2018年3月21日水曜日

台湾向けF-15リース構想についてより詳しくはこちらをご覧ください。

先にお伝えしたF-15の台湾リース構想にはさっそく皆さんも反応していますが、さらに詳しい分析記事が出ましたのでご紹介します。ハリアーの取得というオプションは以前も出ていた気がしますが、イーグル+ハリアーの組み合わせが実現すれば台湾は相当強力になりますから、北京は何としても阻止ししょうとするでしょう。


The United States Could Offer Taiwan Leased F-15C Eagles According To Report米国が台湾にF-15Cイーグルをリース方式で提供可能との検討結果

Taiwan wants the F-35B but second-hand leased F-15Cs could give the country a boost in air power without setting off a geopolitical storm.

台湾が欲しいのはF-35Bだが中古F-15Cでも空軍力は相当増強できしかも地政学上の波紋は起こさない

BY TYLER ROGOWAYMARCH 19, 2018

TYLER ROGOWAY
湾がほしいのはF-35とくに固定翼機では不可能な分散基地から運用できるF-35Bなのは公然の秘密だが、オバマ政権は台湾のF-16購入要請でさえ却下した。仕方なく台湾はF-16A旧型を新鋭機に近い形に改修せざるをえなかった。トランプ政権は米台関係を書き直したいというが、F-35は簡単に入手させないだろう。だが使用済みF-15Cイーグルのリース契約なら可能性はある。
習近平に媚びて北朝鮮対決の手助けを求めることは最初から明らかなトランプ政権は台湾の取扱いについては何ら計画がないままだ。トランプは旅行法案に今週署名し米政府関係者の台湾直接訪問を勧奨することとなったが、これで中国が怒りをあらわにし米台間の軍事関係強化に警告を出している。だが二国関係の変化で米国は高性能装備を台湾に提示することになりそうだ。
台湾のUp Mediaが米国提示案を最初に報道し最新鋭戦闘機を台湾に輸出することと戦術機材の改修を否定することの中間の妥協策だという。それによるとUSAFで使ったF-15C/Dに聞こえる機材を厳しく使用制限しながら改修してリース供与するという。
TYLER ROGOWAY/AUTHOR

提案ではイーグルが迎撃任務に向いており短距離滑走路から運用可能とあり、ミサイルを多く搭載できることと航続距離には触れていない。台湾は中国空軍力の増強のみならず地理条件からも脅威を受けている。
中国は空母搭載機で台湾東部からも接近可能で長距離爆撃機が全島一周警戒飛行を行っており台湾を各方面から威嚇している。中華民国空軍はF-16A/B、ミラージュ2000、F-5、F-CK-1軽量国産戦闘機の各型を運用するがいずれも航続距離、兵装、レーダー性能でF-15に劣る。
仮に提案通りの実施となればF-15Cをどこから調達できるだろうか。およそ100機のF-15Cと少数のD型がアリゾナ州ツーソンの航空機墓場に保管中である。大部分は供用年数をすぎており構造補強ないし集中点検をしないと飛行可能にならない。
だがリース契約なら機体の構造改修を十分に行える。その他改修もあるが国務省がAPG-63V3アクティブ電子スキャンアレイレーダーの搭載まで認めるか不明だ。
同レーダーは世界最強の戦闘機用AESAレーダーと言われ、台湾のF-16A/B型も小型ながら強力なAESAに換装している。台湾がイーグル部隊をレーダー換装して運用すれば台湾は中国と質的に同等となり、低空飛行中の巡航ミサイル探知には有効だろう。台湾には巡航ミサイルが大きな脅威になっている。
TYLER ROGOWAY/AUTHOR
F-15C with APG-63v3 installed.

