2014年2月19日水曜日

中国が対日軍事作戦を「短期かつ熾烈に」実施する可能性


Navy Official: China Training for ‘Short Sharp War’ with Japan

By: USNI News Editor
Published: February 18, 2014 1:25 PM
Updated: February 18, 2014 1:26 PM
Chinese marines assault a beach during the Mission Action 2013 exercise. Xinhua Photo


中国はこれまで台湾進攻を想定した揚陸戦の訓練を重ねてきたが、ここにきて訓練の想定を拡大し、日本が実効支配する東シナ海も対象に加えていることが米太平洋艦隊(PACFLEET)の情報部門トップから明らかになった。昨年実施したMission Action 2013演習では人民解放軍の各軍が参加し、尖閣諸島の占拠を想定していたと、PACFLEETのジェイムズ・ファンネル大佐 Capt. James Fannell(情報幕僚次長)が発言。

  1. 「Mission Action 2013は各軍を巻き込んだ大規模演習でした」とファンネル大佐はWest 2014会議(カリフォーニア州サンディエゴ)の席上で2月13日に発言している。「PLAには新しい任務が与えられており、短期間ながら高密度の戦闘で東シナ海の日本勢力を壊滅する前に尖閣諸島あるいは琉球諸島の南方を占拠する、と中国学識経験者から発言が漏れています」
  2. 昨年は中国が軍事活動を活発化させ挑発的な軍事プレゼンスを南シナ海で展開した年であった。その中心は中国が各国と問題を抱える原因となっている領土拡大の主張を示すNine Dash Lineと通称される地帯をとりまくもの。
  3. 「合衆国政府も中国が南シナ海で示している行動パターンそのものが中国による同海域の制海権の主張を反映するものとして懸念しており、いわゆる9-ダッシュ線で囲まれる
  4. 各国の反対を無視していること、および全く説明のないままあるいは国際法の原則を無視していることを問題視している」(ファンネル)
  5. 同大佐はその後中国がこの十年間に各国に示した強硬策の内容に触れ、フィリピン海南方での戦闘訓練などは中国が「航行権の保全」を狙ったものと解説。
  6. 「その訓練の翌週に東シナ海で中国艦船が火器管制レーダーを海上自衛隊艦船に照射する事件が発生している。中国はその事実を一か月にわたり否定したあと、その事実を認めたが、両艦の距離は射程距離を超えていたので危険はなかったと釈明しているが、それで済む問題ではない」
  7. ファンネル大佐は新設された中国沿岸警備隊による準軍事行動にも注意を喚起している。
  8. 「南および東シナ海での緊張は中国沿岸警備隊が中国隣接国を刺激することで悪化の一途である」
  9. ファンネル大佐によれば中国は1.6百万ドルを南シナ海の監視地点の改善にあてているという。 港湾施設、航空基地、飲料水確保および監視システムがその対象だという。「一方で中国は他国による同様の活動を挑発的と非難し、脅威を与えることで対応しようとしている」
  10. ファンネルのこの中国評価は現在米国が対中軍事関係を強化しようとするのと対照的である。
  11. 当日は海軍の作戦、立案、戦略担当のジェイムズ・フォッゴ少将Rear Adm. James Foggo が米海軍関係者とPLANの Wu Shengli提督との会談が成功裏に終わったと紹介しており、米代表団もPLAN艦艇・潜水艦を訪問しているという。しかし、代表団が帰った直後に中国は問題になっている防空識別圏(ADIZ)を東シナ海上空に設定している。米国は同時に中国艦船の今年のリムパック演習に参加させようとしている。■


2014年2月15日土曜日

米海軍次期無人機UCLASSを空対空作戦に投入する可能性を検討中


Navy’s UCLASS Could Be Air to Air Fighter

By: Dave Majumdar
USNI News, February 13, 2014 7:35 AM
X-47B Unmanned Combat Air System Demonstrator (UCAS-D) on Nov. 9, 2013. US Navy


