2018年2月25日日曜日

お粗末、トランプ訪中で核フットボール管理の米軍補佐官官の人民大会堂入場を拒もうとした中国

お粗末な話ですが、これが「大国」のレベルなのでしょうか。核抑止力の重要な要素に絡むだけに米側もピリピリしている感が伝わってきます。米国がなんでも米国のやり方を押し通すのに我慢ができないのはわかりますが、子供のいじめではあるまいし、あまりにお粗末ですね。中国が「成熟」するのには時間がかかり、また成熟の定義が世界の常識からかけ離れているのが問題なのですが。


Confusion Surrounds Confrontation With Nuclear Football During Trump's Beijing Visit トランプ大統領の訪中で核のフットボールをめぐる深刻な対立があった

The US Secret Service says no one got "tackled," but has not denied that an incident occurred while Trump was in China in November 2017.

米シークレットサービスは誰も「タックル」していないと語るが、トランプ大統領の11月の中国訪問中に事件があったと認める



BY JOSEPH TREVITHICKFEBRUARY 19, 2018
OLIVIER DOULIERY/ABACA/SIPA VIA AP


しく浮上した報道でホワイトハウス主席補佐官ジョン・ケリーと氏名不詳のシークレットサービス係官が中国保安部院といわゆる「核のフットボール」、アルミ製ゼロハリバートンブリーフケース内の安全通信装置をめぐり身体的な騒動を起こしていたことがわかった。この装置は米国大統領が核攻撃をいかなる場所からでも命じるために必要な装置。シークレットサービスは大統領の2017年訪中で発生した対立の間だれも「タックル」していないと述べ、事件が発生してないとは言っていない。
 2018年2月18日、Axiosが匿名取材源からこの事件を報じ、それによれば2017年11月9日、トランプ大統領が北京に滞在中に大統領随行員一行が人民大会堂に入ろうとしたところ中国側保安要員がフットボールを携行した米軍補佐官の入場を阻もうとした、理由は不明だ。軍補佐官は常時大統領のそばにいることが求められる。
 退役海兵隊大将ケリーは隣室にいたが何事かと急いで現場に出て指揮をとろうとした。軍事補佐官に鋭く命じ他の要員とそのまま入場するよう求めた。
 口喧嘩が過熱し中国保安要員はケリーの腕をつかみ遠ざけようとした。Axiosでは付近にいたシークレットサービス要員がその中国保安要員にタックルをかけたとあり、米高官に危険が迫った際の標準行動をとったことになる。


OLIVER CONTRERAS/SIPA USA VIA AP
ジョン・ケリー主席ホワイトハウス補佐官.


「ファクトチェック:シークレットサービス係官が大統領の2017年訪中時に訪問国関係者をタックルしたとの報道は誤り」と米シークレットサービスは公式ツイッターで2018年2月19日に書いている。この声明文の表現から事件はAxoisの取材源が使った表現より穏やかだったとわかるが、大統領随行員の人民大会堂入場を認めるかでひと悶着がなかったとは言っていない。
 これに対してAxiosはフットボール携帯の役目の補参官は終始黒塗りブリーフケースをしっかり管理しており、冷静な雰囲気が戻り事態はすぐに落ち着いたという。中国側は陳謝し、両国関係者はこの件は公表しないことで一致したという。


FACT CHECK: Reports about Secret Service agents tackling a host nation official during the President’s trip to China in Nov 2017 are false