一方でUSAF内部でのF-15C/Dの将来は必ずしも保証されていない。F-15C/Dを退役させ改修F-16に置き換える構想が昨年に検討された。当面この物議をかもす構想は棚上げされているがUSAFは2020年代末にはF-15の主翼交換という高額出費を覚悟する必要が生まれる。
そこでF-15C/Dで待ち焦がれていた電子戦装備の改修が取り消しになったとの報道が先週出たばかりだ。イーグルが今後も活躍するためにはこの改修がどれだけ必要か力説しても足りないぐらいだ。

View image on Twitter
Scoop: USAF Forgoing @BAESystemsInc EPAWSS Survivability Upgrade On @Boeing F-15C Fleet, Will Only Upgrade E-model Strike Eagles http://aviationweek.com/awindefense/usaf-forgoes-epawss-upgrade-f-15c-eagle … JD @AviationWeek


もしUSAFが同機を数年以内に退役させれば新型レーダー装備の機体が台湾に渡ることになる。 
F-15の台湾売却案はロッキード・マーティンが行った太平洋軍向け背景説明にある台湾F-16の能力向上策から浮上した。ボーイングは中国に民間機製造で相当の投資をしており、イーグル売却には難色を示すのは十分予想される。だがリース契約ならF-15はボーイングを介さずに米国政府が準備することとなり議論の余地は残る。
2010 PACOM BRIEFING

イーグルの性能がずば抜けているとはいえ、台湾が本当は欲しいのはF-35Bで別の能力が実現する。だが台湾にはステルスやセンサー融合は重要ではない。イーグルでは不可能な極端に短い滑走路での運用こそ魅力の点なのだ。
AP

台湾では戦闘機を高速道路上で運用訓練を行っているが、中国情報機関にこの点は知られており、F-35BやAV-8Bならもっと小さな運用地点で十分なのだ。
このことを念頭に台湾にAV-8Bを提供することも追加解決策になる。米海兵隊のハリアー部隊が退役すれば各国で引っ張りだこになると以前指摘しているが、同機を艦載運用する想定の国がある一方で台湾は陸上配備し有事に臨時基地から分散運用する構想だ。
USMCのハリアーはAV-8B+型で中古APG-65レーダーを搭載する。レガシー・ホーネットから取り外したものだ。強力なAIM-120AMRAAMを搭載し小型AESAを付ければ非常に有能な対空兵器システムになる。とくに巡航ミサイル防空に有効で、機体は地方に隠せる。AV-8Bは海上目標を攻撃可能で有事に対地対艦攻撃に活躍出来る

USN
そうなると台湾に一番良いのは政治的にも最善と言う意味では中古イーグルとともにAV-8Bもリースすることではないか。短距離離陸運用の経験を得てから台湾はF-35B導入に向かえばよい。ただしその道が開くのは相当先のようだ。
イーグルの台湾向けリースは興味深い構想だが実現するかわからない。またハリアー調達の方が理屈の上でも実現性も高いように見える。ただし補給兵站上は難易度が高いが。

TYLER ROGOWAY/AUTHOR

トランプ政権が「一つの中国」政策への姿勢を変化させる中で台湾の戦闘機部隊の構成がどうなるかは引き続いてお知らせしていく。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

期待にこたえられなかった装備②ヘンシェルHs 129対戦車攻撃機はなにがまずかったのか

期待にこたえられなかった装備シリーズ②はドイツのヘンシェルHs129対戦車攻撃機です。コンセプトはいいのですが、優秀なエンジンは戦闘機優先で使えずフランス製の非力エンジンを搭載しましたが、登場のタイミングが悪くあと数年前に供用開始していれば話はかわっていたでしょう。ヘンシェルと言う会社には航空機部門はあまり重要ではなかったようです。

The Hs 129 Was Supposed to Be the A-10 of World War II Hs 129は第二次大戦時のA-10をめざしたがエンジンの性能不足と官僚統制のまずさで傑作機になれなかった

Bad engines and poor management doomed the German ground-attacker

The Hs 129 Was Supposed to Be the A-10 of World War II
March 21, 2016 Paul Richard Huard


