DARPAが資金提供したDEMonstration Rocket for Agile Cislunar Operations (DRACO)システムのレンダリング。
Credit: Lockheed Martin
過去半世紀にわたりアメリカ政府は原子力と推進力を宇宙活動に利用する取り組みを繰り返し導入してきたが、いずれも中止されてきた。
ロッキード・マーチン・スペースのエリック・ブラウン副社長(ミッション戦略・先進能力担当)は、今こそこのサイクルを断ち切る時だと考えている。
「宇宙を利用する国や民間産業は、静止軌道を超え、太陽系やそれ以外の軌道でミッションを遂行しようとしている。」ブラウンは11月20日、バージニア州アーリントンのロッキード本社で記者団に語った。
原子力の将来性は、そのエネルギー密度にある: 原子力の製造・技術会社であるBWXテクノロジーズ社によれば、グミのクマの大きさのウラン235は、列車1両分の石炭、500バレルの石油、あるいはサターンV上段1.6基分のエネルギーに相当する。
これは米軍の宇宙船が「遺憾なく操縦」するのに必要なパワーだと、米宇宙軍司令部副司令官だったジョン・ショー中将(退役)は言う。 そしてそれこそが、原子力発電を国家安全保障と探査ミッションにとって「絶対に不可欠なもの」にしているのだとブラウンは説明した。
「現在、探査ミッションの多くを設計する際、様々な軌道力学や燃料の入手可能性が足かせとなっている」。
原子力宇宙船は、より安全な飛行を可能にし、何か問題が発生した場合にミッションを中止する機会を増やし、より大きな操縦性を可能にする、とブラウンは強調した。
ひとたび原子力推進技術が導入されれば、有人宇宙探査から宇宙デブリ除去、ダイナミックな宇宙活動まで、幅広いミッション分野に応用することができる。
ロッキードとBWXは、民間宇宙ミッションに核熱推進と電気推進の両方を利用しようとする米国政府のプログラムで戦略的パートナーであるが、国家安全保障の宇宙ミッションにも利用可能である。
DARPA(国防高等研究計画局)が資金提供するDRACO(Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations)プログラムは、2027年の打ち上げを目標に、軌道上での核熱ロケットの実行可能性を示すことを目指している。
核電気推進の面では、空軍研究本部がロッキードと契約し、関連技術と宇宙船設計を探求する「Joint Emergent Technology Supplying On-Orbit Nuclear High Power」プログラムを立ち上げており、NASAの「Fission Surface Power」プログラムは、小型原子炉を使って月面での発電を目指している。
ブラウンにとって、この3つのプログラムは、一貫した資金調達と議会からの声高な支持に後押しされ、原子力推進に向けた「かつてない大きなジャンプ」を提供するものである。
「これら3つのプログラムが組み合わされることで、より大きなエネルギーと重点が与えられるのです」。■
Vivienne Machi is the military space editor for Aviation Week based in Los Angeles
Space Ops: Powering National Security Space With Nuclear
Vivienne Machi November 20, 2024
https://aviationweek.com/space/operations-safety/space-ops-powering-national-security-space-nuclear
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