2013年3月4日月曜日

F-35飛行禁止措置が解除され、飛行再開へ

Engine Investigation Clears F-35 To Return To Flight

By Guy Norris guy_norris@aviationweek.com


aviationweek.com March 01, 2013

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F- 35全機の飛行停止措置が解除となった。調査の結果、タービンブレイドの亀裂は別個の減少と判断されたため。「各機の点検結果から実験室での点検まで行 い、根本原因が解明したことでF-35の飛行安全性が確認できました」と同機搭載のF135エンジンのメーカーであるプラットアンドホイットニーが発表し た。
  1. 同機が飛行停止措置になったのは2月21日のことで内視鏡による点検で0.6インチ大の亀裂が第三段目低圧タービン (LPT)のブレイドで見つかったため。この機体は空軍向けAF-2でエドワーズ空軍基地に配備されている。
  2. そ れを受け当初はLPTで2007年から2008年のテスト中に発覚した高サイクル疲労問題の再発ではとの懸念が広がったが、プラットによると「高サイクル 疲労あるいは低サイクル昼王の兆候はなく、問題のタービンブレイドに疲労が広がっているとの証拠も見つかっていない。ブレイド亀裂の鍵となる要素は飛行テ ストの特殊な運用状況の中で発生したと見ている」と発表。
  3. 同 社からは当該機のエンジンは「通常のF-35運用想定よりも高温環境での運転が4倍の長さにわたり行われており、高温にさらされたことでブレイドの粒子構 造が分離したもの」としている。このような分離現象はクリープ破断creep ruptureとして知られている。これは負荷が連続してかかる状況と高温により、ブレイド素材が限界に達して変形が発生することが引き金となる。”
  4. F- 35統合開発室からは追加声明として「当該機のエンジンはF-35の性能限界確認のため通常より長く高温条件下で運転されていた。高温に加えその他ストレ ス要因に長時間さらされていたためこのエンジンで亀裂が発生したものと判定される。その他の機材では同様の亀裂は一切見つかっていない」と発表した。
  5. た だしAF-2で発生した現象の原因についてはこれ以上の説明は出ていない。AF-2はエドワーズで試験用に使用されている機体だが、これとは別に垂直尾翼 付近で発生する機体表面の焼け焦げ問題への対応として新種類の表面設計のテストをする予定になっていた。かねてから同機では高速・高高度飛行の繰り返しで 表面焼け焦げや剥離の問題が見つかっていたため、テスト中の飛行条件でも制約が加えられていた。新型の表面塗装も試行したものの、問題解決にはつながって いなかったので、AF-2がテストとして完全に新しい表面処理を今年にテストする機体に選定されていた。このテストでは通常を上回るエンジン高出力運転の 連続が必要条件となる。”
  6. プラットからは「緩和策としてエンジンの状態で異常状況を探知する高性能装置や状況の監視っシステムがあり既にそれを装着しており安全に飛行を再開できる」としている。■


2013年2月24日日曜日

F-35 エンジン亀裂発見で今度は全機飛行停止へ


Engine Crack Grounds Entire Lockheed F-35 Fleet

By Amy Butler abutler@aviationweek.com, Jen DiMascio jennifer_dimascio@aviationweek.com
 


aviationweek.com February 22, 2013

Credit: USAF


F-35全機が地上で飛行停止措置となっている。原因はエンジンで、今回発生した問題は米海軍航空システムズ軍団Naval Air Systems Command (Navair)によると「壊滅的な不良」“catastrophic failure.”につながる可能性があるとしている。
  1. 2月19日に第三段目低圧タービンのエアフォイルで亀裂がF-35A点検中にみつかったのはエドワーズ空軍基地でのことだったとプラットアンドホイットニーが明らかにした。同社は同機用F135エンジンのメーカーだ。

  1. 「予防措置としてF-35全機のフライトオペレーションを調査点検が完了するまでは全て停止している」とペンタゴンが声明文を発表しており、「今回の自体で同機部隊全体にどんな影響が出るかを断言するには時期尚早」としている。

