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過去最大の防衛予算になった 令和7年度概算要求に見る海上自衛隊の調達内容―FFMは拡大型となりFFGに近づく (Naval News)

 





衛省は8月30日、2025年度の防衛予算として、新型FMM3隻の建造などが盛り込み過去最大の591億ドル(8兆5000億円)を要求した。。 


衛予算概算要求は財務省に送付され、12月の決定に向け検討されるが、中国、北朝鮮、ロシアによる軍事的脅威の高まりに対抗するため、統合防空ミサイル防衛(IAMD)システムとスタンドオフ防衛能力の強化を求めている。 

海上領域に関する概算要求は以下の通り。

 

新型FMM3隻の建造(22億ドル) 

New FFM

現行の「もがみ」級と比較した新型FMM。三菱重工


 防衛省は、「新型FFM」と呼ばれる3隻の新型多機能フリゲート艦を建造するため、3140億円(22億ドル)を要求した。新型艦は、基本的に海上自衛隊の「もがみ」級マルチロール・フリゲートを改良したものである。防衛省はこれまで、毎年「もがみ」級FFM2隻か「新型FFM」2隻分の予算しか確保してこなかったため、1年間に新型FFM3隻分の建造費を要求するのは非常に異例。具体的には、防衛省は現在の2023年度まで合計12隻の「もがみ」級フリゲート艦を調達する予算を確保しており、今回は2024年から2028年まで12隻の新型FFMを建造する予算を獲得する計画だ。防衛省がわずか5年で12隻の新クラスを調達するというのは、非常にハイペースだ。これは、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、政府が短期間で海軍力強化の取り組みを強化せざるを得ないことを反映している。 

 標準排水量4,800トンの新フリゲート級は、標準排水量3,900トンの「もがみ」級より大きくなる。防衛省は、新クラスの乗組員数は「もがみ」クラスと同じ90人にとどまると発表した。 

 防衛省は、新FFMは、長距離ミサイルの運用能力向上、対潜能力の強化、各種海上作戦のためのより優れた能力を備えると述べた。 

 具体的には、12式地対艦ミサイル(SSM)の改良型である艦上発射型と、新型の艦対空誘導弾(または単にA-SAM)が、新クラスのFFMに搭載される。

 優れた対空能力と索敵能力を備える新型FFMは、FFG(誘導ミサイル・フリゲート)に近づく可能性がある。 


12式SSMの艦上発射型改良型の取得(1億1760万ドル) 


防衛省は12式SSMの長距離艦上発射型改良型の量産を2025年度開始する。 


イージスシステム搭載艦ASEVの各種試験準備(5億5850万ドル)

ASEV rendering

ASEVのレンダリング。ロッキード・マーチンのイメージ 

 

 イージスシステム搭載艦2隻の取得関連費用として、防衛省は808億円(5億5,850万ドル)を要求した。具体的には、実証試験を含む様々な試験の準備に関連する費用について言及した。 

 ASEVは、弾道ミサイル防衛(BMD)システムの代替となるもので、ミサイル迎撃ミサイルから落下した部品が日本上空の人口密集地を直撃する可能性があるとの懸念から、陸上イージス・アショア安倍晋三政権下の2020年6月に中止された。 

 防衛省は、新型艦は全長190メートル、幅25メートル、標準排水量1万2000トンになると説明した。これに対し、「まや」型護衛艦2隻は全長170メートル、全幅21メートル、標準排水量8,200トンである。 

 海上自衛隊は2027年度中にASEV1番艦を受領し、翌年度に2番艦が引き渡される。


いずも型ヘリ空母の改造(1240万ドル) 

ロッキード・マーチンF-35B戦闘機の運用が可能な空母への改造を継続するため、約18億円を要求した。いずも型ヘリ空母「いずも」と「かが」の軽空母化は、太平洋への進出が著しい中国軍に対する抑止力強化が目的だ。両艦の改修は、5年ごとに実施される大規模な定期検査の機会を利用して2回ずつ行われており、2024年度は、「いずも」の2回目改修として、2023年度の「かが」に続いて、飛行甲板の艦首部を台形から正方形に改修する。 

 「かが」の来年度(2025年度)予算は要求されていない。同艦は2023年度に1回目改修が完了している。防衛省によると、「いずも」の改修は2027年度、「かが」改修は2028年度に完了する予定である。 


各種輸送艦の取得(140.5百万ドル) 

離島、特に鹿児島から沖縄まで、南西に台湾まで延びる約1,200kmに及ぶ日本の南西諸島列島への海上輸送能力を強化するため、防衛省は来年度中に、中型輸送艦1隻、小型輸送艦1隻、機動支援艦(MSV)1隻を調達する。

 新型輸送艦を運用するため、2025年3月に海上自衛隊呉基地に陸・海・空統合の「海上輸送部隊」(仮称)を新設する。防衛省によると、同部隊には3軍から約100名が参加する。 


潜水艦発射ミサイルの取得(2080万ドル)

潜水艦の魚雷発射管から発射できる長距離巡航ミサイルの取得のため、30億円を要求した。防衛省は2023年度から、この対艦・対地攻撃ミサイルをスタンドオフ防衛能力の一部として開発してきた。2023年4月、同ミサイルの開発契約を三菱重工業と締結したと発表した。防衛省は海上自衛隊の最新型「たいげい」型潜水艦に搭載される予定であると説明した。 


艦載小型無人偵察機の取得(2560万ドル) 

艦載小型無人偵察機の取得に37億円(2560万ドル)を要求し、水上艦艇の偵察・情報収集能力を向上させるため、艦載小型無人航空機(UAV)を取得する。 


水中発射VLSの研究(2億760万ドル) 

防衛省は、潜水艦に搭載可能な垂直発射システムの研究を実施するため、300億円(2億760万ドル)を要求した。これにより、発射プラットフォームをさらに多様化し、海中での優位性を獲得することを目指す。 


新イージス艦の研究(2280万ドル)

退役したこんごう型イージス護衛艦の後継艦を検討するための技術調査を行うため、防衛省は33億円を要求した。


船舶搭載レーザーシステムの研究(1億3,200万ドル) 

防衛省は、大量の小型無人航空機からの新たな脅威に対処できる、艦艇搭載型の高出力レーザーシステムの研究に191億円(1億3,200万ドル)を要求した。


Japan requests largest-ever defense budget for fiscal year 2025


https://www.navalnews.com/naval-news/2024/08/japan-requests-largest-ever-defense-budget-for-fiscal-year-2025/


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