2014年3月14日金曜日

心配なF-35用のF135エンジンの耐久性:ファンが吹き飛ぶ事件発生


F135 Fan ‘Blows’ During F-35 Engine Trial

By Amy Butler
Source: Aerospace Daily & Defense Report
aviationweek.com March 06, 2014


F135エンジンで発生したファン不良の原因をプラット&ホイットニーが調査中だ。事故は昨年12月にフロリダ州で発生し、三段構造の同エンジンの第一ステージのファンが問題を起こしていた。
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  1. ファンの亀裂が発生したのは12月23日で時間加速ミッション検査 accelerated mission tests (AMT) 中にプラット社施設内で試験用エンジンFX648が設計作動時間合計の77%に到達した段階で発生したとF-35推進室長クリストファー・ボグデン中将が発表。Aviation Week主催の国防技術セミナーで同中将はプラットはファンについて「低サイクル疲労のストレスを過小評価していた」と発言し、このテストでファンが「吹き飛んだ」という。
  2. 調査は続行しているが、今回のインシデントで飛行の安全性が脅かされるとは見ておらず、配備済み機体への短期的影響はない」とプラットは文書で説明している。同社は運用中機体に搭載の各エンジンの状況を把握し、今回は低サイクル疲労が不良の原因でただちに機体の安全には影響がないと確信しているという。
  3. 問題が発生したエンジンはテスト機材のF135エンジン中で一番稼働時間が長いもので、運転時間は2,200時間にのぼり、約9年間の稼働に匹敵する長さだ。プラットによればFX648は時間数でテスト機材の他のエンジンの4倍、実戦機材のエンジンの10倍だという。
  4. 事故が発生したのはF135で三段に分かれているファンのうち、前面のファンで、エンジンは通常モードで運転していたが、「大きな破損」がエンジンの常温部分に発生したものの、リフトファンの高温部分には影響がなかったとボグデン中将はいう。この部分はF-35各型のエンジンに共通で重心移動型インレットの誘導羽根 variable-geometry inlet guide vanes の後部で、通常型ファンと低圧コンプレッサーの役割を一緒に果たす。各ステージは一体型ブレイドローターintegrally bladed rotors (IBR)で構成してあり、そのうち第一段は中空チタン切り出しで作成。第二段、第三段はチタン固体で作成してある。プラットは調査段階で振動他の要因を検討しているかをあきらかにしていないが、「各種の要因を検討中でAMTによるストレスも含まれる」としている。
  5. ボグダン中将によれば中空IBRによるコストと工作の難易度が理由でプラットはファンの再設計にとりかかっているとのことで、12月の事件の教訓も取り入れ第一段のIBRも固体チタンで作成するという。この設計変更で重量 6 lb. ほどがエンジンに加わる見込みだが、工作性は著しく向上するという。なお、IBRの設計変更はこれで二回目となり、中空材料を使う変更も重量軽減が目的だった。
  6. F135エンジンではテスト開始(2003年)以降、数点の開発上の課題が見つかっているが、ファン関連の事例はほとんど発表されていない。2009年にはF135の耐久力テストで第一段、第二段に損傷が発生しているが、その後原因は空気取り入れ口内のブッシングが摩耗したため乱流が発生したためだと判明している。
  7. 今回のファン事故はF-35全機の一時飛行停止措置が解除になって一年以上経過して発生している。飛行停止の理由は第三段の低圧タービン(LPT)のブレイドに亀裂がエドワーズ基地(カリフォーニア州)の米空軍テスト機で発見されたためだった。■


2014年3月13日木曜日

論説 それでもU-2を退役させるのか


Editorial: U-2 Has The Edge Over Global Hawk

Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 10, 2014
Credit: U.S. Air Force