  1. プラットアンドホイットニーは今回の飛行停止は「予防策」と表現しており、「破損したタービンモジュールおよび付属ハードウェアを当社ミドルタウン(コネチカット州)工場に搬送され調査をする。今回亀裂を生じたエンジンは合計700時間運転しており、そのうち400時間がフライトテストで計上したものだった」としている。同社としても事態の把握をしてすみやかにフライト再開ができることを期待しているという。

  1. 一方Navair司令官デイビッド・ダナウェイ中将Vice Adm. David Dunawayは議会向けの情報更新は3月1日以前には期待できないとの見解を示している。

  1. 飛行停止措置が長引くとフライトテストの進捗予定にも影響が出る可能性があり、重要システム系統のテストも遅れることになる。とくに2Bソフトウェアが最初に作戦能力獲得をめざす海兵隊にとって必要な要素だ。

  1. 今回の事件は短距離離陸垂直着陸型F-35B部隊の飛行停止措置が解除になった直後に発生している。B型の飛行停止の原因はプラットアンドホイットニーが統括する燃料圧力系統の不適切な加工取り付けであった。

  1. 今回の事態によりF-35に別のエンジンを提案したものの採択されなかったジェネラル・エレクトックにとってはわずかばかりとはいえ溜飲が下がる思いをしているはずだ。2つの政権にわたり厳しい論争とロビー活動をくりひろげたにもかかわらず、ペンタゴンはGE/ロールスロイス連合のF136エンジン開発に終止符を打つことで議会の同意を2011年に取り付けていた。■



2013年2月16日土曜日

F-35Bの飛行停止措置は解除へ 

Pentagon, Navy Lift Flight Restrictions On F-35Bs



aviationweek.com February 13, 2013
Credit: Dept. of Defense

ペンタゴンおよび米海軍は海兵隊向けF-35Bの飛行制限措置を解除し、およそ一ヶ月間地上待機していた同機のテスト・訓練飛行の再開にめどがついた。

今回の措置は水曜日に決定となったとケビン・キレア大佐Colonel Kevin Killea(海兵隊向け機体を統括)が発表した。同大佐によると海軍とF-35統括室には今回の飛行停止措置の原因を作った製造上の問題を解決すべく多くの課題があるという。

飛行再開は総額3,960億ドル規模のF-35開発ゼンタイではよい知らせではあるものの、今年は相当の密度のテスト飛行日程を行わないとこれまでの遅れを取り戻せない同機の状況に変りはない。
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ペンタゴンと海軍がF-35Bの25機全てを飛行停止させたのは1月18日のことで、Stratflex製の燃料ラインが飛行開始前に外れるという事態が1月16日にフロリダで発生したため。ペンタゴンからはその後、この原因は製造過程内の不良であり、機体整備上あるいは設計上の問題ではないとの発表があった。

ペンタゴンF-35管理室のスポークスマン、ジョー・デラべドヴァJoe DellaVedovaによると25機全部の飛行再開は不良品の燃料ラインの交換が完了すれば可能だという。すでに不良品は全点が点検済みで、問題がある部品は交換されるという。問題の部品はF-35Bの排気系の一部だ。
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Stratoflexは英国のロールスロイス Rolls Royce Plc向けの製造契約企業であるが、F-35Bのエンジンはプラットアンドホイットニー製だ。

ペンタゴンF-35統括室はまず開発テスト用の機体9機の飛行制限を解除しており、海軍航空システムズ部門を統括するデイヴィッド・ダナウェイ中将Vice Admiral David Dunawayがその後16機の飛行制限を解除している。この機体は訓練用に使用されていた。

なお、空軍向けA型と海軍向けC型の飛行には今回の問題は影響を及ぼしていない。燃料ライン部品が異なるため。


今回の飛行停止措置の結果がF-35Bのテスト日程にどのような影響をおよぼすかは不明だ。これまでは同型はわずかであるが予定よりも先を走っていたが、30日の飛行停止の影響は確実に出てくるだろう。

