2018年3月11日日曜日

★★心配になるF-3の行方、既存海外機材原型開発論が浮上

ロイターの記事です。うーん、どうなんでしょう。財務省の情報操作のにおいがします。費用対効果とか産業基盤温存とか技術論の前に日本に必要な戦闘航空機(戦闘機ではありません)はそもそもどんな姿であるべきかをホリスティックに考えるべきではありませんか。ステルスありきでもないはずです。大きな買い物だけに短期集中でもよく考えるべきでは。その際にいったん既存の利害は忘れてコンポンを考えるべきだと思うのですが。おそらく一週間も不要で数時間あれば出る結論のはずですが。



Exclusive: Japan's new advanced fighter may be based on existing foreign design - sources 特報:日本のめざす新型戦闘機で既存外国機原型案が浮上



TOKYO (Reuters) - 日本は新型ジェット戦闘機で既存西側機材を原型に米英との協力で開発を短縮化する提案を求めている。事業費は総額400億ドル(約4.3兆円)の試算がある。ロイターは取材源三か所から内容を把握した。
日本は今月に入り第三回目の情報開示要望(RFI)を防衛産業各社に発出し新型機F-3の提案を求めている。前の二回と違い、今回は米国と欧州の企業に限定し詳細情報を求めている。
二回にわたる募集で詳細な提案は得られず、「日本は既存機を原型にした設計案で具体的内容を期待している」と消息筋は述べている。
既存機を基にした設計案の募集文書が英米政府に送付されたことは報じられていなかった。
日本が利用可能な機体としてF-35ライトニングII(ロッキード・マーティン)、F/A-18E/Fスーパーホーネット(ボーイング)、ユーロファイター・タイフーン(BAEシステムズ含む欧州共同事業体)がある。
国産戦闘機の直近の機種はF-2で三菱重工業とロッキード・マーティンが米F-16多用途戦闘機を原型に完成させ2000年に供用開始した。日本の戦闘機生産で主導的立場の三菱重工がF-3事業でも中心になると予想される。
「国産開発、共同開発、既存機体の改良いずれも検討中でまだ最終決定ではない」と防衛省関係者が述べている。
日本の次世代戦闘機が外国の既存機を原型に実現すれば費用は節約できるが、ステルス性を断念する可能性も生まれる。タイフーン、スーパーホーネットはステルス設計ではない。
「ボーイングは米日両政府と協力して日本側産業界と次期戦闘機開発に臨むことに大きく期待している」とボーイング広報は述べた。
ロッキード・マーティンとBAEシステムズからはコメントが出ていない。
日本が米英政府に接近しているのは米国がF-22後継機検討に入ったのも関係する。英国も日本との安全保障上の関係強化を狙いタイフーン後継機が早晩必要となる。
日本はF-35ステルス戦闘機の導入を始めているが、中国の軍事力増強を見ながら2030年めどに制空戦闘機を別途導入し日本の空への侵入を防ぎたいと考えている。
日本は国産開発で新型機を目指してきたが、疑問も生まれている
2019年4月から新規五か年防衛整備計画がはじまりF-3事業をここに含めるためにはすぐにでもワシントンとの協議をが必要になる。
米製装備調達の増加で弱体化した日本の防衛産業の存続のため純国産機開発を求める声が防衛省内や国会議員にあるが、財務当局は費用対効果を疑問視している。
国際共同開発にすれば航空自衛隊以外にも販路を広げて費用面で効果が生まれるからだ。
三菱重工は2016年にステルス試作機ATD-X(X-2)をテストしており、開発費用は3.5億ドルだった。■
Reporting by Tim Kelly and Nobuhiro Kubo; Editing by Gerry Doyle


2018年3月10日土曜日

あなたの知らない戦史シリーズ① ウラジオストック沖米ソ空中戦(1952年)

あなたの知らない戦史シリーズです。これは廃刊になったソノラマ文庫の「朝鮮戦争空戦史」にも紹介されいましたがここまで詳しくなかったと記憶します。性能では劣るパンサーを巧みに操った海軍操縦士の腕の方が上だったということですね。ロシア人がMiGに乗っていたことは前線では知られていて、不時着したロシア人パイロットを捕虜にしようと米軍が近づくと別のMiGがこのパイロットを射殺したということです。

A Secret for 40 Years: Navy Jets Battled Russian Jets Siberian Snow 40年間秘密になっていた米海軍ジェット機対ロシアジェット機編隊の交戦記録



