2019年7月8日月曜日

期待できそうな次期潜水艦29SSの性能について


Stealth Suprise: Is Japan's New Submarine a Game Changer? 驚異のステルス 日本の新型潜水艦は画期的な存在になるのか 

July 5, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: Japanese NavySubmarinesStealthMilitaryChina

2019年6月、三菱重工業が日本の次期潜水艦29SS「新型3000トン潜水艦」を発表した。
公表資料によれば29SSは開発期間が2025年から2028年の3カ年で部隊編入は2031年とある。初号艦の試験開発用となりそうで建造費は760億円でだ。
海上自衛隊は潜水艦部隊を22隻体制に拡充する予定で試験艦一隻、練習艦2隻が別に加わる。実勢増加は中国の潜水艦部隊が70隻程度あり、原子力攻撃型や弾道ミサイル潜水艦含め充実する現状への対応のようだ。
この実現にむけ日本の2019年度防衛予算に7隻残るおやしお級ディーゼル電気推進潜水艦の耐用年数延長が盛り込まれた。同級は1990年代に就航している。
一方で川崎重工業がそうりゅう級潜水艦の12号艦を建造中で、あと3隻を川崎、三菱が建造する。初期型そうりゅう級各艦とのちがいは最終建造艦の大気非依存型推進をリチウムイオン電池(LIBs)に切替え軽量化かつ高出力性能を実現している。
29SSの想像図を潜水艦アナリストH.I.サットンのサイトから下に転載した。日本国内でも新型潜水艦で搭載する技術の予測記事が出ている。https://grandfleet.info/military-trivia/japanese_submarine_new_3000/

