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紛争が拡大する中で社員も予備役動員される圧力に対応するイスラエル防衛産業は収益を拡大し、海外からの受注も好調だ(Aviation Weeek)

 

Sky Sting Credit: Rafael



スラエルが昨年10月7日に動員した30万人以上の軍予備役のうち、約2000人がイスラエル航空宇宙産業(IAI)出身だった。世界の武器市場がピークを迎え、イスラエル国防軍からの需要が急増すると予想されるなか、国営のIAIは従業員の13%を一挙に失った格好だ。

 突然の人員削減とイスラエル国防軍の差し迫ったニーズという、昨年の開戦以来イスラエルの航空宇宙・防衛産業各社が直面している2つの問題は、業務を麻痺させかねないものだった。IAIの渉外担当副社長であるシェイ・ガルは9月18日、記者団に「国営企業ラファエルは、10月7日以降、従業員の訓練を急ピッチで進め、24時間体制の生産シフトを開始し、サプライヤーと協力することで、同様の労働力格差に対処した」と語った。 

 予備役招集への対処は、イスラエルの防衛部門にとって独特の負担である。イスラエルの軍事戦略は比較的小規模な常備軍に依存しており、非常時には大量の予備役で補う。イスラエルの防衛産業は、この政策を利用し、新製品への投資や技術的な決定を行うために何千人もの予備役を雇用してきた。 

 歴史的に、予備役の招集は、アラブ諸国、パレスチナ人グループ、イランの代理人との激しく短い紛争の間、数週間から数ヶ月しか続かない傾向がある。しかし、この業界は今、イスラエル史上最も長い動員期間に直面している。ガザ地区のハマスに対する軍事作戦はほぼ終結したものの、依然として活発なままだ。一方、レバノンのヒズボラ軍との北部国境で暴力がエスカレートしており、ただちに解決する見通しは立っていない。 

 労働力の圧力にもかかわらず、イスラエルのトップ防衛請負業者であるエルビット・システムズ、IAI、ラファエルの各社は需要増加に対応し、記録的な収益と利益を報告している。各社の決算は格付け会社に好印象を与えている。S&Pは7月同日、ラファエルとIAIの格付けを再確認し、両社の業績と財務状況の改善を評価した。 

 8月、ラファエルの幹部はまた、アイアンビーム・システムが予定通り2025年に配備できると再確認した。指向性エナジーを利用した同防空システムに関する最新情報は、イスラエルの防衛産業が内外の顧客からの需要に応えるべく取り組んでいる中で、新製品開発も維持されていることを示唆している。

 ラファエルの研究開発ポートフォリオには、極超音速ミサイル迎撃システム「スカイソニック」や空対空ミサイル「スカイスティング」も含まれている。ラファエルの記録的な業績に支えられ、これらのプログラムは順調に進んでいる。

 ラファエルの広報担当者は『エイビエーション・ウィーク』誌の取材に対し、「ラファエルは二重焦点戦略を採用しており、緊急の運用ニーズで会社の基盤となる長期的なイノベーションが妨げられないようにしている」と語った。 

 戦争が続く中、業界は依然として難題に直面している。イスラエルの軍事行動に対する反発から、イスラエルの防衛企業に対する抗議やボイコット運動が起こっているところもある。6月のユーロサトリでは、フランス裁判所が直前になりイスラエル企業の出展禁止を覆した。チリ政府は5月、イスラエル企業のFIDAE航空ショーへの参加を禁止した。ブラジル政府は3月、ラファエルのスパイク対戦車ミサイルの発注を延期した。 

 しかし、イスラエルの軍事技術に対する外国からの需要は依然として高い。この1年で、IAIは非公開の顧客から12億ドルの防空システムの受注を獲得し、ドイツとは35億ドルのアロー3迎撃ミサイルの契約を結んだ。一方、ラファエルはフィンランドからダビデ・スリングを、ポーランド、ギリシャ、オーストラリアからスパイク・ミサイルを受注している。アルゼンチンもスパイク・ミサイルの発注を検討していると報じられている。■


The Debrief: Israeli Defense Industry Coping With Conflict Pressures So Far

Steve Trimble September 23, 2024


https://aviationweek.com/defense/supply-chain/debrief-israeli-defense-industry-coping-conflict-pressures-so-far


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