1952年11月18日午後のこと、ネイヴィーブルー塗装のジェット機の4機編隊が空母USSオリスカニーから日本海を覆うシベリア低気圧の中へ発進した。同空母は空母3隻含む25隻の任務部隊77の一部で北朝鮮の橋梁他を空爆していた。その日早くは中国、ソ連からの補給物資が集まる場所で国境線近くのHoeryongの物資集積基地を空爆していた。
4機はF9F-5パンサーで雪嵐で視界500フィートまで下がっていたが戦闘航空哨戒(CAP)に当たった。艦体の航空捜索レーダーは有効半径が100マイルしかなく、ソ連にはIl-28ジェット爆撃機がありその距離なら数分で到達し、現にその姿が写真に収められていた。ソ連や中国機が空母部隊を襲う事態は発生していなかったが、奇襲攻撃をCAPで予防するに越したことはないと思われていた。
パンサー編隊が哨戒パターンで高度16千フィートを飛行中に報告が入った。敵味方不明数機が現在の地点から83マイル北で探知され、ウラジオストックの方向から飛んでいるというのだ。
海軍戦闘飛行隊VF-781所属の四機は迎撃コースをとった。飛行機雲を視認しソ連軍7機が高度40千フィートを飛行中で金属製胴体が光を反射していた。それはIl-28爆撃機ではなく、MiG-15戦闘機編隊でF9F-5は後期型だったが時速70マイルも上回る性能を有する相手だった。
すると編隊長クレア・エルウッド大尉の乗機で燃料ポンプが作動不良となり、空母に呼び戻され、ウィングマンも援護で離脱した。ロイス・ウィリアムズ大尉とデイヴィッド・ロウランド中尉の二機で優勢なソ連戦闘機編隊の7機に立ち向かうことなった。
その後に発生した事態はその後40年間極秘にされたが、2013年にロイスがFlight Journalのトマス・マケルヴィーの取材に答えて明らかになっている。
1950年11月からソ連のMiG-15が米戦闘機と朝鮮上空で交戦していた。ただし、各機は必ず中国国内基地から発進し中国あるいは北朝鮮部隊として交戦していた。公式にはソ連軍は参戦していないことになっており、ワシントンもこの虚構をわざわざ暴いて朝鮮戦争をエスカレートするつもりもなく、交戦はその結末をもとめていた。
ソ連戦闘機は米偵察機を数回にわたり撃墜していたし、米軍は国境近くまで進出しソ連空軍基地を実際に攻撃した事例が数回発生していた。だが一般にソ連領内に配備した戦闘機部隊が戦闘に加わることはなかった。
米海軍パイロット二名がソ連戦闘機に高度16千フィートで接近すると高空を飛ぶジェット機編隊は方向変換で基地に戻るように見えた。だがその後に編隊は二つに分かれ、4機からなる小編隊が米戦闘機に向かい10時方向から降下を開始しながら機関砲の弾丸を発射してきた。
ロイスは機体を激しく旋回させ編隊最後のMiGの後方につき、機関銃射撃で同機が炎に包まれるのを見た。だがロウランド機の機関銃の弾丸がつまった。ロイスの撃墜をガンカメラで撮影しようとロウランドはMiGの尾部を飛び、ついにMiGは海中に墜落した。
ウィリアムズ大尉にはまだ6機のMiGが残っておりドッグファイトは20分も続いた。後退翼のMiGは直線翼の米機より速度も操縦性も優れていた。だがF9Fには伝説になったほどの頑丈な機体構造があり、高速発射20mm機関砲4門を備えていた。MiGには23mm機関砲二門と強力な37mm砲一門があったがいずれも発射速度が低く精度も敏捷な戦闘機相手では不足気味だった。
ウィリアムズ大尉はフルスロットルのまま攻撃してくるMiGの内側を旋回しながら短めに射撃した。当時26歳の大尉はミネソタ出身で射撃訓練では高得点だった。素早く編隊の先頭機とウィングマンに20mm弾丸を浴びせると旋回してその場を離れ、二機は炎に包まれ、四機目のMiGにも大損害を与えた。
だが別のMiGが乗機の尾翼に銃弾を浴びせ機体や主翼、エンジンに命中して損傷し、油圧系統をやられた。パンサーの方向舵とフラップが反応せずエルロンはわずかに動くだけだ。そうなるとパンサーは唯一残った水平尾翼の昇降舵を使って回避行動をするしかない。
大尉は下方の雲に向かい降下を開始したがMiG-15の一機が追いかけてきて機関砲を発射した。ロイスは昇降舵で機体を上下させながら弾丸を避けた。だがウイングマンがse扇動するとソ連機はひきさがったが、なんとロウランド機の機関砲は弾丸がつまったままだった。ロイスは損傷した自機の降下をなんとか止めたがわずか海上400フィートで射出脱出には高度が低すぎた。
大尉は自機をオリスカニーになんとか帰還させた。途中で敵機と誤認され米艦から対空砲火もあびたが、生命の危険につながる日本海での着水は御免だ。減速できず時速170マイルで接近するパンサーは安全に制御できなかった。オリスカニー艦長が機転を利かせ風上に角度を付けて操艦してくれたためロイスはテイルフックを空母の三番ワイヤーにひっかけ半破壊されたパンサーは停止した。整備員が機体に263か所の命中箇所を見つけ、機体は利用可能な部品どりの後海中に投棄された。
巡洋艦USSヘレナのNSA情報班がソ連の無線交信を傍受しておりウィリアムズ大尉にMiG編隊の接近を警告しながら同時に三機が撃墜され、四番機が損傷しヴィクトル・ベリヤコフ大尉がソ連領内で墜落した内容を受信していた。35分間の小競り合いでロイスは朝鮮戦争開始後のパンサーパイロット全体の撃墜数と同じ数のMiGを一人で打ち落としていた。
ウィリアムズ大尉はある提督から今回の特筆すべき功績を決して口にしないよう釘をさされた。米国とソ連は公式には交戦状態になくNSAによるスパイ活動でソ連を監視している事実も知られてはならない。だがロイスの功績は埋もれたままにはならなかった。一か月後にソウルへ呼ばれ、大統領選に当選したドワイト・アイゼンハワーと飲みながら航空戦の実態を話した。本人によると大統領の勧めるままスコッチに手を出したことは一生後悔するとのことで、本人はいつもはバーボン水割りを飲んでいたという。
1990年代に入りロシアも情報の機密解除をしウラジオストック付近での航空戦で死亡した四名の氏名を公開した。これでウィリアムズもやっと秘密の誓いから解放された。
ラジオストック上空のMIG対パンサーの衝突以降米戦闘機がロシア戦闘機を撃墜した事例はないが、米ソの空中対決はその後も続き、1953年にはF-84サンダージェットがチェコのMiG-15にボヘミア上空で撃墜され以後1970年までに米輸送機、偵察機十数機がソ連戦闘機やミサイルに撃ち落されている。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring

インドネシアがA400Mの調達を決定

A400Mはいろいろトラブル続きだと分かっているのですがインドネシアがここにきてわざわざ同機を調達するとは思いませんでした。しかも2機だけというのがよくわかりません。同国の場合は兵力投射機能以前に広大な国土を抱えていますから国内輸送だけでも仕事量は十分あるのでしょうね。またマレーシアが先に導入しておりその実績を見て判断したのかもしれません。


Indonesia confirms A400M acquisition plan インドネシアがA400M調達を決定

Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
08 March 2018
  
王立マレーシア空軍のA400M。インドネシアは隣国に倣い同輸送機を導入し、二機を調達する。Source: IHS Markit/Gareth Jennings

インドネシア空軍(TNI-AU)がエアバス・ディフェンス&スペースA400M輸送機の導入を決めた。
空軍の3月7日発表では二機調達し同国の東西を結ぶ物資輸送で地方政府を支援するという。大日程や調達価格の詳細は発表がない。
Jane’sはインドネシアがA400Mに関心を表明していると2017年1月に初めて伝えていた。その時点で政府と国内防衛産業筋はインドンシアが最大5機の購入を検討し調達予算として20億ドルを確保したと述べていた。その後同年4月にはエアバス側と調達をめぐる契約の準備が始まっていた
TNI-AUの固定翼機輸送部隊は近代化を迫られており、現行機材にはロッキード・マーティンC-130B/HとL-100ハーキュリーズ19機、エアバスDS-PTディルガンタラCN235(6機)、C212(7機)があるが、2000年以降にC-130は5機が墜落している。
A400Mはペイロード37トンだ。インドネシアはでは国内の貨物輸送に投入するが同機は軍用仕様で各種軍事装備も輸送可能だ。■

