ドナルド・トランプの新関税は中国経済に致命的な打撃を与えかねない(19fortyfive)―虚偽で塗り固められたこの国の経済で不幸なのは中共全体が腐敗していることに加え、トップ指導者に経済の理解が絶望的に足りないことでしょう
2017年5月31日に撮影された中国人民元紙幣。 REUTERS/Thomas White/Illustration/File Photo
ドナルド・トランプ大統領は中国、カナダ、メキシコへの追加関税を発表した。カナダとメキシコ政府はこれを確実に乗り切るだろう。だが中国はそうではないかもしれない。
トランプ大統領は選挙公約を実行に移した。「本日、私はメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税をかけ(カナダのエネルギーには10%)、中国には10%の追加関税をかける」と、土曜日午後、Xで発表した。 「これは国際緊急経済権限法(IEEPA)により実施されたもので、不法滞在者やフェンタニルを含む、市民を死に至らしめる麻薬が大きな脅威となっているからだ」。
カナダは即座に独自の関税で報復したが、アメリカの関税が発動される数時間前の月曜日遅く、ジャスティン・トルドー首相はトランプ大統領と折り合いをつけ、「フェンタニル担当官」の任命とその他の措置を採用することに同意した。
メキシコは致命的な麻薬禍に関与するカルテルと戦うため、1万人の兵士を米国国境に派遣することを直ちに決定した。
中国対トランプ関税
中国はそこまで融和的ではなかった。北京は火曜日、さまざまな措置で報復した。財務省は原油、石炭、液化天然ガス、大型自動車、農業機械などさまざまな製品に10%と15%の関税を課した。商務部は金属製品と技術に対する新たな輸出規制を発表し、アメリカ企業を信頼できない企業リストに加えた。国家市場監督管理総局は、中国国内でほとんど事業を展開していないグーグルに対する独占禁止調査を開始した。
北京はまた、プロパガンダを開始した。「中国の立場は断固としており、一貫している」と外務省報道官は日曜日の新華社通信の発言で述べた。 「貿易戦争と関税戦争に勝者はいない」。
実際、勝者はいる。しかし、中国はその中に入らないだろう。
中国のような貿易黒字国は、アメリカのような赤字国との闘いではあまり武器にならない。よく引用されるキャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス=プリチャードが、中国の措置は「かなり控えめ」だと述べている。彼は、「大きなダメージを与えることなく」トランプ政権に「メッセージを送ろうとしている」と指摘した。
結局のところ、北京が与えることのできるダメージは、自国以外にはあまりないのだ。
11月末時点で、中国の対米商品貿易黒字は2704億ドルに達し、昨年通年の黒字を上回る勢いだった。
中国経済が悪化する可能性
中国の苦境は、この大きな数字が示唆する以上に深刻だ。ひとつは、中国が自国より大きな経済大国と戦っていることだ。昨年のアメリカの国内総生産は約29兆2000億ドルだった。中国の国家統計局は18.8兆ドルと報告している。
だが北京のGDP報告は非常に疑わしい。例えば、中国の12月の輸出は前年同月比10.7%増と、予想をはるかに上回る伸びを記録した。
なぜこんなに増えたのか? 中国は、昨年第4・四半期に5.4%の成長を報告するために、12月の成長を必要としたのだ。通年のGDP成長率を5.0%と報告するため、第4四半期に大きな伸びが必要だった。北京は「5%前後」という公式目標を達成するために5.0%を必要としていた。
習近平が問題を深刻にしている
中国経済の問題が深刻化するにつれ、経済成長率の5.0%のペースは遠のいている。
最も重要なことは、習近平は、消費が経済の基礎であるべきだという、どこの国でも受け入れられている考え方を否定していることだ。 習近平は消費者に力を与えたくなく、共産党の強力なブロックを怒らせたくないし、戦時経済を構築したいし、脆弱な国営銀行の利ざやを守りたいのだ。これらすべての目的を達成するために、中国のイデオロギー的指導者は個人消費を抑制する政策を実施しているのだ。
これは、スコット・ベッセントが先月の上院承認公聴会で述べたように、中国が「世界史上最も不均衡でアンバランスな経済」を有していることを意味する。
中国は経済停滞から脱出できない
このような状況で、習近平が中国経済を救う方法はただ一つ、輸出を増やすことだ。実際、習近平は政権の命運をアメリカの手に委ねている。 アメリカは圧倒的に世界最大の市場であり、現実の時間軸で取って代わることはできない。
