2026年7月13日月曜日

ホルムズ海峡は完全に封鎖されていない―イランの発するプロパガンダに惑わされないよう注意が必要。イランはオマーン側の米国が守る通行帯に神経を尖らせている 逆にイランの主張する通行帯は不人気すぎる

 

ホルムズ海峡の衛星写真。NASA提供

イランによる攻撃が続いてもホルムズ海峡の船舶交通量が増加中

Hormuz Sees Traffic Bump Despite Ongoing Iranian Attacks


https://news.usni.org/2026/07/10/hormuz-sees-traffic-bump-despite-ongoing-iranian-attacks

運業界が航行を試みる中、5月から6月にかけてホルムズ海峡を通過する船舶数は2倍以上に増加している。ロンドンを拠点とするロイズ・リスト・インテリジェンスは、6月の同海峡通過船舶数を少なくとも576隻追跡した。5月は233隻だった。しかし、ロイズ・リスト・インテリジェンスのデータによると、2025年6月の通過船舶数が3,131隻の前年と比較すると、通過数は依然として大幅に減少したままだ。

6月の通過船舶の約70%は、イラン以外の船舶であった。

6月17日にイランと米国間の60日間停戦が発表されたことを受け、ホルムズ海峡では、ペルシャ湾に足止めされていた船舶が大量に脱出した。しかし、国際海事機関(IMO)のアルセニオ・ドミンゲス事務局長は水曜日の声明で、依然として約6,000人の船員が足止めされていると述べた。

2月28日に敵対行為が始まった時点では、船員約2万人が足止めされていた。

本誌の集計によると、2月28日の敵対行為開始以降、米国とイラン双方による船舶への攻撃は少なくとも58件確認された。また、発射体とのニアミスを報告した船舶が少なくとも2隻ある。

ロイズ・リスト・インテリジェンスは、6月18日から7月5日までの間に579件の通過を把握したが、通過時に自動識別装置(AIS)をオフにする船舶が再び現れるにつれて、実際の数はさらに増えていた可能性がある。579件のうち、333件は東行きだった。

通過回数は多いものの、現在の交通量は開戦前の水準の80%にとどまっていると、ロイズ・リスト・インテリジェンスのアナリスト、ブリジット・ディアクン氏は木曜日のウェビナーで述べた。

ロイズ・リスト・インテリジェンスが火曜日に追跡したイラン登録以外の船舶の通過回数は24回で、船舶はオマーンに近い米国が推奨する航路と、イランのペルシャ湾海峡管理局の許可が必要なイラン側の航路の両方を利用していた。

停戦以降の交通量は、ホルムズ海峡における「ニューノーマル」とはまだ言えないと、ロイズ・リストのリチャード・ミード編集長は述べた。

イランと米国が了解覚書に署名し、米国がイランの港湾封鎖を解除して以来、イランによる商船への5回の攻撃があったが、ここ数週間、航行は続いている。これに対し、米中央軍は報復としてイランを攻撃した――直近の攻撃は水曜日に行われた――。ドナルド・トランプ大統領は、イランによるMT Cyprus Prosperity(IMO 9595216)への攻撃およびそれに続く米軍によるイランへの攻撃を受け、金曜日に停戦が終了したと宣言した。

国際海事機関(IMO)によると、攻撃のうち4件はオマーン沖の船舶に対するもので、1件はアラブ首長国連邦(UAE)沖でのものだった。

7月2日のウェビナーで、ディアクンは、イランによる攻撃後も船舶の通過数が減少しなかったことに「やや驚いた」と述べた。

「船舶は引き返すだろうと思っていましたが、ある意味その圧力を維持し続けたのは興味深いことです。同様に、紅海でも同様の傾向が見られました。状況が変わらなかったにもかかわらず――停戦が破綻したにもかかわらず――人々が再び進出し始め、すぐに引き返すことはなかったのです」と彼女は述べた。

ディアクンは、海運業界が現在の状況に適応するにつれ、今後1週間で通過船舶数が減少すると予測している。今後については、交通量は増減を繰り返すと見込んでいる。また、ディアクンは、ペルシャ湾へ導く西行きの通過船舶数の増加は見込まれないと述べた。

BRSシップブローカーズのリサーチ・コンサルティングサービス責任者アンドルー・ウィルソンは、木曜日のウェビナーで、同海峡の状況は3月や4月より改善していると述べた。