 乱闘にならなかったとはいえ、フットボール携行の係官がトランプ大統領に随行することの是非が話題となった。キューバミサイル危機にさかのぼり、カバンの中身は変更されているが正式名称「大統領緊急時鞄」は歴代大統領の行くところ必ずそこにあり、核抑止力の信頼度を保証し、核攻撃の大掛かりな手順の一部としてフェイルセイフとなり、「政府機能継続」のカギにもなっている。
 大統領専用機エアフォースワンには独自の指揮統制機能があり、核戦略指揮統制機、安全地下壕他各種手段で政府高官の退避でも緊急時対応を確実にしている。その考え方は奇襲攻撃を米国に仕掛けても米政府の無力化は不可能であり大量報復攻撃を止めることはできないと敵勢力にわからせることにある。
SMITHSONIAN/JAMIE CHUNG
依然使われていたフットボールはスミソニアン博物館の米歴史コレクションとして展示されている
 鞄を実際に使うには大統領が常時携帯するカード「ビスケット」からコード入力で本人確認する必要がある。これで装置とリンクが国家軍事指揮センター(ペンタゴン内)と確立され、あるいは地上が破壊されればE-6BかE-4B空中指揮所になるかもしれない。そして核攻撃を事前設定の攻撃オプションの「メニュー」から命令する。メニューは米軍が用意する。フットボールを持ち運ぶ軍事補佐官の助言が出る場合もあろう。補佐官はいずれかの軍から派遣されるO-4以上の階級の将校(佐官)で手順とともに実施した場合の効果に通暁している。
 ジミー・カーター大統領が選択肢方式を求めたといわれるのは核兵器による最良の対応策を検討する時間が極めて限られるためだ。ミサイルが飛来する場合は15分しかない。鞄の中にミサイル発射を即座に実行する「赤い巨大ボタン」はない。
 大統領が核攻撃を命じる場合の詳細手順は以下を参照願いたい。
 フットボールとその管理者の話題がトランプ政権で出るのは今回が初めてではない。2017年2月、大統領就任直後に大統領のフロリダ別荘マーアラゴで招待客のリチャード・デアガジオが撮影した写真に写った米軍の「リック」が例の鞄を持っており、ソーシャルメディアで話題に上った。デアガジオは別荘で安倍晋三首相との食事テーブルで大統領が北朝鮮ミサイル試験の機密文書らしきものを眺める物議をかもした写真も撮影した人である。
 今回浮上した中国事件では中国係官がトランプ大統領随行員の人民大会堂入場を阻止した理由が不明だ。米政府は事前に保安関係の打ち合わせを中国担当者と行っているはずで、大統領訪問で常時実施されている。
 一方あるいは双方がプロトコールと手順に混乱したことが考えられ、人民大会堂にトランプの後に入るべき関係者がだれかで混乱があったのか。あるいは米側代表団への妨害を誰かが意図的に企画した可能性もある。
 昨年の訪中前にトランプは北朝鮮への核攻撃を匂わせながら中国政府の圧力が不十分と非難していた。
 米政府は北朝鮮の制裁逃れを助けているとして中国企業・人物を公式非難していた。まあタ米政府は北朝鮮が中国の港湾や運送機能を使って禁輸をすり抜けていることを監視し、大問題だと提起している。
 だが中国側が米大統領訪問でプロトコールや手順で冷遇するのは今回が初事例ではない。バラク・オバマ大統領がG-20サミットで杭州に到着した2016年9月、大統領は儀式ばった降機をせずエアフォースワンの下部扉から降りている。タラップ車両をめぐる対立が理由はだった。
IMAGINECHINA VIA AP
2016年G-20杭州サミットに到着したバラク・オバマ大統領がエアフォースワンを機体装備のタラップで降機している。


 米大統領の国際歴訪で米政府は独自にタラップ車両を現地に先行して送りエアフォースワン乗客の降機を行う。中国も当初はこれを受け入れたが、土壇場で心変わりした。
 米側保安担当は現地のタラップ運用業者が英語を解さないことに不満を覚え、中国側は英中バイリンガル業者の紹介を拒否した。結局中国側が折れて米要望通り米国製装備の使用を認めたが、その時点でエアフォースワンは着陸寸前だったので結局、機体装備を使った。
 「ここはわが国でここはわが国の空港だ」と中国関係者が声を張り上げて主張したといわれる。オバマ大統領一行が空港を離陸した直後のことだ。中国国営メディアはその後米政府と米メディアが単なる誤解をわざわざ取り上げたと批判したが、実態は意図した嫌がらせだったとの見方が強い。オバマ政権は中国に各方面で批判を加えており、南シナ海広域での領有権主張や人権問題もその例だ。
 トランプの大統領就任後の中国関連発言は硬軟取り混ぜているが、北朝鮮関連でこの傾向が強く、特に中国による交易へ風当たりを強めている。2018年1月には中国製洗濯機、太陽光パネルで保護主義の色彩が強い輸入課徴金の適用を発表しており、鉄鋼製品にも適用を狙っている。
 また新たに打ち出した国家安全保障・国防戦略ではともに中国を政治経済上の主要敵国と位置づけ核戦力検討案ではわざわざ中国に項目を割き、中国への抑止力を強調している。太平洋地区での米軍プレゼンス強化は中国の軍事力整備をにらんでおり、ハリー・ハリス海軍大将を太平洋軍総司令官から次期駐豪大使に任命したばかりでもある。
今後もそのため訪中で低レベルながら同様のプロトコールをめぐる言いがかりが繰り返されると予期すべきだ。だがジョン・ケリーや誰にせよ核のフットボールの現場で中国関係者が乱闘を仕掛ける状況を目にすることがないよう望みたいものだ。■

Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年2月24日土曜日

北朝鮮制裁措置の違反船舶の海上取締を米沿岸警備隊が実施か

米沿岸警備隊に対応させるのは政治的に正しい方針でも、北朝鮮関連の国際常識に反する行動を見ると貧弱な警備船で大丈夫なのか、臨検に応じない場合どうするのか、さらに各水域に派遣するだけの余力があるのか疑問です。ヴィエトナム戦争では沿岸警備隊も動員されていましたが。そうなると海上保安庁も急に期待されそうですね。ただし尖閣等の警備が手薄になれば喜ぶ国があらわれそうですが。制裁はかなり効果を上げてきているので実効性を引き上げるべきで、北朝鮮封じ込めは今後何年も続く可能性があることに日本も注目すべきでしょう。

US reportedly planning high-seas crackdown on North Korea sanctions evaders by deploying Coast Guard force

米国が北朝鮮制裁措置逃れへの対応を沿岸警備隊に実施させる模様


us coast guard
夜間機関銃射撃訓練にあたる米沿岸警備隊カッター・ストラットン。US Coast Guard/Petty Officer Bryan Goff
  • トランプ政権はアジア内同盟国と北朝鮮制裁措置違反の疑いのある船舶を洋上摘発する準備に入った
  • 報道では米沿岸警備隊を投入するという
  • 2月23日に米国は北朝鮮海上輸送を対象に追加制裁措置を発表し国連にブラックリストも渡した
  • 北朝鮮は海上封鎖は戦争行為と受け取ると警告




WASHINGTON (Reuters) -トランプ政権は北朝鮮制裁違反の疑義がある船舶の取り締まりをアジア主要同盟数か国と検討中で、米沿岸警備隊がアジア太平洋海域で臨検を行うと米高官が述べている。
ワシントンは日本、韓国、オーストラリア、シンガポールの各国と取り締まり強化を協議中で北朝鮮が海上から核ミサイル開発に必要な物資入手を阻止しようとしている。
疑わしい船舶がすでに確認されているが、今回の戦略はさらに活動範囲を広げるものの海軍力で北朝鮮を封鎖する一歩手前で止めるのがねらいだ。平壌は海上封鎖を戦争行為と受け止めている。
戦略では疑わしい船舶を個別に追跡し禁制品を搭載していれば拿捕すると米高官は匿名条件で述べる。活動規模が拡大されれば太平洋軍の海軍艦船、航空機の投入も検討するという。
米主導のこの動きが報道されるのは今回が初めてで北朝鮮を交渉に向かわせ核兵器等の放棄実現に追い込みたいとするワシントンの問題意識を反映している。
北朝鮮が米本土攻撃可能な核ミサイルを完成させるまで数か月といわれる中、同国は国際制裁措置をかいくぐる密輸や海上での船舶間搬送で禁制品を入手していると米政府は把握している。
north korea ship to ship
米財務省発表の写真で北朝鮮とのつながった船舶間の物資搬送が確認された。US Treasury
「直接軍事行為以外のすべてで強化の必要があるのは間違いない。金正恩へこちらの真剣さを示す必要がある」と政府高官が語った。
ホワイトハウスは論評を避けている。
適用範囲は公海のみならず協力各国の領海内も対象とするがアジア以外はどこまでを範囲にするか不明だ。
また同日に米国が北朝鮮むけ貿易輸送に関与する企業・船舶を追加した制裁措置を発表し、国連にブラックリストを通告したのは、原油を入手し、石炭を販売する北朝鮮の不法活動をやめさせるのが米国の狙いだと示すものだ。
制裁強化に加え海上行動の追加で外交が辛うじて進む南北朝鮮で緊張要因になる。また米軍も各地に展開すればそれだけ戦力が薄くひきのばされ、域内関係国の負担増となるかもしれない。