より流線型に
29SSはそうりゅう級の発展形でX字形潜舵で操縦性と信頼性を増した設計を継承するようだ。艦首に傾斜角がつきテイルセイル(司令塔)は後方に移動し艦体と一体化する。
改良は流体力学効果の向上が目的のようで、結果として音響面でステルスとなり抵抗を減らしつつ速力と後続距離が増える。「流動床構造で振動とショックを減らす」ことで29SSは静粛性が増すだろう。
ポンプジェット推進.
29SSの推進方式は従来型のプロペラの代わりに大重量ポンプジェットを採用するようだ。ポンプジェットはノイズを生むキャビテーションを発生させないし、高速で静音移動できる。ある筋によれば「13枚羽」のポンプジェットはそうりゅうの7枚羽プロペラより20デシベルも静かになるという。
ただしポンプジェットは高速性能の原子力推進艦に採用するのが通常で米海軍ではヴァージニア級、ロシアはボーレイ級SSBNで採用している。ディーゼル電気推進艦では高速移動で電池を使い切ることはきわめてまれだ。
そうなるとポンプジェット採用で29SSは高速巡航速度を従来より持続する実現する狙いがあると思われる。
高性能新型ソナー
日本は高性能一体型ソナーの開発も進めている。29SSの艦首ソナーは長距離探知に特化して、浅海域沿海部に最適化しているといわれる。特に後者は朝鮮半島沖合の岩だらけの海底地形を考慮しているのだろう。北朝鮮は小型潜航艇多数を運用し探知を逃れるつもりだ。
29SSの艦側面の聴音アレイに光ファイバーソナーを採用し「音波による音の発生ではなく光の干渉作用を探知できる」といわれる。この形のソナーは電磁発信の探知にも効果をしめすはずだ。
その他曳航式ソナーアレイで長距離かつ全方向追尾をし、反転創作ソナーアレイ、ブロードバンド送信アレイも装備する。
各種ソナーの搭載で合成ソナー図が同艦の新型戦闘システムで実現し、標的の移動分析以外に発射解も示せるようになる。
新型魚雷
現時点で29SSの戦闘装備では情報がないが、魚雷発射管は最低でも6本だろう。
.ただし2012年に日本は「高速長距離長時間航行可能」な新型魚雷G-RX 6の開発を開始し標準装備の89式魚雷の後継型式とする。有線誘導も可能な新型システムは水素酸素組み合わせ式の推進機構でステルスとし、おとりと本当の標的をソナーで区別し、弾頭の爆発時間調整により深海、浅海それぞれの交戦に応じた効果を実現する。部隊配備は2030年の想定だ。
29SSに垂直発射セルでのミサイル運用の兆しは見えない。潜水艦にUGM-84ハープーンを魚雷発射管から運用することがあるが、垂直発射セルがあれば連続発射が可能で敵防空体制の圧倒が可能となる。
リチウムイオン電池、新型ディーゼルエンジン、「高性能シュノーケル」
29SSでは大容量リチウムイオン電池(LIB)の搭載を前提の設計となる。潜水艦ブログのピーター・クローツの試算だが新型艦は連続10日間の潜行巡航移動が可能となるという。
ただしスターリング方式AIP搭載の中止で失うものも出る。
LIBsにより艦運用に柔軟度がまし、電池性能を駆使すればディーゼルエンジンを止め原子力潜水艦以上の静粛性が生まれる。
だがLIBのみに依存する潜水艦がバッテリー電源を使い切ると、浮上するかシュノーケルで空気を取り入れディーゼルエンジンで走行する必要がある。この間は脆弱になる。AIP搭載潜水艦は低速なら数週間潜航できるし、原子力推進潜水艦は高速のまま無限に潜航できる。
日本の潜水艦のパトロール範囲は母港から近い場合が多く、この欠点は受容可能なのかもしれない。だが29SSでは浮上に近い位置にとどまる時間を最小限にすべく「より小型で静粛かつ強力な」「シュノーケル発電方式」で空気取り入れと発電の効果を上げるようだ。 
日本ではシュノーケル改良にそうりゅう級で取り組んでいた。LIBは充電時間が短いが29SS搭載の電池容量が大きいがシュノーケル改良でそうりゅう級の公称100分という充電時間をどこまで短縮できるかが課題だ。
.LIBとAIPの組合わせは技術的に可能であり、日本は燃料電池方式のAIPも検討したといわれる。これはそうりゅう級搭載のスターリング方式AIPより静粛性、長時間運転が可能となるのだが、防衛省は開発費用の高騰と長期化につながると判断した。
29SSでは川崎重工製12V25/31S新型長ストローク型ディーゼルエンジンを搭載し発電容量が25%増える。
.前述のコーツは高性能LIB搭載潜水艦でも中国やロシアの原子力推進潜水艦と立ち向かうのは難しいと見る。「LIBを搭載しても日豪の潜水艦では10日おきに騒々しいディーゼルエンジンの稼働が必要となり、その位置を探知されてしまう」
日本では原子力推進方式の実現は可能だが高価につく。韓国は法的制約の中で原子力推進艦の実現を目指すようだが、日本では原子力技術は政治的にも微妙な問題だ。
.今のところ日本は高価にならず高性能の通常型潜水艦の整備を目指している。西太平洋の潜在的勢力の海軍力の増強を鑑みれば海上自衛隊の潜水艦部隊が今以上のステルス性と状況把握能力の向上で対抗する必要があるのは疑いない。■

Kyle Mizokami is a writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he co-founded the defense and security blog Japan Security Watch.

2019年7月6日土曜日

中国のミサイル発射は対艦弾道ミサイルの初の発射だった

China's Reported Anti-Ship Ballistic Missile Test In The South China Sea Is A Big Deal

The test fits within a larger trend of increasingly provocative Chinese efforts to assert their authority in the disputed region.

