2014年7月23日水曜日

各国別戦闘機調達の最新動向 予算が厳しい中で新しい潮流が生まれる


Costly Fighters, Cash-Poor Customers Set Fighter Trends

Cost-pressured customers define fighter opportunities
Jul 18, 2014Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology
戦闘機市場で今後重要になる要素が二つある。まずF-35を除く現行の欧米の戦闘機各機種は2020年までに生産が終了となる。米国で次世代戦闘機の研究がすすめられ、日本、韓国、トルコで国産化の動きがあるが、各機とも実現は2024年より後の予想でそれまでは市場に影響を与えられない。そうなるとF-35のみが選択肢となってしまう。
  1. 需要が確実でも中東などまだF-35が未採用の国もあり、マレーシアなど米国がステルス機輸出にためらいを見せる国もある。F-35がブラジルやインドで選択対象になっていないのは、それらの国が調達を技術調達の機会ととらえているためで、実際に同機の技術の多くが触れないように密閉されている。他にも現行価格ではF-35を購入できない国もあり、需要規模は今後どれだけ開発が安定化し価格が下げられるかにかかっている。
  2. 二番目の要因は戦略的で、機体価格とは運用コストさらに予算圧縮の環境を組み合わせて理解することである。機体価格と運用コストはインフレ率を適用すると実質上昇を続ける中、各国の空軍は戦闘機の保有数を減らしている。経済発展があれば国防支出の伸びを支えられるが、
  3. 三番目も予算関連で、各国の軍で調達予算と運用予算を一体的に運用する例は少ない。ここがビジネス界と違うところで政府組織ではこの二つを一つの予算項目として一体に扱えないのだ。ビジネスで使われている成果反映型支払performance-based logistics (PBL) 契約を採用すれば効率は大幅に改善され、運用コストへの関心も高まるはずだ。.
  4. これらの市場の動きの影響が現実に出てきた。ボーイングはスーパーホーネット/グラウラー生産ラインを2020年代に入っても米国および国際受注で維持すると発表。現時点でも同機はデンマークと中東の一部で受注を争い、2015年度国防予算最終案でEA-19Gグラウラー生産の延長が決まりそうだ。また性能改良型スーパーホーネットAdvanced Super Hornet が2020年以降に登場すると海軍は現行機材の改修を進めるだろう。その時点で一部機材は機齢40年になる。
  5. ボーイングはスーパーホーネットの一時間当たり運用コストは17千ドルで、米国の戦術戦闘機中最低水準だとする。最新型F-15でも24千ドルとし、F-15C/D型では45千ドルになるという。大幅なコスト低下の理由としてボーイングは新型フライバイワイヤによる飛行制御システムで保守費用を8割下げたのが大きいという。
  6. ヨーロッパ各社も戦闘機の改修で輸出機会を探っている。ひとつ注目すべき事項は技術ではなく、販売方法だ。サーブリース方式を提示している。戦闘機調達・運用は長期間にわたり政府予算を使うことが多いので、リースはあながち無謀な方法とは言えない。ここにPBLを組み込んで、サーブはチェコ共和国とハンガリーに機体を提供している。スイスにもJAS 39C/Dの事前リースをしており、同様にブラジルでも現在交渉中だ。サーブはマレーシアにもリース提案したといわれる。
  7. また第三国による性能改修にも関心が集まっている。イスラエル航空宇宙工業はクフィールのブロック60を売込み中で、1950年代まで設計の基礎が遡れる同機は低価格機に近代的エイビオニクスを搭載したものと宣伝している。同社はF-16改修を手掛ける予定がないというが、もしシンガポールが同国保有機の改修入札を公示すれば、ボーイング、BAEシステムズとともに商機をねらうことになろう。