さらに、アメリカの動きに触発されたのか、EUもいわゆる「グローバル・サウス」と呼ばれる国々も、中国製品に独自の関税障壁を設け始めている。
したがって、中国の立場はますます脆弱になっている。トランプ大統領は2つの方法で中国製品を締め出すことができる。第一に、選挙運動中に約束したように、中国にさらなる関税をかけることだ。トランプはまず、少なくとも60%の全面関税をかけ、その後10%の関税をかけると公約した。 トランプは土曜日に後者の約束を実行に移した。
第二に、トランプは強制労働にで製造された商品の米国への輸入を禁止する1930年関税法を施行することができる。1930年関税法は強制労働によって製造された商品の米国への輸入を禁じている。中国の「グリーン」製品のすべて、あるいは事実上すべてを含む多くの中国製品は、そのような労働によって製造されている。
ドナルド・トランプは関税を撤廃しない
トランプは本気だ。土曜日に、中国製品に対する「デ・ミニマス」免除を撤廃することで、重要な一歩を踏み出した。この規定で中国のテムやシェインなどは、800ドル以下の商品をアメリカの消費者に出荷する際、アメリカの関税を免除されていた。
中国は10%関税を吸収することができるが、トランプが選挙公約を実行し、関税を70%レベルまで引き上げれば大変だ。現在のところ、トランプ関税は35%程度である。
中国経済は高い通貨の壁によって守られているが、その壁は現金を流出させている。つまり、政権にとって状況は深刻であり、中国はすでに債務危機の淵に立たされている。
「貿易戦争がエスカレートすることを望んでいるとは思えません」と、北京の国際商経学大学のジョン・ゴンはAP通信に語った。
その通りだ。この貿易戦争は長期化する可能性がある。そうなれば、トランプ大統領の次なる関税発動は、ほぼ間違いなく中国経済を破綻させるだろう。■
Gordon G. Chang is the author of The Great U.S.-China Tech War and Losing South Korea, booklets released by Encounter Books. His previous books are Nuclear Showdown: North Korea Takes On the World and The Coming Collapse of China, both from Random House. Chang lived and worked in China and Hong Kong for almost two decades, most recently in Shanghai, as Counsel to the American law firm Paul Weiss and earlier in Hong Kong as Partner in the international law firm Baker & McKenzie.
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グローバリズムに基づく世界経済が武漢肺炎の世界的流行を契機に後退し、過度に輸出に依存した国家が衰退する。それらの代表的国家は、中国、ドイツ、韓国である。このように世界経済を眺めると、どちらの方向に経済が流れていくか、分かり易い。この構図は、しばらく続く。
返信削除また、習やその取り巻き、日米欧の劣化したリベラルは、米国の衰退を信じ、望んでいるようだが、実際に衰退しているのは自分たちであり、米国ではないことがそのうち分かるだろう。
トランプは、中国のふらつく足元を見据え、貿易戦争を勝ち抜くつもりであり、中国に勝ち目はない。だからと言って、記事の筆者のように、米中貿易戦争は中国に「致命的」打撃を与えるわけでない、とも思える。
唯一中国がより悲惨な状況におちいらない方法は、習が、トランプの足元にひざまずくことであるが、これは、習のメンツを著しく損ね、政治生命を断つことになるかもしれない。
すくなくても習は、制裁的関税から逃れるため、フェンタニル原料の製造停止を国家安全部(と言われる)に指示し、米国での死者を減らすことが必要だが、たぶんできないだろう。
フェンタニル原料の密輸は、中国にとっては、アヘン戦争の復讐であり、習の「中華の復興」の自尊心をくすぐる、暗い炎であり、止めたくないのだ。たぶん製造拠点を国外に移すなど、ごまかしの小細工に走るだろう。
中国は、結果として、徐々に強化される関税により、経済が徐々に衰退することは、避けられない。