2026年6月22日月曜日

イラン和平:ヴァンス副大統領のイスラエル批判は大切なポイントを見逃している。イスラエルの特別な立場を尊重すべきだ

 

2025年7月、ペンシルベニア州ルザーン郡での選挙集会で演説するJ・D・ヴァンス不k大統領。ヴァンスはトランプ大統領とイランとの間で結ばれた停戦合意に公然と反対したイスラエル指導部を批判した。(Shutterstock/Joey Sussman)

J.D.ヴァンスの誤解。イスラエルは通常の同盟国と異なる存在

JD Vance Is Wrong: Israel Is Not Just Another Ally


https://nationalinterest.org/feature/jd-vance-is-wrong-israel-is-not-just-another-ally


副大統領は、イランとの合意へのイスラエルの懸念を一蹴し、逆にエルサレムが盲目的に従わなかったと非難した

JD・ヴァンス副大統領のイスラエルへの見解は間違っている。

イスラエルを「他の同盟国と同じ存在」だと示唆するのは誤りだ。米国にとって中東で最も信頼できるパートナー、イスラエルへの懸念を、政治的な厄介事として扱うのも誤りだ。そして、「アメリカ・ファースト」の名の下に、イスラエルや湾岸諸国には公然と苛立ちを見せつつ、イランには外交的な寛容さを示すべきだと考えているのであれば、それも誤りである。

これは、大国が友好国を安心させるべき態度ではない。これは、米国が抑止力を維持すべき方法ではない。そして、イスラエル、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートの安全保障が危機に瀕する状況において、米国副大統領が取るべき発言の仕方ではない。

副大統領の言葉には計り知れない重みがある

筆者は、アメリカ・イスラエル双方の友人として、そして平和を信じる者としてこう述べる。米国には、終わりのない戦争を拒絶するあらゆる権利がある。アメリカ国民には、指導者たちに自制、慎重さ、規律を求めるあらゆる権利がある。しかし、自制と無関心はちがう。慎重さは、同盟国に公に叱責することではない。そして、「アメリカ・ファースト」が「同盟国は最後」を意味してはならない。

副大統領閣下、あなたは拍手数を競うポッドキャスターではありません。マイクやカメラの前で互いに張り合うコメンテーターでもありません。あなたはアメリカ合衆国の副大統領なのです。あなたの言葉は、メディアサイクルの喧騒の中に消え去るものではありません。それらは大使館、作戦室、諜報機関、王室、議会、市場、軍事司令部へ伝わっていきます。同盟国を安心させるか、あるいは不安に陥れるかのどちらかです。敵を牽制することもあれば、鼓舞することもあるのです。

米国副大統領がイスラエル、イラン、そして中東の未来について語る時、その言葉は国内の政治的な聴衆だけに向けられているわけではない。それは、安全が脅かされている人々、平和のためにリスクを冒してきた国々、そして米国のリーダーシップに信頼を寄せている同盟国に向けて語られているのだ。

危険な地域において、ワシントンからの発言は単なる意見ではない。それらは戦略的なシグナルとなる。

『エルサレム・ポスト』紙の最近の記事で、筆者は「イスラエルは米国との関係を損なわずに自国を守らなければならない」と書いた。その言葉の一つひとつは本気だ。イスラエルには、国民を守る権利と義務がある。しかし同時に、イスラエルは、長年にわたりその国家安全保障の中核を成してきた米国の政治的、道義的、戦略的、そして感情的な支援も守らなければならないのだ。米国との絆は、単なる形式的な同盟ではない。それは生きた資産である。それは尊重され、維持され、強化されなければならない。

米国とイスラエルは切っても切れない同盟国

筆者はその真実のもう半分を述べたい。米国は、同盟国の信頼を失うことなく主導権を握らなければならないのだ。

イスラエルは、一時的なパートナーでも、戦術的な便宜でも、官僚の机の上の書類でもない。米国とイスラエルの関係は、戦略的、民主的、文化的、道徳的、科学的、軍事的、歴史的なものである。イスラエルは米国の物語に織り込まれており、同様に米国もまたイスラエルの物語に織り込まれている。

アメリカのユダヤ人コミュニティは、アメリカの文化的・市民的偉大さの一部である。イスラエルは、何世代にもわたり、民主主義が稀で、危険が常態化し、誤算の代償が存亡に関わる可能性のある地域において、民主主義の同盟国として立ち続けてきた。イスラエルを単に「他の同盟国と同じような存在」と表現すれば、特定の政治的聴衆が喜ぶかもしれないが、この関係を特徴づける歴史の深み、犠牲、情報協力、共有された価値観、戦略的相互依存を反映していない。

