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グアムにB-1BがJASSM実弾を搭載し戻ってきたのは中国へのメッセージ


第7爆撃団が爆撃機任務部隊の展開で即応体制を示した。 PACIFIC AIR FORCES PUBLIC AFFAIR—PUBLIC DOMAIN

ッセージは明らかだ。米爆撃機隊は尻尾を巻いて逃げ出したのではない。ステルスで一撃をいつでも加えられるぞ、と言っているのだ。

「ボーン」B-1がグアム島に戻ってきた。しかもステルスAGM-158共用空対地スタンドオフミサイル(JASSMs)20本とともに、米国の太平洋での戦力を示威する形で。同ミサイルは開戦となれば初期段階で投入される装備だ。

写真ではグアムに展開したB-1BにJASSM実弾が搭載されているのがわかる。B-1Bはスタンドオフ攻撃で米国と同等戦力を有する国の最高度防備標的でさえも狙う事ができる。さらに同ミサイルの後継モデルJASSM-ERが開発中で、完成すれば600マイル地点から攻撃できる。B-1B自体も大陸間横断の長距離航続距離を誇る。

総合すれば相手国には大きなメッセージになり、まさしくこれこそが機体を派遣する目的なのだ。

USAF
珍しい角度の写真でJASSMのステルス形状、赤外線画像センサーがわかる。ミサイルの最終飛翔段階ではこのセンサーで極めて精密な標的捕捉が可能だ。

空軍が10年以上に渡るアンダーセン空軍基地への爆撃機常駐を突然中止したが、B-1Bは米本国から太平洋各地を巡行しており、遠くは南シナ海まで活動範囲に収める。今回はB-1B部隊がアンサーセン空軍基地に戻ってきたが、同地にいつまで留まるかは不明だ。

Aircraft Spots
@AircraftSpots
USAF B-1Bs WHIP01 & 02 departed Andersen AFB, Guam to conduct operations over the South China Sea via separate routes 

USAF KC-135Rs DOLE11 & 12 provided tanker support
米空軍B-1B2機はそれぞれホイップ01、02としてアンダーセンAFBを離陸し、南シナ海で別々の行動を展開した。USAFのKC-135R、ドール11、12がそれぞれ空中給油で支援した。
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2:53 PM - May 8, 2020
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この新しい動きの背景にペンタゴンでよく聞かれる「動的兵力配備」構想がある。つまり戦略機材を予測困難な形で展開することだ。

グアムの滑走路を使う機材は中国との開戦直後に格好の標的になるのが厳粛な事実だ。グアムにTHAAD部隊が常駐しているが、中国は防衛網を圧倒する数の弾道ミサイルで米航空戦力撃滅を狙うはずで、最低でも滑走路を使用不能にする、支援設備を破壊することで航空戦力を使えなくするだろう。

アンダーセン基地への爆撃機常駐を取りやめたのはB-1B爆撃隊を酷使しているのとは無関係のようだ。

アンダーセン空軍基地で巡航ミサイルを爆撃機に搭載することは楽な仕事ではない。同基地は拡張されてきたとはいえ、回転式爆弾倉への兵装搭載用の施設がなく、ミサイルは一本ずつ爆撃機へ搭載する必要がある。この作業に何時間もかかる。


USAF

南シナ海が加熱する中で、ペンタゴンが断続的な爆撃機派遣でメッセージを送ること自体に驚くべき要素はない。太平洋での爆撃機常駐体制は終了したが、世界でももっとも予測困難な地から戦略的に撤退したわけではないことがはっきりとわかる。■

この記事は以下を再構成したものです。



BY TYLER ROGOWAY MAY 10, 2020
THE WAR ZONE

コメント

  1. 中距離弾道ミサイルの発達でグァ厶に地上配備した爆撃機は容易に破壊されてしまう。本土引き上げはそのリスクを避けるのが目的でしょう。決して軽視出来る状況ではないでしょうね。

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