IMAGINECHINA VIA AP IMAGES

国が少なくとも一発の対艦弾道ミサイル発射テストを実施し、各国の思惑が交錯する南シナ海にしたとの報道が出た。真実なら中国軍がこの地区を標的にミサイル発射した初の事例であり、それ以上に中国の過激なまでの太平洋での権力拡大をさらにエスカレートさせることになりそうだ。
NBCニュースが、匿名米関係者の談として最初に報道したのが2019年7月1日のことだった。NBCの取材源はミサイルの種類を言及せず、最終的にどんな標的に命中したかも触れていない。中国政府、米国政府いずれも試射の事実を公式に認めていないが、先週末に実施したようだ。中国は航空関係者向けにNOTAMを南シナ海で二地点を対象に発出して、ミサイル発射と軍事演習について注意喚起していた。NOTAMの有効期限は6月30日から7月1日を有効期限としていた。
NOTAMのひとつが海南島からパラセル諸島まで広範な海域を指定していた。北にはスプラトリー諸島があり、中国が実効支配するウッディ島も範囲に含まれていた。この位置関係から中国軍はミサイルを本土から発射し、ミサイルが飛翔に失敗しても海中落下するよう設定したようだ。
人民解放軍のロケット軍(PLARF)には機動性を備え空母など大型艦を十分標的にできると言われる弾道ミサイルがすくなくとも二種類ある。DF-21D中距離弾道ミサイル(MRBM)とDF-26中間距離弾道ミサイル(IRBM)だ。
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2018年4月に民間衛星画像の解析からこれまで知られていなかった基地が海南島にあるとの指摘があり、今回のNBC報道や公表ずみNOTAMの内容とも合致する。DF-21ないしDF-26は海南島から発射すればスプラトリー諸島まで十分到達可能だ。中国は短距離射程の対艦ミサイルを別に開発中だがこれでは中国本土から発射しても南シナ海への到達は不可能だ。
中国がDF-21DあるいはDF-26をスプラトリー諸島付近に本当に発射したのであれはPLARFが海上目標にミサイルを初めて発射したことになる。中国はゴビ砂漠に空母大の目標をつくりミサイルを発射している。
今回の試射が単純にミサイルを中国本土から発射して南シナ海まで到達させられる能力を示すものであった可能性はある。これでも重要なデータが入手でき今後より実践的な標的を狙うのではないか。
GOOGLE EARTH VIA THE FEDERATION OF AMERICAN SCIENTISTS
ゴビ砂漠に作られた空母大の標的には大型ミサイル数発の命中した跡が認められる。
今回の試射は2019年1月にPLARFのDF-26部隊が短時間でゴビ砂漠及びチベット高原に展開し米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦USSマッキャンベルがスプラトリー諸島を通過した際に対応したことの延長線上に有るようだ。その時点で中国は敵艦艇には安全な場所から弾道ミサイルで対応する能力が有ることを示したかったのだ。実際には弾道ミサイルは一発も発射していないが。
今回のミサイル発射は同様に米海軍と海上自衛隊が南シナ海で2019年6月に実施した戦闘演習に対抗したものであった可能性もある。今回はニミッツ級空母USSロナルド・レーガン打撃群に日本の「ヘリコプター駆逐艦」JSいずもが加わった。
2018年に日本側はいずも級は当初から空母能力を想定して建造したことを初めて認め、F-35B共用打撃戦闘機の運用に対応させると発表した。中国は日本の防衛力整備に一貫して批判的で現行憲法の改正で自衛隊が現状を超えた軍事活動を実施することにも強く反対している。
JMSDF
USSロナルド・レーガンがJSいずもと南シナ海で2019年6月に共同訓練を展開した。

2019年3月にフィリピンに寄港した米海軍強襲揚陸艦USSワスプは、異例なまでのF-35で兵力搭載していた。ワスプはその後スカボロー礁沖合に進出し、中国とフィリピンが領有権を争う場所だ。
スカボロー礁は中国が目指す「戦略三角形」の一部で中国の領有権主張にとり重要だ。残りはウッディ島が北に位置し、スプラトリー諸島が南にある。中国は2014年から南シナ海で大規模な造成工事を展開し人工拠点づくりを続けてきた。
同時に中国は地対空ミサイルや沿岸部に対艦ミサイル他軍事装備を各拠点に持ち込んでおり、広い意味の接近阻止領域拒否体制を構築している。
GOOGLE MAPS
中国の南シナ海における「戦略三角形」、すなわちパラセル諸島のウッディ島(北西)、スカボロー礁(南東)、スプラトリー諸島(南)を示す地図.
南シナ海の標的に対艦弾道ミサイルを本土から発射できれば中国に新しい防御体制が生まれる。更に内陸部に移動させれば敵の一次攻撃から逃れる可能性も増える。
対艦弾道ミサイルが対艦巡航ミサイルによる防衛網に加われば、敵側に防御が困難となる。弾道ミサイルの探知発見は迎撃にまして困難で低空飛行する空気吸い込み式巡航ミサイルへの対応と大きく異なる。
中国が大型艦を想定した標的に命中させる技術を実証した事自体に大きな意味があるが、信頼性は別の話だ。同様に人民解放軍に艦艇を発見するセンサーと通信ネットワークがありPLARFが数百数千マイルの彼方からミサイルの照準をあわせられるのかも不明だ。
とはいえ2019年6月のミサイル試験は今年早々のDF-26演習とともにPLAがこの能力開発を依然進めていることを如実に示している。中国が空中発射式弾道ミサイル開発に関心を示しているとの報道もあり、実現すれば弾力的運用につながり、南シナ海での領有権をはばかることなく中国は主張していくだろう
DOD
スプラトリー諸島に点在する中国の人工防衛拠点