イランの勢力拡大による影響に直面しているのは、イスラエルだけではない。イランとの最前線に立つ国々は、ワシントンの国内政治劇の観客などではない。イスラエル、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートは、イランを抽象的な存在として捉えているわけではない。各国は、ミサイル、ドローン、代理戦争ネットワーク、防空警報、海上航路への脅威、さらに「不安定化」を国家運営の手法としてきた体制による恒常的な圧力を通じて、イランの実態を肌で感じているのだ。

これら各国には、声を聞いてもらう権利がある。疑問を投げかける権利がある。自分たちの頭越しに交渉された合意の結果を甘受するよう求められる前に、明確な説明を求める権利がある。

「エイブラハム合意」は単なる広報イベントではなかった。それは戦略的な勇気の表れだった。各国が平和、近代化、共存、開放を選んだのは、米国のリーダーシップが新たな地域秩序の構築に寄与すると信じていたからだ。関係各国はトランプ大統領のビジョンと、平和が不確実性や見捨てられたものではなく、安全保障と繁栄をもたらすという約束を信頼したのだ。

その平和の枠組みは、式典だけでは維持できない。もし米国が、地域のパートナー諸国に、過激主義より穏健な道、拒絶より関係正常化、イデオロギー的な暗黒より近代化を選択してほしいと望むのであれば、ワシントンは、そうした選択が尊重、協議、保護の形で報われることを示すべきである。危険が迫った際、米国が敵よりも友に厳しい口調で接すると信じる国が、平和のためにリスクを冒すことは決してないだろう。

不信を抱くべきはイスラエルではなくイランだ

副大統領閣下、無視できない矛盾がここにある。

貴殿は誰も信用しないと述べている。結構なことだ。外交における慎重さは弱さではない。しかし、中東におけるアメリカの最も信頼できる同盟国イスラエルに対して、なぜ貴殿の懐疑的な姿勢がイラン政権に対するよりも鋭く表れているのか?アメリカの国益のために共に戦ってきた民主主義同盟国が疑いの目で公然と見られる一方で、代理勢力を武装させ、ミサイルを輸出し、湾岸地域の安全を脅かし、イスラエルの破壊を呼びかける独裁政権に時間とプロセス、曖昧さ、外交的な忍耐が与えられるのはなぜか?

最前線の同盟国に対し、「君たちの判断は重要ではない」と告げておきながら、「プロセス」を信頼するよう求めることはできない。

イスラエルが存亡の危機にさらされている状況で、「落ち着け」と言うことはできない。アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェートに対し、イランの力が外交の場で交渉されるだけでなく、ドローン、民兵組織、ミサイル、破壊工作、威嚇を通じて投影されていることを各国が知っている以上、「沈黙を守れ」などと言えない。そして、同盟国の人々の安全保障を、米国内の選挙で選ばれた少数派の感情の機微に左右されるものにしてはならない。

アメリカ国民が戦争に疲れるのは当然の権利だ。アメリカの指導者に対し、まずアメリカの国益を守るよう要求するのも当然の権利だ。しかし、真摯なアメリカ人は次のことも理解しなければならない。アメリカの同盟関係は慈善活動ではない。アメリカの力の手段である。

イスラエルの安全保障は、アメリカの抑止力の強化につながる。湾岸地域の安定は、世界のエナジー市場とアメリカの戦略的リーチを守る。「エイブラハム合意」で切り開かれた平和は、中東における近代化と共存に向けた最も有望な道の一つであり続ける。その道への信頼を弱めることは、米国をより強くすることにはならない。イランをさらに大胆にし、同盟国をより不安にさせ、地域をより危険なものにするだけだ。

副大統領殿、貴殿はイスラエル指導者に同意しないかもしれない。大統領の外交的選択を擁護するかもしれない。米国が中東の新たな戦争に巻き込まれることはないと主張するかもしれない。それらはすべて正当な立場である。

しかし、公の場で同盟国を辱めないでほしい。イスラエルの懸念を政治的な厄介事として扱うべきではない。「エイブラハム合意」を過去の成果に貶めてはならない。最前線に立つ国々に対し、あたかも各国がワシントンの国内論争の傍観者であるかのように話してはならない。

米国が最も偉大であるのは、恨みではなく自信をもって、見せかけではなく明快さをもって、友への忠誠と敵への断固たる姿勢をもって指導する時である。

米国の同盟国は観客ではなく、米国副大統領職はポッドキャストではないのだ。■

著者について:アーメド・チャライ

アーメド・チャライは『The Jerusalem Strategic Tribune』の発行者であり、アトランティック・カウンシル、国際危機グループ、戦略国際問題研究所(CSIS)、外交政策研究所(FPRI)、ナショナル・インタレスト・センターの各理事も務めている。