相手船に乗り込むのか

対応策はまだ検討中だが北朝鮮の報復措置を引き起こす危険もあり国際社会も分断化されそうだ。
中国、ロシアは北朝鮮向け阻止行動の実力行使を国連の場で阻んできたが、新規措置でも踏み込みすぎだと反対しそうだ。匿名条件で中国関係者はこのような措置は国連主導のみで行うべきだと語った。
だがワシントンはすぐにでも措置強化に踏み切ると見られ、同盟各国との協議が不調に終わっても実施すると米高官は述べている。
さらに制裁逃れ船舶をへの法的措置も米国は検討中で、国連安全保障理事会決議を理由に公海あるいは関係国領海内での船舶臨検は可能と主張する。
ワシントンは海上での武力衝突を回避する観点で交戦規則を準備中だと関係者は述べる。
スティーブ・ムニューチン財務長官は2月23日ワシントンで記者団に船舶検査では係官乗船も排除しないと語った。
だが米関係者は個人的発言として臨検隊乗船には特に注意が必要だと述べる。
沿岸警備隊艦船の火力は貧弱で基本的に法取締が役割なので軍艦の代わりに投入されるとリスクがあることを米関係者は認める。
沿岸警備隊はアジア太平洋地区への所属艦船派遣の可能性について言及を避けているが、該当各国との連携は認める。「将来に警備船を配備するかは米外交政策の目標次第であり、船舶の稼働状況にも依存する」と広報官ディヴ・フレンチ少佐 Lieutenant Commander Dave French が述べた。

「協力国は多数ある」

韓国政府高官は「海上取締行動の強化」で協議があることを認め、先月のヴァンクーバー外相会議で米国務長官レックス・ティラーソンから各国に検討要請があったという。

「米韓両国含む各国と制裁措置の完全履行を検討中だが各国合同部隊の枠組みの話は聞いていない」と政策面に明るい日本の防衛省関係者が語った。
トランプ政権は東南アジア各国へ一層の協力を求めており、軍事力では期待できないものの船舶の動きでは情報提供が役立つと米政府関係者は解説してくれた。
US Coast Guard
沿岸警備隊カッターガラティン所属のMH-68スティングレイの銃手がサウスカロライナ州沖の麻薬輸送ルートで警戒中。Chief Warrant Officer Donnie Brzuska/US Coast Guard
「提携国が増えればそれだけ多くの資源を投入できる」とクリス・フォード Chris Ford 国際安全保障・非拡散政策担当国務次官補が述べる。ただしどの国と協議中かは明かしていない。
米政府が特に関心を示すのが洋上の船舶間物資搬送で北朝鮮はアジア各国港湾での貨物輸送が出来なくなったためこの手段をとることが増えている。
ロイターは昨年12月、ロシアのタンカーが洋上で北朝鮮に原油を受け渡した制裁違反を報じてた。ワシントンも中国含む数か国船籍の輸送船が原油製品、石炭の受け渡しに関与していることを突き止めている。中国は否定している。
中国領海付近では米国による臨検は避け、中国官憲に禁制品輸送を伝え中国による対策を求めると米政府関係者は述べた。
「すべての流れを止めるのは不可能に近いが、北朝鮮の代償を増やすことは可能」とバラク・オバマ大統領の下絵で国防次官(アジア関係)を務めたディヴィッド・シアー David Shear が語っている。■
Additional reporting by Michelle Nichols at the United Nations, John Walcott in Washington, Linda Sieg and Nobuhiro Kubo in Tokyo, Josh Smith and Hyonhee Shin in Seoul; Editing by Mary Milliken and Paul Thomasch