2018年3月9日金曜日

速報 金正恩がトランプを会談に招待したとの韓国政府発表に見られる奇妙な点

今回の発表にはいくつか奇妙な点があり案す。1)なぜ韓国政府がホワイトハウス前で発表したのか しかも米政府の立ち合いなく 2)外交チャンネルをすべてバイパスしての発表である 3)なぜ米大統領が「格下の」北朝鮮首都を訪問する必要があるのか などなどです。1)については米政府としてコミットしたくないからでしょうし、このまま実現しない場合の責任逃れでは。それよりも韓国は仲介役として点数稼ぎしたいのでしょうが、世界は北朝鮮の使い走りとしか見ないはず。そもそもなぜ北朝鮮が自ら意思を伝えないのか。2)については今後あちこちで軋みが生まれるでしょう。3)については平壌訪問は論外で第三国、中国を大統領は希望するでしょうができれば中立国で会談すべきでは。(ニクソンはいきなり北京を訪問した前例はありますが) 米側もいきなりの発表で驚いている感じで反応はこれからでしょうね。問題は日本です。新しい事態に早く適応してはしごをはずされない=以前の立場に固執しない ことではないでしょうか。それだけに全体像を把握する思考が必要になるはずです。

South Korean leaders announce unprecedented invitation for Trump to meet Kim Jong-un in North Korea 韓国政府高官から前例のない金正恩と北朝鮮での会談にトランプ大統領の招待が発表された



  • 北朝鮮指導者金正恩がドナルド・トランプ大統領を会談に招待し核・ミサイルテストを一次停止すると述べた。
  • 発表は韓国政府政府関係者が行い、先の北朝鮮報恩結果を米側に説明した後のこと。
  • トランプは「背景情報説明に感謝」し、金正恩と5月にまでに会い「恒久的非核化を実現する」ことを目指すと述べたという。



朝鮮指導者金正恩がドナルド・トランプ大統領を会談に招き、同時に北朝鮮は核・ミサイルテストを一時停止すると述べた。
韓国国家保安室長鄭義溶Chung Eui-yongと国家情報院長官徐薫Suh HoonがワシントンDCを訪問しH・R・マクマスター国家安全保障担当補佐官に北朝鮮との外交面での新たな進展を説明した。
この説明で金正恩発の親書が韓国側からホワイトハウスに手渡されたとの報道がある。
「金正恩は非核化に正面から取り組んでいる」とChungは3月8日述べている。「金は北朝鮮はこれ以上の核実験あるいはミサイル試験は行わないと確約した」
「合わせてトランプ大統領とはなるべく早く会談したいと希望を表明した」(Chung)
Chungによればトランプは「情報提供に感謝」し金正恩とは5月までに会談したいと述べ「恒久的非核化の実現」が目標と述べた。
同日はそれ以前にトランプから「重大発表」が出ると思わせぶりな発言が出ていた。「これで当方の成果となるはず」と述べていたとABCニュースのメレディス・マクグローが伝えていた。
トランプはこれまでも北朝鮮と適当な時期に適当な状況で」対話の用意があると繰り返し述べていた。
1月になり北朝鮮から外交面で動きが多数出て、米国、韓国と交渉の用意があると示していた。2018年冬季五輪大会に参加し、韓国とは数回にわたり協議を行っている。
「あちらに誠意はあると思うが制裁はじめこちらの対応があるから誠意を示しているのだと思う。その一つが中国が提供中の強力な支援だ」とトランプは今週火曜日に述べ、包囲網で中国の役割の増大に言及していた。
金正恩が非核化を言葉の上で約束したことで米国には対話の条件が整ったと言える。「当方の条件は非核化だ」と米国務省報道官ヘザー・ノイアートは報道陣に2月末に語っていた。「我が国の政策は不変だ。政権初日から政策を語っており、最大限の圧力についても同様だが同時に朝鮮半島の非核化も一貫して主張している」

ただし米関係者からは北朝鮮との対話に警戒する動きもある。木曜日にレックス・ティラーソン国務長官は「交渉への道のりは遠い」と述べていた。「目を見開いて現実的な対応が必要だ」と長官は報道会見で述べていた。■

B-52の攻撃能力はここまで引き上げられ2040年代まで供用される

エンジン換装の話もあるのですが別プロジェクトのためまず兵装関係の改修を行うのですね。ここまで頑丈な機体を作った1950年代の設計の冗長性が大きな効果を生んでいますね。

 

Meet the 'New' B-52 Bomber: How This Old Plane Can Drop Even More Bombs 「新しい」B-52爆撃機はもっと多くの爆弾を搭載する