ペンタゴンはStratoflex製部品の分析を継続し、プラットと詳細点検・修理の費用負担を協議するという。

プラットのスポークスマンであるマシュー・ベイツMatthew Batesは同型の飛行再開決定を歓迎し、根本原因は解決ずみだという。「納入業者と追加措置をとりホースの機能確保をしたので、エンジン推進系全体の機能維持はもう大丈夫です」 ただしベイツは今回の点検修理の費用負担は誰がするのかについては言及していない。

F-35B各機から合計82本のホースが取り外され、ミネソタ州でCTスキャンを受けている。初期分析では36本中10本で締め付けが限度以上になされていることが判明している。ペンタゴンと海軍はテスト機のエンジン性能結果からホースの性能要求内容を修正している。締め付け度が過剰だったホースも合計1,600時間の飛行で異常は発生していないという

2013年2月10日日曜日

初飛行したY-20の性能は意外に低水準、しかし今後の向上策には要注意

Avic Y-20 Airlifter Awaits Better Engines


aviationweek.com February 04, 2013
Chinese Internet
Bill Sweetman Washington and Bradley Perrett Beijing

初飛行はしたものの性能向上の課題が残る機体、それがこのたび登場した中国の Y-20輸送機だ。1月26日に初飛行した同機は一見現代的な機体に陳腐化した60年代技術のエンジンの組み合わせとなっている。そのため、運用上で大きな真価を発揮できる機体ではなく、せいぜいイリューシンIl-76よりわずかな性能向上を提供するだけだろう。
  1. というものの同機にはもう少しまともなエンジンが開発中だ。中国が高バイパス比エンジン技術を実用化したとき、同機の性能は急上昇する。ComacのC919旅客機にも同様に高性能エンジンが開発中だが、道は遠い。
  2. Y-20の機体開発が成功したことが中国航空産業では重要な成果だ。これまでおよそ60年間に渡り中国は主にソ連時代の設計をコピーするだけに終始してきたが、Y-20は純国産機では最大規模で、80年台に失敗に終わったY-10旅客機よりも大きい。
  3. ただしY-20の就役は2017年以降になりそうだとの観測が中国国内にあり、機体には複合材料が使われているというが、機体の大部分はアルミニウム製のようだ。また、「超臨界」主翼構造にになっているという。その目的が後日エンジン換装を見込んだものなのかは不明だ。
  4. 機体寸法と外観ではIl-76に近いもののY-20は完全新設計の機体だ。エンジンも同じサツルンD-30KP中バイパス比エンジンが搭載されている。ただしIl-76より主翼幅が短く、機体幅は逆にわずかに大きくなっている。エアバスA400Mよりも大型で、ボーイングC-17機体と直径はほぼ同じで全体では小型だ。
  5. Aviation Weekによる同機の詳細性能の推定値と中国国内で報道されている値は食い違いっている。中国報道ではY-20の全幅45メートル、全長47メートル、全高15メートル、基本重量200トン、ペイロード66トンとしている。その根拠は不明だが、2006年に同機開発が始まった際の推定値に近い。Il-76との比較で同じD-30KPエンジンの性能から見て公表されている重量とペイロードは大きすぎる。