「しかし、湾岸地域の関係者全員が合意できるような実質的な合意が成立するまでは、状況は極めて不安定なままであるだろう」とウィルソンは語った。■

ヘザー・モンジリオ

ヘザー・モンジリオはUSNI Newsの記者である。科学ジャーナリズムの修士号を取得しており、地方裁判所、犯罪、健康、軍事問題、海軍兵学校などを取材してきた。


ホルムズ海峡の戦略的な意味は今後低下する―同海峡を経由しない原油輸送ルートの開発で複数のプロジェクトが進行中。イランが同海峡をてこにプレゼンスを誇示できる段階は今後減少する

 

世界はイランをめぐる石油地図を静かに書き換えつつある――テヘランの最大の武器は無価値になるかもしれない

The World Is Quietly Redrawing the Oil Map Around Iran — and Tehran’s Greatest Weapon May Soon Be Worthless

米国と湾岸諸国のパートナー国は、ホルムズ海峡を迂回する競争を繰り広げている。UAEはパイプラインの輸送能力を倍増させ、サウジアラビアは紅海ルートを拡張し、イラクはシリアを経由する地中海ルートを復活させている。「ホルムズからヒューストンへ」というトランプ政権の計画は、同海峡を通過する石油のうち最大半分を迂回させようとしている

https://nationalsecurityjournal.org/the-world-is-quietly-redrawing-the-oil-map-around-iran-and-tehrans-greatest-weapon-may-soon-be-worthless/

ルムズ海峡は、イラン政権にとって一貫して戦略的な地政学的武器であった。同水路は、世界の石油、ガス、液化天然ガス(LNG)の20%を輸送してきた

米国とイスラエルによる空爆作戦が開始されると、イランが同海峡を封鎖したことは、紛争を終結させるための米国との交渉において、イランに重要な交渉材料をもたらした。この措置は世界経済に甚大な影響を及ぼしたからである。

11月3日に米国で中間選挙が控えていることを考慮すればなおさらだ。原油価格や食料価格の高止まりが続けば、トランプ大統領に壊滅的な打撃となりかねない。

テヘランによる交渉上の切り札となった同海峡は、多くのアナリストによって、米国が「了解覚書(MoU)」に迅速に合意した重要な要因として挙げられた。同覚書の条件は、イランに極めて有利であると広く見なされている。

しかし、サイモン・ワトキンスが最近OilPrice.comで指摘したように、地域のエナジー地図を再構築する計画が進められており、今後数年間でイランによるホルムズ海峡への脅威は一層効果を失っていくことになるだろう。

イランの行動がホルムズ海峡の交通への依存度を低下させる

イランはこれまで通行料が存在しなかった同海峡で新たなペルシャ湾海峡庁(PGSA)を設立し、通行料を徴収することで、湾岸地域の産油国や世界経済威圧しようとしている。さらなる交渉が行われるまでの少なくとも60日間は海峡が開放されることになっていたにもかかわらず、イランは海峡のオマーン側を通過した3隻のタンカーに対して発砲した。

イラン側は、世界が自分たちの脅迫に屈すると期待しているが、彼らが「必要とあれば再び海峡を封鎖する」という意図を示している事実は、単に世界の他の国々に、イランの脅迫的試みに代わる代替手段への投資を促す結果となっている。

米国と湾岸諸国のパートナーは、オマーン海岸沿いに位置する「サザン・ハイウェイ」回廊を支援した。この措置は、通過中の石油タンカーの数を回復させるという点よりは、市場のパニックを和らげるという点で、わずかながら効果があった。

封鎖開始直後のピーク時には、同回廊を通じて週末ごとに約12隻の船舶が通過できたが、6月下旬には約119隻まで増加した。とはいえ、この水路の通常の週700隻という通過数には、依然として程遠い。

とはいえイランの行動は、ごく近い将来、ホルムズ海峡の重要性と価値を低下させるだけだろう。

ヴァージニア大学のグローバル・サプライチェーン専門家であるヴィディア・マニは、ニューヨーク・タイムズに対し、各国がリスクを軽減し備蓄を増やすために、再生可能エネルギーや中東以外の石油供給源への依存をさらに高めていくと予想していると語った。

ホルムズ海峡を迂回しイランの影響力を排除する

米国と同盟国・パートナー諸国は、ホルムズ海峡への世界的な依存度を低減し、イランが石油市場を混乱させる能力を弱めるため、パイプライン、輸出ターミナル、陸上貿易回廊の建設を加速させている。

アラブ首長国連邦(UAE)のハブシャン・フジャイラ・パイプラインは、アブダビ油田をオマーン湾のフジャイラ港に直接結ぶ全長360kmのパイプラインで、1日あたり180万バレルという最大輸送能力に達している。

UAEはまた、フジャイラへ新たなパイプラインを建設中であり、これにより2027年までに迂回輸送能力が2倍の1日あたり300万バレル以上に拡大する。

アブダビは、イランが将来的にホルムズ海峡の航行を遮断すると脅迫してくる可能性があると見込んでおり、イランの干渉を受けず自国の原油を円滑に輸送できるよう対策を講じている。

