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ウクライナ上空の航空優勢を確保できないロシア。奮戦するウクライナ防空部隊。砂漠の嵐の再現を狙ったロシア軍が実力を露呈したのか。キエフという呼び方をやめましょう。


Fight of planes in the sky over the Kiev region, as a result a plane of the Russian army was hit.

首都圏上空に展開する空中戦でロシア機が命中弾を受けたPhoto by Aleksandr Gusev/SOPA Images/LightRocket via Getty Images


  • 米政府高官によればウクライナ上空の支配は決しておらず、モスクワ発表と食い違っている

  • ロシアが短時間でウクライナ防空能力を圧倒すると思われていたが、そのとおりになっていない

  • ウクライナはロシア戦闘機、へリコプター、輸送機を撃墜したと主張


ロシア発表と反対にウクライナ上空で両国軍が戦闘を展開しており、ロシア侵攻への対抗が続いていると米国防関係者は匿名条件で語った。


「ロシアは航空優勢を全土で確立できていない」「ウクライナ防空体制は健在で対空・対ミサイル防衛装備は有効に機能している」


「上空で勝敗が決まらない状態のまま、非常に迅速に変化しつづけている」と述べ、モスクワが今朝ロシアがウクライナ上空で「完全な航空優勢」を確保したとの発表と食い違っている。


ロシアがウクライナ侵攻を大規模に開始して5日目となった。各方面から進軍し、首都キーフをめざしている。ロシア軍はキーフ周辺やその他都市を空爆し、一般市民多数が地階や地下鉄構内に避難している。


2月28日にツイッター投稿された映像では上空の機体に地上防空部隊が交戦する様子が見られる。


別の映像では地対空ミサイルが上空の機体に向け発射されており、場所はキーフ上空のようだ。


ここ数日荷渡ウクライナ側からロシア戦闘機、ヘリコプター、さらに輸送機まで撃墜したとの発表が相次いでいる。ウクライナ軍は開戦直後からロシア固定翼機とヘリコプターそれぞれ5機、1機を撃墜したとしていたが、ロシアは否定していた。


ロシアがウクライナとの交戦で被害を受けたのを認めたのは最近になってのことで、それでもウクライナ側の損害のほうが大きいと主張している。


先週木曜日にウクライナ軍が発表した映像ではキーフ近郊の町ホストメル上空でヘリコプター1機が墜落し、ウクライナ軍は墜落後の機体残骸も示した。


ウクライナ最高位の軍人ワレリー・ザルジニーValeriy Zaluzhiny将軍からは2月25日にウクライナ軍がロシアのイリューシンIl-76機をキーフ近郊で撃墜したとの発表があったと報道されている。


Il-76は大型輸送機で空挺部隊の運用にも使われ、150名までの兵員を運搬できる。


ウクライナ軍はS-300ミサイル装備でヘリコプター、Su-25近接航空支援機各1機をそれぞれ撃墜したという。


ロシアはウクライナ防空力を開戦初期に排除すると見られていたが、今までのところ実現していないようだ。■


Ukraine's Skies Remain Contested, Says US Defense Official

Julie Coleman 


ご注意 これまでウクライナ首都をキエフとしてきましたが、キエフはロシア語のいいまわしであり、ウクライナ現地ではキーフKyivと呼ぶのが自然とのことなので当ブログでも今後呼び名を変えます。

 

コメント

  1. 現在稼働しているウクライナ航空戦力(航空機)は、どのくらいなんですかね。
    各国が機体を提供するみたいな記事もあったので、西部には滑走路が残っているのでしょうが、ロシアがそれら基地への攻撃を手控えているのが不思議です。

    キエフというのは、既に日本語読みとして定着してますね。日本には、キエフというお店(主にレストラン)がたくさんあります。
    あえて変えようというのなら、ウクライナ大使館は「キーウ」と書いてますね。カナで発音を正確に表現するのは土台無理でしょうが、ウクライナ人に書かせれば(言わせれば)「キーウ」なのでしょう。

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