March 6, 2018

空軍が歴史的機材になったB-52爆撃機で大幅な兵装搭載能力アップを機内兵装庫の改修で実現し、攻撃力を引き上げる。
1760機内兵装庫改修事業(IWBU)でB-52各機は最新「Jシリーズ」爆弾を8発まで搭載でき、さらに主翼下のパイロン各6点も活用する。これで攻撃力アップのみならずこれまで以上の種類の新鋭兵装を運用できるようになる。
IWBUはデジタルインターフェースと回転式発射装置で兵装ペイロードを増やすのが狙いだ。
「B-52の1760機内兵装庫改修で機内にJシリーズ(スマート)兵器運用能力が生まれ、共通戦略回転式発射機も近代化され機内ソフトウェアもアップグレードする」と空軍広報官エミリー・グラボウスキ少佐がWarrior Mavenに語ってくれた。
B-52はこれまでもJDAM兵装を機外に搭載していたがIWBUで機内に最新精密誘導方式の共用直接攻撃弾や共用空対地スタンドオフミサイル他の運用が可能となる。
空軍兵装開発部門はIWBUでB-52の兵装搭載能力は66パーセント伸びるとWarrior Mavenに語ってくれた。
空軍開発部門の説明では機内搭載兵装庫能力のアップで爆弾を機内に移して燃料消費率が改善される。抗力が減るためだ。
今回の改修は空軍の近代化改修では大掛かりな規模だが、B-52がかつての「絨毯爆撃」はもはや行わない事実は周知の事実だ。近代戦では戦闘員掃討戦であれ大規模機械化交戦であれ精密度が求められる。今回の改修はさらに大型の精密誘導兵器やスマート兵器の搭載につながるとグラボウスキ少佐が説明してくれた。
もちろんB-52は今でも必要なら絨毯爆撃できるのだが、現在の環境では長距離センサーや誘導兵器あるいはレーザーで今まで以上のスタンドオフ精密攻撃が可能だ。
またB-52の機体寸法を考えると同機の活躍場所は米空軍が航空優勢が確保済みの空域となるはずだ。ロシア防空体制が長距離を有効範囲に収め精度を高めつつあり、高高度飛行爆撃機にはさらに危険な状態になっている。
指揮統制技術、有人無人機の同時運用、人工知能の進展ぶりを考えるとB-52にも無人機の統制機能が導入されることが十分ありうる。
IWBUの初回機能アップで機内兵装庫でレーザー誘導JDAMが発射できるようになる。二回目改修が2022年予定で共用空対地スタンドオフミサイル(JASSM)、JASSM射程延長型(ER)やミニチュア空中発射デコイ(MALD)の運用能力が実現する。MALD-JのJはジャマーでB-52で運用可能となれば敵レーダーの妨害機能も実現する。
供用中のB-52の76機にデジタルデータリンク、移動地図画面、次世代エイビオニクス、新型通信装置を搭載し多様な兵装を機内搭載しながら今後登場する新型ハイテク兵器の運用を可能にしていくと空軍関係者は述べている。
B-52の機体構造と頑健性は極めて強固と評価されており、2040年代以降も飛行可能なため空軍は最新かつ高性能のエイビオニクス、兵装、技術を惜しみなく投入すると空軍兵器開発部門がWarrior Mavenに説明してくれた。■
This article originally appeared on Warrior Maven.

Image: U.S. Air Force

2018年3月8日木曜日

日本向けCIWS高性能化改修キット販売を国務省が認証

以下は国防安全保障協力庁による公式発表のご紹介なのでいつものジャーナリスティックな表現ではなく官報的に硬いものになっています。ご了承ください。ファランクスを搭載した自衛艦での装備合計が24基あるのでしょうか。詳しい方ご教示ください。

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Japan – MK 15 Phalanx Close-in Weapon System (CIWS) Block IB Baseline 2 Conversion Kits  日本関連-MK 15CIWSブロックIBベイスライン2変換キット



