2年半にわたる悪質な戦闘の末、ウクライナ軍が人手不足に直面している。驚くにはあたらない。戦争とは漸進的な進歩の繰り返しであり、そもそも人口わずか4000万人の国家が30カ月以上も維持するのは難しいだろう。
人手不足は士気を低下させ、もちろん戦闘能力にも支障をきたしている。CNNは「援軍はほとんどなく、疲労困憊して士気を失っている兵士もいる」と報じている。
ポクロフスク近郊の歩兵部隊や、ウクライナがロシアの忍び寄る前進を止めるのに苦労している東部前線では、状況は特に悲惨だ。
不足をさらに深刻にしているのが、脱走と反抗の増加だ。
あるウクライナ軍将校は、匿名を条件にCNNの取材に応じ、「動員された兵士全員が離脱しているわけではないが、大半は離脱している。 新兵がここに来ると、それがいかに困難なことかわかる。敵の無人偵察機や大砲、迫撃砲をたくさん目にする。彼らは一度陣地に着くと、生き延びたとしても二度と戻ってこない。彼らは陣地を離れるか、戦場に行くことを拒否するか、軍を去る方法を見つけようとする」。
問題は軍隊だけにとどまらず、社会全体に広がっている。ウクライナ政府はこれに対し、大多数の軍人の出国を一切制限している。
「その結果、不法に国境を越えようとする数が急増している」とABCは報じた。「密入国者に助けられ、偽造書類を買って国境を通過しようとする者もいる。徒歩でティッサ川を渡り、ルーマニアとEUに入国しようとする者もいる。しかし、川は危険で、戦争が始まって以来、泳いで川を渡ろうとして20人以上の男性が亡くなっている。
軍人の出国を禁止することは、ウクライナを民主主義の砦として持ち上げてきたアメリカ人に疑問を投げかけることになる。
国境をフェンスで囲って人々を閉じ込め、強制的に徴兵することは、民主主義的な行動ではない。
アメリカ人といえば、ウクライナの現在の苦境-2年以上にわたる消耗戦の末の人手不足-は、アメリカやNATOの現地支援が得られないことへの不満を悪化させるかもしれない。ウクライナは、西側の支援というなだめるような確信がなければ、ロシアの侵略に直面して、これほど大胆な行動をとっただろうか。 おそらくそうではないだろう。 ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は欧米の指導者たちからの保証を得て行動し、それがゼレンスキー大統領の考えに影響を与えたのだろう。
ゼレンスキーがロシアとの和平を訴えることができたとは言わない。おそらくロシアのプーチン大統領は、何があっても侵攻するつもりだったのだろうが、それは定かではない。
そして、戦争に至るまでのウクライナの行動は、彼らが西側の支援を受けていると信じて行動していたことを示唆している。
ウクライナは人手不足を補うため、非人道的な手段に訴えている。
「ここ数カ月、ウクライナ政府はようやく人手不足に対処するための措置を講じた」とABCは報じた。「晩春、徴兵年齢を引き下げる法律が可決され、徴兵規則が強化された。徴兵担当官は現在、街頭をパトロールして兵役年齢の男性を探し、身分証明書をチェックし、徴兵対象者を連行することもある」。 ■
著者について ハリソン・キャス ハリソン・キャスは国防・国家安全保障のライターで、世界情勢に関わる問題についての総論文数は1,000を超える。 弁護士、パイロット、ギタリスト、マイナー・プロ・ホッケー選手であるハリソンは、パイロット訓練生として米空軍に入隊したが、健康上の理由で除隊。 レイクフォレスト・カレッジで学士号、オレゴン大学で法学博士号、ニューヨーク大学で修士号を取得。 愛聴盤はドッケン。 Image Credit: Creative Commons and/or Shutterstock.
Is Ukraine Running Out of Soldiers to Fight Russia?
October 24, 2024 Topic: Security Region: Europe Blog Brand: The Buzz Tags: SecurityRussia-Ukraine WarUkraineRussiaWarMilitaryDefense
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