米海軍が進める無人空母運用型空中偵察攻撃機(UCLASS) は空対空任務も実施できるようになるのか。海軍の航空戦担当マイク・マナジール少将Rear Adm. Mike ManazirはUSNI Newsのインタビュー(昨年12月20日)にその可能性を示していた。
  1. マナジール少将はUCLASSの主用途を情報収集監視偵察(ISR)および攻撃任務とするものの、ミサイル搭載の可能性を検討していると発言していた。ミサイル発射母体とした場合、F/A-18E/FやF-35Cの空対空任務を補完する無人ウィングマンになるという。
  2. 「AMRAAM(高性能中距離空対空ミサイル)を搭載したトラックのような存在になります」とマナジールは言う。「無人トラックは有人機と一緒に飛行します」
  3. マナジールの想定するUCLASSの操作はノースロップ・グラマンE-2Dホークアイあるいはロッキード・マーティンF-35Cからの遠隔操作によるもの。この構想には利点が多いと空軍予備役大佐マイケル・ピエトゥルチャCol. Michael Pietrucha(F-15Eの兵装システムズ士官で無人機専門家)がUSNIにコメントしている。
  4. 「これは荒唐無稽な話ではありません。困難なのは航空機自身に判断能力や優先順位づけができないので、戦闘機の機能を持たせるには機内にシステムを搭載することなのです」
  5. その解決方法は状況判断など人間で行う機能を戦闘機パイロットに任せることだ。そこで有人機が目標を発見、追跡、照合し、敵機との交戦は無人機に任せる。
  6. 「この点では海軍が空軍より先行しています」とピエトゥルチャは指摘し、海軍統合火器管制対空戦闘(NIFC-CA) 構想はデータリンクを利用したネットワーク化で多数の友軍機が戦闘状況を共有するものだという。
  7. NIFC-CA構想では「センサー」役の機体が捕捉した敵目標を射程内にあれば、「射撃者」役の機体ならどれでもが攻撃できる。「この問題が解決できれば、ミサイル満載の無人機ウィングマンに目標を教えればよい」
  8. ただ無人機を空対空戦に投入すると不利な点も発生する。制空任務用の戦闘機としてロッキード・マーティンF-22ラプターやボーイングF-15Cイーグルは高高度飛行と超音速飛行と組み合わせてAMRAAMに与える運動エネルギーを最大限にしつつ、長距離から発射している。
  9. これに対しUCLASSは亜音速機の設定であり、AMRAAMに与えられるエネルギーはボーイングF/A-18ホーネット以下となり、発射してもミサイル速度と高度は低く制空戦闘機の水準は期待できない。
  10. だがこの不利な点は克服できないわけではない。実際のAMRRAM発射の事例の大部分は音速以下の速度と中高度で発生しているとピエトゥルチャは指摘する。さらに亜音速無人機に運動エネルギー上の利点が生まれる条件があるという。
  11. たとえば有人戦闘機が防御態勢に入り、90度で目標敵機と方向を変えることを想定すると、有人機ではミサイル発射のチャンスは少ない。「90度旋回をすれば運動エネルギーが無駄になりますが、無人機は目標に直接接近できます」
  12. 「その場合の運動学的エネルギーは有人機よりも優秀です。なぜなら発射したミサイルには旋回後の修正が必要ないからです。無人機ウィングマンは戦闘機特有の機種を敵機に向けたまま保持する必要がなく、センサーが捕捉しておけばよいのです」
  13. しかし複雑な機構のステルス無人機は非常に高価であり、消耗品扱いは許されないだろうとピエトゥルチャは見る。
  14. 無人機を空対空戦に投入することは必然的に機体を敵の攻撃にさらす危険が増えることを意味する。しかし、それ以上にパイロットが意図的に無人機を盾にして自機を守ろうとする可能性もある。「自分の生命は代わりがききませんからね」とピエトゥルチャは言う。「コックピット内部では抽象的な思考をする余裕はなく、わたしなら無人機を自由に飛行させ人間のウィングマンでは不可能な方法で危険な脅威に対応しようとするでしょうね」
  15. ピエトゥルチャはペンタゴンが超音速無人機で有人戦闘機を全廃する日は来ないと考える。
  16. その理由はコストであり、とくに推進系のコストが劇的に上昇しても実現できる性能は有人機に劣るためだという。超音速UCAVには高推力エンジン(非常に高価格)および抗力を低く抑える機体形状の中に相当の燃料を搭載する必要があり、結局有人戦闘機と同程度の価格になってしまうからだ。
  17. 「とても高価格の機体でも有人機より性能が低ければ価値がないでしょう。それでは予算の節約になりません」■