ンシェルHs 129は一見すると完璧な対地攻撃機に見える。
双発で強力な装甲を施したコックピットはパイロットを小火器銃弾から守る。同機は当時最大級の機関砲を前方発射する設計だった。
Hs 129はドイツ空軍の究極の戦車キラーとなりソ連T-34戦車を上空から葬るはずだった。言い換えると第二次大戦版のA-10ウォートホグになったはずだ。
一つだけ問題があった。Hs 129の性能だ。原型のHs 129 A-1の性能が低すぎてドイツ空軍も受領を拒否したほどだ。
Hs 129はウォートホグではない。失敗作だった。
ただし同機は航空史上で特異な位置につく。ジェット戦闘機や弾道ミサイルまで製造したドイツ技術でも失敗作があることがわかるからだ。
「Hs 129はその時点でのA-10を目指したもののその目的は果たせなかった」とジョン・リトル(シアトルの航空機博物館学芸員)が語る。「A-10は低速ながら操縦性が高く戦車を狙い撃ちしてパイロットは生還できる」
「Hs 129は再設計し強力なエンジンに換装し低速性能を強化しながら操縦性を高めて標的を視認しやすくするべきだった」とリトルは述べる。「ドイツ空軍には残念ながらHs 129の必要性は高く実戦化前の段階で投入する必要があった。Hs 129は頑丈に作ってありパイロットの間ではA-10と同様だった」
1930年代末にドイツ軍地立案部門はルフトヴァッフェには専用の対地攻撃機が必要と判断した。スペイン内戦でコンドル部隊が対地攻撃ミッションを行い、低空攻撃で共和国軍が対地掃射で士気が低下する効果を確認し、物資補給処を攻撃し、砲兵隊をピンポイント攻撃していた。
攻撃専用機構想は前からあり、第一次大戦に初の機体が生まれている。

だがヒトラーは第一次大戦のやり方で戦争したくたなかった。迅速な移動でドイツの敵を一掃したかったのだ。このためドイツ地上部隊を支援する専用機材が必要となった。
だが設計上の困難さ、情報収集の失敗、空軍上層部の決定のまずさがHs 129の製造と配備に悪影響を与えたとリトルは言う。
上層部は「専用対地攻撃機の必要度を低く評価し特に対戦車攻撃機でこの傾向が強く、時を逸した」とし、「バルバロッサ作戦の前にドイツ情報部はソ連の戦車はわずか1万両と見積もっていたが、実は2万4千両だった。ドイツで専用対戦車攻撃機が必要と痛感されるまでに時間がかかりすぎた」
さらにドイツ政府はヘンシェルを汎用メーカーとみなし、他社機材の生産にあたらせたりしていた。
その結果、ヘンシェル製造の機体は少ない。Hs 129試作機が3機、Hs 129生産前試作機8機のあとHs 129は870機しか製造していない。これに対しメッサーシュミットBf 109は33千機、フォッケウルフFw 190は20千機も製造された。
Hs 129量産が始まった時点でドイツ陸軍は守勢に回り、ソ連装甲車両の破壊が急務となっていた。十分な機数がそろい兵装を積んだHs 129はソ連戦車に効果を発揮した。
ドイツでは残念ながらHs 129は5飛行隊しか編成されずしかも最適な兵装を搭載したとはいえなかった。
さらに設計に問題があった。Hs 129は満載時最高速が200マイルと低速でキャノピーは三インチのガラスがパイロット視野を妨げていた。
さらにHs 129が搭載したフランス製ノーム・ローヌ14Mエンジンが埃や砂に極度に弱く飛行中に突然停止することがあった。
パイロットが頑強な機体のHs 129を気にいったのはほぼ破壊不可能なためだった。また装甲車両攻撃用に大重量のRüstsätze攻撃パッケージを搭載できた。
ドイツ空軍の対地攻撃エースのルドルフ・ハインズ・ルファーは戦車80両を撃破し鉄十字騎士賞を受けている。ルファーは戦車撃破パイロットとして史上最も大きな成果を上げた。