先週発表された2015年度予算案の説明席上でチャック・ヘイゲル国防長官がU-2対グローバルホークで熱い対立があったとの内幕を示した。予算が厳しいので高高度飛行の情報収集偵察監視(ISR)用途の機材として両機種の維持は困難であるのはだれにでもわかる話だが、両論の対立を最新派と回顧派の戦いとみることもできよう、無人最新鋭機とパイロット付きの冷戦時の遺物の対立ともいえる。ヘイゲル長官は「機齢50年のU-2よりも無人機グローバルホークを優先し」2016年からU-2の退役を始めると発言したが、両機種の比較はあまりにも単純化ししすぎで、そもそもその選択があやまりだ。
  1. ヘイゲル長官が「きわどい差」と表現したのは実に率直な言い方だった。両機種の運用費用はほとんど差がない。.
  2. U-2の方は米国史に確固たる位置を占めている。伝説のスカンクワークスでクラレンス・「ケリー」・ジョンソンのもとで生まれたU-2が東欧で情報収集を始めたのは1956年で、その後ソ連、中国他各国上空を飛行した。キューバでソ連ミサイルの存在を撮影した画像は1962年のキューバ危機で重要な転回点となった。
  3. もし現在のU-2が当時と同じ機体であればヘイゲル長官の判断は正しい。だが、今日のU-2特に最終形のU-2Sはロッキード・マーティンの生産ラインを1980年代に離れたもので、もっと重要なことに搭載するセンサーは電子光学式赤外線カメラ、レーダー、通信傍受用アンテナなどさらに性能が向上している。.
  4. さらにU-2は高性能の防御システムを搭載し、最新鋭のS-300やS-400といったロシア製防空ミサイルにも対応できるが、グローバルホークにはそもそも防御装備はついていない。グローバルホークは長時間飛行性能で優れているが、U-2は高度(70,000 ft.以上を飛び、グローバルホークは55,000-60,000 ft.が上限だ。そのためU-2はより大きな傾斜角度範囲でセンサーを作動できる。またペイロードでもU-2の搭載量が大きい。(5,000ポンド対3,000ポンド)また機内発電容量も大きい。グローバルホークは無人機であり、海外配備の難易度が高く、機体運用の立ち上げ、実施も難しい。同機には着氷防止装置がついていないので太平洋での運用信頼性は天候条件に左右され低くなる。
  5. だからといってノースロップ・グラマンのグローバルホークに価値がないわけではない。同機の出自は国防高等研究プロジェクト庁がUASの開発運用が経済的に実施可能と証明しようとしたことにさかのぼる。ただし、グローバルホークはそもそもU-2のミッションを肩代わりすることを想定した設計ではない。むしろ空軍が同機の長い主翼を見て偵察任務が生まれたというのが経緯だ。
  6. 9.11テロ攻撃を受けて、グローバルホークはU-2を補完するデータ収集任務に就いたのが出発点で、画像信号を収集し、地上あるいは水上の目標を対象にレーダー情報を集めた。海軍も同機を使い、ペルシャ湾地区での船舶の動きを監視する実証をおこなっている。
  7. その後13年近く同機は素晴らしい働きぶりをしているが、その中でペンタゴン上層部が同機ならU-2の役割を肩代わりできるのではと考え始めた。しかし、各地の司令官がU-2をどれだけ重宝してきたかは無視している。今週になりペンタゴンからU-2と同等の性能を実現するには19億ドルかかるとの発表があった。この金額はU-2を退役させて浮く金額とほぼ同額だ。
  8. では両機を比較すれば、本誌は長官の決断は間違っていると断言する。U-2は今でも性能上の優位性があるのだ。本誌の見解は新旧の対立という単純なものに写るかもしれないが、有人機対無人機と言う比較ではない。
  9. 本誌も無人機の可能性を信じるものである。RQ-180は本誌がその存在を明らかにしたのが昨年12月のことで、同機がU-2の後継機種になるのかもしれない。ただ、国防の歴史を見れば時期尚早で採用された機材がいっぱいあることがわかる。なかんずく本誌はUASで誤った決断がなされる事例を恐れており、グローバルホークをU-2の後釜にすえるのは誤りとみる。そこでU-2を当面は温存すべきと考える。■


2014年3月12日水曜日

日本の沿海部戦闘艦建造に米国が技術協力を提供する話題


U.S. To Help Japan Develop Littoral Warship

By Michael Fabey mike.fabey@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com March 08, 2014
Credit: U.S. Navy