  6. Y-20の組立は西安航空機が行い、ロールアウトは2012年12月だった。機体構成はロッキードC-141に近い。主翼の取り付け位置、、中程度の後退角は低速度での飛行性能を重視した一方、適度な巡航速度が期待できる。また、降着装置を機体内に格納し、T字尾翼となっているのも同じだ。C-141以降の輸送機はAn-124除き、同様の構造を踏襲している。Y-20の主翼では全体に渡りスラットが付けられ、フラップは三段式だ。エンジンはIl-76同様に低い位置に取り付けられているが、C-17のようなエンジン推力を利用したフラップは採用されていない。
  7. エルロンで揚力を低速度で稼ぐ構造で、大型のスポイラーが付けられている。C-17同様にY-20のラダーも四枚構造だ。
  8. Il-76よりもコックピットは小ぶりで乗員3名となっているので貨物室の容量増加に貢献している。中国国内報道ではIl-76よりも輸送容量が大きく、現在運用中の戦略級輸送機の中では一番身軽だとしている。貨物室直径が大きいことでヘリコプターや建機を搭載できるとしているが、貨物室全長はIl-76より短い。
  9. 降着装置の構成はA400Mに類似しており、2輪一組で3基を左右に備えている。機首ノ降着装置は90度回転し、簡易な飛行場での運用が可能だという。
  10. D-30KPエンジンよりも20%以上の効率向上を実現するターボファンエンジンをAvicエンジンが瀋陽で開発中で、WS-20の名称となるだろう。これはWS-10戦闘機用エンジンからの派生型とみられる。
  11. D-30KPのバイパス比がCFM56と同程度なのに対し、Y-20が同エンジンを搭載して初飛行したのは中国製エンジンが未完成であるためで、開発が完了していないのか、完成していても信頼度が不足しているからだろう。
  12. これよりも実現が巌しいと見られているのがCJ-1000エンジンで、Avic民間航空機エンジン部門がComacのC919用に開発中のものだ。ねらいとしてはCFMのLeap-1と同程度の性能をめざしている。CJ-1000開発は技術上の問題に直面しているが、潤沢な資金が投入されている。十分な推力が提供出来れば世界標準の運航効率が実現できるので、同エンジンがY-20の性能を引き上げる可能性はある。Y-20の運用では中国海軍が揚陸運用能力を開発し空母を就役させている中で、中国政府が一貫して推し進めている軍事力前進配備能力の増強の一部となる。世界の専制国家体制の行動と共通して中国も他国の内政へは不干渉の原則を強く掲げている中で中国報道ではY-20による人道援助、災害援助を強調しているのは驚くに当たらない。たしかにこのような任務が同機により実施されれば中国の国際イメージも向上するだろう。
  13. 軍事力の前進配備能力という観点ではY-20の出現で近隣国が過敏に心配する必要はないだろうというのがオーストラリアの軍事アナリスト、アンドリュー・デイビスAndrew Daviesの見解だ。航空機よりも多くを輸送できる海軍力のほうが心配だというのだ。「Y-20は中国の目指す軍事力投射の道具にはなるが、それ自体はとりたてて威力のある要素ではない」というのだ。また、空輸能力は中国のような大国では国内的にも重要な意味がある。
  14. 中国もロシア並みに空輸能力の整備に並々ならぬ努力を払っている。中国の部隊では第15空輸軍団が中国国内および近隣国向けの危機状態に対応すべく待機中だ。また空中投下が可能な特殊軍用車両の開発も続いている。その最新型がNorinco ZBD03でロシア製BMD-3を元に 30-mm 2A72機関砲を搭載している。第15空輸軍団にはヘリコプター部隊もあり、Y-20の貨物室でヘリコプター輸送も想定される。現状の中国の空輸能力は中国製Il-76の機数が不足しているために制約を受けている。