WASHINGTON, Mar. 02, 2018 -
米国務省は海外軍事販売制度による日本向けMK15ファランクス近接兵器システム(CIWS)bロックIBベイスライン1のMK15ファランクスブロックIBベイスライン2変換キットを推定価格45百万ドルで売却する案件を承認した。国防安全保障協力庁は本日同案件の関連書類を議会に提出した。
日本政府は合計24基のMK15ファランクス近接兵器システム(CIWS)ブロックIBベイスライン1のMk15ファランクスブロックIBベイスライン2変換キットの購入を要請している。あわせて支援機材、予備部品、技術文献、ソフトウエア他関連支援、補給サービスも含め総額45百万ドルだ。
今回の売却で米国の外交政策及び安全保障の上で主要同盟国の安全が高まり、これまでと同様に今後も政治的安定と経済繁栄の裏付けとなる。
今回の販売で日本の防衛能力も向上する。日本は高性能化した同装備で域内脅威に対する抑止力の一環とし本土防衛も強化できる。
今回の売却対象の装備・支援体制で域内軍事バランスに変化は生じない。
主契約企業はレイセオンミサイルシステムズ(アリゾナ州ツーソン)。また今回の販売提案で相殺合意がないことが判明している。
今回提案の売却案件を実施した場合、米政府の追加要員あるいは契約企業の代表が日本に常駐することはない。
また今回提案の販売で米国防即応態勢に悪影響はあ出ない
本通告は法の求めによって行っており、実際に販売が成約し他ことを意味するものではない。

今回の海外軍事販売制度適用の案件についての疑義はすべて国務省の政治軍事問題局内議会社会連絡室pm-cpa@state.govあてにお願いしたい。■

★A400Mに苦しむエアバスがついに年間生産数削減の調整策行使に追い込まれた

これ、事業としては破綻している気がするのですが誇り高いヨーロッパの皆さんは事実を認められないようですね。2030年代にやっと全機そろったところで初期機体はすでに耐用年数が残り少なくなったり、性能が時代遅れになったりして運用が大変そうですね。何でもかんでもヨーロッパで、という思想がこの結果です。民生部門でも失敗が隠せなくなるのではないでしょうか。そこで単純にC-2の商機が増えると思えませんがチャンスは広がりそうですね。



Airbus to slash A400M assembly rate エアバスがA400M生産数を削減

Asset Image
Airbus Defence & Space
07 MARCH, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: CRAIG HOYLE
LONDON


エアバスはA400M戦術輸送機の最終組み立て機数を大幅削減し、2017年の年間19機が2020年にわずか8機になる。
「生産調整で2020年から年間8機体制に移行します。2018年は15機、2019年は11機とします」と同社は発表。「この生産調整はローンチカスタマー各国との協議に基づくもの」とし、防衛宇宙事業部が「別途輸出営業を続ける」としている。
エアバスはヨーロッパ7か国のアトラス導入国と2月はじめに意向確認書を取り交わし、合計170機の受注分の見直しで合意できている。これをうけて同社は「巨額財務負担」の緩和を狙い、生産遅延と戦術性能の後付け搭載に対応する。
新生産計画は3月7日に発表され、エアバス・ディフェンス&スペースは受注174機のうち2019年に80機納入を達成し唯一の海外発注国マレーシア向け納入も含む。年間生産数を8機に減らし、受注残分の生産を12年間かけて完了する。そのため生産は2030年代初めまで続く。
A400Mでの生産変更の案内と並行してエアバス民生機部門はA380年間生産数も2020年から6機に減らすと発表した。二つの措置でフランス、ドイツ、スペイン、英国で計3,700名分の雇用が影響を受ける。

「エアバスとして最善の生産管理で製品完成が順調に進むよう努力していきます。「今回の生産調整の決定により顧客、サプライチェーン全体や当社従業員に今後の状況がわかりやすくなります」と同社は発表。■

南北朝鮮の急展開で次の手を迫られるのは米国(及び日本)だ。

南北朝鮮の会談で急に事態が進展しかけており、想定外の動きとなれば日本にも衝撃となりますが、こういうときこそ地政学的にものを見ないといけません。その地政学の本家フリードマン主宰のストラトフォーの見解を見てみましょう。参考になるでしょうか。ストラトフォーの宣伝用に無料で公開している記事なのでちょっと物足りないのですが。

In Nuclear Dialogue, North Korea Leaves U.S. With the Next Move 核交渉で北朝鮮は米国に次の手を打つ必要を生んだ

March 07, 2018

要点

 
北朝鮮は今後も南北朝鮮対話を活用して対米関係の行き詰まりを解消するはずだ
だが平壌の対米攻撃能力実現は時間の問題で朝鮮半島駐留米軍部隊に変化は必至だが、米国は妥協しないだろう
中国とロシアは緊張緩和を求めるだろうが、米国の同盟国日本は米方針の急激な変化に戸惑うはずだ。