ロシアがシリアにSu-57を配備との報道の真偽、その意図は何か

Russia's Su-57 Stealth Fighter in Syria: “This Is Testing in Actual War" ロシアのSu-57ステルス戦闘機がシリアに展開、「実戦テスト」なのか




February 22, 2018

シアがスホイSu-57PAK-FA戦闘機の試作型2機をシリアのフメメイム基地に配備したようだ。
同ステルス戦闘機のシリア到着報道は未確認のままだが、実戦配備前の開発用機材を戦闘地帯に投入したとしたら極めて異例だ。ロッキード・マーティンF-22を1990年代末か2000年代はじめに技術製造開発(EMD)期間中に戦闘投入したようなものだ。ただし開発中機材を戦闘投入し運用上の知見・データを得ること自体はソ連時代からロシアは行っている。
「実戦テストのようなものですがソ連時代にも事例はありました」と総合欧州国際研究所(モスクワ)主任研究員ワシリー・カシンがNational Interestに述べている。
Su-57をシリアで運用する目的は運用データやエイビオニクス等の性能データを得るなのだろう。同時に限定的でも実戦投入の機会もあるはずだ。
「主目的と外れますが攻撃兵装も搭載するでしょう。レーダーも外国機標的に作動させるはずです。問題はテストをどう評価するかです」
Su-57はまだ開発段階だがシリアに展開させた機体はフル装備機で実戦同様のエイビオニクス搭載の可能性がある。カシンは後期試作型ではないかと見る。
一部には地政学の理由からSu-57派遣となったのではとみる向きもあるが、カシンはこれを否定。「政治的側面はないでしょう」
一番あり得るのはSu-57の設計を煮詰めて量産型に反映すること、実戦含む運用上の知見を得ることで、シリアが試験場になったということだろう。
「戦闘テストなのは最初から明らかで量産仕様の調整が目的でしょう」(カシン)
ロシア式のやり方は独特でリスクがないわけではないがシリア上空にSu-57を飛ばせば同機に関心を寄せる米軍としても情報面で大きな収穫になり、新型機をまじかで見られう。だが新型機、開発途上の機材はとかく技術面で故障を起こしやすく、クレムリンの選択はギャンブルと言ってよい。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Creative Commons.


再掲 英艦隊旗艦オーシャンはブラジルに125億円で売却完了

英海軍の栄光の歴史を考えると情けない話ですね。改修をしっかり英企業に行わせお金を落とさせ、純益も計上できると企業経営者みたいなことを国防省が堂々と発表していていいのでしょうかね。

 

Navy’s flagship HMS Ocean sold to Brazil for £84 million英艦隊旗艦HMSオーシャンはブラジルに84百万ポンドで売却


Navy’s flagship HMS Ocean sold to Brazil for £84 million

国防省(MoD)は英海軍旗艦HMSオーシャンを売却し財政赤字の穴埋めとすべく、£84百万(約125億円)でブラジル海軍に3月初めに譲渡し今夏に現地回航される。

MoD報道官は純益£55百万が生まれ全額が海軍財源に入ると発表。

HMS Ocean leaves Portsmouth


国家監査でMoD装備調達で49億ポンドが不足と分析している。さらに調達コスト上昇で不足は208億ポンドに上る可能性がある。

HMSオーシャンは昨年12月にプリマスに帰港した。最後の海外運用はハリケーン被害を受けたカリブ海地区だった。

HMSオーシャンはバブコックBAEシステムズの英企業二社が改修を行い、費用はブラジル政府が負担する。ブラジル海軍は同艦を現役艦船として運用する。

英艦隊旗艦はHMSクイーン・エリザベスに変更され、同艦は海上公試が完了すればヘリコプター空母となる。

MoD広報官はHMSオーシャンのヘリコプター運用能力はHMSブルワーク、HMSアルビオンが引き継ぎ維持すると発表。■

中国潜水艦が2003年に恐ろしい事故に遭遇していた

潜水艦を運用する国は増えていますが、特に中国の潜水艦の数的拡大はずば抜けているのですが、高度の建造、運用、訓練が不可欠であることを数々の事故が物語っています。各国で事故が発生しないことを祈るばかりです。