日本が開発する沿岸戦闘艦で米国は日本に対し米国がすでに運用ch中の沿海戦闘艦(LCS),と同様の性能の実現の協力提供で同意している。一方、ペンタゴンはLCSの仕様を再検討中だ。
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直近のペンタゴンの指導方針では米海軍は当初52隻調達案を途中まで来たところで調達交渉を停止することにしているが、国防総省はもっと強力で生存性の高い艦にすることを狙っている。

在日米軍司令部が沿海戦闘艦案件での二国間協力関係を確認した。この構想は日本の外務省発表で明らかになったもの。その声明文によると岸田外務大臣とケネディ大使が「共同開発を日米両政府間で行い、高速沿海戦闘艦の最適化を日米相互防衛協定のもとで行う内容の文書を3月4日に東京で交換した」という。

戦闘艦の詳細はまだ不明だ。米国務省がこの実現で動いたといわれているが、照会には回答をしていない。米海軍および国防総省によればこの合意内容は把握していないとしているが、在日米大使館が外務省に本件を照会中だ。
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LCS建造の一方の企業チームで主契約社ロッキード・マーティンによればこの合意については何も知らないとする。もう一方のチームの主契約社オーストラルUSA Austal USAにコメントを求めたが回答がない。ただしアジア各国の報道では構想は三胴船構造でオーストラル陣営のLCSに類似しているという。現行のLSCは排水量3,000トンで全アルミニウム製の船体をウォータージェットで推進する。
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現行のLCS二形式はともに高速が特徴だ。対機雷戦、対潜水艦戦、対水上艦船作戦を想定し、任務ごとにミッションモジュールを交換して対応する設計になっている。

浅部海域で高速運航が可能かつ柔軟性が高いこの艦種はアジア太平洋地区には理想的だ、とみるアナリストもいる。■

コメント 太平洋の両側で微妙に発表のトーンが異なるのに不安を感じるのは筆者だけでしょうか。またLCSがF-35に見えるのは偏見でしょうか。米海軍関係者の中にもLCSに大枚払うのであれば、FFG-7オリバー・ハザード・ペリー級フリゲートを新造した方がいいとの極端な意見もありますがね。海軍がらみの記事が増えてきました。航空と接点がない純粋な艦艇の話題は別のブログにした方がいいでしょうか。ご意見を頂戴したいと思います。


2014年3月10日月曜日

海軍艦載レーザー兵器開発の現状(米議会文書から抜粋)米海軍協会


Document: Report on Navy Shipboard Lasers

USNI News
Published: February 28, 2014 2:50 PM
Updated: February 28, 2014 2:51 PMThe Laser Weapon System (LaWS) installed aboard the guided-missile destroyer USS Dewey (DDG-105) US Navy Photo
The Laser Weapon System (LaWS) installed aboard the guided-missile destroyer USS Dewey (DDG-105) US Navy Photo

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以下は2013年2月7日付議会調査局による報告書「海軍艦載レーザー兵器による対水上艦艇、航空機、ミサイル防御策」からの抜粋である。

これまでより高出力のレーザー兵器の搭載が今後数年で可能となり、米海軍水上艦艇に敵の水上艦艇や航空機をから射程10マイルで防御能力が備わる。また最終飛行段階での敵弾道ミサイルの防衛手段にもなり、中国の新型対艦弾道ミサイル(ASBM)も含まれる。

海軍と国防総省は海軍水上艦艇用に三種類のレーザーを開発してきた。繊維状固体レーザーfiber solid state lasers (SSLs),スラブ状SSL slab SSLs および自由電子レーザー free electron lasers (FELs)である。
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海軍が独自開発した繊維状SSL試作機はレーザー兵器システム Laser Weapon System (LaWS)の名称。もうひとつの繊維状SSL開発は戦術レーザーシステム Tactical Laser System (TLS)と呼ばれる。国防総省にはスラブ状SSLの軍事利用で複数案があり、海上レーザー実証 Maritime Laser Demonstration (MLD)をまず開発中。低出力FEL試作機は完成ずみで、現在は高出力モデルを開発中だ。艦載兵器として各型の効果が異なる。

海軍はレーザー技術を開発しつつ艦載装備を念頭においた試作機を完成させ今後の艦載レーザーの方向性をまとめているが、まだ量産型の調達は開始していないし、レーザーを艦艇に搭載する具体的な計画はない。海軍艦艇にレーザーを搭載するためには議会としては以下の点を検討すべきである。.


