Groupの契約の進め方が問題となっており、今後正式調査の対象になる可能性もある。フランスはインドにもショートフィン・バラクーダの売り込みを狙っている。
通常動力潜水艦としては同級はサイズと性能で独特の存在だ。原子力潜水艦に匹敵する性能を実現しながら原子力推進潜水艦の運用に必要な費用や設備を不要とする点でユニークである。
ROYAL AUSTRALIAN NAVY
アタック級の想像図
フランスにとってシュフランでルビ級以上の性能が実現する意味は大きい。新型艦は大型化し潜航時の排水量は二倍近くなる。533mm魚雷発射管4門は共通だがシュフラン級では魚雷20本を搭載しながらエグゾセ対艦巡航ミサイルがルビ級より4発増える。
フランス海軍ではSCALP対地攻撃巡航ミサイルの搭載も企画しており、潜水艦作戦に新しいミッションが可能となる。同ミサイルは魚雷発射管で運用し、シュフラン級に垂直発射能力はない。
フランス海軍のアキテーヌ級フリゲート艦ラングドックが同ミサイルの水上艦運用型を米主導のシリア化学工場攻撃(2018年4月)で発射していた。フランスは空中発射型も同作戦時に発射しており、ISIS施設の攻撃に投入したほか、2011年のNAOTによるリビア介入でも発射している。
大型化したもののシュフランがルビ級より5名少ない人員で運用できるのは装備の高性能化と自動化のおかげである。さらに特殊部隊隊員12名の収容が可能だ。同艦はドライデックシェルター(DDS)を上部に搭載可能で潜水要員運搬機の搭載が可能なほか、無人水中機も将来運用可能となる。潜水要員は潜行中でもDDSへ出入り可能だ。
さらにシュフラン級のような超静粛潜水艦では情報収集機能も十分期待できる。音紋が小さいことは敵沿海水域に忍び込むのに最適だ。
Naval Groupは2025年までにあと3隻、2030年に最終2隻の納入を予定する。シュフラン級が完成すればルビ級は順次退役する。
すべてあわせるとシュフラン進水はフランス潜水艦戦力の近代化で大きな一歩で、フランスが2060年代までの供用を期待する同級はこれkららのフランス潜水艦部隊の中心となる。■
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原子力潜水艦は原子力の豊富な電力を前提として設計されているはずなので、たとえ政治的介入や混乱が無かったとしても、潜水艦の運動性能が落ちるのは当然として潜水艦の中枢であるシステムの能力も落ち、下手をすると最初から通常動力型潜水艦として設計された潜水艦よりも劣る可能性がある。
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