だが本人のHs 129戦闘記録の幕切れは悲惨だった。1944年にソ連対空砲火が乗機をポーランド上空でとらえた。ルファーは即死し乗機は爆発した。■

2018年3月20日火曜日

速報: 台湾にF-15リース提供提案が入った(らしい)

台湾向けF-15リース案が浮上。実現すれば中国本土近くにイーグル展開へ
Defense.gov photo essay 120719-F-AD344-174
By: Staff Sgt. Christopher Hubenthal [Public domain], via Wikimedia Commons

台湾のUp Mediaが3月19日報じたところによると米政府からリース方式でF-15を台湾に提供する提案が入ったという。
  • 成立すれば米台両国にウィンウィンの結果が生れる。米国はイーグルを台湾に売却することに消極的で台湾は新造F-15を多数購入する財政負担を回避できるからだ。
  • 提案では機体寿命がまだ半分残る機材を改修し新型ミッションコンピュータや火器管制レーダーを搭載する。.
  • 台湾はT-38高等練習機を40機リースし、ノックス級フリゲート艦でもリース提供を受けたことがある。

詳細がわかりませんが、本当なら販売ではないのでレトリックで中国も文句はいえないわけです。しかし米空軍の老朽機材をリースするのでしょうか。新造機体だとまだいつになるかわかりません。いずれにせよ中国は神経質になるでしょうね。

★韓国向けF-35A一号機完成を盛大に祝わない事情とは

緊張緩和は韓国軍ではだれも信じていないのでしょうが、政府や国民が誤った考え方を強めているため「国民感情第一」の韓国では軍も大きな声を出せないのでしょう。大きな間違いでないことを祈るばかりです。前政権のすべてを否定したい現政権はなんでもいいから材料をさがしているのでしょう。実に非生産的な動きです。韓国聯合通信の記事です。



No hype expected for S. Korea's first F-35A stealth jet 韓国向けF-35A一号機では控えめな祝い方になりそう

A photo provided by Lockheed Martin of an F-35A (Yonhap)A photo provided by Lockheed Martin of an F-35A (Yonhap)


2018/03/17 10:10


SEOUL, March 17 (Yonhap) -- 韓国はF-35Aステルス戦闘機の韓国向け一号機ロールアウト式典は控えめに行うようだ。半島情勢に緊張緩和ムードがあることとロッキード・マーティン案件で汚職の疑いが出てきたことがあると防衛筋が指摘した。
韓国空軍は参謀次長Lee Sung-yong中将をテキサス州フォートワースの同社組立工場で3月28日に開く式典に派遣する。当初は空軍参謀総長Lee Wang-keun大将が参加すると見られていた。
国防調達事業庁 (DAPA)のJeon Jei-guk長官も式典に参列しないのは日程が合わないためと同庁は説明。
DAPAは韓国報道陣をソウルから現地へ招待する予定を取りやめた。
安全保障情勢がここにきて変化していることを指摘する筋がある。南北朝鮮の首脳会談とともにドナルド・トランプ大統領も金正恩との会談に合意している。昨年中の軍事緊張感と大違いだ。
さらにロッキードとの契約では贈収賄汚職があったと見る向きが多い。朴槿恵前政権の関与が疑われている。
韓国は2014年にF-35Aの40機調達を決めた。■

2018年3月19日月曜日

誕生から60年、DARPAの課題は今日でも有効

スプートニック人工衛星打ち上げ成功ででソ連に先を越された米国は大きなショックを受け科学技術の総合力を高めようとDARPAが生まれたのですが、いつもDARPA発表のプロジェクトは時代の先を狙い突飛な内容がいっぱいで楽しませてくれます。今回は生物学分野にも研究の焦点があることがわかりましたが内容はよくわかりません。ただ中国がDNAデータベースを全国民対象に構築するのは別の目的がある気がします。人体改造によるスーパー兵士製造の話は前からロシア、中国から聞こえてきますね。倫理上の制約がない両国だからこそ実現してもおかしくない構想です