In 2003, a Chinese Submarine Sank Mysteriously. How the Crew Died Is Horrifying. 2003年発生した中国潜水艦の謎の沈没事故で乗員は恐ろしい運命に直面した


February 16, 2018


2003年4月25日、中国漁船が水面に浮かぶ潜望鏡を見つけた。同船は人民解放軍海軍(PLAN)に通告すると早速現場に二隻が到着した。
 当初PLANは韓国や日本の潜水艦の一部と考えたが、漂流物から自軍のディーゼル電気推進型潜水艦明級第361号艦と判明した。
 翌日艦内に乗り込むと乗員70名が全員配置のまま倒れて死亡していた。
 軍事委員長の江沢民主席が悲劇的な事態を2003年5月2日に声明文で認め中国海軍人員の犠牲を招いたのは「機械故障」とあいまいに背景情報を伝えた。
 一か月後の調査結果から北海艦隊の司令官、政治将校が更迭され、「不適切な指揮統制」が理由に幹部6-8名も降格など処分を受けた。江沢民と跡を継いだ胡錦涛は回収された潜水艦を訪問し遺族と面会したと伝えられる。
 中国政府は自軍の事故で透明性は眼中にない。たとえばジェット戦闘機墜落の調査報告は公開せず、潜水艦事故でも事実を一切認めてこなかったのだが、この事件では事実を認めて解説者を驚かせた。当時流行していたSARSを軽視して批判を浴びたのをかわそうとしたとの観測も生まれた。
 明級035型潜水艦は大戦時ドイツのXX1型を基にしたソ連ロメオ級の派生型ですでに時代遅れだった。035型の最初の二隻は1975年完成だったが、同時期の米、ソ連それぞれの潜水艦と比べて探知は容易だった。中国はディーゼル潜水艦多数を建造したが、耐候性に難があり沿海域を超える航行はまれだった。
 それでも中国は改修した明級を1990年代まで建造し続けた。361号艦はこの大型化035G明III級の一隻で潜航中の敵艦と誘導魚雷で対戦する能力が実現した。就役は1995年で同艦含め4隻が北海艦隊の第12潜水戦隊として遼寧省に配備された。
 361号艦は渤海、黄海で演習に参加したが、異例なことにCheng Fuming代将が乗艦していた。同艦最後の航海日誌4月16日付けによれば長山島沖合で無音潜航訓練にあたり山東省威海Weihai基地に帰投するとある。
 無線封印のためPLANは10日間にわたり状況を把握できなかった。361艦の回収方法は現在も不明だ。複数筋によれば沈没していた同艦は母港に直ちに回航されているため浮上させたのだろう。
 公式説明がないため想像が多数生まれている。035型潜水艦の乗員は通常35名ないし37名なのに70名が乗艦していた。訓練教官という名目だが、艦内は相当混雑していたはずだ。追加乗員と代将の乗艦で361号艦が通常任務とは違っていたとの結論が出る。
 一部解説では追加乗員は試験装備の大気非依存型推進 (AIP) の運転を視察要員とある。たまたまもう一隻の035G型潜水艦308号艦がAIP推進の試験に投入されており、ス041型元級潜水艦にターリングエンジン式AIPが搭載され今日に至っている。
 別の説明では浸水がバッテリーの酸と触れ猛毒の塩素ガスが発生し乗員が窒息死したとする。香港の星島日報Sing Tao Dailyは同艦は「危険な」対潜水艦戦訓練に従事し、「人的エラー」により艦首を降下させ制御できなくなり、海底に衝突したとする。
 ただし広く信じられている説明は香港の北京寄り新聞文匯報Wen Wei Poが伝えるディーゼル機関の排気で乗員が窒息死したとするものだ。
 通常型ディーゼル電気推進潜水艦は大気を燃焼するディーゼル機関で海中航行用にバッテリー充電をする。充電は通常は浮上時に行うが、探知を避けるため水面ぎりぎりに潜航しスノーケルで空気を取り入れることがある。スノーケルは波高が高いと自動閉鎖する。
 文匯報によれば361号艦はスノーケルでのディーゼル運転中に高波で空気取入れ口が閉まった、あるいは弁が完全に開放しなくなった。だがディーゼル機関は停止しなかった。
 機関が艦内空気をほぼ2分で消費尽くしたようだ。乗員は軽い頭痛と域狂しさを最初の一分で経験し、二分目に意識を失った。また艦内が陰圧でハッチが開けなくなった。2013年のロイター記事でこの説明が紹介されており排気が艦内に循環され深刻な事態を招いたとある。
 こうした説明から中国で潜水艦乗員の訓練とともに機構にも深刻な欠陥があったことを示している。
 アルゼンチン潜水艦サンフアンの不幸な失踪が最近発生し、ロシアのキロ級潜水艦もウラジオストック係留中に火災事故を起こし(モスクワは演習と説明)、インドの原子力潜水艦アリハントでは浸水事故があり幸い人命には損害が発生しなかったが、最高の威力を持つ装備と言われる潜水艦が平時でも乗員に危険な装備だと分かる。乗員のちょっとした気のゆるみや機械故障が海のステルス殺人メカをいきなり海の棺おけに変えてしまうと如実に示している
時の事故を防ぐためには高い保守管理、建造技術の水準、乗員訓練しかない。すべてを高水準に保てるのは一部国しかないが、PLANは急速に潜水艦戦力を拡充する中ですべて実現して維持したいと考えているはずだ。■
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