2014年2月14日金曜日

武器密輸の北朝鮮貨物船が罰金を現金で支払いパナマ運河通過


Panamanian Official: North Korea ‘Paid Fine in Cash’ to Free Secret Arms Ship

By: USNI News Editor
Published: February 10, 2014 9:25 AM
Updated: February 10, 2014 10:03 AM
2013年7月に北朝鮮貨物船内で発見されたキューバのMiG21戦闘機を検分するパナマ調査官 REUTERS Photo

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北朝鮮は旧式武器を満載したキューバ発北朝鮮船籍貨物船をパナマ運河を通過させるため罰金を支払ったと同運河関係者から判明した。

当初の罰金百万ドルは$693,333.10に軽減されたことが運河運営の責任者ホルヘ・キハノが語ったとAFP通信が伝えている。

「北朝鮮は現金で支払ったので、同船は通過を許された」とキハノは語っている。


7月には北朝鮮船籍貨物船清川Chong Chon Gangがパナマ運河を「240メートルトンの老朽防衛装備を搭載し、内容は対空ミサイル装備ヴォルガおよびペチョラ、部品に分解されたミサイル9発、MiG-21bis戦闘機2機、および同型機用エンジン15基、すべて20世紀中ごろ製作品として修理再生用にキューバ向けに」通過させようとしていたことが明らかになっている。
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パナマは1月に同船の船員32名を解放したが、船長、一等士官と「政治委員」は武器密輸容疑で投獄したままにしている。  


空母輸送機CODの次期機種選択に動く米海軍


Decision on New Carrier Supply Plane ‘About a Year Away’

By: USNI News Editor
Published: February 12, 2014 4:45 PM
Updated: February 12, 2014 4:45 PM
A C-2A Greyhound, takes off from the flight deck of the aircraft carrier USS Theodore Roosevelt (CVN-71). US Navy Photo


米海軍は空母部隊向けの補給貨物機の後継機種選定を「およそ一年後」に控えていることが海軍航空部門トップの発言でわかった。2月11日サンディエゴでのWest 2014のパネルディスカッション席上で。
  1. 現状ではC-2Aグレイハウンドが空母艦上輸送carrier onboard delivery (COD) に1960年代末から投入されており、現在運航中の機体は1980年代に調達されたもの。
  2. 「データの吟味中で、選択肢の検討を慎重に行っている」とデイビッド・バス中将(海軍航空部隊総監)Vice Adm. David Buss, commander Naval Air Forces,が発言した。
  3. 選択肢とはノースロップ・グラマンC-2の性能改修版の導入か、V-22ティルトローター機だという。
  4. C-2の長所は海軍が早期警戒機として使用中のE-2ホークアイとの共用性であり、V-22の場合では海兵隊のオスプレイとの共用性だ。オスプレイはすでに海軍艦艇向けに使用中。
  5. そこで海軍はV-22を空母補給用に投入した場合の妥当性を検討中だ。
  6. 「選択肢はまだあるが、決定まで一年ほどの段階です」.
  7. 次期CODで求められるのはF-135エンジン(F-35C用)を空母へ搬送できる能力だ。バス中将はこの点を真剣に検討しているという。「F-135の高出力部分は怪物といってよい大きさです。この部分をどうやって輸送するかを技術的にいろいろ検討しています」■

コメント:ここでもF-35が意外なストレスを与えていますね。

2014年2月11日火曜日

アジア太平洋地区でP-8輸出へ期待するボーイング


Boeing Eyes P-8 Exports

By Bill Sweetman william.sweetman@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com February 11, 2014
Credit: Boeing

