スキップしてメイン コンテンツに移動

米企業によるウクライナ国内での兵器修理を米国防総省が許可(Stars and Stripes;The War Zone)―優柔不断で時間を大きく無駄にしたあげく、解決策を次期政権に押し付けて逃げようとするバイデン政権の責任は厳しく問われるだろう

 



In major policy shift, Biden administration is allowing U.S. contractors to work in Ukraine fixing and maintaining donated weapons.Ukrainian personnel remove camouflage netting from a Patriot launcher, which is loaded with missile canisters associated with older interceptors like the PAC-2-series. Ukrainian Air Force


大きな政策転換として、バイデン政権はウクライナ現地にいるアメリカの請負業者が、アメリカが供与した610億ドル相当の兵器の一部をウクライナで整備・修理することを認めるとCNNは報じた。 


特に、F-16ヴァイパーとペイトリオット防空ミサイルを正常に作動させる対策となる


ウクライナ国内で米軍関係者による補修作業を認めることは、退任するバイデン政権による大きな政策転換を意味する



国が提供した兵器のメンテナンスのため、米国の請負業者がウクライナで働くことを米国防総省が許可した。この動きは今月初め承認されたと、CNNは "直接知る関係者"を引用して報じた。 

 3年近くにわたる非常に激しい戦闘で、ウクライナに供与された装備の多数が摩耗したり損傷しており、修理が必要だ。

 今回の決定まで、バイデン政権はウクライナに少数の米軍を駐留させてきた。主にアメリカから寄贈された装備を監視するためで、国防総省(DoD)の民間請負業者は駐留させていなかった。しかし、ウクライナで直接働いている米国の請負業者は多数ある。

 バイデン政権は、経験豊富な米国の請負業者がウクライナ国内で作業することを拒否したため、装備品は国外に運び出され、ポーランド、ルーマニア、その他NATO諸国で修理されるか、ビデオチャットや安全な電話による遠隔操作で修理されている。

 いずれの状況も最適とは言えず、兵器を戦場に戻すのに遅れが生じたり、国内での遠隔作業が制限されたりする。 

 これは、熟練した技術者による高度なメンテナンスを必要とする、非常に複雑なシステムであるF-16とペイトリオットで特に当てはまる。 

 匿名を条件に語った国防当局者によれば、請負業者は前線から遠く離れた場所に配置され、ロシア軍と戦うことはないという。 

 「前線から離れたウクライナで請負業者が整備を行うことで、米国が提供した装備品が損傷した際に迅速に修理し、必要に応じて整備を行うことができるようになる」と同関係者は語った。

 請負業者は最前線から遠く離れるとはいえ、ロシアがミサイルや無人偵察機でウクライナ全土をかき回す中、ウクライナ国内にいることにはリスクがある。 

 これに対処するため、契約に応札する企業には、従業員への脅威を減らすための「強固なリスク軽減計画」の策定が義務づけられる、と当局者はCNNに語った。 

 「国防総省は、慎重にリスクを評価し、省庁間の利害関係者と協調した上で今回の決定を下した。「米国の請負業者、組織、企業は、従業員の安全とセキュリティに責任を持ち、入札の一部としてリスク軽減計画を盛り込むことが要求される。 

 請負業者は、F-16ジェット機やペイトリオット防空システムなど、メンテナンスに技術的な専門知識を必要とする兵器システムに携わることになる、と同高官は述べた。 

 ウクライナ政府との契約を履行するためウクライナに駐在しているアメリカ企業がすでに存在しているが、ウクライナの現場で働くアメリカ企業の従業員が大幅に増加することはない。アフガニスタンやイラクでの戦争では、広大な基地に何千人もの請負業者が駐在していたが、今回の取り組みはに数十人から数百人の人員に限定される。 


 トランプ政権のウクライナ対応と米国の戦争への取り組みは、ウクライナとその戦争努力に必要な限り協力するというジョー・バイデン大統領の長年の約束を覆すものとなる。 

 関係者によれば、新方針の作成は、民主党のカマラ・ハリス副大統領が火曜日の選挙でドナルド・トランプ次期大統領に惨敗する前に開始されたという。 

 次期政権が政策を継続するかどうかが大きなワイルドカードとなる。トランプがウクライナ支援の継続すに躊躇していることや、一般的に米国が海外の紛争に関与し続けることに躊躇していることを考慮すると、この方針が継続されるとは限らない。

 トランプは、ウクライナとロシアの戦争を1月20日の就任から「24時間以内」に終結させたいと述べている。 

 トランプは、ウクライナの非武装地帯を欧州軍が担当し、ウクライナが相当量の領土とNATO加盟を断念する代わりに、米国が武器を提供し続けるという計画を検討している。  

 この動きはまた、レームダックに陥ったバイデン政権が、1月20日に撤収する前に、ウクライナへの60億ドル相当の軍事援助を急ごうとしているときでもある。 

 ただし、契約が、トランプ大統領の就任前に、戦争活動に税金を使うために必要なさまざまな手続きを通過できるかどうかは、まだわからない。 

 2022年2月にロシア軍が侵攻して以来、アメリカはウクライナに約604億ドルの軍事援助を行ってきた。


  

 2017年12月20日、ユタ州オグデンのヒル空軍基地で、F-16ファルコンの下側で作業する航空機整備士。 (写真:George Frey/Getty Images





Pentagon allows US defense contractors to repair weapons in Ukraine

 By MATTHEW ADAMS STARS AND STRIPES • November 8, 2024


https://www.stripes.com/theaters/us/2024-11-08/defense-contractors-weapons-ukraine-15784961.html


U.S. Contractors Will Be Allowed To Fix F-16s, Patriots In Ukraine: Report

Howard Altman

Posted on Nov 8, 2024 6:26 PM EST

https://www.twz.com/air/u-s-contractors-will-be-allowed-to-fix-f-16s-patriots-in-ukraine-report


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...