2018年2月23日金曜日

南シナ海中国基地は米軍攻撃の前に生き残れない

北朝鮮問題に目を奪われている間に中国の南シナ海「不法占拠」は既成事実化しています。軍事的には攻撃を受ければひとたまりもない平たい島の上の施設で、米軍は簡単に排除できると笑っているかもしれませんが、わざわざ脆弱な基地を作った中国に別の狙いがあるのではないでしょうか。敵にわざと攻撃させて無実無罪を主張するとか。軍事化はしないと習近平は言っていましたが国際的に信用を落としてしまいましたね。National Interestの記事からです。



Are China's South China Sea Bases Pointless?中国の南シナ海基地は意味がない存在なのか





February 18, 2018

国が南シナ海に島数か所を構築したが、中国は各島を防御できるのだろうか。
 第二次大戦中の日本は島しょ支配で戦略的な優位性が生まれると考えていたが、米国の勢力を各島に分散させられず、逆に島が戦略的な負債になった。日本は各島への補給活動に追われた。南シナ海(SCS)の島各地は中国が整備したが、果たして中国軍事力にとって意味があるのだろうか。確かに意味はあるのだが、実際の武力衝突でその価値は急速に減るだろう。
構築した陣地施設は?
 中国はSCSに軍事拠点多数を構築しており、スプラトリー、パラセルの両諸島に集中している。スプラトリーにはスビ、ミスチーフ、フィアリーに航空基地を完成させ、ミサイル装備、レーダー、ヘリコプターを配備している。パラセル諸島ではウッディ島に大規模な基地を作った。ここでもレーダー基地、ヘリコプター運用施設がある。中国はさらに建設工事を続けており、将来の軍事プレゼンス拡大を狙うのだろう。大型基地のスビ、ミスチーフ、フィアリークロス、ウッディ島には軍用機運用用のインフラが整備されており、戦闘機、大型哨戒機の運用が可能だ。ミサイル、レーダー、航空機の配備で中国は南シナ海を軍事活動範囲に入れたと言えよう。
 このうち数か所にSAM陣地が稼働する。HQ-9は射程125マイルでその後ロシア製S-400も持ち込むだろう。また地上発射巡航ミサイルGLCMもある。ミサイルの存在でSCSは米艦船航空機でステルス性能がないものには危険地区になった。SAMにレーダー網が繋がりて敵航空機の侵入を許さない体制になっている。GLCMがここに加わり中国のA2/ADネットワークが形成された。
 だがこうしたミサイル陣地が武力衝突時に生き残れるのかは疑問だ。陸上配備ミサイルが空爆に耐えるのは丘陵、森林など自然条件に隠れる場合である。中国が構築した各島にはこうした自然地形はない。また防空陣地も集中攻撃の前には生き残れないのは明らかだ。さらにミサイル発射装置には燃料、電力、弾薬等の潤沢な補給活動が前提となる。これを中国が武力衝突時に円滑に行えるかは疑問だ。
航空基地は?
 SCSで最大級の軍事施設は軍用機運用が可能だ。高性能戦闘機もあるが、もっと要注意なのが哨戒機、電子戦機、早期警戒機だ。各基地をうまく利用すれば中国のA2/ADバブルはさらに大きくできるし、標的データは各地のミサイル基地以外に中国本土へも中継できる。戦闘機の展開でSCS上空はもっと危険になり、米艦船も遠距離から巡航ミサイル攻撃しかできなくなる。