サウジアラビアの全長1,200kmに及ぶ「東西パイプライン」拡張計画は、同国東部の油田からアラビア半島を横断して紅海のヤンブー港まで原油を輸送するもので、輸送能力を1日あたり700万バレルに拡大する。

イラクからはトルコやシリアの港湾への新輸出ルートが開設され、ホルムズ海峡を迂回するように設計された「インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)」の整備も急ピッチで進められている。これにより、同海峡を通るコンテナ輸送量の60%が迂回する。

代替供給源(産油国)が生産を拡大している

狭くも極めて重要な水路を「武器」として利用することは、代替供給源の模索を招くだけであり、産油国は数多く存在する。米国、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、カザフスタン、ヴェネズエラはすでに石油生産を拡大しており、中東の顧客がさらなる供給途絶のリスクを負うことなく、同地域を完全に迂回できるようにしている。

ワトキンスはさらに、南北アメリカ大陸が世界の石油生産量の32%を占めており、トランプ大統領のOPECへの反感が、同政権を石油産業を「ホルムズからヒューストンへ」と導く原動力となっていると付け加えた。

トランプ政権の計画は、既存のパイプライン、陸上ルート、および新規建設を活用し、短期的には同海峡を通過する1日あたり約20~21百万バレルの石油のうち、最大50%を迂回させることにある。

しかし、その他産油国での増産は、ホルムズ海峡を経由する原油への長期的な依存度に影響を及ぼすことになるだろう。

イランの影響力を抑制しようとする湾岸諸国

湾岸諸国は、イランとの永続的な平和の実現にいかなる幻想も抱いていない。イスラム共和国の歴史、権力掌握への執着、そして近隣諸国に対する好戦的な行動を鑑みれば、平和的共存の見通しは暗い。

湾岸諸国は、イランが課す通行料を拒否し、同水路を完全に迂回することで、ホルムズ海峡におけるイランの影響力を抑制している。

湾岸協力理事会(GCC)は、テヘランの支配と海洋上の影響力に対抗するため、的を絞った戦略を展開している。

バーレーン、クウェート、カタール、サウジアラビア、およびUAEは正式に拒否し、テヘランによる「ペルシャ湾海峡庁」の設立を認めず、国際船舶に対し、イランが指定した航路を無視するよう勧告している。

湾岸諸国は国連安全保障理事会に対し、イランに拿捕の停止、機雷の設置場所の開示、および商船の航行への干渉の停止を要求するよう強く働きかけている。

イラクとシリアは、ホルムズ海峡を迂回して、イラク油田から地中海へ原油を輸送するためのパイプライン網を構築する計画を推進している。

イラクのフアド・フセイン外相は先週、ダマスカスでシリアのアフマド・アル・シャラー大統領と会談し、エナジーインフラ分野での協力を拡大する計画を推進した。これには、歴史的な設計能力が1日あたり30万バレルである全長800キロメートルのキルクーク・バニヤス・パイプラインの復活プロジェクトも含まれている。

米国はイラクと協力し、大規模なバスラ・ハディサ・パイプラインを建設中だ。50億ドルを投じる全長700キロメートルの国内パイプラインは、イラク南部の油田からハディサまで延伸され、日量225万~250万バレルの輸送能力を持つことになる。

このパイプラインにより、イラクは南部の膨大な石油埋蔵量を、ホルムズ海峡を完全迂回して北部、さらには欧州やシリアへと直接輸送できるようになり、それだけでイランの影響力は無効化されることになる。

したがって、テヘランは短期的には船舶への攻撃や手数料の徴収といった強圧的な手段を通じて石油の流れを脅かしたとしても、その影響力はまもなく大部分が無効化される。そして、世界の石油の流れが再び阻害されることはなくなるだろう。■

著者について:スティーブ・バレストリエリ

スティーブ・バレストリエリは、国家安全保障コラムニストである。米陸軍特殊部隊の下士官および准尉を務めた。防衛問題に関する執筆に加え、PatsFans.comでNFLの取材も行っており、全米プロフットボール記者協会(PFWA)の会員でもある。彼の記事は、多くの軍事関連出版物で定期的に掲載されていた。

原子力の利用は軍事応用で大きな意味があり、浮体式原発構想につながる可能性がある

 

浮体式原子力発電所(FNPP)のコンセプト 三井海洋開発

軍用エナジー利用は浮体式原子力発電所につながる

How the Future of Military Energy Could Lead to Floating Nuclear Power Plants

https://nationalinterest.org/blog/energy-world/how-the-future-of-military-energy-could-lead-to-floating-nuclear-power-plants

