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米空軍がE-7Aウェッジテールの先行調達契約を交付、稼働率が低下してきたE-3の後継機として期待される―日本もE-767の次の機体としてゆくゆく導入することになる?(Simple Flying)

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Graphic: Boeing


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Graphic: Northrop Grumman

  • 20240718raaf8165233_0007 - Mission Aircrew from the United States Air Force, embed into No. 2 Squadron, monitor the airspace aboard the E-7A Wedgetail during Exercise Pitch Black 24.

  • 20240723raaf8668083_0262 - A Royal Australian Air Force E-7A Wedgetail leads a formation of aircraft during Exercise Pitch Black 2024.

  • 20240717raaf8165233_0063 - An E-7A Wedgetail taxis out for its next mission during Exercise Pitch Black 24.

  • 20160809raaf8540620_0194 - An E-7A Wedgetail Airborne Early Warning and Control aircraft flies over RAAF Base Tindal during Exercise Pitch Black 2016.

  • 20240715raaf8683332_0043 - Royal Australian Air Force E-7A Wedgetail A30-002 parked on the flightline during Exercise Pitch Black 24, RAAF Base Darwin.


概要 

  • ボーイングE-7Aウェッジテールは、老朽化したE-3セントリーの後継機として、強化された能力を米空軍に提供する。 

  • 同機は、制空権に不可欠な空中移動目標指示能力を提供する。 

  • オーストラリア空軍含む同盟空軍との相互運用性も同機の重要な利点である。 


ーイングは8月9日に、米空軍(USAF)からE-7A AEW&C ウェッジテール試作機2機を25億6000万ドルで受注したと発表した。E-7AはE-3 AWACSの後継機で、米国の同盟数カ国で使用されている。 米空軍初のE-7Aウェッジテイル2機に正式に予算がついた。


E-3セントリーが毎日飛ぶには「奇跡が必要」 

 Air & Spaces Magazineによると、1977年に稼働開始したE-3セントリーについて、9月に開催された空軍協会のAir, Space & Cyberカンファレンスで、航空戦闘司令部のマーク・D・ケリー大将が「世界中で707を飛ばす校区会社がゼロなのには理由がある。1950年代の設計に基づく機体は、メンテナンスが難しい」と述べた。

 さらに、Air & Spaces Magazineによれば、E-7Aウェッジテイルは米空軍に空中移動目標表示能力を提供する。ScienceDirectによれば、これはドップラー周波数計算を利用したパルスレーダーで、地上クラッターから移動目標を識別する。米空軍にとって、信頼できる機体に搭載された最もシャープな飛行レーダーを持つことは必須条件である。  

 そのため、米空軍は新たな飛行レーダー・プラットフォームを求めてきた。ボーイングE-7Aウェッジテイル(ボーイング737-700ベースの機体)は、現在、航空警戒業務用に製造されている唯一の米国製航空機である。737-700の機体を使用しているため、就航している9,000機以上の737と類似している。さらに、ボーイングによれば、世界中にある280以上のサービスセンターと修理施設を利用できる。

 金曜日に、ボーイング・ディフェンス、スペース&セキュリティのモビリティ、監視、爆撃機部門の副社長兼ゼネラル・マネージャー・ダン・ギリアンは、「顧客は、統合された戦域認識と戦闘管理を緊急に必要としている。E-7Aは、空を継続的にスキャンし、戦場を指揮・管理し、全領域のデータを統合して脅威に対して決定的な優位性を提供するための空域の要です。オープン・システム・アーキテクチャーのアプローチにより、脅威の進化に合わせ機能を迅速に追加することができます」と述べた。

 緊急に必要なのは、現在の米空軍の空中早期警戒管制プラットフォームである707ベースのE-3セントリー空中警戒管制システム(AWACS)が老朽化しているためである。さらにウェッジテイルには、空と海の両方をスキャンするノースロップ・グラマンのマルチロール電子スキャン・アレイ(MESA)レーダーが搭載される。ノースロップ・グラマンによれば、MESAは、脅威が疑われる方向に電子的にスキャンすることで、センサー範囲を拡大できる。ウェッジテイルのMESAはまた、強化された敵味方識別(IFF)装置、妨害電波に対する優れた耐性、複数のチャンネルと独立した受信機を備えている。

 ウェッジテイルへの移行を開始することで、米空軍はこれらの能力を獲得し、同盟空軍との相互運用性を高めることができる。その同盟空軍のひとつが、オーストラリア空軍(RAAF)だ。 前述したように、E-7Aウェッジテイルは、RAAFのようなアメリカ空軍のパートナーによって運用されている。この夏、ピッチブラック演習で、RAAFのは米空軍隊員を同乗させた。

 さらに、米空軍太平洋空軍の発表によると、ウェッジテイル・レーダーを操作し、演習参加者とデータを共有する組み込み空戦管理者オリバー・ンガヤン少佐は、「我々にとって、この目的は本当に、長い間E-7Aウェッジテイルを操作してきたオーストラリアからE-7Aウェッジテイルに慣れ親しませてもらうことです」と述べた。

 最終的に、米空軍はRAAF、トルコ空軍、韓国空軍で運用実績のある機体を手に入れることになる。さらに、英国王立空軍(RAF)はウェッジテイルを発注しており、NATOはウェッジテイルを欧州軍事同盟の将来のAWE&Cプラットフォームとすると決定している。 


ボトムライン 

 新CEOの就任、再設計を必要となった737 MAXのドアプラグ、国際宇宙ステーションで立ち往生した最初のCST-100スターライナーなど、ボーイングが最近公表した波乱のニュースに対し、この1週間はボーイング防衛部門にとって成功の連続であった。さらに、同社はMH-139Aグレイウルフ・マルチミッション・ヘリコプターの最初の生産機を納入した。


Boeing Awarded $2.56 Billion US Air Force Contract For E-7A Wedgetail Aircraft

By 

Joe Kunzler



https://simpleflying.com/boeing-us-air-force-contract-e-7a-wedgetail/


コメント

  1. P-1またはC-2ベースにAN/APY-9載せてタMRAAM盛り盛りに出来るやつ作って欲しい

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