  • 海軍予算の制約を考慮すると、何種類のレーザー開発を継続すべきか、また現在開発中の各型式の比較優位性は何か
  • 艦載レーザー兵器により海軍艦艇の設計、調達がどんな影響を受けるか。とくにDDG-51駆逐艦フライトIIIの調達を海軍が2016年度に開始したいとしてることとの関係で。


2014年3月5日水曜日

米国防予算 なぜU-2を退役させるのか グローバルホークに未来はあるのか


Pentagon Chooses Global Hawk Over U-2

UAS Vision, March 3, 2014


アフガニスタン戦闘が下火になり、連邦予算支出減へ圧力がます中、ペンタゴンは平時編成となり減量化に着手し、無人航空機システム(UAS)も影響を回避できない。チャック・ヘイゲル国防長官から2015年度予算案で削減予定の内容が示されたが、ホワイトハウスは3月4日に予算案を議会へ提出する。超党派合意による予算法案が昨年12月に成立し強制削減の規模が同年度および16年度に限り緩和されているものの2014年度の実績は310億ドルも予算要求を下回っていた。さらに2015年度の国防総省関連予算の上限額は4,960億ドルに制限されており、昨年度の要求額を450億ドル下回る規模になっていると同長官は説明している。

きびしい財務環境はは人員減、基地閉鎖措置につながる。進捗を遅らせるプログラムがあり、全機退役となる機種もある。A-10ウォートホグ攻撃機およびU-2スパイ機がその対象だ。

U-2にかわるのがGPS/INS航法で飛行するグローバルホーク無人機だが、ヘイゲル長官によればその決定は「きわどい差」 “a close call. ”だったという。

国防関係者はかねてからU-2温存とグローバルホークのブロック30機材の処分が提言しており、U-2の方が高高度情報収集監視偵察任務では性能が高いという説明だった。今回の決定はそれを覆す形となったが、上位国防関係者はその理由を「グローバルホークに長期にわたり相当な投資をしてU-2と同等のセンサー能力を実現させる」必要があるからと説明。

一方で国防総省はグローバルホークの運用コストを削減し、「飛行距離、飛行時間で優れている」とヘイゲル長官は言う。「グローバルホークには高高度偵察機材になる可能性がある」

上記国防関係者は「昨年時点でグローバルホークはU-2の代替機材にしても予算節約にはならない、と判断していたが、その後同機の運航費用が大幅に下がり、ブロック30に搭載した技術が改良される可能性が高まり、同機の訓練支援コストが優位性を示し始めた」という。

「両機種を維持することはできない」と別の政府関係者が予算関係の記者説明会で説明。「どちらかを選択するのがカギとなる。そこでグローバルホークのブロック30が仕事をこなせるのであれば同機を選べばよい、ということになった」

ただしペンタゴンは他の無人機の稼働も縮小することとしており、プレデターやリーパーで24時間体制・戦闘警戒飛行(CAP)
の回数も少なくする。65回の飛行を55回にし、必要に応じ71回の実施が可能とする。

一回のCAPには4機を配置し、操縦制御には合計168名体制で実している。パイロット、センサー操作員、ミッション情報調整官、保守整備要員、発着回収要員、およびミッションで得る情報の処理、利用、流通を担当する専門家集団だ。