朝鮮指導者金正恩が四月末を第三回南北朝鮮首脳会談の日程に設定し、板門店で行うという。金正恩は米国とも関係正常化や朝鮮半島非核化のため話し合う用意があると述べ、対話進行中は核・ミサイル実験は凍結すると述べた。金正恩は非核化は亡父の遺言で本人も熱望してきたという。
 北朝鮮が開戦一歩前の瀬戸際状況を使って米国とのぎくしゃくした関係の打開を図るのは今回が初めてではない。1993-94年の核危機で合意フレームワークを得て、金日成の死亡直前に南北首脳会談の構想もあった。1998年の衛星打ち上げ後に突如北が韓国大統領金大中を招へいし初の南北首脳会談が実現し外交関係の整備を図り世界を驚かせた。2006年に北が初の核実験を実施すると一時的に関係が冷却したが2007年に第二回首脳会談が行われた。いずれの場合も北は危機を使って自国の活動範囲を広げるとともに制裁措置の効果を減らし、朝鮮半島周辺の関係を変えようとした。その効果はすぐに消えることもあったが。
 重要なのは北朝鮮が口にしたこととしていないことだ。朝鮮半島の非核化とは単に北朝鮮の核兵器開発能力の除去だけではない。同時に駐韓米軍の戦力構造にも影響が生まれ、場合によっては韓国への米軍の核の傘も対象となる。金正恩は核兵器廃止の条件として自らの統治機構の温存とともに北朝鮮に対する脅威の排除を求めており、北は繰り返し米軍の韓国内演習を北への脅威だと述べている。ミサイル・核実験の凍結には短距離装備は非対象の可能性があり(北は直近の軍事パレードでイスカンダーミサイルの一種と思われる装備を初披露したがこの装備はまだテストしていない)、衛星打ち上げも対象外のはずで、北朝鮮は打上げは国際的に認められた権利だと主張している。
 北の先手で米国は次の手を迫られる。韓国は首脳会談に合意し、未確認報道では韓国から北朝鮮に4月の米韓合同演習は実施すると告げたという。だがワシントンは北朝鮮との対話再開が可能なのか確かめたいとする。これまでの米国の条件は対話は北の非核化が条件であり、北は誠意をもって核開発ミサイルテストを凍結する必要があるとしてきた。平壌も同様の条件を提示しているが、ワシントンは北朝鮮が制裁で厳しい状況に陥り孤立してから対話に持ち込む予定だった。トランプ政権としては単なる時間稼ぎの対話を真剣に行うつもりはなく、そのため北朝鮮の兵器装備はほとんどそのまま温存され問題解決よりもいかなる決議も効力を発せず武力衝突への道がそのまま残る。
 北朝鮮は米国の対応を待っているといってよい。韓国は対話に前向きでこれで南北の緊張が緩和すれば自国経済問題の解決に専念できる。中国やロシアは米国に肯定的な対応を求めてくるはずだ。ワシントンは最大の圧力をかける方針で対応してきており、日本含む主要同盟国へ同調を求めてきた。日本は米国の政策方針が急変することを警戒している。もし米国がこの時点で対話に切り替えれば過去の失敗を繰り返すリスクが生まれる。逆に対話を行わないと韓国との関係が悪化するリスクになり、封じ込め戦略を進めようにも国際協力が得られなくなる。祖父、父親と同様に金正恩も国際状況の読み取り方で今のところは巧みな力を示しており、時間と空間を自分の都合よい形にする目標をめざしている。次の手はワシントンだ。■



This article appeared originally at Stratfor.

ロシア公表の新兵器の驚くべき内容はどこまで信憑性があるのか不明だが、米側に看過できない内容なのは明らか

プーチン大統領が発表した各種新兵器は常軌を逸した内容のようです。米防衛体制の弱点の裏をかくような内容で米側も見直しを迫られそうですが、前にも指摘したようにミサイルや無人機に核動力を搭載することで副次的な破壊効果も生まれるでしょう。看過できない内容で「反核」主張の人たちが沈黙しているのは理解できません。奇をてらった装備もあり、本当の効果は永久にわからないかもしれません。米側としては新装備導入を訴えやすくなる効果があるのですが、ロシア中国が開発ペースを加速化する中で焦りも米側に見えますね。このため今後は日本、イスラエル、インドはじめとした技術力の取り込みを米国は意識するでしょう。

