スキップしてメイン コンテンツに移動

空母ハリー・S・トルーマンが民間商船と衝突(2025年2月12日)(The War Zone)(Naval News)

 日本時間2月13日地中海で空母トルーマンが民間商船と海上衝突しました。幸い、損害は軽微のようですが、衝撃が走ったニュースとなりました。まずThe War Zoneの伝える内容を御覧ください。


アメリカの超大型空母ハリー・S・トルーマンが、地中海からスエズ運河への通過前に商船と衝突した


海軍の超大型空母USSハリー・S・トルーマンが、エジプトのポートサイド沖の地中海で、商船Besiktas-Mと衝突した。

 米海軍第6艦隊は以下の声明を発表した:「ニミッツ級航空母艦USSハリー・S・トルーマン(CVN 75)は、現地時間2月12日午後11時46分頃、エジプト、ポートサイド近海の地中海を航行中、商船Besiktas-Mと衝突した」。

 「この衝突により、ハリー・S・トルーマン(CVN 75)に危険はなく、浸水や負傷者の報告もない。推進プラントにも影響はなく、安全で安定した状態にある。この事故は現在調査中。詳しい情報が入り次第、発表する」。

 Besiktas-Mとその乗組員の状況は完全には明らかではない。

「もう1隻の船は喫水線上に損傷を受けたが、自力で航行を続けた」と米海軍関係者は本誌に語った。「トルーマンはスエズ運河を南下する準備をしていた。 原子力発電系統に損傷はない。

詳しい情報が入り次第、この記事を更新する。


更新:1:45 PM EST

オンライン船舶追跡サイトVessel Trackerによると、Besiktas-Mはパナマ船籍のバルク貨物船だと確認された。全長618フィート(188.5メートル)のBesiktas-Mは、ヨルダンのアカバ港を出港後、北に向かい、黒海のルーマニアのコンスタンツァが目的地とされていた。

 また、同サイトによると、Besiktas-Mは2016年にバングラデシュのチッタゴン付近で別の商業船Common Spiritと衝突し、両船とも損傷したことがある。

 また、米海軍の空母の衝突事故はまれであることも指摘されている。空母は通常、空母打撃群の中心を航行するためだ。しかし、スエズ運河は全艦が一列で通過しなければならない。


更新:3:50 PM EST

本誌は、衝突後のトルーマンについて追加情報を得た。米海軍関係者は「空母の喫水線より上に損傷があった。(損傷の)程度についてコメントすることはできない」とし、「空母の航空機は損傷していない」と付け加えた。




ではトルーマンの損傷程度はどうだったのでしょうか、Naval Newsを見てみましょう



USSハリー・S・トルーマンの海上衝突後の被害状況が初公開された


First Look at The Damage to USS Harry S. Truman Sustained in Collision At-Sea2月12日、エジプトのポートサイド近辺で航行中、商船Besiktas-Mと衝突したUSSハリーS.トルーマン(CVN 75)の外観損傷を船体剛性インフレータブルボートから見た。トルーマン空母打撃群(HSTCSG)の旗艦であるUSSハリー・S・トルーマンは、米国、連合国、およびパートナーの利益を守るため、米海軍ヨーロッパ・アフリカ軍を支援する米第6艦隊作戦地域に定期配備されている。 (米海軍撮影:コディ・ビーム1等通信兵)


米海軍は、ニミッツ級空母USSハリー・S・トルーマン(CVN 75)とパナマ船籍のM/Vベシクタス・Mとの衝突で受けた損傷の写真を初めて公開した。

 事故は現地時間2月12日午後11時46分、スエズ運河北端のエジプトのポートサイド付近で発生した。目に見える損傷の大部分はエレベーター3の後方右舷側で発生し、50口径機関銃でスポンソンの下面を損傷した。損傷部分に隣接する航空機用エレベーターは損傷を受けていないように見える。米海軍によると、この事故によるトルーマン艦内の浸水や負傷はなかった。

 トルーマン空母打撃群は、プロスペリティ・ガーディアン作戦に参加しており、紅海での50日間の作戦を終えたところだった。2月1日にはISISソマリアに対する一連の攻撃と並行して、自衛のためにフーシの標的に対して数回の攻撃を行った。

 トルーマンはまた、2ヶ月間の中米地域(CENTCOM AO)への派遣期間中、フーシ反体制派による一方向攻撃ドローンや巡航ミサイルによる攻撃を数回受け、その中にはフーシ反体制派が9時間続いたと主張する攻撃もあった。 米海軍は、この主張の真偽は確認していない。

 トルーマンは、対フーシ派作戦を支援するため、USSエイブラハム・リンカン(CVN 71)と交代して紅海に展開した4隻目の空母となった。

 イスラエルとハマスの停戦合意後、イエメンを拠点とする反政府勢力フーシ派は紅海での活動を一時停止した。同グループは、停戦協定に違反しない限り標的を攻撃しないと主張しているが、プロスペリティ・ガーディアンに参加する部隊は、バブ・アル・マンダブ海峡を通過する船舶の護衛を続けている。

 トルーマンが受けた損傷は表面的なもので、紅海で同艦が必要とされる場合でも作戦に影響はない。今のところ、同艦は米海軍支援活動(NSA)ソウダベイ基地に停泊中で、艦の整備と補給を行っている。

 トゥルーマンがギリシャから紅海に戻るかどうかは、すぐには明らかになっていない。 同艦は、2024年7月までのCOMPUTEX作業段階を延長した後、2024年9月23日に配備された。 Naval News は海軍広報部にコメントを求めている。■



Aircraft Carrier USS Harry S. Truman Collides With Merchant Ship (Updated)

The American supercarrier collided with the merchant vessel while preparing to transit into the Suez Canal from the Mediterranean.

Joseph Trevithick


https://www.twz.com/sea/aircraft-carrier-uss-harry-s-truman-collides-with-merchant-ship


First Look at The Damage to USS Harry S. Truman Sustained in Collision At-Sea

  • Published on 14/02/2025

  • By Carter Johnston


https://www.navalnews.com/naval-news/2025/02/first-look-at-the-damage-to-uss-harry-s-truman-sustained-in-collision-at-sea/


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...