Aviaition Weekによる地域別各国別の新型戦闘機導入の見込み
米州
現況
機数
候補機種
決定時期
アルゼンチン
検討中
18
Kfir Block 60
2014
ブラジル
商談中
36-100
JAS 39E
2014
カナダ
調査中
65
F-35, Typhoon, Rafale, F/A-18E/F
2014
チリ
調査中
未定
F-16 upgrade, Kfir Block 60
未定
コロンビア
調査中
未定
F-16 upgrade
未定
ペルー
調査中
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Typhoon (used), MiG-29 upgrade
未定
欧州地区
現況
機数
候補機種
決定時期
ベルギー
競技中
30+
F-35, JAS 39E, F/A-18/F
未定
デンマーク
競技中
30
F-35, JAS 39E, F/A-18/F, Typhoon
2015
フィンランド
調査中
40+
未定
未定
ギリシア
競技中
100+
F-16 upgrade
2015
イタリア
交渉中
45-90
F-35
2014-15
オランダ
決定済み
37
F-35
2012
ポーランド
調査中
40
未定
未定
ルーマニア
発注
12
F-16A
2014
スロヴァキア
検討中
12
JAS 39C
未定
トルコ
検討中
未定
F-35, F-16 upgrade
2015
英国
検討中
48+
F-35
2015
アジア太平洋地区
現況
機数
候補機種
決定時期
オーストラリア
交渉中
58
F-35
2014
インド
交渉中
126
Rafale
未定
日本
発注
40
F-35
2011
マレーシア
競技中
20+
JAS 39, Typhoon, F/A-18, Su-35
2015
フィリピン
発注
12
F/A-50
2014
シンガポール
競技中
70+
F-16 upgrade
2015
韓国
交渉中
40
F-35
2013
韓国
発注
134
F-16 upgrade
2014
台湾
発注
146
F-16 upgrade
2012
中東地区
現況
機数
候補機種
決定時期
バーレイン
調査中
未定
Typhoon
未定
オマーン
発注
30
Typhoon, F-16
2012
カタール
競技中
72
Rafale, Typhoon, Super Hornet, Eagle
2014
サウジアラビア
発注
154
F-15A, F-15A upgrade
未定
UAE
競技中
60
Rafale, Super Hornet
未定



2014年7月22日火曜日

ウソつきはどっち ロシア軍がMH17 撃墜はウクライナ軍と主張



Russia Shares MH17 Radar Data

Jul 21, 2014Maxim Pyadushkin | AWIN First
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ロシア軍はくりかえしマレーシア航空機事故に無関係と主張しており、レーダー記録から犯人はウクライナ軍だと指摘している。
  1. MH17便は少なくともウクライナ軍の三基のBuk-M1(SA-11 ガッドフライ)が配備された交戦地帯上空を飛行しており、最終的にドネツク付近に墜落したとロシア国防省が提供した情報である。
  2. ロシア軍が公開した飛行経路図と航空管制データではMH17便は国際航空路上で東ウクライナを通過しようとしていたが、ドネツク付近で飛行回廊から北寄りに14 km逸脱したのち、右寄りに方向を変え、航空路にもどろうとしたが結局できなかった。ロシア国防省によるとレーダーは同機の飛行速度低下を17:20(モスクワ時間)に探知し、17:23に接触を失っている。.
  3. ドネツク付近のウクライナの防空体制は7月17日に強化されているとロシア軍参謀本部のアンドレイ・カルタポロフ中将 Lt. Gen. Andrey Kartapolov (作戦部長)は説明している。衛星画像ではブク装備一個がザロシュチンスコエZaroshchinskoe近郊(ドネツクから50 km地点)に展開したが、翌18日撮影の衛星画像では同地点を退去していると判明。
  4. 中将は同時にKupol-M1レーダー(NATO呼称チューブ・アーム)の活動が増加している事実も指摘する。同レーダーはブクに目標探知データを送るもの。同地域内で稼働するレーダー装備の数も7から9と7月17日にかけて増えていたが、18日には4へ激減したち、19日には2つになったという。
  5. ロシア軍は17:21に一機が高度を上げてマレーシア航空機に近づくのを探知していると発表。両機の距離は3から5 kmだったという。レーダー基地二つが4分間にわたり捕捉しているが、二次的な識別装置がなかったという。カルタポロフ中将は接近したのはウクライナ空軍のスホイSu-25地上攻撃機だったとした。中将は「Su-25は高度1万メートルまで短時間で上昇できる」と発言したが、同機の実用上昇限度は7,000メートルである。また同機はR-60(AA-8アフィッド)空対空ミサイルを搭載し、12 kmの射程範囲があると軍事関係者は言う。

  1. レーダー記録ではこのSu-25はボーイング777の墜落後も同区域を哨戒している。ウクライナ関係者は同日にウクライナ軍機が該当地区を飛行していた事実はないと否定している。■