英国がおかしい―財務力が縮小し、英軍は作戦実施もおぼつかなくなる―GCAPの先行きが怪しくなる―強い防衛力の基盤は強い経済力―移民・多文化共生を良しとした思考の結果は日本にとって教訓

 

英財務危機:追加資金がなければ作戦規模を縮小せざるを得ないと英軍最高司令官が警告

Trouble in Whitehall: UK Armed Forces Chief Warns of Operational Cutbacks Without Additional Funding

https://theaviationist.com/2026/06/18/trouble-in-whitehall-uk-defence-budget/

UK Defence Spending英国政府の中枢であるロンドンの官庁街ホワイトホール。左下にある、4つの緑の屋根とそれらを繋ぐガラス張りの天井を持つ建物が国防省の本庁で、画面中央には木々に囲まれた庭園のある首相官邸10ダウニング街が写っている。(画像提供:Crown Copyright 2020)

国防省の政治指導部で注目を集める辞任が相次いだ数日後、英国軍の最高指揮官リッチ・ナイトン卿は、追加資金が確保されないと、英国は軍事演習と最前線での作戦活動の両方を「縮小」せざるを得ないと述べた

2025年9月から国防参謀総長を務めている英空軍のエア・チーフ・マーシャルは、2026年6月16日、上院国際関係・防衛委員会に対し、「利用可能な資源予算のレベルが増加しない場合、英国は活動、すなわち演習や作戦活動を縮小せざるを得なくなる」と述べた。

「20年前を振り返ると、運営費と装備整備の割合は約80対20でした。現在は約60対40――60%が活動費と運営費、40%が調達整備です。現在の見通しでは、2030年までにこの割合は50対50になるでしょう。」

ここでナイトン卿が言及しているのは、国防省(MoD)のRDEL(部門別資源支出上限)予算と呼ばれるもので、これは軍の運営にかかる日常経費を賄うものである。新装備の開発や調達をカバーする国防省の資本支出予算の増額は、RDEL予算の増額をはるかに上回っている。

この不均衡は、現在進行中のいくつかの大規模かつ費用のかかる調達プログラムに部分的に起因している。その例を挙げれば、弾道ミサイル潜水艦のドレッドノート級、第6世代戦闘機であるグローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)タイプ26フリゲート、そして問題を抱えるえいエイジャックス装甲車プログラムなどが挙げられる。これら高額なプログラムにより、RDEL以外の予算への多額の資金注入が必要とされてきた。

一方で、RDELの費用自体も大幅な増加に直面している。燃料費が劇的に高騰する中、国防省は冷戦以来例を見ない広範な任務を課せられている。アフガニスタン撤退後に構想されていた欧州および北大西洋への軸足戻しは、中東における継続的な混乱で破綻した。この混乱により、国益を守り、地域のパートナーを支援するために追加の英国軍部隊の展開が必要となっている。

閣僚の辞任

ナイトン卿の発言の背景として避けられないのが、ジョン・ヒーリー国防相の辞任により、国防省自体が予期せぬ急速な変化を余儀なくされたことだ。ヒーリーは、2020年4月から野党時代には同職の影の閣僚を務め、2024年に現政権が発足して以来、国防相の職に就いていた。

ヒーリーと共に辞任したのは、元国防次官アル・カーンズである。同氏は2024年に国会議員に当選するまで、王立海兵隊に所属し、大佐の階級まで昇進していた。公式には確認されていないものの、カーンズが精鋭部隊である特殊舟艇部隊(SBS)の上級将校を務め、過去25年間に英国が関与したすべての主要な紛争で実戦経験を持っていたことは、英国政界で公然の秘密となっている。

アル・カーンズ(中央左)が、ARRC司令官のマイク・エルヴィス中将(中央右)と談笑している様子。(画像提供:Crown Copyright 2026)

ヒーリーの衝撃的な辞任は、本人が忠実に擁護してきた政府の核心を直撃するものであり、「脅威が高まるこの時期に、国を守るために国民が必要とする資源を投入しなかった」と政府・首相を非難した。内部関係者によると、彼の辞任は内閣全体に衝撃を与え、依然として続く党首交代要求の脅威の中で、キア・スターマー首相の立場をさらに悪化させるものとなった。

主な批判の一つは、昨年の戦略防衛見直しに続くと約束されていた、いまだ公表されていない「防衛投資計画(DIP)」をめぐるものだ。主要な調達決定はDIPが最終決定されるまで延期されており、多額の防衛契約の受注を待つ企業に多大な負担を強いている。注目すべき事例の一つとして、完全英国製のモジュール式ジェット練習機の生産を目指していた企業エアラリス(Aeralis)が、破産管財手続きに入ったことが挙げられる。