浮体式原子力発電所は、米国に軍事的レジリエンス(回復力)を高める新たな手段をもたらすと同時に、ロシアの原子力輸出における優位性に挑戦する可能性がある。

は、緊急時の電力網支援を目的として、米海軍がノーフォーク海軍基地で原子力空母を用いた試験を行う計画を報じている。実証実験では、ジェラルド・R・フォード級空母に搭載された原子炉が艦内のタービンを駆動し、そこで発電された電力を陸上電力網に接続された変電所へ送電する。

この構想は、一見すると奇抜に思えるかもしれないが、防衛や災害対応のために浮体式原子力発電所(FNPP)を活用する考えの検討はこれまであった。さらに、1960年代には、パナマ運河の電力網に電力を供給するためにMH-1A原子炉が配備され、退役艦艇を原子力発電所として活用した事例もある。MH-1AはUSSスタージスに搭載され、同艦は曳航可能となるよう改造された後、運河に定置された。

FNPPに関する国家安全保障上の構想が提唱されているだけでなく、ハン・カオ海軍長官代行の証言は、艦艇への電力供給にとどまらず、原子力エナジーを活用しようとする米軍の広範な取り組みと一致している。プロジェクト・ペレは、従来の化石燃料並みのエネルギー密度と出力を必要とし、再生可能エナジーの供給不安定さを許容できない遠隔地の作戦拠点向けに、移動電源を開発するために開始された。ノーフォークでの試験や「プロジェクト・ペレ」が国家安全保障および防衛を目的としている一方で、可搬型原子力エナジーのもう一つの主要なプレイヤーは、ソフトパワーと商業的側面を重視している。

ロシアの浮体式原子力発電所戦略

ロシアはFNPPとして「アカデミック・ロモノソフ」(AL)の配備に成功しており、同船は2020年以来、遠隔地の鉱業都市ペヴェクに電力を供給し続けている。北極圏にFNPPを配備することで、ロシア連邦はこの技術に関する専門知識を蓄積するとともに、同地域における存在感を確立することに貢献した。ウラジーミル・プーチン大統領は、この地域をロシアの将来に極めて重要であると見なしている。ロシアの国営原子力企業ロサトムは、国内および将来的には海外においても、浮体式原子力発電所の艦隊を拡大することを目指している。

浮体式原子力発電所の開発は、ロシアにとって原子力輸出を拡大する新たな手段となる。ロシアは供給国の中で最も幅広い原子力サービスを提供しているからである。ロシアはすでに原子力技術、サービス、資材の最大の輸出国であり、したがって、あらゆる原子力技術の最前線に立ち続けることが同国の利益となる。こうした原子力関連の輸出は、ロシアの影響力を拡大すると同時に、石油への依存度を低減させることにも寄与している。影響力を拡大し、石油への依存度を低減させることで、ロシアはウクライナに対する戦争を長期化させる能力も強化できる。影響力の拡大は、米国やその欧州の同盟国からの圧力に対するモスクワの抵抗力を高めることになる。ウクライナはロシアの石油インフラに対する大規模なドローン攻撃を開始しているが、原子力施設や関連インフラを攻撃する意思があるかどうかは、まだ不明である。

ロシアがFNPPで得られる可能性のあるその他の利点はいくつかある。簡単に言えば、移動式であるという特性により、はるかに少ないコミットメントで契約を結ぶことが可能となり、新たな顧客を惹きつける可能性がある。FNPPは、土地の確保が困難である一方、エナジー需要が高い沿岸都市に併設することができる。水上への原子力施設の配備は、立地要件を大幅に軽減し、原子力エナジーの生産・建設コストを削減する可能性がある。

こうした追加的なメリットは、ロシア連邦にとって、原子力輸出を拡大し、ひいては経済の多角化や国際舞台における影響力の増大を可能にする新技術の開発ほど重要ではない。しかし、実現されれば米国にとって大きな関心事となるだろう。

浮体式原子力発電所は原子力発電コストを削減できるか?