「4ないし5カ国」がボーイングP-8Aポセイドン海上哨戒対潜(ASW)機に強い関心を示していると、同社の宇宙防衛部門副社長(ビジネス開発戦略担当)クリス・レイモンドChris Raymond, Boeing Defense, Space & Security vice-president for business development and strategyが明らかにした。「各国が真剣に技術面で関心を示しています」とレイモンドはシンガポール航空ショー前夜に語った。「各国は飛行距離と探査範囲を分析中で、運用中の艦艇と協同運用できるか、ライフサイクルコストも検討しています」

そのうち二三カ国がアジア太平洋地区だという。(残りの一カ国は英国である可能性が高い) 検討中の各国は現時点で固定翼方式のASW機材を運用していない。

ボーイングは同社がボンバルディアチャレンジャー605の機体を改装する新型海洋監視機材がP-8他のASW機材と補完関係にあると見ている。同社はP-8から上記海洋監視機材、キングエア改装のRamis(構成変更可能な複合センサー搭載機材)さらにスキャンイーグルほか無人機まで含む機種構成で情報収集・監視・偵察(ISR)を展開するファミリーの提案に動きつつある。■


コメント 固定翼ASW機材を持たないアジア太平洋諸国ですか、ベトナムやマレーシアがその候補でしょうか。お金があるのはシンガポールですが、はたしてどの国になるのでしょうか。楽しみです。

2014年2月10日月曜日

アジア各国の戦闘機整備が急展開中---日本、韓国、シンガポール等の最新状況



Fast-Changing Trends In Asia Fighter Market

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviaationweek.com February 03, 2014
Credit: USAF SSGT. William P. Coleman