カーンズは、国防大臣在任中さえも、辞任2週間前までDIPの議論に加わっていなかったと主張し、事態に拍車をかけた。彼はその後、この計画を「本来の目的に適さない」と断じている。

ガーディアンの取材に対し、カーンズは、省内に存在する過剰な浪費と官僚主義を痛烈に批判した。「信じられない話だ。石をひっくり返すたびに新たな衝撃を受ける――どうしてこんなことが許されてきたのか? さらに別の石をひっくり返せば、そこには官僚主義の層が重なり合っており、そのコストは今や、実際に得られる製品の価格を上回っている。我々が引き継いで、剥がし取ろうとしているこのシステムの非効率性のレベルは、言葉では言い表せない。しかし、実際にそれを解消するのは極めて困難だ。」

新国防大臣に就任したのはダン・ジャービスで、内務省で安全保障担当国務大臣を務めていた。ジャービスはカーンズと同様、勲章を受章した軍人出身である。英国陸軍に所属し、少佐まで昇進した14年間の軍務を経て2011年に退役した。

新国防相、ダン・ジャービス MBE 議員。(画像提供:Crown Copyright 2026)

特に注目すべきは、ジャービスがコソボでマイク・ジャクソン卿の参謀を務めていた際、ジャクソンが欧州連合軍最高司令官(SACEUR)のウェズリー・クラーク大将(米陸軍)から、当時ロシア軍の支配下にあったプリシュティナ国際空港を制圧する計画を継続するよう命じられたものの、これを拒否した出来事である。

板挟みの状況にある新国防相は、DIP(国防投資計画)の再評価を行っているとされ、同計画は(少なくとも)7月まで延期されたと報じられている。ヒーリーとカーンズ両名の離任は、内閣内の意見を支出増額支持へ傾ける可能性があったと考えられており、これによりジャービスの道のりはよりスムーズになるかもしれない。同様の障害に直面した場合、またもや国防相を失うことへの懸念も、スターマー首相やレイチェル・リーブス大蔵相が率いる大蔵省に決断を迫ることになるだろう。■

執筆:カイ・グリート

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カイは、英国コーンウォールを拠点とする航空愛好家であり、フリーランスの写真家兼ライターである。ファルマス大学で報道・編集写真学の学士号(優等)を取得。その写真作品は、国内外で認知された数多くの組織やニュース媒体で取り上げられており、2022年にはコーンウォールの歴史に焦点を当てた書籍を自費出版した。航空のあらゆる側面に加え、軍事作戦・歴史、国際関係、政治、諜報、宇宙分野にも情熱を注いでいる。




これでは勝てない―F-47単価3億ドル、超高性能だがごく少数の装備しか生産しない防衛産業に慣れきった米国はイラン戦争の消耗戦・低価格装備の群れから本気で教訓を学ばねばならない

NGAD Fighter

NGAD戦闘機のモックアップ。画像提供:クリエイティブ・コモンズ。

F-47は1機3億ドル、B-21は7億ドル以上――戦争を勝ち取るのは精巧な装備より数と弾薬量だとイラン戦争が示している

The F-47 Will Cost $300 Million Each and the B-21 Over $700 Million — but the Iran War Showed Mass and Munitions Win Wars, Not Exquisite Planes


米国はF-47やB-21レイダーといった精巧な少数の機体に数十億ドルを注ぎ込んでいる。しかし、イラン戦争とウクライナ戦争が教訓を明らかにしている。プラットフォームが戦争の勝敗を決定づける要因にならなくなった。重要なのはネットワーク――ドローン、弾薬、産業基盤――で、まさにその点で米国は遅れをとっている

https://www.19fortyfive.com/2026/06/the-f-47-will-cost-300-million-each-and-the-b-21-over-700-million-but-the-iran-war-showed-mass-and-munitions-win-wars-not-exquisite-planes/



ラン戦争が証明した:F-47とB-21レイダーでは米国の空軍力を救えない – 1世紀以上にわたり、軍事力はプラットフォームによって測られてきた。戦艦が海上の覇権を決定し、戦車が陸上戦を支配し、空母が海を越えて戦力を投射した。各国の空軍は、個々のシステムにおける技術的優位性が戦争の勝敗を決定すると信じ、より高度な戦闘機や爆撃機の開発を競い合ってきた。

その時代は終わった。

イラン戦争とウクライナ戦争双方から得られる大きな教訓は、戦闘機が時代遅れになったとか、爆撃機が役目を終えたということではない。また、ドローンが有人機を完全に置き換えたということでもない。むしろ、これらの紛争ははるかに重要な事実を明らかにしている。個々のプラットフォームはもはや戦争の中心に位置していないということだ。

