スキップしてメイン コンテンツに移動

日本、ポーランドが米軍事衛星ネットワークWGSに参加(Space News)

 Wideband Global Satcom (WGS) satellite illustration. Credit: U.S. Air Force




両国は、米国と新たな合意に達し広帯域グローバル・サットコム(WGS)衛星システムへのアクセス権を得る 


本とポーランドが米軍の広帯域グローバル・サットコム(WGS)衛星ネットワークへのアクセスを獲得することになり、米国と他のパートナー数カ国をサポートしているシステムが戦略的に拡大する。 


世界的な緊張が宇宙領域にも拡大する中、新しいパートナーの加入は、軍事的な調整と対応における宇宙ベースの通信の重要性の高まりを反映したものである、と関係者は述べた。 


ボーイングが製造し、米宇宙軍が運用するWGS衛星は、軍事活動に大容量の通信サービスを提供する。 


静止地球軌道上の衛星10基で構成するWGSは、米軍通信の基幹を担っている。最初のWGS-1衛星は2007年に打ち上げられた。最新のWGS-11とWGS-12は、それぞれ2025年と2027年に打ち上げられ、協定に基づき、日本とポーランドの主要なアクセスポイントとして機能する。 


宇宙システム司令部国際部のニコラス・ユン中佐は、ロサンゼルスで最近開催されたSpace Industry Days会議において、この協定の広範な意義を強調した。「国際宇宙プログラムは安全保障協力に不可欠である。 米国と同盟国は、ロシアと中国が開発中の対衛星技術による新たな脅威に直面しているため、同盟関係は極めて重要である」とユン中佐は述べた。 


日本とポーランドは、オーストラリア、カナダ、デンマーク、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、チェコ共和国のほか、必要に応じてWGSシステムを活用するNATO諸国を含むWGS連合に参加している。 


特筆すべきは、WGS参加国が衛星の開発・維持にかかる費用を分担していることで、米国の財政負担を軽減していることである。例えば、オーストラリアはWGS-6衛星に資金を提供し、他の同盟国のコンソーシアムはWGS-9に貢献し、WGS-11の打ち上げ資金を援助した。


近年、このプログラムは議会からの監視に直面している。2023年、空軍省は議会から、来るべきWGS-12衛星が商業衛星の代替案では満たすことのできない軍事的要件を満たすことを検証するよう求められた。 


この検証では、商業衛星通信サービスが軍事作戦において貴重な役割を果たす一方で、特定のセキュリティ要件にはWGSのような政府専用システムが必要であることが最終的に確認された。 


宇宙における国際協力 米空軍スペース・システムズ・コマンドの国際部長のディアナ・ライアルズ(Deanna Ryals)は、宇宙での共同事業を熱望する米国同盟国からの関心の急増について説明した。「国家的ニーズとしての宇宙投資に優先順位をつけ始めている国が増えている」と彼女はメディアブリーフィングで述べた。 


この関心は、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ侵攻後の安全保障環境の変化に拍車をかけ、宇宙への注力を強めていることと一致している。これを受けてNATOは、同盟の衛星と打ち上げ能力を強化することを目的としたノースリンクとスターリフトという2つのプログラムを開始した。 


ライアルズによると、米国はこれらのプログラムへの参加を検討する意向書に署名している。米国の参加は、どのように貢献するのが最善かについての話し合い次第だという。 


スターリフトは、衛星打ち上げ能力を持つNATO加盟国が、危機や紛争時に同盟国を確実に支援できるようにすることで、安全保障上の脅威に対する集団的対応を促進することを目的としている。 


一方でノースリンクは、NATOがロシアの軍事活動に対抗することを目的としている北極圏地域に特化した多国間通信ネットワークの構築に重点を置いている。 


両構想は、将来のニーズに備えるための一歩である、とライアルズは述べ、さらに共同作戦や多国間の宇宙ミッションを支援するために、法的枠組みやロジスティクスの要件が慎重に検討中だと付け加えた。■



Japan, Poland to join U.S. military satellite network

Both nations have reached new agreements with the U.S. to gain access to the Wideband Global Satcom (WGS) satellite system

Sandra Erwin

November 5, 2024



https://spacenews.com/japan-poland-to-join-u-s-military-satellite-network/


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...