Aviation Week & Space Technology

 

DARPA At 60 Still Working To Prevent More ‘Sputnik Moments’ DARPA創立60年、「スプートニクショック」再来の予防に努める

Mar 8, 2018Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology


1958年、ロシアがスプートニク人工衛星を打ち上げた余韻の中、米国は先端研究プロジェクト庁を発足させ「技術面での奇襲攻撃」を防止しつつ米国技術の進展を進めることとした。以後60年がたちDARPAの活動する世界では軍事競合国のみならず民生市場からも奇襲攻撃を受ける可能性がある。
 民生電子産業、バイオ技術、人工知能(AI)等で開発の進展が早く悪用の可能性があることをDARPAは警戒し、ロシアや中国が極超音速兵器、電子戦、宇宙戦で進展を見せていることも懸念材料だ。
 プーチン大統領が発表した新型核兵器・極超音速兵器への防衛手段の開発はDARPAの担当範囲ではない。ミサイル防衛庁(MDA)の担当だとDARPA長官スティーヴ・ウォーカー Steve Walker は語る。だがDARPAも米国で極超音速兵器開発を提唱してMDAにロシアや中国技術の性能情報すべてを提供しているのも事実だ。
 「DARPAは極超音速技術を以前から研究している」「昨春に国防副長官に面会し米国の現状を他国との比較で示し国家として極超音速兵器開発の必要を理解させようとした」とウォーカーは述べる。結果として2019年度予算で研究は増額された。「欲しかったすべてではないが第一歩としは妥当」(ウォーカー長官)
 宇宙空間が厳しい場所になる中で同庁の関心は衛星を攻撃に強くするべく現在は地球静止軌道(GEO)に機能が集中しているのを低地球周回軌道(LEO)に移動させる。「GEOからLEOへの移動させLEOに多数の衛星を置いて代替させる」(ウォーカー)
 DARPAの新規プロジェクト、ブラックジャックの目的は民生産業が得意な安価で小型化技術を利用して衛星を大量製造し常時標的に対応させることだ。「必要なペイロードを乗せた衛星多数が常時上空にあり、耐用年数も2-3年で使い捨てにする」(ウォーカー)
 高性能電子技術、バイオ技術、AIの世界で米国がライバルから遅れているとウォーカー長官は見ていないがDARPAが特に関心を持つ技術分野があるという。「生物学が急速に進展中で中国はDNA解読に多大な投資をし自国民のDNAデータベースを構築中です。またバイオ関連で新規起業が多数あります」
 DARPAの関心事は本土防衛で攻撃の兆候を迅速探知するバイオ偵察biosurveillance技術で遺伝子操作の予防策を確立しつつ遺伝子を意図的に利用する勢力へ対抗することにある。また疾病への免疫性を短期長期で確立する技術も研究中だ。
 電子部門では「後れをとっていないが中国が大規模投資で国内基盤を強化中だ。もっとリードを取る方法が必要だ」とウォーカー長官はいい、DARPAの解決方法は電子産業再興事業Electronics Resurgence Initiative (ERI)で次世代の設計方法と製造技術を確立することだ。「中国は旧式技術で産業基盤を整備する。こちらは次世代レベルをめざす」。
 ERIはチップ製造に3D構造設計を導入するのが目的で現状の2Dレイアウトと違いを出す。「三次元設計に挑む」とウォーカーは述べ、パッケージング効率が上がれば劇的なまでの高速処理が消費電力を低いまま実現できる。
 人工知能でのDARPAの狙いは「第三の波」のAIだという。「現在は第二の波の中で、AlphaGoのような統計的学習システムが実用化されています。大規模データセットからパターン認識しますがまだ不安定です」といい、これに対し第三の波のAIシステムは「文脈適応」“contextual adaptation”で背景環境を理解し変化から学習していく。
 DARPAの説明可能AIでは信頼性高いマシン学習技術で人間の側にシステムによる決定を理解させ信頼させることがねらいだ。「マシン学習が何を考えてどうしてその決定にたどり着いたのかを説明させる」(ウォーカー長官)