今、重要なのはネットワークだ。

ドローン、ミサイル、有人機、電子戦(EW)、サイバー能力、センサー、そして産業生産を首尾一貫した全体として最も効果的に統合できる軍が勝利する。長期にわたる消耗戦を通じネットワークを維持できる側が勝つ。 損失を補充できず、弾薬を大量製造できず、システムを十分に迅速に適応させられない側は、個々のプラットフォームがどれほど先進的であっても敗北する。

イランはこの現実を理解していた。中国もまた、理解しつつある。しかし、米国は依然として旧来の思考様式に囚われたままであり、現代の戦争に実際に必要とされる産業・技術のエコシステムを軽視し、ごく少数の「極上の」航空機に巨額資金を注ぎ込んでいる。

B-21やF-47のような「極上の」システムに対する米国の信頼

F-22 ラプターF-35 ライトニング IIB-2 スピリット長距離ステルス爆撃機と後継機であるB-21レイダー。大々的に宣伝されているF-47、第6世代の次世代制空権確保(NGAD)戦闘機。これらは、ワシントンが「超大国」の「超」を体現するものだと信じているシステムである。高価な「高高度終末段階防衛(THAAD)」発射装置や、それ以上に高価なシステムなど、洗練された防空システムに対するワシントンの執着についても同様だ。そして、米国が戦争遂行のために依存するようになった高価なシステムは、それだけではない。

ビジネスと産業の課題:F-47とB-21の問題点

しかし、非対称かつ産業規模の消耗戦が繰り広げられる時代において、次世代の高価なシステムを少数保有するだけでは、イランや中国といったライバルが戦闘において米軍に仕掛けてくる攻撃を阻止するには不十分だ。大量生産され、手頃な価格で、使い捨て可能かつ交換可能な兵器システムこそが、こうした戦争を戦う手段となる。

米空軍が開発中のシステムは、F-47とB-21レイダーの2つである。一方、F-47のコストは一機3億ドルと見込まれており、米空軍は今後20年間で200機から300機の導入を計画している。さらに、F-47がイランのような敵対勢力に前回のテヘランとの激戦においてF-35の機群が達成した以上の、望ましい戦略的効果をもたらすという証拠はほとんどない。

B-21レイダーは、工学的な観点からは優れた機体ではあるものの、依然として問題を抱えている。B-2スピリット長距離ステルス爆撃機の後継機として1機あたりのコストは7億~7億3000万ドルと見込まれている。空軍は少なくとも100機の導入を希望している。実際に国防総省は真に作戦実行可能とするためには300機近くが必要であると評価している。

真のボトルネックは産業生産能力だ

国防総省の計画担当者は、視程外(BVR)で戦闘を行い、敵の防空網をステルスで突破する能力が不可欠であるため、こうした精巧なプラットフォームが必要だと想定している。

だがこれらの評価はいずれも誤りである。最近のイラン戦争を例に考えてみよう。確かに、ウクライナ戦争と同様に、BVR戦が空戦の大部分を占めた。しかし、BVR戦を成功させるためには、精密誘導型スタンドオフ弾薬が大量に必要となる。

問題は、米国がステルス機や爆撃機が足りないので、将来の戦争では高価かつ複雑な新システムを必要としているという点にあるのではない。真の問題は、F-47やB-21レイダーが想定する戦争に必要な遠距離攻撃兵器を、米国の防衛産業基盤が完全に量産できていないことにある。

にもかかわらず、米国の老朽化した防衛産業基盤を真に強化するためのプログラムよりも、こうした空想的な戦闘機や爆撃機のプロジェクトにはるかに多くの資金が投入されているのが現状だ。

米国の計画には、新しい戦争のあり方におけるもう一つの要素が完全に欠けている。ドローンだ。無人システムは、これらすべての現代の戦場における決定的な特徴である。米国には、次々と投入されるドローンが必要であるだけでなく、有人機が「忠実なるウィングマン」ドローン編隊を展開・管理する能力も求められている。

確かに、F-47やB-21は有人・無人連携(MUMT)のために開発されている。しかし、米国はすでにF-22やF-35といった先進的な戦闘機を保有している。2つの新たな無駄遣いプロジェクトの代わりに、すでに持っているものを強化すべきだ!