さらに中国軍が戦力を同地域近辺で整備するのと並行して海洋警備活動を強化していることに注意が必要で、中国が主張する海域を遥かに超えた場所で公船、民間船舶がパトロールを展開している。2018年9月には052C旅游II級駆逐艦蘭州が米海軍アーレイ・バーク級駆逐艦USSデカターとスプラトリー諸島で衝突寸前になった。
米中両国は貿易戦争で動きが取れない状態だが、台湾を巡っても両国の緊張が高まっている。G-20サミットが日本で開催されたがドナルド・トランプ大統領と習近平主席は関税追加を棚上げし交渉を再開することで合意した。トランプは中国通信家電大手のフウァエイへの制裁緩和にさえ言及し、二国間の貿易問題での緊張案件となっていただけに意義深い。
だがPLARFが南シナ海へミサイル発射したとすると、経済面で緊張が緩和しようが、南シナ海で広がる自国権益を撤回するつもりが中国にないことが明確だ。■
Contact the author: joe@thedrive.com

2019年7月3日水曜日

グローバルホーク撃墜後もISR活動は続けると強気の米軍だが、非ステルス無人機による飛行には限界があるのではないか


Drone Shoot-Down Won’t Stop U.S. Patrols Near Iran


by David Axe 
July 1, 2019  Topic: Security  Region: Middle East  Blog Brand: The Buzz  Tags: IranMilitaryTechnologyWorld


ランが米海軍所属のグローバルホーク偵察無人機をホルムズ海峡上空で2019年6月20日に撃墜したが、米軍は戦略的に重要な同海峡付近の監視偵察を止めるわけにはいかないと関係者が口をそろえて述べている
空軍退役中将デイビッド・デプチュラは空軍協会のミッチェル研究所長を務めており自分だったらグローバルホークを「全く同じ飛行経路に」追加投入するとAir Forceマガジンに述べている。「恐れおののいてはだめだ」という。
ノースロップは2008年から広域海洋監視偵察実証機(BAMS-D)をグローバルホークを原型に4機生産した。米海軍はうち2機をアラブ首長国連邦に展開し、完全仕様のMQ-4C海軍用機材の2019年からの納入に備えていた。
BAMS-Dは最大65千フィートを飛行し大半の防空装備では手が出ない空域を飛ぶが亜音速でステルス性が欠如しているため強力な地対空ミサイルの前に餌食となる。イラン軍はブクM1移動式SAMの一種でBAMS-Dを撃墜したと主張している。イランにはこの他S-300防空装備もある。
空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将はおなじくAir Force誌に、米軍機材は今後もペルシア湾のパトロールを継続すると2019年6月26日に述べている。
「必要な場所への飛行は続ける。必要とあればあらゆるシナリオを実施する」とゴールドフェインは述べている。「国際空域ならいかなる場所でも同じ主張をする。全世界が共有するグローバルコモンズは今後も守る。必要ならいかなる場所で活動する」
デプチュラはペンタゴンは「戦闘機、爆撃機、ISR機材と高度脅威空域での活用を念頭に開発されてきた旧思想下の装備」は近代化が避けて通れないと指摘。
「航空優勢が確立している空域でしか活動できない性能はこれまでは当たり前と見られてきたが今回の撃墜で二流国の軍事力でもこうなることが判明した」(デプチュラ)
米軍には極秘機材もあるがこれを除けば低速、非ステルスの有人無人機に情報収集開始偵察(ISR)任務を大幅に依存している。こうしたISR機材はイラン、中国、ロシアの防空体制の近代化の前に脆弱になっている。
米空軍のU-2有人スパイ機、RC-135有人電子偵察機、E-3有人レーダー機材、RQ-4、MQ-9の各無人機、ここに海軍のMQ-4やP-8哨戒機を加えると数百機が軍事用語では「非突破」機材つまり全てハイエンド防空体制の前に無力だ。
敵防空網を突破可能な米ISR機材には亜音速RQ-170とRQ-180の両ステルス無人機が少数あるのみと判明している。有人機材で唯一突破可能だったSR-71は1990年代後半に空軍から退役している。
空軍もこの問題は意識しているようで2018年末に新ISR戦略を発表し、残存性の高い機材の必要性を訴えていた。
「ISR機材の構成でバランスをとり、高度の脅威環境への対応できる能力が必要だ」とダッシュ・ジェイムソン中将が米空軍のISR担当参謀次席として述べていた。「将来はマルチドメインでマルチ情報収集の世界になるので、政府と民間業界が連携して新しい情報収集のインフラを作る。それは復元力があり、一貫性があり敵領空への侵入が可能となり、紛争時に各種の選択肢を提供してくれるはずだ」
生存性への懸念から空軍は2018年中頃に70億ドル規模のE-8対地監視機の後継有人機の模索を中止している。そこで大型で低速の非ステルス機のかわりに空軍は高性能戦場管理システムと呼ぶ機能を消耗品扱いの無人機や超音速ステルス戦闘機に実現させる。
2019年初頭にワシントンDCのシンクタンク戦略予算評価センターが空軍に提案しており、内容は偵察飛行隊を現状の40隊から33に削減し、旧型非ステルス機材を新型突破可能ISR120機に置き換えるもので大部分が無人機だった。■