パトロール回数は減るが機材を一部更新する。空軍は高性能リーパーの調達を「全機をリーパーにする」まで継続するとヘイゲル長官は説明。

リーパーはプレデターより大型で高性能で情報収集用に使用されている。また長時間飛行性能と精密攻撃能力で一刻を争う状態で目標を破壊あるいは無能力化に投入される。パトロール回数の制限はコストの問題だけではないとヘイゲル長官は説¥明。「ゲリラやテロリスト相手に有効」だが「敵機の前を飛行させられず防空体制が有効な環境では運用できない」

「今後10年くらいのうちにステルス性を深化させた機材を開発し、U呼称の機材とするか、攻撃能力のある無人機が出現するのでは」とみるアナリスト(フロスト&サリバンのマイク・ブレイズMike Blades, a senior industry analyst at Frost & Sullivan)がいる。

「現時点で我々は制空権を確保している。イラク上空、アフガニスタン上空でそうでした。でも今後同様にできるかわかりません。侵入脱出をステルスのまま実行できる機材が必要でしょう。接近阻止領域拒否が決まり文句になっています。防御体制のしっかりした地点にわが方の機材が入り、損害なく撤収できることが必要になりますが、現時点でこれが可能な機材はありません」

その懸念からUASに防御能力を装備することとなったという。フロスト&サリバンは「米国防総省無人機市場」の題でレポートを刊行しており、UASに有人機とペアを組ませるMUM-T (manned-unmanned teaming) 構想が出ているという。

無人機の性能向上策も2016年に再度強制予算削減が現実になれば撤回されるかもしれない。強制削減そのものの中止で議会が合意しなければ、削減はさらに拡大する可能性があるとヘイゲル長官は語る。空軍はグローバルホークのブロック40全機を退役させ、プレデター・リーパーによるパトロール回数を10回削減させる必要が出てくる。さらに飛行時間削減につながると即応体制の復帰はむずかしくなる。■

コメント なるほど今後画期的な新型機が出てくるのですか。しかし開発ペースは以前よりずっと落ちていますからブラックな機体を今から作るとしたら2020年代初頭の稼働開始は非現実的ですね。そうなるとLRS-Bの派生型無人機版に期待するしかないのでしょうね。

開発中止になったLEMVが民間ハイブリッド飛行船として復活する見込み


U.K.'s Hybrid Air Vehicles Begins Re-assembling Large Airship

By Graham Warwick graham.warwick@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com February 28, 2014
Credit: U.S. Army

英国のHybrid Air Vehicles Ltd. (HAV) 社が米陸軍から取得した大型飛行船の再組み立てをしている。この飛行船はノースロップ・グラマンが音頭を取り開発した長時間飛行多用途情報収集機(LEMV)のこと。
  1. HAV(本社カーディントン)は全長302フィートのHAV304ハイブリッド飛行船(2012年にニュージャージー州レイクハーストで一回飛行したのみ)を同社が企画するエアランダー50 Airlander 50 商用大型飛行船の試作実証用に使う予定だ。英国内での初飛行は今年末の予定。.
  2. 同船の1.34百万フィート容積の機体に空気を入れ、1月末現在でカーディントンの同社飛行船格納庫内に係留中だった。HAVは数千点の部品を検査中だ。
  3. HAVはもともとノースロップ・グラマン向けに機体とシステム類を設計製造しており、LEMVとして完成した唯一の機体を$301,000で購入した。これはスクラップ価格であると同社は説明。
  4. 同社は追加株式発行で17百万ドルを確保し、再組み立てを完了させ英国内の初飛行を実現しようとする。
  5. HAVは英国のタイプB認可でHAV304 (エアランダー10に改名)を試験機として展示飛行させようとしている。カナダと米国へも2015年中ごろに飛行させ遠隔地への重量貨物輸送能力を示すつもり。世界ツアーは2016年のリオデジャネイロで終わるが、ブラジルの有力なスポンサーが同年の夏のオリンピックで同機を販売宣伝用に使う案を練っている。その他に同機の飛行距離を生かした学術プロジェクトや極地飛行の企画がある。
  6. もともと無人監視機材との想定のHAV304試作機は長時間飛行性能に加え重量物運搬能力をアピールしたい、と同社は考える。5トン貨物の輸送が同機で可能なら、もっと大型の次期モデルなら50トンは可能で、カナダ北部の寒冷地なら60トン70トンも可能だ、とする。
  7. デモ飛行の結果でHAVはHAV304の類似モデルあるいはエアランダー50を一気に開発すべきかを決定するのだという。エアランダー50の仕様は全長390フィート、容積3.64百万立法フィートの機体で巡航速度105kt.航続距離2,000 nmで最大4日間の飛行をパイロット2名がペイロード最高132,000 lb. (60トン)で行う。
  8. 開発総予算は4百万ポンドだが、このうち2.5百万ドルの助成金を英国政府の技術戦略委員会から交付されている。
  9. 試作機は12,000 lb. ほど重量超過したが、設計から建造までをわずか開発期間が18か月だったの理由とし、二号機では同じ問題は繰り返さないとしている。
  10. HAVが想定しているのは貨物輸送以外に監視偵察用に英国家警察と打ち合わせている。
  11. LEMVでは517百万ドルで3機の無人長時間滞空マルチセンサー監視偵察飛行船としてアフガニスタンに投入する想定だった。2013年に建造・飛行実施が遅れた同機に米陸軍は予算投入順位を下げた。
  12. 同機にはノースロップが作成したミッション装備が搭載されていないが、米国の輸出規制ではそれでも軍事装備品と区分される。ただ同社は判定により民間機と再区分されることを期待している。■