 プーチンが公開したロシア兵器はスプートニクショックほどではなかったとはいえ発足して60年が経過したDARPAが技術面の奇襲攻撃を防止しつつ自国技術開発を進めるという任務で力を抜けないことを示している。■

2018年3月18日日曜日

北朝鮮空軍直結の高麗航空が示す北朝鮮経済の変化

北朝鮮唯一のエアラインの話題ですが、涙ぐましい企業努力ともいえるのですが空軍と直結しているとなれば同社を助ける真似はできませんね。制裁措置が効果を上げているのか、軍と民生経済が一体化しつつあると見るべきなのでしょうか。ターミナル1と同時掲載にします。AP通信の記事です。

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Canned soup may be fueling North Korea's air force 缶詰スープが北朝鮮空軍を支えているのかも

Eric Talmadge Associated PressMar. 15, 03:11 PM

朝鮮空軍は缶スープを売ったりタクシー収入で滑走路を改修しているのか。
最も厳しい制裁を受ける北朝鮮でどうもこの答えはイェスのようだ。そこから金正恩の下で経済がどうなっているかが見えてくる。
北朝鮮では軍と民生部門の間の線はか細い。もともと少ない財政は軍が先に確保し部隊がレストラン、農場さらに航空会社も経営する。
高麗航空 Air Koryo は単なるエアラインでははい。
ここ数年で同国で最も著名な消費者向けブランドになった。
運行機材は十数機のみで路線も中国とロシア極東部しかないが北朝鮮にとって頼りがいのなる稼ぎ手になっているとは信じられないほどだ。同時に国家の威信の象徴であり外部世界へのライフラインとして人員と貨物を運んでいる。
高麗航空は平壌市内にガソリンスタンドと洗車場を経営するほか、タクシー車両を運航し、小売店舗数軒も経営する。市内にでは高級地区の普通Potonggangデパートには高麗航空ブランドの製品が酒からコークに似た清涼飲料水や各種缶詰まであり、キジスープや桃がある。

Air Koryo about to push-back for Pyongyang. (Photo by Mark Fahey)
同社は北朝鮮経済の現状を反映しており、北朝鮮は今でも社会主義で技術的には中央統制型だが金正恩が資本主義型起業に迅速に変化させている。
一般大衆レベルでは露店や小規模市場が普通にある。高級部門では国営企業が生産性を上げ利益を増加させており、制裁で貿易も先細りのため他に行き場がないためだろう。
高麗航空だけではない。金正恩の愛用する高級製品「7.27」で知られるタバコ企業Naegohyangは自社でスポーツ用品の販売を始めており、ナイキ、アディダス他の高価格輸入品と並び平壌の外交官居住地区や科学者技術者への報償としての住居が並ぶ科学者通りだけで販売している。
高麗航空は金正恩が命じた平壌スナン空港の大改修で恩恵を受けている。同空港は2015年供用開始した。その翌年に同社はタクシー運行を開始し、高麗航空ソフトドリンクは2016年に販売開始し、ガソリンスタンドと洗車場は2017年にオープンした。
各事業がどれだけの利益を上げているか不明だが首都はじめ各所で見られるのは事実だ。
子会社のKorea Hanggong Tradingが見本市に出展していることから高麗航空は輸出業参入を検討中のようで、政治環境と制裁措置をにらみながら進めるようだ。
ジョンズホプキンス大US-Korea Institute研究員のカーティス・メルヴィンCurtis MelvinはブログNorth Korean Economy Watchも主宰しており、高麗航空は空軍の「完全保有企業」だという。消費者向け製品の売上げをインフラ修復として滑走路改修や航空基地の防壁工事に使っているという。