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

2019年7月1日月曜日

イラン攻撃を睨んだF-22の中東展開ほか米中央軍の最新状況


U.S. Air Force Stealth F-22 Raptors Are Now In Position To Attack Iran

米空軍F-22ラプターがイラン攻撃可能な位置に配備された
by David Axe 
June 29, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: QatarF-22MilitaryTechnologyWorldStealthAir Force

空軍が2019年6月27日、F-22ラプターステルス戦闘機部隊をはじめてカタールに展開しイランとの衝突に備えた戦力増強の一部とした。
米空軍はカタールに何機移動したか述べていないが、「FF」のテイルコードの機体12機を視認したとのカメラマン報告がある。FFはラングレー空軍基地(ヴァージニア)の第一戦闘航空団を意味する。
アラブ首長国連邦に今年4月から展開済みのF-35とともにF-22が投入可能となる。
ラプターはUAEからペルシア湾上空を飛行しシリア、イラクへ展開したことがある。だが2019年3月に発生した即応体制危機で全機を一旦米本国へ戻していた。
F-22は2005年に実戦化したが平均稼働率はやっと5割といったところで米戦闘機機材中で最低を記録している。複雑な機内システムやレーダー波吸収塗料のデリケートな取扱のため大掛かりな整備を必要としている。
ハリケーン・ミッチェルもあった。2018年10月の暴風雨でティンダル空軍基地のあるフロリダは大被害を受けた。ティンダルに飛行隊2個55機のF-22が展開していたが暴風雨前に移動できたラプターは38機にとどまり、残る17機はハンガー内に残り一部に損傷が発生した。
全部で187機のF-22ではジム・マティス前国防長官が求めた即応体制8割の目標が達成できていない。.
マティスは空軍、海軍、海兵隊のF-15、F-16、F/A-18、F-22、F-35の各飛行隊にミッション実行可能状態80%を2019年9月末までに達成するよう求めた。
2019年3月に当時の空軍長官ヘザー・ウィルソンからF-22で目標実現が困難との注意喚起が出た。三ヶ月後にヒース・コリンズ准将(空軍の戦闘機爆撃機の運用担当責任者)がこの事実を公表した。
即応体制に疑問が残るもののF-22は配備を確実にこなしてきた。第三航空団はアラスカでの演習で2019年3月に配備中の48機中24機とE-3レーダー機材、C-17輸送機を迅速に発進させている。
エルメンドーフ空軍基地で「エレファントウォーク」が見られた。演習では前方配備能力や圧倒的な戦闘空軍力の展開能力を実証した。
カタール配備のF-22はイラン攻撃可能な位置にある。ペンタゴンは2019年のタンカー数隻への攻撃はイランの関与と断言している。2019年6月19日にイラン軍が海軍の偵察無人機をホルムズ海峡上空で撃墜した。
トランプ大統領は報復のため空爆とミサイル攻撃を命じたが突如取り消した。大統領としてはイラン攻撃の可能性は残しておきたかったのだろう。トランプはFox Businessでのインタビューで「このまま長くは続かない。断言できる」と述べていた。「地上部隊の投入は言及していない。百万名も部隊派遣はないが何かは起こる。まもなくだろう」
すでに大規模な部隊展開が短期間のうちに進んでいる。2019年3月にB-52爆撃機4機がカタールに派遣され現地でF-35等の部隊に加わった。
F-35はイラクで戦闘任務に投入されている。B-52はイラン付近で示威飛行を行っている。トランプ大統領からイラン攻撃の命令が下ればB-52は巡航ミサイルを安全な距離から発射し、F-35は近距離でGPS誘導、レーサー誘導爆弾を投下するだろう。.B-2ステルス爆撃機はミズーリ州から大西洋横断し空爆作戦に投入されるはずだ。.
空母USSエイブラハム・リンカンは2019年6月26日時点でペルシア湾にあり護衛に巡洋艦一隻、駆逐艦4隻を伴っている。リンカン搭載のF/A-18E/F40機がイラン空爆に加わるとしてもステルス性がないためイラン防衛軍に位置を露呈するだろう。
リンカン戦闘群の護衛艦艇はトマホーク巡航ミサイルを搭載している。トランプはこれまで2回シリアの化学兵器生産施設に限定ミサイル攻撃を命じたが、毎回水上艦からの発射だった。
イランも米空爆に無防備な状態ではなく、海軍無人機撃墜ですでに能力を実証している。イラン軍と革命防衛隊の民兵組織はロシア製のS-200、S-300対空ミサイルを運用し、戦闘機には1970年代に米国から取得したF-14を近代化した機材も含む。

