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★特報 米空軍のF-15X調達は全80機規模と判明(空軍20年度予算要求)

またブルームバーグの特報です。政府筋に強い取材源を持っていますので航空専門サイトよりも情報収集力が強いのでしょうか。80機というのが多いのか少ないのか釈然としませんがボーイングにとっては朗報であることはあきらかで、かねてから主張しているように日本にも参考となる動きです。ロッキードは予防線を張っていますが、予算総額が増えないのであればF-35への影響は必至でしょう。


Air Force Wants Eight Upgraded Boeing Fighters Along With F-35s

米空軍は新型ボーイング戦闘機8機をF-35と並行導入の意向
      
2019年2月19日 18:00 JST


  • 米空軍はF-15Xを五カ年で80機調達する予定
  • ロッキードは同機の性能はF-35に劣ると強調
A U.S. Air Force F-15.
A U.S. Air Force F-15. Photographer: U.S. Air Force
空軍の次年度予算要求でF-15戦闘爆撃機8機をボーイングに新規発注が盛り込まれ、実現すれば2001年以来の調達再開となる事が判明した。高性能のロッキード・マーティンF-35調達は継続する。
2020年度予算から今後五年間で80機のF-15を調達すると空軍内部に詳しい筋が述べた。
ホワイトハウスも要求を支持しているとはいえ一貫して「第5世代」F-35の調達を熱心に求めてきた空軍がここにきてF-15も調達するのはなぜかとの疑問が国会議員から出そうだ。
ボーイングはセントルイスのF-15生産ラインをイスラエル、サウジアラビア、カタール向け受注を受け維持してきた。米国向けF-15Xはカタール向け機材をベースだが空対地、空対空兵装の搭載量が現行F-15よりも、またF-35よりも大きい。
F-35は機内兵装庫があるが開発中の大型兵器極超音速ミサイルは搭載不能だ。F-15XにはF-35の技術面での優位性はなく、ステルス性や高性能センサーやデータ供給機能もない。
空軍は1,763機予定のF-35調達は減らさずF-15X導入を提案するとみられる。昨年引き渡しのF-35合計84機のうち48機が空軍向けだった。
ロッキードは静かに国会議員やF-35こそ優れた選択肢だと議会スタッフに伝えており、「ファクトシート」を昨年12月配布した。その後はF-15に対し上院議員五名が批判を展開し、大統領にボーイング機は「時代遅れ」との書簡を送りつけている。
ボーイングは「十分に生存可能なF-15新型を空軍に妥当な価格で提供する準備がある」と述べており、空軍報道官は大統領が予算要求が発表するまでは言及を避けている。
F-15X調達はペンタゴンのコスト評価室が独立して行った空軍ニーズ調査に源を発する。これがホワイトハウスの予算担当部門の高評価を得て、大量兵装の搭載が可能なすきま機材として認識されたという。
ボーイングは機体単価を80百万ドル程度の固定価格契約で第一期分を2022年納入と提示している。F-35は最新の契約分では単価89百万ドル、2020年に80百万ドルになる見込みだ。
ロッキードの「ファクトシート」ではF-15Xは90百万ドルで、航続距離、加速性能、滞空時間はいずれもF-35に劣るとある。
ロッキードCEOマリリン・ヒューソンは1月に業界アナリスト陣に「ペンタゴン上層部から直接」聞いた内容としてF-35は「各方面から支持を受けており」F-15調達の如何で影響は受けないと語っていた。
ロッキードを強く支持する上院議員ジョン・コーニン、テッド・クルーズ(共にテキサス州選出)はトランプ大統領に書簡を送り、同州で生産中のF-35の予算がF-15X導入で犠牲になることがないよう注意喚起していた。■
— With assistance by Roxana Tiron

コメント

  1. マジですか?
    よく考えるとF-15の新造は今更感が強いです。2020年からなら、意味ないでしょう。2020年からは、F-35も年産200機になりそうですし、ここから、F-15を10年以上使うなんて、もったいないオバケが出ちゃうのでは。
    双発で維持費が高いので、もったいないです。
    T-Xが2023年からなので、もうつなぎ感がアリアリですね。
    クウェート分があるので、ライン維持は、できてるようですが、36機ですから、ちょっと少ないですね。