長年にわたり、特に小型モジュール炉(SMR)で、原子炉の量産化――「初号機(FOAK)」から「N号機(NOAK)」への移行――について相当な検討が行われてきた。NOAK生産を実現することで、規模の経済により原子力発電の建設コストを大幅に削減できるとの期待がある。浮体式原子力発電所(FNPP)は、バージや船舶メーカーの既存のインフラや専門知識を活用することで、陸上型原子炉より早く生産の規模の経済を達成できる可能性がある。

米国にとって、原子力発電の建設・生産コストの削減は、原子力発電量の増加にとって極めて重要であり、これは現政権の目標であるだけでなく、米国がこれまで試みながら苦戦してきた課題でもある。ノーフォーク海軍基地での試験により、FNPPの有用性が十分に実証されれば、米軍はこの技術で十分な規模の顧客となり、同技術をFOAK段階からNOAK生産段階へと導く原動力となる可能性がある。そうすることで、米国は原子力目標の達成に失敗し続けてきた傾向を逆転させることができるかもしれない。■

著者について:エドワード・ジェンナー

エドワード・ジェンナー氏は、TechSource Inc.のプログラムアナリストである。それ以前は、IGCCの技術・国際安全保障分野の博士研究員として、核問題を中心に研究を行っていた。また、テキサスA&M大学ではスタントン核安全保障フェローを務め、供給側からの核拡散について研究を行った。さらに、カリフォーニア大学アーバイン校では、上級原子炉運転士および原子炉監督補佐として勤務した。エドワード氏は、カリフォーニア大学アーバイン校で化学工学の博士号を取得している。

免責事項:本記事で表明された見解や意見は著者個人のものであり、所属先であるTechSource Inc.の見解を反映するものではありません。



マイクロモジュラー原子炉がアジア太平洋の有事に有効な電力供給現となる―軍民両面で原子力利用はルネサンスに入ってきたが、日本だけイデオロギーで自ら制約を課しているのはおかしいと思いませんか

 

インド太平洋地域で安定した電力供給手段となるマイクロモジュラー原子炉に注目

Micro-Modular Reactors: The Power Source the Indo-Pacific Cannot Ignore


https://nationalinterest.org/blog/energy-world/micro-modular-reactors-the-power-source-the-indo-pacific-cannot-ignore

マイクロモジュラー原子炉は、軍事基地、離島、災害対応に、強靭でカーボンフリーの電力を供給することで、インド太平洋全域のエナジー安全保障を一変させる可能性がある。

ンド太平洋におけるエナジーの重要性がかつてないほど高まっている。小島嶼国は、数千マイルもの外洋を越えて輸送されるディーゼル燃料に依存している。前線にある軍事基地も、現代の紛争で壊滅的な脆弱性を露呈してきた不安定な燃料輸送隊に頼っている。沿岸のコミュニティは、たった1つの台風で電力網が崩壊する危機にさらされたままだ。こうした背景のもと、マイクロモジュラー原子炉(MMR)が民主主義国家が見過ごすことのできない真の戦略的資産として台頭してきた。

国際エナジー機関(IEA)は、2050年までに世界の電力需要が2倍以上になると予測しており、国際原子力機関(IAEA)は現在、同期間に原子力発電容量が2.6倍に増加し、992ギガワット(GW)に達すると予測している。問題は、原子力ルネサンスの恩恵が、インド太平洋の戦略的地政学を特徴づける島嶼国、環礁、過酷な環境にある基地にまで及ぶのか、それとも大陸の電力網に限定されたままになるのかという点である。

従来の原子力発電が不十分である理由

大規模な原子力発電所の建設費は1基あたり100億ドル以上かかり、建設に10年以上を要する。水冷式の小型モジュール炉(SMR)は大きな注目を集めているものの、炉心溶融の可能性を完全に排除できない。軽水炉では、冷却システムの故障により燃料温度が上昇する。冷却が回復しなければ、ジルカロイ被覆材が水蒸気と反応して激しい発熱反応を起こし、水素が発生する。この水素が引火し放射性物質を放出する恐れがある。ミサイルの脅威やグレーゾーン作戦が日常茶飯事となっている地域において、メルトダウンの残留リスクを伴う原子炉技術は、前線にある軍事インフラや島嶼部のコミュニティにとって容認できる解決策ではない。

TRi-structural ISOtropic particle(TRISO)三層構造等方性燃料がこの状況を一変させる。米国エナジー省(DOE)により開発されたこの燃料は、ウランをグラファイトとセラミックの多層で被覆しており、摂氏2,000度(華氏3,600度以上)を超える温度であっても、炉心溶融を物理的に不可能にしている。この画期的な技術が、MMRの基盤となっている。MMRとは、工場で組み立てられた輸送コンテナサイズの原子炉であり、メガワット級の電力を発電し、トラック、鉄道、またははしけで展開可能で、燃料補給なしで数年稼働し続けることができる。

軍事基地:燃料供給ラインの断絶

インド太平洋地域のほとんどの前線作戦基地には、燃料輸送隊によって電力が供給されている。輸送隊は標的となる。MMRは、この依存関係を完全に解消する。民間電力網と独立して稼働するメガワット級原子炉は、燃料補給を一度も必要とせずに、主要施設の重要な電力需要を数年間も賄うことができる。さらに、敵対勢力が優先的な先制攻撃手段として扱っている、エナジーインフラに対するサイバー攻撃や物理的攻撃に対する脆弱性も排除される。