F-22にシリア、イラクと同様の任務をイランで実行させた場合、他の機材向けに防御態勢をしきながらGPS誘導爆弾で敵防空体制に穴を開けるのが役目となろう。■

2019年6月30日日曜日

6月30日ヘッドラインニュース

趣向を変えてヘッドライン型式にします。ここしばらく時間が取れなくて全文掲載ができなくなっているためです。ご了承ください


ロシアがイスラエルGPSをシリアから妨害
米研究者によればロシアがシリアのフメイミム航空基地から強力な妨害電波を出している。
Vladimir Putin in Khmeimim Air Base in Syria (2017-12-11) 11

信号はかなり強力で国際宇宙ステーションでからも探知できるほどだという。ベングリオン国際空港を離発着する民間航空機やキプロスのラマカ国際空港の業務への影響が懸念される


F-22部隊がカタールへ初の展開

米空軍はF-22をカタールのアルウデイド基地に展開していることw6月27日に認めた。.イラン対応を睨んだものであるのは一目瞭然ですね。
U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Nichelle Anderson

新型幾開発を加速化し、5年おきに登場させる
パリ航空ショーに異例の登場をしたローパー国防次官補が国防機材開発に参加kする企業数を増やし、新型機材をふやし、50年代60年代にXプレーンが毎年登場していたペースを再来させるとプレゼンテーションした。
NASA photo
A group shot of X-planes from 1953.




 

米海軍が議会に「バイアメリカン」条項の適用緩和を要求

米国製品優遇を進めるあまり必要な性能の実現と適正価格での購入ができなくなることを恐れている。背後には次期フリゲート艦FFG-Xで海外勢の建造提案が増えていることがあるのは明らかです




ロシアがAC-130並のガンシップ製造に動く

アントノフAn-12カブを改造し試験機とし57mm砲や小火器を搭載する。TASS通信が6月26日伝えた。ロシア軍では非誘導式装備への依存度が高く、いまさらガンシップを作っても一体どこで使うつもりなのか疑問でですね。



2019年6月25日火曜日

米軍の対イラン攻撃に投入される装備はこれだ

Here's What an Attack on Iran Might Look Like -- F-35, Tomahawk, B-2 イラン攻撃を想像する---F-35、トマホーク、B-2が投入されるのか