(Photo by Pon Pon Tin)

高麗航空ブランド製品は軍の工場で製造され予算不足を補っているとメルヴィンは言う。
「これまで北朝鮮は補助金依存の国営企業の収益を改善して『納税』させようと苦労してきた」とAPにメールで伝えてきた。「高麗航空もこの流れだろう」
高麗航空は軍とのつながりがすぐに見つからずしばしば見逃されがちだ。
だが2014年の国連専門家パネル報告によれば同社ならびに北朝鮮内の空港飛行場すべては朝鮮人民空軍が民間航空局を通じ管理している。報告書では同社社員は空軍隊員と見られ、「国内整備作業は空軍が実施している」とある。
となると同社は制裁対象となり、事業多角化に一層走ることになる。
米国は同社をブラックリストに載せようとしたが失敗し、米財務省は2016年に2013年の軍事パレードで上空飛行したこと、スカッドBミサイルの部品を輸送したこと等で高麗航空を制裁対象にした。
とはいえ米国人の高麗航空利用は禁じられておらず同社とのビジネスを制限するだけだ。

一方で国連は「空軍が高麗航空機材を運用し利用していること」から、加盟各国が同社に資金面や技術面で援助すると北朝鮮向け武器禁輸措置の違反になると警告している。■

主張 日米両国は台湾支援強化に向かうべきだ

中国が香港で何をしているかを見れば中国の言うきれいごとと実態の乖離は醜いばかりに写ります。自由と独立を守るためには負担と犠牲が必要で70年余も海峡を挟んで独立を維持している台湾はすごいのですが、中国との格差が広がる一方で焦りを見せ始めています。日本では台湾に心情的に近さを感じる傾向がありますが、観光や文化だけではなく地政学的な「常識」が必要で、中国のめざす支配に対抗するためにも台湾の位置は極めて重要です。この問題を解決するには「一つの中国」を反故にすればよいのですが、北京がこれを一番警戒しているのは弱みだと分かっているからですね。台湾として認知すればよいのですが、どうなりますでしょうか。

Panel: Taiwan Looking More to Japan, U.S. for Economic, Security Support 台湾は日米両国に経済、安全保障両面の支援強化を期待

March 13, 2018 1:27 PM


力をちらつかせる中国から台湾を守ることは日米両国で高優先政策であると専門家の意見が一致した。戦略国際研究センター(CSIS)で退役海将吉田正則が安全保障と経済両面で「より多くの協力を差し伸べる」べきと主張し、日本政府が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一部だとした。

吉田氏は台湾海軍が米国建造艦船や米国製軍用機を運用しており日本、米国と相互運用性があり共同作戦を今後展開するのなら合同訓練も実施すべきと指摘した。

また米国がTPPを脱退した後の戦略は「アジアのパワーバランス(経済、軍事含む)の維持」に尽きると述べた。同席したパネリストからは習近平が憲法改正で国家主席の任期に制約がなくなり今後は領土・領海主張が一層強く出てくると予見した。埋立て工事を強行し滑走路や港湾を構築したのは中国が国際制度を無視しても自国の主張を前面に進める例だと指摘した。

CSISのマイケル・グリーンMichael Greenは「(三か国)は同盟関係ではないが情報面や関係を強化していく」と見通す。この関係は「防衛連合」 “federated defense”と呼ばれることが多い。

台湾は「北方を眺め日本に、東に米国を見ている」と台湾民主進歩ミッションのマイケル・フォンテが防衛に関連し台湾による中国以外の市場開拓先として指摘した。台湾で「日本が友邦国である」と理解されるのには理由があり2月の地震派生直後に日本がいちはやく人命救助協力を申し出たことを例にあげた。