2014年3月2日日曜日

F-35でさらに遅延の可能性 ソフトウェアは相当に厄介な部分なのか


Bogdan Warns Of Possible Six-Month F-35 Slip After Development Ends

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First
February 26, 2014
Credit: U.S. Air Force/TSGT. Marvin Lynchard
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F-35の開発段階は2016年に終了するがその後の予定が最大で六か月遅れる予定だと推進室長のクリストファー・ボグデン中将Lt. Gen. Christopher Bogdanが明らかにした。.
  1. 開発業務そのものは予定通り完了すると同中将はクレディスイスとマカリースアンドアソシエイツ主催の会合(2月25日)で発言。.
  2. 海兵隊はF-35Bの初期作戦能力獲得を早ければ2015年2月に宣言する予定だが、空軍は2016年8月を予定している。ともに2Bソフトウェアが必要だが、空軍は3iパッケージのハードウェアが利用できることが条件だ。海軍は2018年8月を予定している。
  3. ボグデン中将の説明には二つの意味がある。ソフトウェアのテストがひとつで、遅延の可能性を憂慮している。3Fパッケージでロッキードは前例のない量のデータ提供が必要になっている。中でも衛星や他機のセンサー情報のインプット処理がある。.
  4. 仮に2B/3iの作業が予定通り完了してもボグデン中将はテスト機材、テスト設備やシミュレーターに3Fソフトウェアを組み込む時間だけで相当な量になると心配している。
  5. 中でも「ソフトウェアの複雑性に一番危惧している」とボグデン中将は発言。「ソフトウェア開発はいつも大変だ。最後の段階で一番困難な部分が立ちふさがっている」という。その中でも複数の艦船と同じ脅威対象の情報を共有し連携して攻撃を実施するためのソフトウェアの作成がある。
  6. その一方でボグデン中将によれば自動ロジスティック情報システムAutonomic Logistics Information System (ALIS) でデータ欠陥が見つかっている。そのため整備部門では手作業でデータ処理せざるを得ず、飛行前に相当の時間が必要になっている。
  7. これまでのALIS改良は「一歩前進二歩後退」だったというが「今回は一歩前に進んでるが後退していない」.
  8. しかしALISの欠陥によりボグデン中将も整備部門にALISのデータが一致しない場合は飛行を制限させていた以前の通達を再考せざるを得なくなっている。ALISではすべての部品、システム診断、ミッション予定を扱っている。問題は一致しないと飛行をさせないことだ。
  9. 整備部門は同機をもう3年間も取り扱っており、知見が相当高まっているので、ALISの警告を無視できるのかとの質問に、同中将は一定の条件付きで認めると答えていている。■