間違った戦争用の間違った軍隊

イランはミサイルとドローンの群れで米国を打ち負かした。米国は、100日余りの戦闘で主要兵器システムの重要な備蓄を使い果たし、その枯渇も一因となって停戦を要請せざるを得なくなった。

B-21やF-47など必要ない。必要なのはドローン、ミサイル、極超音速兵器、そして低コストの防空システムだ。

しかし、国防総省は新型プラットフォームへの執着を断ち切れないようだ。そして、米国の防衛関連企業は、納税者の血税から法外な利益を得られる限り、国防総省や議会に「奇跡の兵器」という幻想を売りつけている。

しかし現実世界では、イランのような中規模大国が米国を翻弄している。なぜなら、米軍は間違った世紀で間違った戦争を戦う想定をしているからだ。■

著者について:ブランドン・J・ワイチャート

ブランドン・J・ワイチャートは、19FortyFive.comの国家安全保障担当シニアエディターである。また、Substack上の『The Weichert Brief』の運営も担当している。ワイチャートは、Rumbleで『National Security Talk』のホストも務めている。著書には4冊のベストセラー国家安全保障関連書籍があり、最新作は『A Disaster of Our Own Making: How the West Lost Ukraine』(エンカウンター・ブックス)である。Twitter/Xで@WeTheBrandonをフォローしよう。


GMがミサイル生産に参入か。米国の防衛産業の生産強化への努力は本物だ。では日本は?TOYOTAが防衛産業日本各参入する日が来る??

 

ミシガン州デトロイトにあるジェネラル・モーターズ(GM)本社。GMは2003年に防衛事業を分社化したが、その後、同事業を再編した。(Shutterstock/Jonathan Weiss)

ジェネラル・モーターズがミサイル事業に参入?

Is General Motors Entering the Missile Business?

https://nationalinterest.org/blog/buzz/general-motors-entering-missile-business-ps-062026

ジェネラル・モーターズはミサイル部品の製造でロッキード・マーティンと提携するようだ

国最大の自動車メーカーと世界最大の防衛請負業者が提携交渉を行っている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』によると、ジェネラル・モーターズは、ロッキード・マーティンが「兵器生産を強化する」のに役立つ「汎用部品」の供給業者になる可能性が出てきた。

それぞれの業界を代表する両企業の間では、まだ合意には至っておらず、「提携の枠組み」は今後変更される可能性もある。とはいえ、ジェネラル・モーターズの軍事部門GMディフェンスとロッキード・マーティンの提携の目的は、主に先進的なミサイルを中心とした兵器システムの生産量を3倍、あるいは4倍に増やすことにあるとみられる。

GMディフェンスの本社はワシントンD.C.にあり、ロッキード・マーティンの本社は近隣のメリーランド州ベセスダにある。

GMとロッキード・マーティンの提携でミサイル生産が増加する可能性

ロシアのミサイルやドローンからウクライナを守る武器をワシントンが供給した結果、米国の防空兵器の備蓄は大幅に減少している。イランでの紛争により、これらの備蓄はさらに減少しており、ロッキード・マーティンをはじめとする防衛企業は、兵器の補充に数年、あるいはそれ以上の時間がかかる可能性があると警告している。

ロッキード・マーティンは米国の主要同盟国やパートナー国に対し、ペイトリオットPAC-3迎撃ミサイルの納期を保証できないと警告した。この警告は、同社がすでにPAC-3ミサイルの年間生産量を、2025年の年間約650基から2030年までに年間2,000基へと増産するために巨額の投資を行うと発表していたにもかかわらず出されたものである。

4月、米国政府はロッキード・マーティンに、米軍の備蓄を補充するPAC-3の生産・納入契約として47億6000万ドルの契約を交付した。しかし、ミサイルの製造に2年以上かかる可能性があるという点が、主要な問題となったままだ。

同じく4月、トランプ政権は「アーセナル・オブ・フリーダム」プログラムを開始し、米国の防衛産業基盤の積極的な再構築を呼びかけた。この取り組みの目的は、単にミサイルの生産量を増やすことだけでなく、米軍の再武装を可能にするサプライヤーや請負業者のネットワークを構築することにある。ピート・ヘグセス国防長官が主導するこの取り組みでは、官僚的な手続きを排除して、迅速なイノベーションと製造を促進することを目指している。

およそ1世紀にわたり米国の産業力の屋台骨を支え、第二次世界大戦中に戦車や航空機を用いてナチス・ドイツを打ち負かす一助となった米国の自動車産業は、「「アーセナル・オブ・フリーダム」プロジェクトで中心となることはほぼ確実だった。ジェネラル・モーターズ(GM)は、自動車に関連する広大なサプライチェーン網を統括しており、米国の防衛ニーズにも理にかなった存在である。