指向性エナジー兵器やその他電力消費量の多い防衛システムが普及する中、現地での原子力発電は、単なる兵站上の利便性にとどまらず、戦闘能力を倍増させる要因となる。2028年9月までに実戦配備可能な軍用MMRの実証を大統領令で義務付けられた米陸軍の「ヤヌス計画」や、すでに3つの基地と商用原子炉開発業者をマッチングさせた空軍の「施設向け先進原子力発電(ANPI)」プログラムは、この移行が単なる概念研究ではなく、政策上の確固たるコミットメントであることを裏付けている。

離島:地政学的圧力に対するエナジー主権

中国は長年にわたり、エナジー依存が影響力を生み出すことを理解してきた。太平洋全域にわたる一帯一路イニシアティブ(BRI)を含む同国のインフラ投資は、一部において「戦略的忍耐」の実践であり、発電を通じて影響力を培うものだった。米国とその民主主義パートナー諸国は、これに対抗する代替案で遅れている。

10メガワット電気(MWe)MMR1基で数万人規模のコミュニティの電力需要をすべて賄うことができ、住宅用需要、海水淡水化、水産物のコールドチェーンインフラ、軽工業を支える――ディーゼル燃料の補給、二酸化炭素排出、あるいは外国からの政治的制約なしに。インドネシア、フィリピン、太平洋諸国の離島にとって、これは単なるエナジーの選択肢ではなく、主権の選択肢そのものである。

災害と紛争:最も重要な局面で役立つ移動式発電

インド太平洋地域は、世界で最も災害が発生しやすい地域であると同時に、最も争いの絶えない地域の一つでもある。台風、地震、津波は、復興のため資源が限られている島国のインフラを定期的に破壊している。冷却や電力供給インフラを含む従来型発電所の安全システムを機能不全に陥らせる軍事攻撃は、炉心溶融につながる可能性がある。2011年の福島原発事故では、津波で安全システムが機能しなくなり、3基の原子炉で同時に炉心溶融が発生した。紛争シナリオにおいては、この地域を戦略的に極めて重要にしているのと同じ海洋地理的条件が、エナジー供給網を極めて脆弱なものにしている。

移動式MMRは、両方の脅威に対処する。数日以内に展開可能な輸送型原子炉は、従来型発電機で制限要因となる継続的な補給を必要とせずに、野戦病院、浄水、通信など、災害対応に必要な持続的かつ高密度の電力を供給できる。その密閉型設計と受動的安全システムにより、周囲の構造物が直接攻撃を受けても、実質的な放射性物質の放出は生じない。これは、人口密度の高い、あるいは生態系が脆弱な海洋環境において極めて重要な保証となる。

先進的原子力エナジーへの取り組みの好機

インド太平洋地域のエナジー上の脆弱性は運用上の現実だ。これらに対処するための技術――TRISO燃料、MMR原子炉設計、工場生産――は、この10年以内に導入できるほど十分に成熟している。これまで欠けていたのは、エナジーの課題と安全保障上の要請を結びつける、首尾一貫した戦略的ビジョンである。

固有の安全性と導入で並外れた柔軟性を備えたTRISOベースのMMRは、エナジーへのアクセス、気候変動への耐性、戦略的自律性という、この地域が直面する三重の課題に対する真剣な解決策の基盤となる。この導入を主導する同盟は、今後数十年にわたり、世界最重要な地域のエナジー構造を形作ることになる。今こそ行動を起こすべき時だ。■

著者について:カン・ジョンミン

カン・ジョンミン博士は、Nuton EnergyのCEOであり、韓国原子力安全・保安委員会の元委員長である。これまでに、天然資源防衛協議会(NRDC)の上級研究員、韓国科学技術院(KAIST)の客員教授、スタンフォード大学国際安全保障協力センターおよびジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際問題研究大学院の研究員を歴任した。また、プリンストン大学「科学とグローバル・セキュリティ・プログラム」でポスドク研究員を務めた経験もある。著書に『プルトニウム:原子力発電の「夢の燃料」がいかにして「悪夢」となったか』(Springer、2019年)がある。カン博士は、日本の東京大学で原子力工学の博士号を、韓国のソウル国立大学で原子力工学の修士号および学士号を取得している。


英国への急な訪問でトランプはブリッジ機VC-25Bから従来型のVC-25Aに乗り換えた―公式訪問は予備機もペアで運行するのが通例。ここに来てイランがトランプを暗殺リストの最上段に置いたとの情報が出てきました

 President Donald Trump has left Turkey on an older VC-25A Air Force One jet. The U.S. Air Force’s new VC-25B Bridge aircraft had brought Trump to that country yesterday for the NATO Summit, but left without him on board earlier today.