Aerospace Daily & Defense Report

U.S. Calls For Better Defenses As Putin Touts New Nukes ロシアの新核装備に対応し米防衛体制強化が必要だ

Mar 2, 2018Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


Sarmet: NBC News

戦略軍団司令官が追尾監視体制の強化とミサイル防衛能力の引き上げがロシア大統領ウラジミール・プーチンが公開した恐るべき新型核装備の数々に対抗するため必要と求めている。
3月1日演説でロシア連邦議会に向けプーチンは5種類の「無敵」次世代核兵器を紹介し、米ミサイル防衛体制をかいくぐる、通常の弾道コースを通らない「サーマットSarmat」大陸間弾道ミサイル(ICBM)に「アヴァンガードAvangard” boost-glide hypersonic weapon, 」飛翔滑空極超音速兵器を搭載し、核動力巡航ミサイルで無限の飛翔距離を実現し、海中に核無人機を投入し、「キンザルKinzhal」空中発射式極超音速ミサイルに言及した。
プーチン演説は米側が国防長官ジム・マティスの新核戦力整備検討結果でミサイル防衛体制の整備を加速強化すると中で出てきた。ジョン・ハイテン大将(米戦略軍団司令官)はロシアの核戦力は「100%最新装備化」され米国が後塵を拝することになると警告した。
「では米国はどうか。近代化はゼロパーセントに近くこれから始まろうかというところだ」とハイテン大将は2月28日に米陸軍協会会合で講演した。
ハイテン大将は宇宙配備ミサイル警報機能の実現が今後登場する極超音速兵器や大気圏再突入体の追尾に必須の装備として米ミサイル防衛体制に加えることと強調し、現在の体制は弾道ミサイルを中心に想定している。
「センサー探知効果では艦船も太平洋のレーダー施設も十分でなく、宇宙を活用せざるを得ない」(ハイテン大将)
ミサイル防衛庁(MDA)にはこの構想として中間軌道対追尾センサー(MTS)があるが、「あまりにも時間がかかりすぎる」とハイテン大将は述べた。
ハイテンは同時に汎地球規模のセンサー・レーダー網によるミサイル発射探知機能の向上を求めている。同様の装備はMDAがアラスカに長距離判別レーダー(LRDR)として設置ずみだが、もっと信頼性が高くないと確実な破壊につながらず、多数の物体を同時に識別する必要があるという。
だがハイテン大将の最大の懸念は米国が「迅速に事を進める能力を喪失した」ことだ。
「何かしようとすると永遠と思えるほど時間がかかる一方で敵側はこの問題に無縁のようだ。もう一度迅速に進める方法を樹立しないと敵に追いつかれる」
ではプーチンが発表した戦力の内容は以下の通りだ。「サーマット」は200トンのICBMで射程距離11,0000キロで現行のR-36ヴェーヴォダの後継となる。プーチンはサーマットの性能を自慢し加速段階が短時間のため米ミサイル防衛体制で迎撃は困難とした。同ミサイルは極超音速兵器含む各種核弾頭が搭載可能だ。
プーチンの背後の画面ではサーマットの攻撃パターンを北極、南極双方を経由で示していた。
サーマットは「アヴァンガード」地上発射式加速滑空制御可能極超音速兵器の搭載も可能でプーチンは対空網、対ミサイル網に「絶対無敵」と豪語した。アヴァンガードは機体表面が1,600-2,000度Cになり「隕石のような火の玉となって標的に飛ぶ」と述べた。
同時にプーチンは核動力巡航ミサイルを紹介し、飛行距離で制約がほぼ存在せず、「想定外の飛翔軌道」を飛ぶと述べた。米トマホーク同様に低空飛行のステルスミサイルと述べ、小型核ロケットエンジンを搭載するという。ロシアは2017年末にテストに成功したとも述べた。
ロシアは水中核動力無人機も開発し、プーチンは長距離を「極限の深度で」進み、速度は「潜水艦の数倍」と述べた。同兵器は「敵の対抗措置では破壊不可能」で通常型、核双方の弾頭を搭載し各種標的の破壊が可能という。

最後に「キンザル」(短剣)は高精度極超音速航空機搭載ミサイルでプーチンによれば核・非核両用でマッハ10で射程2,000キロのという。MiG-31から発射される様子が示されたが、飛翔中は一貫して制御可能なため米対空ミサイルやミサイル防衛体制をかいくぐることが可能だとプーチンは説明。性能はテスト済みで「試用投入」が昨年12月1日に始まったという。■