韓国が一度選定に傾いたボーイングF-15SEサイレントイーグルを白紙に戻し、ロッキード・マーティンF-35A共用打撃戦闘機を選んだことで、ロッキードはアジア各国をJSFで席巻できると興奮気味だが、日本が同機を選定済みで、シンガポールもまもなく正式決定するものとみられる。その他の諸国も同じ流れになるかもしれないのは中国の脅威が増大していることに加え横並び意識のせいと言われる。.
  1. 現実はもう少し複雑で多くの要因が絡んでおり、武器取引と技術移転は動的な過程だ。韓国と日本の選定結果は共に両国の国家戦略が変化していることと米国との密接な関係が背景にある。また米国が同盟各国にJSF調達を強く求めているのも事実だ。では各国別に見てみよう
  2. 【日本】F-35Aの選択は強力な統合防空体制 integrated air defense semsyst (IADS)が整備された空域内の攻撃能力に重点を最初から念頭にF-4EJ改の後継機種を模索してきた結果だ。選定基準そのものが変化しているのは日本の防衛戦略の変化を表しており、中国は仮想敵国として、日本が実効支配する領土を奪わんと長期的に狙う国とみなしている。また、攻撃能力を強化し、戦後堅持してきた武器輸出の緩和を狙っている。.
  3. 日中の緊張増大は防空部隊の緊急出動回数が増えていることで明白だ。冷戦末期の航空自衛隊のスクランブル回数は年間800回超だったが、1995年から2005年までは年間200回程度で、2012年に567回に急増している。
  4. 航空自衛隊の戦闘機部隊は1960年代から常時三機種を稼働させてきた。機体数はほぼ一定を保ちながら、2020年台にはF-15と三菱F-2に加えステルスF-35が加わる見込みだ。
  5. 現有のF-15Jには赤外線探知追跡機能が付いているが、さらに性能改修したF-15MJにはAPG-63(V)1レーダー(機械式スキャン型としては最新型)を搭載し、三菱重工製AAM-5短距離空対空ミサイル(04式空対空誘導弾)の装着が始まる。AAM-5はドイツ・スウェーデン共同開発のIRIS-TやAAM-4B(アクティブ電子スキャン方式レーダーを搭載)と外形が類似している。
  6. 航空自衛隊はF-15のうち何機の性能改修を実施すべきの決断を求められている。機材の半数近くは1980年台前半に納入されており、性能改修の実施は高費用につく。
  7. 一方で侵攻部隊の接近阻止を主任務とするF-2部隊にもAAM-5、AAM-4、改良型AESAレーダーのJ/APG-2の装着で改良が加えられており、武装ではAIM-9サイドワインダーと日本製AIM-7スパローを搭載する。
  8. 予算10億ドルでE-767空中早期警戒管制機の改修、F-15とF-2の改良をすることで日本の防空対応能力はF-4飛行隊x2の退役があっても質的に向上する。F-35AはF-4の代替都の位置づけだがF-2の攻撃任務を一部補完し、F-2を防空任務に振り向けることが可能。もしF-15旧型機の改修を実施しない方針になれば、4飛行隊規模の新型機調達につながる。
  9. ただし円安でF-35調達の大日程への影響が危惧されており、予定42機の調達完了を2023年にずらすことになりそうだ。新型ヘリ護衛艦いずも(27,000トン)の完成でF-35Bで海軍航空兵力の整備に乗り出すとの観測があったが香田洋二海将(退役)元自衛艦隊司令官は1月にワシントンでこの見方を一蹴しており、そのような防衛力整備は他方面の装備調達を諦めなければ実現できず、中短期的には不可能だとした。
  10. 日本は三菱重工の高性能技術実証機 Advanced Technology Demonstrator-X (ATD-X) ステルス試作戦闘機にも予算をつけており、これまで10年近くの開発を続けてきた。実寸大のレーダー断面積測定はフランスで2005年に実施済みだ。技術開発筋によればATD-Xの初飛行は2014年度中に実施するという。つまり2015年3月までに、ということだ。
  11. 【韓国】 F-35小規模調達に国産機の性能改修を組み合わせる方向だ。国防調達庁の決定を覆す形で11月にF-35A導入を決定した同国だが、調達数は40機で納入は2018年以降になる。なお、調達費用は当初予定していたF-15SEなら60機を買う事ができた金額だ。
  12. 今回の選定の背景には韓国の軍事戦略の変化の影響がある。北朝鮮が機動性のあるミサイルを開発中とする証拠が増えてきた。これに対し韓国政府は「圧殺連鎖」で固定式強化陣地内の目標と移動可能な兵器の双方を破壊すると反応している。F-35Aの性能諸元はこの任務の想定に合致している。その際に念頭にあるのは湾岸戦争(1991年)の「スカッド狩り」がうまく行かなかった米同盟部隊のことだ。
  13. F-35A選定は「状況に応じた抑止力」で北朝鮮の核の脅威に対抗することで新たな米韓合意に先立つ形になった。これは先制攻撃でまず北朝鮮の核攻撃能力を減じて残存能力にはミサイル防衛で対応する戦略だ。
  14. F-16改修も実施し2030年代まで同機を稼働させる。韓国国防省はBAEシステムズと昨年12月に合意形成し134機あるF-16ブロック52機材にAESA技術によるレイセオン高性能戦闘レーダー、新型ミッション用コンピュータ、新型コックピット表示装置を装備する。改修済み一号機の納入は2018年だ。