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  2. 米空軍としては妥当な選択だと思う。T-Xはパイロットの練習機なので意味なし。
    かといって、このままF-35のみ調達し続けると、機体に問題が出たときに飛べる戦闘機が無い。空軍の他の機体(F-16、F-15E、A-10)は老朽化して維持費が高騰し続けている。F-22はご存知のとおり。
    米空軍も「他に選択肢が無いのだから止むを得ないのです」と議会に言いたいとこだろう。(日本も選択肢無くて困ってる。早くF-3を国内主導で開発しよう。ついでに老朽化したF-15の後期型はF-15Xで置き換えましょう。安ければ)

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  3. 見てる所が違うのでしょうね。
    今回のF-15Xはボーイングの戦術航空機生産のセントルイス工場の仕事確保が目的と考えていますので、T-X量産開始は、関係大ありでしょう。
    これは、米軍の機体の冗長性とか関係ないと思います。冗長ならF-16でもよくて、既存も改修して当分使う予定らしいので、こちらを導入するのが維持面から良いと思いますが、ロッキードの機体なので、対象外なのでしょう。
    T-Xの生産開始に合わせて、F-15で2022年まで80機と仕事を確保することが必要なのです。
    冗長性であれば、F-22もありますし、この予算でF-22のネットワーク対応とかにお金をかけた方がよいのでは。

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  4. あぁ「F-15Xはボーイングの戦術航空機生産のセントルイス工場の仕事確保が目的」ですか。その視点は欠けていました。失礼しました。
    一時期、ボーイングが小型戦闘機開発から手を引くとの噂が立ち、ボーイングとサーブのT-X選定はお約束で、これでしばらく撤退は無くなるのかな?と思っておりましたものですから。
    軍事産業のしがらみは面倒ですね。とすると、タロンが無くなるノースロップの仕事の割り当てはB-21やアビオニクス関連だけでは足りなそうなので、どうなりますやら。まさかF-3に仕事を割り当てろと言ってこないですよね。トランプ大統領ならあるかも???

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  5. タロン自体はもう生産してませんし、関係ないかと。
    ノースロップは、F-35に食い込んでいて、中央胴体製造してますし、あまりガツガツしてません。
    B-21は結構な金額になりますし、少量生産機が多くて、E-2Dやグローバルホークとか高額が多いです。

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  6. ぼたんのちから2019年2月21日 19:50

    F-15Xの採用は、米空軍の戦略の変更によるのかもしれないと注視していましたが、杞憂のようです。
    80機程度では旧型機の更新の意味合いが強いのでしょう。

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  7. そうでした、ノースロップはE-2Dやグローバルホークも作ってました。では、F-3作るときに米国政府が静観していてくれるかな?(F-2のトラウマがいかに大きかったか。。。)

    ところで、自衛隊はF-35とF-3は良いとして、残る一機種はF-15MSIPの改修で耐用期間が持つのだろうかと心配です。他国で幾つか戦闘機の開発の話があっても、順調に行くか定かでなく、F-15MSIPの耐用期間が限界になったときに代わりになりそうな機体が見当たらない。日本もF-15X導入すれば、とりあえず、仕様がわからぬ各国の第六世代機の様子を眺めていられそうですが。

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    返信
    1. その時にはF-3を増産すれば宜しいでしょう。
      無理に3機種に拘る必要はないし状況によってはF-2の延命もあるかも知れない。
      F-3の部材を活用したF9単発の小型戦闘機をP-1/C-2方式で作ってハイローミックスという手も考えられる。
      とにかく、この期に及んでF-15の新品を入手するなど悪手もいいところ。
      ユニットコストもランニングコストも安くはないが能力は新世代機に遠く及ばない御荷物になる事が確定しているのだから。

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  8. F-15MIPS改修はもう予算がついた確定事項なので、F-15Xの目はないでしょう。後、国産ミサイルもそのままでは使用できないので、空自的にもなしでは?
    最近スクランブルの増加で飛行時間が増加しているので、思ったよりもたない気がしてます。
    もう、3機種体制は確保できないでしょうし、個人的にはする必要はないと思っています。
    ぜいたくでしょう。F-15がもたない時点で、6世代機の動向見ながら、F-35かF-3の追加でいいでしょう。

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