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B-21導入まで米爆撃機各型はこうして運用される。B-52、B-1Bを中心に動向を解説

Air Force Maps it Future Path to 100 New B-21 Bombers

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B-52に長距離核巡航ミサイルを搭載、B-2には最新の防空体制を突破させ、B-1Bは極超音速兵器を運用する....これは空軍が今後数十年にわたる運用構想が現実となった場合の話だ。
空軍の装備開発部門は各爆撃機が今後も戦力として活躍できよう懸命に企画中だ。兵装追加、エイビオニクスやネットワーク技術の導入に加え新型B-21の実戦化も課題だ。
上層部が『爆撃機不足』と呼ぶ現状への対応が企画の中心で、供用中機材の性能を最大限活用させるのがねらいだ。
「西側に爆撃機は156機しかなく、全部米国の保有機だ。長距離打撃能力の要求拡大に対応していく」とグローバル打撃軍団のティモシー・レイ大将が空軍協会主催のイベントで9月に発言。
現在B-2は20機あり、B-21は100機を導入する。
「B-21導入に向かう際の問題はどう実現するかだ。ロードマップはあるのか。今後数ヶ月、データをにらみながら可能な策を考える。保有機材の多くで今後は維持管理が課題となるので、費用対効果が最大な形で維持できるよう分析が必要だ」(レイ大将)
B-21の導入の進展が不明なままでは詳細面が決まらないが、構想では75機あるB-52は2040年代まで供用し、B-1は最低でもあと10年あるいは20年残し、B-2は大幅改修するとある。
「現時点ではB-21を100機とB-52の75機を想定する。昨年はこの構想が実施可能かをずっと検証してきた。B-1にも新装備を搭載すれば、B-52の負担が減らせる。問題は現有機材を賢く運用しながらロードマップを準備し規模拡大にそなえることだ」(レイ大将)
構想が成功するかは現有機材の近代化改修にかかっているとレイ大将は述べ、センサー、エイビオニクス、兵装、通信技術で就役後数十年経過した爆撃機を次の10年も活躍できるようにすることだという。
「B-21の機数が十分揃うまでは現有機材をうまく稼働できると信じる。外部ハードポイント追加、爆弾倉拡大が実現できるとよい」(レイ大将)
通常の整備に加え新規装備の統合に向けた努力も並行して進んでいる。空軍研究本部で空軍科学技術戦略をとりまとめるティム・サクリッチがWarriorに紹介してくれたのは空軍の科学技術部門では新技術の導入を加速化しつつ既存機材に応用する姿勢で、例として軽量複合素材、レーザーや極超音速といった新兵器、次世代ネットワーク装備等がある。
B-2とB-52で近代化改修が進んでいるのはこの構想の一部で、旧型機を全く新しい機材にする。自律化運用とAIを既存機種に折り込めば機能面で全く違う機体になり、残存性が高まり、攻撃方法にも選択肢が広がる。
「ネットワーク化兵装やシステムを有人・無人機混合運用で使う際はAIに依存することになる。運用面で違いが生まれるかを実証中だ。ネットワーク化兵装を実地運用し、戦闘状況で標的に向け発射し通信機能、最適化効果を見ているところだ」(サクリッチ)
B-1の今後
空軍はB-1に2つの方向性を想定し、機体改修案とB-21導入に伴う即時退役も考えている。
この2つは一見矛盾しているようだが、同機の威力を最大限にしつつ、B-21への機種転換の負担を軽減するねらいがある空軍関係者がWarrior Mavenに語ってくれた。B-21の就役は2020年代中頃の想定だがはっきりきまったわけではなく、B-1の完全退役は2030年代になりそうだ。またレイ大将からはB-1Bの爆弾倉で極超音速兵器を運用する実証の話題が出ている。
関係者はB-1史上で最大規模の技術改修が進行中とし、兵装運用能力の拡大とともにエイビオニクス、通信機材、エンジンを更新するという。エンジンについては当初の性能水準を維持し、標的捕捉機能、情報機能を新型にするという。
統合戦闘ステーションには乗員用画像装置、通信リンクがあり、飛行中にデータ共有できる。これと別に完全統合型標的捕捉ポッドがあり標的捕捉ポッドの制御と画像フィードをコックピットに送る。また500ポンド級兵装の搭載量を6割拡大する改装を行う。B-1の実戦デビューは1998年の砂漠の狐作戦で、JDAM数千発をイラク、アフガニスタンで投下した。高度40千フィートでマッハ1.25まで出せる同機の実用高度上限は60千フィートだ。搭載可能爆弾はJDAMの他、GBU-31、GBU-38、GBU-54がある。また小口径爆弾GBU-38も運用可能だ。
B-52は2040年まで供用 
B-52全機にデジタルデータリンク、移動式地図表示機能、次世代英日にオニクス、新型通信機をそれぞれ搭載し、さらに機内兵装搭載量の拡大と新型ハイテク兵装の導入が進んでいる。.
レイ大将はエンジン換装に向け作業が進んでおり、新型かつ燃料消費で優れたエンジンが各機に搭載されると強調。
B-52の機体構造が頑丈にできており2040年代更にその先までも飛行可能となるため空軍は最新式エイビオニクスや兵装など技術導入で十分な戦力を維持する。
またB-52の兵装搭載量も増加させるべく技術面で進展が進んでいる。
内部兵装庫改修(IWBU)により最新「Jシリーズ」爆弾を最大8発まで搭載しつつ、主翼下に6発を取り付ける。IWBUではデジタルインターフェースで回転式発射装置を運用し、ペイロードを増加させている。
B-52は以前からJDAM兵器を外部搭載してきたが、IWBUにより機体内部に最新式精密誘導方式のJDAMと共用空対地スタンドオフミサイル等を搭載可能となる。
また内部兵装庫の運用能力が拡大することで燃料効率の妨げとなる機外搭載を機内へ移し抗力が減る。
IWBU改修ではレーザー誘導JDAMの運用が最初に実現する。次に共用空対地スタンドオフミサイルJASSM運用が始まる。JASSM射程拡大型(ER)とミニチュア空中発射型囮装置(MALD)が続く。MALD-J「ジャマー」もB-52搭載されれば敵レーダー妨害に役立つはずだ。
ヴィエトナム戦争での爆撃ミッションが有名だが、近年もアフガニスタンで地上戦支援を行っており、この際はグアムから発進していた。
B-52も砂漠の嵐作戦に投入され、空軍は「B-52が敵兵力集中、固定目標、地下掩壕の広範囲に及ぶ攻撃に投入され、イラク革命防衛隊は戦意喪失した」とまとめている。

2001年の不朽の自由作戦のアフガニスタンで近接航空支援にB-52を投入している。イラクの自由作戦では2003年3月21日、B-52H編隊で約100発のCALCM(通常型空中発射巡航ミサイル)を夜間ミッションで発射している。■

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