2014年7月21日月曜日

☆ 韓国KF-Xは双発仕様に決定



S. Korea Opts for Twin-Engine Fighter Development

Jul. 19, 2014 - 03:41PM   |  
By JUNG SUNG-KI   |   Comments

韓国軍は次期戦闘機を双発機仕様に決定したが、経済性と開発面で懸念が残ったままだ。
  1. 韓国統合参謀本部(JCS)は18日、最高決定会議でKF-Xのエンジン数を決定した。KF-Xは海外提携先の支援を受け開発を目指す国産機である。
  2. 韓国は合計120機以上を2025年以降に生産し、F-4とF-5の代替とする予定で、F-16高性能型にハイエンドのエイビオニクスを搭載したものと同等の性能になる。
  3. JCSは8ヶ月に渡りコスト、要求性能、開発日程を検討したが、双発機こそ将来の運用要求に合い、近隣諸国の戦闘機開発に対抗できる選択との結論に達した、とJCS報道官が発表。
  4. その仕様でKF-X開発を進めた場合の初期作戦能力獲得は2025年となり、当初予定から2年遅れる。
  5. 国防調達計画庁Defense Acquisition Program Administration (DAPA) がエンジン選定契約の入札を早ければ来月に公示し、候補にはGEのF414とユーロジェットEJ200があがっている。
  6. 今回双発機案が採択されたが、これまで熱い論議があった。韓国国防解析研究所Korea Institute for Defense Analysis (KIDA) は高価格と技術上のハードルの高さから双発機に終始反対していた。KIDA試算ではKF-X開発費用は9.6兆ウォン(930億ドル)とされるが、双発機では二倍になるという。またF-16級の機体寸法を双発機にしても輸出につながる利点が生まれず、双発機案を現実乖離としている。
  7. また開発費用の予算超過で国産エイビオニクス開発が妨げられることを心配するのは民間シンクタンク韓国国防安全保障フォーラムKorea Defense and Security Forum,だ。「原案ではアクティブ電子スキャンレーダー等を国産開発することになっていたが開発費用が増えれば海外製品の採用になるのは避けられない」という。
  8. メーカーの韓国航空宇宙産業Korea Aerospace Industries (KAI) も単発機案を希望してT-50ゴールデン・イーグル超音速練習機(ロッキード・、マーティンと共同開発)を原型とするつもりだった。T-50の軽戦闘機版FA-50の開発にも成功しており、同機はインドネシアとフィリピンへの輸出が進む。昨年秋の航空国防フェアでKAIは 29,000ポンドクラスのエンジン案を展示しており、FA-50を発展させるのが価格と性能の両面で有効だと主張していた。
  9. これに対し空軍は国防開発庁 Agency for Defense Development (ADD) の後ろ盾もあり、予算超過や技術課題の懸念を否定する動きに出た。
  10. 「KF-Xは4.5世代機で兵装20,000 ポンド搭載可能。インドネシアが共同開発国になっており、相当数の同機を買うものと想定している。生産量が増えればコストも下がるだろう」と空軍報道官は述べている。.
  11. また同報道官はKF-16を上回る機体寸法は将来の性能向上に対応するもので同時に近隣諸国(日本と中国)の空軍力整備にも対抗できる、としている。
  12. これに対しADDは新しいコンセプトの戦闘機だからこそライフサイクルコストの検討が必要だと反論している。さらにADDではKF-Xに必要な技術のおよそ9割を確保ずみで、あとはエンジンおよびエイビオニクスだけだとしている。足りない技術はF-X III戦闘機開発案件を受注したロッキード・マーティン他海外メーカーから入手できるとADDは期待している。
  13. ADDはKF-Xブロック2で内部兵装庫を、ブロック3でステルス改良を逐次実施し、B-2爆撃機またはF-35共用打撃戦闘機と同じステルス性を実現する目論見だ。
  14. 現時点でインドネシアはKF-Xで唯一のパートナー国であり、開発費の2割を負担する。韓国政府は6割を負担し、残りの2割がどうなるのか不明だが、KAIが一部負担するとみられる。■
コメント なんとなく大丈夫なのか、かなり適当だな、と心配になる今回の決定ですが、計画は修正されながら実現に向かうのでしょうね。ただし時間がかかりそうです。そもそも戦闘機開発そのものが相当ハードルが高くなっている中で、日本と韓国こそ本来は共同開発しなければならないのに、仮想敵国扱いされるのはいかがなものかとは思います。(同国の複雑な国内事情があるにせよ) はやく 相互に自由にモノがいえる時代が来るといいですね。