Which weapons would be best to attack Iran? Tomahawk, B-2 or F-35? イラン攻撃に最適の装備は何か

by

By Kris Osborn - Warrior Maven
Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute


ラン攻撃想定の詳細は当然ながら安全保障の観点から不明のままだが、計算された攻撃に装備が投入に適す装備がどれかで疑問が生じている。潜水艦あるいは水上艦からのトマホーク発射、それともステルスのB-2さらにF-35も出番があるのか。

広い意味で「第一撃」兵器とされるトマホーク巡航ミサイルにはユニークな長所が数々ある。まずなんといっても射程900マイル超もありながら攻撃側にリスクが皆無な点だ。実に精密かつ効果的な攻撃効果を固定式の敵ミサイル陣地や対空装備に与えることができる。GPS誘導や双方向データリンクで最新のブロックIVトマホークなら飛翔中に新たな情報が入ればコース変更も可能だ。無人機に似た空中センサー能力もあり目標周辺の状況把握も可能。ここ数年でリピア、シリア、イラクと第一撃攻撃に投入されている。海軍は巡洋艦、駆逐艦、攻撃型潜水艦から同ミサイルの発射が可能で、海軍はイラン小型舟艇の攻撃を排除できるもののトマホークの射程能力があれば敵の反抗ができない地点から攻撃を可能としてくれる。

冷戦時にソ連防空網を突破するべく開発されたトマホークは地上すれすれに飛翔し敵レーダー探知を逃れる。更に新型の海洋版トマホークでは移動目標も命中できるようになったがまだ実戦配備されていない。今回のシナリオではトマホークと飛翔制御可能な航空装備を併用し移動式防空装備などの動向を把握しながら攻撃すると思われる。

航空機では空軍、ペンタゴンはステルス爆撃機、新型「第5」世代機のF-35,F-22はハイエンド戦で「厳しい」環境で投入すべき機材としており、米側に航空優勢が得られない事態を想定している。そこでイランが移動式防空装備など攻撃の標的としては難易度が高い装備を稼働させれば米ステルス機が投入される可能性が高い。F-35が戦力化され、アフガニスタンで投入されているが、攻撃手段として効果を上げそうだ。イランにも高性能防空装備があるものの、ステルスのF-35などをトマホーク攻撃と併用してイラン防空体制の突破を図るだろう。

軍事行動は限定的攻撃でもまず防空体制や指揮命令系統の打破を図ることが多い。2003年のイラクの自由作戦でも航空対抗措置の排除を真っ先に狙った。空母からのF-18、地上基地を発進するF-15はこの任務を完璧にこなすだろうが、イランでは第4世代機の投入は少ないはずだ。イランの防空能力の実態がよくわからない。2015年にロシアのTASS通信の配信ではS-300をイランに売却したと確認しており、このうち何基稼働可能か不明だ。S-300に加えS-400も導入されていれば相当の驚異になる。最新の防空装備はネットワーク化されデジタル演算能力があり従来より広範囲のレーダー周波数を利用し有効射程も伸びている。
ロシアのS-300s - TASS

ステルス爆撃機B-2はアフガニスタン、イラクで投入の実績があり、高高度で精密兵器を安全な距離で投下する攻撃が可能だ。それにとどまらずステルス性能を生かして敵探知を逃れることも可能だ。ここにステルスF-35が加われば「センサー融合」機能を活用し標的情報、センサーデータや兵装運用がネットワークされパイロットは急速に変化する状況も把握できる。さらにF-35の電子光学標的捕捉システムEOTSと分散開口システムセンサーは第四世代機より長距離で有効な性能を誇る。F-35は敵標的の捕捉・破壊をめざして開発されており、敵に気づかれる前位破砕し、敵が手を出せない距離からの攻撃が可能だ。JDAM共用直接攻撃航空爆弾の性能は実証済みで空中投下爆弾として投入されるのではないか。

いかなる形の攻撃であれ情報の質が鍵を握る。高精度の映像が無人機経由で手に入れば標的識別が鮮明になる。トマホーク、B-2の双方で必要になろう。ただしSIGINT等のその他情報手段も戦況の変化や対象目標が移動する中で必要となるので低空飛行無人機や第5世代機がこうした情報の提供手段になるはずだ。■

Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute
Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has a Masters in Comparative Literature from Columbia University.