SAUL LOEB / AFP via Getty Images

英国基地への予定外の訪問で、トランプはなぜ新型エアフォースワン機から旧型機へ乗り換えたのか

Trump Unexpectedly Swaps New Air Force One Jet For Old In Sudden Trip To British Base


変更理由は不明だが、新型VC-25Bブリッジ機の防衛能力やその他性能に大きな懸念が寄せられていたのは事実だ

https://www.twz.com/air/trump-unexpectedly-swaps-new-air-force-one-jet-for-old-in-sudden-trip-to-british-base


ナルド・トランプ大統領は、旧型VC-25A「エアフォース・ワン」ジェット機でトルコを離れた。米空軍の新型VC-25Bブリッジ機は、昨日、NATOサミット出席のためトランプ大統領を同国へ運んだが、本日早朝、大統領を乗せずに離陸していた。トランプ大統領はこれに先立ち、「昔を懐かしんで」ブリッジ機ではなくVC-25Aでトルコから英国のRAFミルデンホールへ向かうことを確認していた。「ブリッジ」機(カタールから寄贈され、改造されたボーイング747-8i)は、先にミルデンホールへ向かった。こうした事態は極めて異例であり、他の要因、具体的には作戦上のセキュリティ上の変更などが影響しているのではないかとの疑問を招いている。

VC-25Aは昨日、予備機として「ブリッジ」機に続きトルコの首都アンカラに向かっていた。この機体の変更は、昨日行われた米国によるイランへの新たな空爆を受けてのものであり、トランプ大統領はサミット会場から直接この空爆を命じたと報じられている。「ブリッジ」機が備える通信、防衛、その他の能力の全容についても、疑問が投げかけられ続けている。

「勇敢な軍人たちに敬意を表し、真に壮観な真新しいエアフォース・ワン[VC-25Bブリッジ機]を英国のミルデンホール空軍基地へ派遣し、彼らに機内を見学する機会を与えることにした。皆が大変興奮しており、彼らに真っ先に体験してもらうべきだと考えた」と、トランプは本日早朝、自身の「Truth Social」サイトに投稿した。「昔を懐かしんで、旧エアフォース・ワンをトルコからミルデンホールへ運ぶことにした。短い旅だが、わが偉大な軍の英雄たちに、空軍機群に新たに加わった美しい機体を鑑賞する機会を与える価値がある!」

トランプは「Truth Social」の投稿でVC-25Aを「元」エアフォース・ワン機と呼んだが、空軍はTWZに対し、ブリッジ機の納入後もこれらの機体が引き続き運用され、ローテーションに組み込まれていることを明確に確認している。また、大統領を搭乗させる空軍機はすべて「エアフォース・ワン」のコールサインを使用することになる点も忘れてはならない。

RAFミルデンホールは米軍の航空作戦における主要拠点であり、今年初め、イラン空爆を支援するため多用された。大統領はまた、ブリッジ機が帰国する前に欧州の他の場所に立ち寄る可能性もあるとほのめかしている。

本日、RAFミルデンホールに到着したVC-25Bブリッジ機。アンドルー・マッケルヴェイ

「この機はヨーロッパの主要基地のうち2、3カ所へ向かう。そこで人々に機体を見てもらうつもりだ」と、トランプ大統領は本日開催されたNATOサミットでの記者会見で、自身の旅行計画に関する質問に答えて述べた。「帰国は通常の手段で行う予定だ。」

「古くて大きな機に乗り込む。大統領への視線は一切なし/機体下での記者団の群れもなし。」

トランプ大統領の同行報道陣の一員Politicoのメーガン・メッサーリーも、VC-25Aがアンカラを出発する前に次のように投稿した。「報道陣用キャビンの窓のシェードを閉めておくよう指示を受けた。向こうで会おう。」

前述の通り、トランプ大統領はNATOサミットへ、VC-25B「ブリッジ」機に乗機し、空軍が保有する2機のVC-25Aのうち1機を引き連れて向かった。トランプ大統領が海外出張でブリッジ機を使用したのはこれが初めてだった。大統領は先週、米国建国250周年を記念する行事に出席するためノースダコタ州を訪問して、この機体に初めて搭乗した。その際も、予備機としてVC-25Aが使用されていた。

また前述の通り、米軍は昨日、イランに対して新たな空爆を実施した。ニューヨーク・タイムズの報道によると、匿名の米当局者の話として、「トランプ大統領は、アンカラでダン・ケイン統合参謀本部議長、ピート・ヘグセス国防長官、マルコ・ルビオ国務長官を含む米政府高官らと会談し、NATOサミット会場からイランへの空爆を承認・命令した」という。