  15. そもそもBAE選定は2012年だったが、一度白紙に戻されている。その理由はF-16を第三者が改修する初事例となったこと、また米空軍がロッキード・マーティンを選定し300機を対象に同様の性能改修 Combat Avionics Programmed Extension Suite (Capes) を発注していたからだ。同様の性能改修は台湾空軍のF-16にも予定されており、韓国他に提案されていた。米空軍がレーダー選定をロッキードに一任して同社は長年のパートナーであるノースロップ・グラマンを選んだのに対し、韓国はレイセオンを選定したので競争状態となった。
  16. BAEシステムズはフォートワース事業所で開発にあたり、F-16経験者を雇用する。同社はシステム統合ラボを建設中で大型ビジネスジェット機を飛行テストベッドとしてしんgなたシステムの性能確認をする。韓国空軍のF-16機材の第一陣が今年中に現地に到着し、改修作業を開始するが、フライトテストは2016年の予定だ。改修作業の本格作業は韓国国内で実施する。
  17. BAEシステムズは世界規模で1,000機の回収需要があると見ており、海外だけでは830機に期待する。同機の機体寿命は1万時間に延長されており、旧型機の改修の投資効果は十分あるという。
  18. そこでF-35Aに切り替えたことで国産ステルス戦闘機開発にも影響が出る。同機計画は韓国航空宇宙工業 Korea Aerospace Industries と国防技術開発庁Agency for Defense Development がKF-Xとして進めているもの。最新の予算では19百万ドルが計上されて、開発経費の上限を80億ドルとし、2025年に開発完了の条件をつけている。ただし同機の輸出には米国の承認が必要だ。開発には海外の提携先が必要となり、15%の費用負担を期待されている。
  19. 【シンガポール】 アジアで次にF-35を導入するのは同国だと言われ、とくに高速道路からの運用を想定してF-35Bに関心が高いという。想定場所の長さは8,000 ft.未満が多い。F-35Aでは滑走路長が足りず、JSF計画室長クリストファー・ボグデン中将は昨年4月にシンガポールによる同機選定は数ヶ月以内に実現見込みと発言していた。
  20. 同年にシンガポール国防相ン・エン・ヘン Defense Minister Ng Eng Hen がF-35購入を独に急ぐ必要なしと発言している。F-16後継機種としてF-35を真剣に検討しているのは事実だが、まず旧型機改修を実施するとしていた。米国防安全保障協力庁 U.S. Defense Security Cooperation Agency からはシンガポール保有のF-16のAESAレーダー換装他改修60機分の実施案が提示されており、同機の耐用年数を2030年代まで延長できるという。ただし改修に高い優先順位がつくかはシンガポールが潜水艦整備などで大型投資があることを考慮すべきだ。
  21. シンガポールは米空軍・ロッキードによるF-16改修業務Capesの有望対象国であるが、国防安全保障庁の発表内容は契約企業を明示せず、新型レーダーの調達元も示していない。このことは将来のCapes改修が不確実であることを示すものであり、2015年度米国防予算削減の対象になる可能性もある。
  22. 【インドネシアとマレーシア】両国はSu-27/30を運用中で、Su-35が代替機種として提案されている。両国は次期戦闘機で米、ロ、欧州の三方向から選定する可能性があり、すでにユーロファイター・タイフーンとボーイングの高性能型スーパー・ホーネットが昨年のマレーシア航空ショーで展示されている。
  23. 【タイ】 サーブのグリペンもアジアに足場を広げる可能性がある。新型JAS39Eがすでにブラジルで選定されており、競争力が高まっている。シンガポールF-16改修は単価40百万ドルとの見積だが、同程度の費用でJAS39CをJAS39E仕様にアップグレードできるという。
  24. サーブを現在使用中なのはタイで、グリペンとともにスウェーデン空軍で使用していたサーブ340AEWを整備する計画を推進中だ。2013年にはグリペン6機とAEW2号機が納入されており、サーブはマレーシアにグリペンC/Dをリースする案を提示しており、JAS39Eにアップグレードできるとする。
  25. 【その他アジア太平洋諸国・ロシア】戦闘機選定は流動的だ。1月にワシントンの戦略国際研究所が武器流通に関する会議を主催し、米国企業の市場シェアを下げそうな要因に焦点をあてた。米国製高性能機器ではなくても「実用上十分な」システム選択が可能であることが指摘されている。
  26. 席上では米国による独占が終われば各国は防衛の後ろ盾が米国しかないので深刻な脅威に直面するとの指摘がでた。つまり装備品の新しい供給源が現れれば米国製装備との相互運用性が低くなるというのだ。
  27. またロシアはマイクロエレクトロニクス分野の基礎が不足しているため「旧式技術で食いつないでいる」との指摘があったが、「ロシアのハイテク産業は国防分野に集中している」との指摘もあり、相反する傾向があることになる。長距離地対空ミサイルの輸出事例ではロシアの地位が卓越している。もうひとつはロシアと中国の関係改善の象徴がスホイSu-35戦闘機売却の商談だ。ロシアが再度同機を中国に販売することに前向きになったのは、瀋陽J-11として中国がSu-27を不正コピーした事実を乗り越えて、ロシアの技術開発が再度活性化してきた証であり、不正コピーのリスクを軽視できるようになったのかもしれない。■