 だが武力衝突時での航空基地の耐じん度は攻撃後の復旧活動に必要な物資、機材がどれだけ使えるかで決まる。中国が南シナ海で構築した各島が米ミサイル攻撃や空爆を受けた後も十分に活動できるか不明だ。大規模な島ならシェルターもあるが、シェルターと言えども米攻撃の前に長く耐えられないことは自明の理だ。
レーダー
 SAMやGLCM、さらに戦闘機材は正確な目標データがあって初めて効果を生む。そこでSCS各基地の最大の利点はレーダー施設が中国に戦闘区域の完全な姿を見せることだ。ただしレーダー基地は脆弱な存在であるが、同時に防空でも効果を見せつけるだろう。
 だがレーダーは米軍の攻撃の前に無力で、ミサイル攻撃、電子攻撃、サイバー攻撃さらに特殊部隊の強襲まで米国は展開するだろう。有事にはレーダーへの中国のアクセスが急に消滅する。それでも米軍によるSCS侵入の比較的低費用で困難にできる。
兵站活動
 中国のSCS各島の軍事活動を支えるのが中国本土との安全な通信だ。人工島では十分な貯蔵物資は確保できず、貯蔵物資も攻撃の前に脆弱だ。打ち合いになれば、各島への燃料装備弾薬等の補給が中国輸送部隊の任務だが補給線が伸び足を引っ張るだろう。PLAN、PLAAFも攻撃下の各島への再補給には積極的になれず、SCS各島の軍事価値は減る。中国には残念ながら島しょをめぐる戦い、さらに中国の兵力展開そのもののため各島の軍事施設は早期に利用価値を失う。
艦船対要塞
 ネルソン卿は「要塞と戦う艦船は愚か者」と言ったが、状況によっては艦船が要塞に対して有利になる。SCS内の各島は移動目標ではなく、かつ軍事施設を隠すだけの大きさもない。米国は各島の配置を細かく観察しており、軍事装備品の搬入も逐一把握しているはずだ。これで各島は極めて脆弱な攻撃目標となり、水上艦船、潜水艦、航空機の格好の目標となる。ミサイルにはリアルタイムの標的データは不要だ。
 米国にとって大きな意味が生まれるのはズムワルト級駆逐艦の高性能艦砲システムを使用しない決定を逆転することだ。同艦の主砲用砲弾があれば中国の人工島を長距離から直接砲撃可能となり、低コストで大きな損害を与えられる。これができないと本来もっと大きな標的用の巡航ミサイルを回すことになる。
 SCS各島には一定の軍事的意義があるが、より重要な点は中国の海面航路、海中資源を自国のものと主張する政治的な側面だ。軍事的には中国のA2/ADの薄い殻だと言える。この薄い殻が航行の自由を脅かしているが、米国の海軍空軍にとって全く支障にならない攻撃目標に過ぎないと言える。■


Robert Farley, a frequent contributor to TNI, is author of The Battleship Book. He serves as a Senior Lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security, and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money and Information Dissemination and The Diplomat.

Image: Reuter