ジェネラル・モーターズは以前から防衛分野に注力していた

20年以上前の2003年、歴史的にGMと無関係だったジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズが、デトロイトの自動車メーカーであるGMの「GMディフェンス」事業を11億ドルで買収し、これにより自動車製造大手の同社による防衛事業は事実上終焉を迎えた。

2017年、ジェネラル・モーターズは軍事分野に再参入し、「GMディフェンス」部門を再発足させた。過去9年間、GMディフェンスとジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズは積極的に提携し、米陸軍の「オプション有人戦闘車両(OMFV)」を含む主要な防衛プロジェクトで協力してきた。

同社で最新の事業部門でありながら、最も急成長している事業部門でもあるGMディフェンスが、再び米軍向け車両を製造する可能性があると推測されてきた。今や、同社は航空宇宙・防衛企業ロッキード・マーティンを支援し、同社向けに重要部品を製造することも可能になった。

「この瞬間が特に重要である理由は、国が必要としているのが優れた技術だけではないからだ。製造能力、規模拡大能力、そして確実な納入能力も必要とされている」と、GMディフェンスはCNBCの記者との電話会見で述べた。「これこそがGMが貢献できる点だ。当社全体として、先進的なエンジニアリング、デジタル開発、サプライチェーン管理、そして大規模製造における豊富な経験を持っている。」

ロッキード・マーティンは、GMディフェンスが具体的にどのようなプロジェクトに関与する可能性があるかについて明らかにしていないが、同社幹部は、これが成長につながる可能性があると述べた。

「我々は共に、重要な3分野にわたる機会を模索していく。生産体制の整備と拡張可能な製造環境の構築、サプライチェーンの強化とレジリエンス(回復力)を高める方法の特定、そして効率の向上と納期短縮に寄与する先進的な製造・設計手法の適用だ」と、ロッキード・マーティンの最高執行責任者(COO)フランク・セント・ジョンは説明した。

セント・ジョンは記者団に対し、同社はすでに20カ所の施設や供給拠点に90億ドル以上を投資しており、こうした取り組みは2030年まで継続されると語った。同様に、GMも研究開発に最大70億ドルを投資している。

「製造業に深いルーツを持つ2社が手を組み、防衛産業基盤のスピード、規模、レジリエンスの拡大に貢献することで、米国はより強くなる」。「だからこそ、ロッキード・マーティンとGMは今回の提携を発表するのだ」■

著者について:ピーター・スシウ

ピーター・スシウ 寄稿し、ジャーナリズムのキャリア30年以上にわたり、数十の新聞、雑誌、ウェブサイトに記事を寄せてきた。彼は定期的に軍事装備、銃器の歴史、サイバーセキュリティ、政治、国際情勢について執筆している。ピーターはまた、 寄稿ライターとして『フォーブス』および 『クリアランス・ジョブズ』にも執筆している。ミシガン州を拠点としている。Twitterでは @PeterSuciuをフォローできる。


岐阜基地に現れた謎の戦闘機の正体は?

 

写真提供:@intpt93

謎の戦闘機が日本の試験基地で確認されたが正体は?

Mystery shrouded fighter jet spotted at Japan’s top test base

https://defence-blog.com/mystery-shrouded-fighter-jet-spotted-at-japans-top-test-base/

要点

  • 2026年6月18日、日本の航空オブザーバー@intpt93氏により、岐阜航空基地で、全体が白い布で覆われた双尾翼の航空機が撮影された。

  • @Mumbo_Ghost氏による別の投稿は、F-3、SOJ、AWACSの試験用に、旧式の無響室に代わり新たな電子戦評価施設が岐阜に建設されたことを説明していた。

2026年6月18日、日本の岐阜空軍基地で、白い布で完全に覆われた謎の軍用機が確認され、防衛関連のソーシャルメディアでは、この覆われた機体が何であるか、またなぜ稼働中の飛行ラインという人目につく場所で隠されていたのかについて、即座に憶測が飛び交った。

この目撃情報は、日本の航空オブザーバーアカウント@intpt93によってXに最初に投稿され、投稿から数時間で220万回の閲覧数を記録した。この反響の大きさは、日本有数の重要な飛行試験・評価施設である岐阜基地で、視覚的に異様なものが目撃されることがいかに稀かを物語っている。同アカウントの反応は即興的なものだった。「え、え、今日一番の衝撃だ」というものだった。写真には、基地内の格納庫外のランプエリアに駐機している、機体全体が白いシートか布で覆われた、双尾翼の航空機と思われるものが写っている。この覆いのため、マーキング、センサーの開口部、吸気口の形状、表面の特徴など、入手可能な画像から確実に機体を特定できるはずの外部の詳細がすべて隠されている。