2014年2月9日日曜日

宇宙依存度が高い米国防体制は中国との軍事衝突で脆弱性を示すのか 専門家の知見に耳を傾ける米下院



U.S. Dependence on Space Assets Could be a Liability in a Conflict with China

USNI News By: John Grady
Published: January 29, 2014 10:28 AM
Updated: January 29, 2014 10:28 AM
Launch of Atlas V MUOS-2, July 19, 2013
from Cape Canaveral AFS. US Navy Photo


米国は宇宙空間で「サイバー空間と同程度」の課題に直面していると下院審議会の委員長が中国の宇宙での進展を念頭に発言した。また宇宙で米中両国が「長期間にわたる競争」に入っていることを認めている。
  1. 下院軍事委員会海洋力・兵力投射小委員会委員長のランディ・フォーブス議員(共・ヴァージニア . Randy Forbes (R-Va.)からスティムソンセンターの研究員マイケル・クレポンsenior Stimson Center associate Michael Krepon に米国の弱点は何かとの質問が出た。クレプトンからは「事実を無視することはできません。衛星は探知されてしまいます」
  2. さらに軍用民生双方で「中国の宇宙依存度は米国よりも低い」ことが次の論点だとカーネギー国際平和財団の主任研究員アシュレイ・テリス Ashley Tellis, senior associate at the Carnegie Endowment for International Peace が指摘した。
  3. エアリスアナリティックス社長ロバート・バターワースRobert Butterworth, president of Aries Analytics Inc.,からは「高エネルギー兵器などを衛星に使った場合の効果は不明」と発言あり、中国はこの分野に資金を投入する可能性があるという。
  4. 中国が2007年に軌道上でテストを実施して以来、デブリ問題が注目を集めており、敵衛星の破壊は自国の軌道上の機材も危険になることが浮き彫りとなったが、中国は直撃による破壊方法から「ソフトキル」や「視力破壊」といった非対称形式のアプローチに切り替えているとテリスは発言している。
  5. 上記三名の専門家は合衆国による今より水準の高い「宇宙用状況認識」能力開発の必要性で同じ意見であり、各種の軌道高度においてこれを実現し、攻撃を早く探知し、攻撃を仕掛けたのが誰かを特定すべきだという。バターワースは軍事衝突の際には米国の指揮命令通信網は防御された衛星システム以外に防御のない衛星にも依存しているためこれが弱点となると指摘。
  6. クレポンは「この問題では大事なのは」攻撃の発生源だという。テリスも「軍事衝突でストレスを受けるシステムもあり、攻撃の属性をはっきりさせる」べきだが、短時間でこれを実現するのは困難だという。
  7. その問題意識でクレポンは各国は「米国は各国の措置に対応できる能力を保有して」おり、このために米国にどの国に対しても優越性があるという。
  8. 開戦となれば、損傷被害が大、あるいは性能を発揮できなくなった衛星の代替手段を迅速に利用可能にすることが課題だ。テリスは米国の衛星システムは性能重視のあまり機数が少なすぎるという。「代替衛星を軌道に乗せるには時間がかかりすぎます。現状では衛星製作と軌道への運搬に予算上の問題が発生しています」
  9. 今後の展望として、軍事宇宙予算が削減対象になっていることから、バターワースは「「すごい大金」が新機軸の性能実現に必要であり、今後も軍事技術上の優位性を維持するためには「設計を根本から見直す」必要があるという。
  10. 核抑止力なら潜在的の敵の目の前に配置できるが、クレポンは「宇宙抑止力は多くが暗示的な存在ですが、敵対行動が結果をすぐ生む点が違う」という。
  11. そこで各国間で条約は無理としても「行動規範」を作り、宇宙空間上の行為を規制し、中国軍部民間関係者と宇宙関連の対話を実現することをクレポンは提唱。これは冷戦時代に前例がある。中国では軍部と民生で宇宙利用を軍主導とするか外交効果を重視するかで路線対立が生じているとクレポンは指摘する。■