三名は開かれた選挙を実施する民主主義の価値観、自由な報道、安定した政体のすべてが中国の独裁専制体制に対する強みだとの点で意見が一致した。この違いはインド太平洋地域の中小規模各国にも大きな意味を有するとし、各国は中国に貿易面や軍事面で支配を許さず独立を維持したいと考えている。

ただし軍事装備に関する限り「台湾は米国依存だ」とフォンテは指摘し、台湾総統蔡英文 Tsai Ing-wen は「何を購入すべき」対「何を製造すべき」の比較検討で急いで決定すべきと論じた。例としてスマート機雷、潜水艦、フリゲート、戦闘機がある。

人民解放軍海軍が「台湾の太平洋側」と「日本の太平洋側」の両面で作戦展開能力を入手したことで国防近代化で本土からの侵攻を抑止する能力整備が台湾の緊急課題となっている。

「(米台間の)軍同士の関係はとても強固です」とフォンテは指摘した。

だが台湾の地理条件は国際的にもユニークで日米両国のような友邦国のみならず国連加盟国との関係も複雑だ。

「米国は台湾を主権国家とみなしていない」とフォンテは述べ、同時に「米国はPRCによる台湾主権の支配は認めない」とも付け加えた。

北京政府が国連では中国として認知され安全保障理事会の常任理事国にもなっている。台湾野党と異なり、蔡総統の支持層は本土との再統一に急ぐ様子は見せていない。これにより蔡総統は中国とのやりとりで危険な綱渡りをしているが、中国は台湾の対外貿易で4割をしめ、台湾の若い世代が大陸に渡り高等教育のみならず情報工学など雇用の機会を得ているのも事実だ。

このため「台湾人口が急速に縮小している」とフォンテは述べ、「台湾経済には成長が必要」で頭脳流出を止めつつ防衛力を増強すべきだと指摘した。

2018年3月17日土曜日

★★F-35採用を主張してクビになったドイツ空軍トップ

これは政治の横暴でしょう。制服組はタイフーンの性能発展性に限界を感じているのに対し、ヨーロッパ第一の考えの政治家がそんな現実には目もくれず目障りな発言を繰り返す将軍を横に追いやったということでは。ではその後を継ぐ空軍トップがやはり同じ発言を繰り返したらどうなるのか、あるいは「忖度」して政治家に取り込まれるのか。戦闘機選定はその後30年に影響を与えますから慎重に検討してもらいたいものです。

Luftwaffe chief dismissed over F-35 supportドイツ空軍トップがF-35をめぐり更迭の憂き目にあう



Sebastian Schulte, Berlin - IHS Jane's Defence Weekly
16 March 2018


ベルリン安全保障会議で展示されたドイツ軍マーキングのF-35。ルフトヴァッフェ参謀総長がトーネード後継機にF-35が欲しいと発言し更迭された。 Source: IHS Markit/Gareth Jennings

イツ空軍制服組トップが更迭される。ロッキード・マーティンF-35ライトニングIIの採用を主張したのが主な理由と判明した。
カール・ミュルナー中将Lieutenant General Karl Müllnerは5月末に退役することになり、その発表はドイツ国防相ウルスラ・フォン・デアレイエンUrsula von der Leyenが二期目就任をしたわずか二日後というタイミングである。
ミュルナー中将はこれまでJSFをトーネード後継機に公然と推す発言をしたのが更迭の原因だったようだ。「ルフトヴァッフェはF-35性能をトーネード後継機選定の基準をするべきであり、空軍に望ましい選択を明確に述べてきたつもり」とミュルナー中将は2017年11月に報道陣に語っていた。

ドイツ空軍参謀総長がJSFを支持して国防省方針とぶつかった形だ。国防省はユーロファイター・タイフーンを後継機にしたいと考えている。■