岐阜航空基地は、航空自衛隊の航空開発試験航空団の主要拠点で、同航空団は、航空自衛隊に配備される前に新型航空機、システム、装備の評価を行う。同基地には、改造された試験機、システムのプロトタイプ、特定の性能評価を受けている量産機など、常に多種多様な機体が駐機しており、そのため、珍しい機体の目撃が自然に行われる場所であると同時に、機密性の高いプログラムに関する作戦上の機密保持が厳重に行われている場所でもある。同基地の任務を考慮すれば、駐機場に覆いをかけられた航空機が存在すること自体は驚くべきことではないが、この特定の機体に施された覆いの規模と徹底ぶり、そして一見してツインテール構造であることが、日本の防衛航空開発を追跡する観測者たちの注目を集めている。

布製の覆い越しにうかがえるツインテールのシルエットは、画像から読み取れる中で分析上最も重要な詳細である。この謎の航空機を付近の航空機と比較した多くの投稿がサイズ比較の参考となり、カメラにより近い位置に駐機しているF-2と比較して、覆われた機体の大きさはF-15と同等に見え、小型の練習機や軽戦闘機ではなく、日本の主力制空戦闘機と同等のサイズクラスの機体であることを示唆している。航空自衛隊は、マクドネル・ダグラスF-15イーグルのライセンス生産型であるF-15JおよびF-15DJを主力迎撃機として運用しており、岐阜ではエイビオニクスのアップグレードやシステム統合作業を含むF-15の試験活動が定期的に行われている。レーダー反射断面積の評価や電子戦システムの試験を受けているF-15の派生型であれば、画像に見られるような包括的な外部被覆が施されているのも納得できるが、これはあくまで推測に過ぎない。

OSINTアカウント@Mumbo_Ghostが共有してくれた、岐阜基地に新設された電子戦評価施設に関する別の情報は、なぜこの特定のタイミングで同基地の駐機場において航空機が覆い隠されているのかを解釈する上で、関連する背景情報を提供している。その投稿によると、同基地では新しい電子戦評価施設が建設中、あるいは最近完成したばかりである。これは、電磁波を吸収し、外部からの無線周波数干渉が試験測定値に影響を与えるのを防ぐよう特別に内装された既存の無響室に代わるもので、無響室は現在の要件に対して手狭になり、時代遅れとなっていた。報道によると、この新施設は、戦闘機、SOJという略称で呼ばれるスタンドオフ・ジャミング・システム、およびAWACS型の空中早期警戒管制機(AWACS)の試験に対応しており、現代の空軍が遂行する必要のある電子戦およびレーダー評価任務の全範囲を網羅する包括的な能力を備えている。

上述の無響室は、航空機のレーダー断面積(敵のレーダーシステムに捕捉された際に特定の航空機がどの程度のレーダー反射波を発生させるかを示す専門用語)を測定するため、また外部干渉のない制御された電磁環境下で搭載電子戦装備の性能を評価するために使用される標準的な施設である。岐阜基地で覆いをかけられた航空機がレーダー断面積の評価を受けている、あるいはその準備中であるならば、その外部カバーには明確な目的がある。それは、衛星画像解析担当者や基地周辺でカメラを構える者を含む観察者が、評価対象となっている可能性があり、かつ航空自衛隊やそのプログラムパートナーが未公表の低可視性機能、構造上の改造、あるいはセンサーの設置といった詳細な構成を目撃できないようにすることである。

日本は現在、戦後史上最も重要な軍用航空機開発の時期の一つを迎えている。国産次世代戦闘機「F-X」計画(現在は正式に「F-3」と指定)は、「グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)」の枠組みの下、三菱重工業が英国のBAEシステムズおよびイタリアのレオナルドと協力して、活発に開発を進めている。F-3の試作機が飛行するのはまだ数年先と見込まれているが、関連する技術実証機、レーダーシステム、電子戦用コンポーネントは活発に開発・試験が進められており、岐阜はそうした評価作業を行う上で理にかなった場所である。覆いをかぶせられた航空機が、F-3関連の技術実証機なのか、電子戦システムの統合作業中の改造型F-15Jなのか、あるいは全く別のものなのかは、入手可能な画像からは判断できない。

画像が裏付けているのは、日本の防衛近代化が近年のいかなる時期よりも急速に進んでいるこの時期に、電子戦評価インフラを刷新したばかりの岐阜基地で、日本空軍がカメラに晒したくない何かを積極的に試験しているということだ。6月の午後、再生回数220万回を記録したその白い覆いは、まさに設置された本来の目的を果たしている。つまり、観察者に対して「何か重要なことが起きている」と伝えつつ、それが実際に何であるかについては一切明かさないという役割だ。■