今回の米国の空爆は、ホルムズ海峡内およびその周辺でイランが商船に対して行った新たな一連の攻撃に対する報復措置である。本日早朝、トランプ大統領は今夜、イランに対してさらなる措置を講じる可能性に言及した。これにより、両国間の大規模な紛争が再燃する可能性について新たな懸念が生じている。詳細については、TWZの別記事こちらを参照されたい。

「エアフォース・ワン」の役割を担う航空機で重要な要件の一つは、大統領が米軍の最高指揮官やその他の高官と確実に連絡を取り合える状態を維持することであり、これにより、いかなる深刻な不測の事態にも即座に対応できる。中東情勢が流動的で、ごく近い将来にイランに対するさらなる軍事行動が行われる可能性があることを踏まえれば、これは特に重要である。現在は重要な計画策定作業やその他の会議が進められている可能性が高い。

2026年7月4日、ワシントンD.C.上空を飛行する前にアンドリュース空軍基地で撮影された、新しいVC-25Bブリッジ機(左)と旧型のVC-25Aの1機(右)。USAF

昨日イランを攻撃する決定、および本日再び攻撃を行う可能性は、トランプを取り巻く全体的な部隊防護態勢にも影響を及ぼした可能性が高い。テヘラン政権は過去に何度も直接トランプを脅迫してきた

余談だが、現在ソーシャルメディア上で拡散されている写真には、航空機観察者が定期的に集まる基地外周の地点からミルデンホール基地を視認できないよう、少なくとも遮蔽を試みていると思われるトレーラーや防水シートも写っている。それでも、観察者たちはブリッジ機の姿をちらりと捉えることに成功している。

本誌含む各メディアは、カタールから贈呈された747-8iに施された改造の妥当性について、一貫して深刻な疑問を提起してきたL3Harrisが改造作業を主導し、わずか10ヶ月の短期間で「ブリッジ」機を空軍に引き渡した。

特に防御用対抗措置は、どの機体でも統合には時間と入念な作業を要するものであり、既存の手順が存在しない可能性のある新型機であればなおさらである。統合後は、それらのシステムが意図した通りに機能し、物理的にも無線周波数帯域においても他の機能と干渉しないことを確認するために、厳格な試験が行われなければならない。現時点では、VC-25Aに搭載されている防御システムのいずれもが、VC-25Bブリッジ機に装備されているという目立った兆候は見られない。

米国当局者L3Harris社は、空軍の要人輸送機隊に新たに加わったこの機体を巡る作戦上の機密性やその他の懸念を軽視してきたが、疑問は残ったままだ。これは、この機を巡る批判や論争の一面に過ぎない。米国政府への寄贈を取り巻く状況そのものが極めて異例であり、そもそもこの機体が必要だという正当性についても、依然として議論の的となっている。

つい昨日、Breaking Defenseが報じたところによると、コネチカット州選出のクリス・マーフィー上院議員を筆頭とする民主党上院議員13名が、トロイ・メインク空軍長官およびL3Harrisのクリス・クバシックCEOに対し、継続的な懸念に対処するための追加情報の提供を求める書簡を送付した。記事によると、議員らは、トランプ政権が彼らの要請を無視し続けていると主張している。

本日、RAFミルデンホールに着陸するVC-25Bブリッジ機の別の写真。アンドルー・マッケルヴェイ

一方、ボーイングは他の2機の747-8iを、完全装備のVC-25Bエアフォースワン機へ改造する作業を進めてきた。同プログラムは遅延とコスト増に悩まされており、これら2機の最初の1機が引き渡されるのは2029年になる見込みだ。また、空軍は現在、ルフトハンザから引き継いだ別の747-8iを保有しており、これを、拡大されたVC-25機群の支援に割り当てられた乗員および地上要員の訓練機として使用している。もう1機の元ルフトハンザの747は、予備部品取りとして解体される予定だ。

少なくともトランプ大統領は、新型のVC-25Bブリッジ機で海外へ飛行したことになるが、本日の彼の訪問は、旧型VC-25Aが依然として十分に利用可能であることを浮き彫りにしている。■

ミルデンホールに到着したVC-25Bブリッジ機の写真を共有してくれた、地元航空写真家アンドルー・マッケルヴェイ氏に特別に感謝します。

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフはTWZの副編集長として、当サイトの経験豊富で献身的なチームの統括を支援するとともに、有益かつ影響力のある防衛・国家安全保障に関する記事を執筆している。彼はその中心地であるワシントンD.C.エリアに在住している。