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B-52を100年間運用する....エンジン換装事業がついに動き始めた

How the Deadly (But Really Old) B-52 Bomber Could Wage War for Nearly 100 Years 

威力誇るB-52爆撃機は100年近く実戦配備につきそうだ

Thanks to some new engines.エンジン換装がその答えだ
February 11, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: B-52BomberAir ForceMilitaryTechnology

空軍がボーイングからB-52最終号機を受領し57年がたち、ついにエンジン換装事業が動き始めた。
Air Force magazine2019年1月号がエンジン換装の詳細に触れている。
「空軍案がこのまま通ればB-52は2050年までほぼ一世紀にわたり飛行することになる」とジョン・ターパック記者が書いている。「飛行を続けるべく、空軍はB-52に新型エンジンに換装し、整備作業を容易にしつつ効率よく飛行できる性能を期待しており、これを10年以内に実現する」
米空軍に残る76機にはエンジン以外にエイビオニクス、防御装置、センサー、射出座席を更新すると War Zone のジョー・トレヴィシックが明らかにした。エンジン換装後の機体はB-52Jの制式名称がつく。
2018年に空軍から62機在籍するB-1B、20機あるB-2ステルス爆撃機はともに2040年代までに退役させ、改修B-52は最低でも100機調達するB-21ステルス爆撃機と並行して稼働させるとの発表があった。
「機齢にもかかわらずB-52は今も高い稼働率を誇り、各種兵装を大量に搭載し、効果を上げているが敵に有効な防空体制がない場合に限る」とターバックが指摘。「ハイエンド戦であっても敵防空体制の有効範囲外からミサイルを発射でき、核巡航ミサイルを発射可能な唯一の米爆撃機であり、新型長距離スタンドオフミサイルを初めて搭載する」
B-52改修構想は二十年の期間を経て今の形に落ち着いた。1996年から空軍は13もの案で新型エンジン換装を検討してきた。2019年時点でB-52Hはプラット&ホイットニー製TF-33エンジンを1962年以来一貫して使っている。
2018年の空軍説明ではTF-33は「現時点の民生エンジンと比較すれば非効率かつ性能不足」とある。現行のプラット&ホイットニーエンジンは「運航経費が高く整備に多大な人的負担が必要であり、部品が旧式化している」
「新型エンジンは信頼性でTF-33を上回る。大修理間平均時間は30千時間が標準で空軍が同機を運用する時間合計より長い」(ターバック)
エンジン換装により燃料効率は少なくとも20%改善され、上昇限度と離陸性能が改善される。TF-33搭載のB-52Hは爆弾35トンを搭載し空中給油無しで4,500マイルを最大時速650マイルで飛べる。
空軍はB-52の耐用年数延長としてエンジン換装含む対策費用は320億ドルと2018年に試算している。
2011年から2016年にかけ空軍はB-52合計76機の運用に毎年12億ドルを出費していることがGAO会計監査院報告で2018年にわかっている。
エンジン換装で燃料、整備費用が2040年代までに100億ドルの節約効果が出る。
ただしB-52改修費用の予算はまだ全部確保できていない。
空軍は新型エンジン搭載の統合業務をボーイングに選定した。プラット&ホイットニー、ジェネラル・エレクトリックロールスロイスの各社がエンジン候補をすでに提示亭いる。空軍は2017年にB-52の2機でエンジンテストを2022年にも開始し、2026年までに採択案を絞り込み、エンジン換装作業は2034年までに完了する工程表を発表している。■
David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels   War Fix , War Is Boring  and Machete Squad .

コメント

  1. こういうニュースを見ると、高価な開発費をかけて作りながら、ほとんど活躍していないF-22やB-2他の機体は何だったのだろうと思ったりします。むろん、技術力向上のためにも取り組む必要があり、ステルスなどの最新技術の必要性も理解できます。
    が、F15やF16、F18がまだ現役であり続けそうなことも含め、もちろん、敵に有効な防空体制がない場合などの制約はあるにせよ、基本に則った機材が一番使い勝手が良いという事例でしょうか。つくづく、新兵器の開発は難しいものだと感じます。

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  2. 本当に今度こそ実現するんですかね?エンジン換装。
    ずっとやるやる詐欺状態でしたから、2022年開始予定で、まだエンジン選定もできていませんし、2050年まで運用するのは確実でしょうけど、最低限の改修でお茶を濁してしまう気がしてます。
    爆撃機は息が長いですね。同世代のロシアのTu-95もまだ現役です。
    B-1Bは残してもいい気がしますが、可変翼は維持が面倒なんでしょうね。

    返信削除

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