2013年2月2日土曜日

海外販売に期待するボーイング防衛部門の期待はインドだ


International Orders Boost Boeing Defense


By Michael Mecham
aviationweek.com January 31, 2013
Credit: Boeing

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ボーイング防衛部門への各国発注の比重は同社受注残で全社レベルで24%、防衛宇宙安全保障部門では41%相当にまで増えていることが同社の1月30日発表で判明した。
  1. 防衛部門の売上は2%増加して326億ドルになり、民間商用機部門の491億ドルに近づく勢いでその中でもボーイング軍用航空機部門の増加10%が大きい。とくにAH-64DアパッチとCH-47チヌークのヘリコプター2機種の生産ペースがあがっている。また、KC-46給油機の生産が開始されており、インド向けにはP-8I海洋パトロール機の一号機が納入されている。

  1. 一方で中間飛翔段階ミサイル防衛と衛星案件で売上が伸び悩んでおり、世界規模での顧客向けサービス・支援プログラムでも売上拡大が勢いを失っており、総額86億ドルにとどまっている。ただし、ことしは米空軍向けC-17輸送機の供用維持契約とF-15合計68気の改修により売上の伸びが期待される。

  1. 米国向け防衛案件が弱含み担っている一方で、海外販売はそれを上回る勢いがあり、現時点でボーイング防衛部門の売上24%相当になっている。インド向けには今年のボーイングはP-8Iをあと3機およびC-17を5機納入する予定だ。■

2013年1月30日水曜日

インドのSLBM開発状況で進展が見られました

India Flies Submarine-Launched Ballistic Missile

aviationweek.com January 29, 2013


インドが原子力潜水艦による弾道ミサイル運用に一歩近づいた。ベンガル湾に潜水させた試験プラットフォームから中距離ミサイルの水中発射に成功したのだ。
  1. 全長10メートルの同ミサイルは約50メートルの水深から1月27日に発射されたと、国防研究開発機構 Defense Research and Development Organization長官V.K.サラスワットV.K. Saraswatが発表した。
  2. 「同ミサイルは最長射程をテストし、ミッションの要求水準全てを満たしていると判定した」とサラスワット長官は言う。ミサイルは高度12マイルに上昇し、434マイルを飛翔してベンガル湾に落下した。
  3. その過程は全てレーダー観測されており、軌道および落下は全て予測どおりであったと同長官は言う。
  4. インド開発の潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)はK-15の名称でこれまで十数回の発射に成功していると言う。「今回はSLBMとしての最終段階公試」とし、同SLBMを国産ミサイル原潜アリハントINS Arihantへ搭載する作業がまもなく開始される、と同長官は語る。
  5. 技術科学スタッフの発言をまとめると、最大12発の核ミサイル(重量6トン)がアリハントに搭載される。アリハントは80メガワット級の原子炉を動力源に、ウラニウムのほかに軽水を冷却減速材に使う。同原潜の公試は6月に開始予定。
  6. 今回の実験成功でインドは核ミサイルを、空中、地上、海中から運用できるエリート国家の仲間入りをするとインド科学技術陣は見ている。
  7. 国防研究開発機構でSLBM開発の中心となったA.K.チャクラバーティA.K. Chakrabartyによると次の大きな課題はアリハントにj今後数ヶ月以内に搭載したあとでの同ミサイルのテストだという。
  8. 「ミサイルシステム開発は絶えず進行していきます。実施すべきテスト項目は多数あります。いまのところ順調に推移しており、成功を重ねることでウェポンシステムとしての運用が早期に実現するでしょう」(チャクラバーティ)
  9. 国防相A.K.アントニー A.K. Antonyは昨年5月にアリハントの就役は2013年上半期になるとインド国会へ対し報告している。
  10. これが実現するとインドも核の三本柱を完成できる。インド核装備のほかの柱にはアグニミサイル(射程3,106マイル)およびミラージュ2000、Su-30MKI、Mi-29の各核運用戦闘機がある。
  11. インド技術陣はSLBMの次期モデルとしてK-5を開発中で、その射程は1,864マイルを想定している。

2013年1月29日火曜日

F-35B飛行停止措置の理由は何か


  1. Production Error At Fault In F-35B Grounding


    By Amy Butler abutler@aviationweek.com
    aviationweek.com January 28, 2013
    Photo: US Navy

    「品質の不適合」が燃料供給チューブ fueldraulic tube 内で発生したことが「もっとも可能性が高い原因」となり、運用で不具合が起こり、海兵隊が配備されたばかりのF-35Bが1月16日以降運行停止となっている。プラットアンドホイットニーが発表した。

  2. チューブのメーカーはストラトフレックスStratoflexだが、同機の単発エンジンF135はプラットアンドホイットニー製だ。同社スポークスマンは問題が発生したのは「燃料チューブ製作工程の中である」可能性が最も高いという。

  3. 海兵隊が飛行停止措置にしているのは合計25機のF-35Bで飛行中にパイロットが異常を感じ通常型離陸を中止した際に燃料チューブが「外れている」ことを発見したことでこの措置となっている。このため短距離離陸垂直着陸(Stovl) 用の同機の飛行テストとパイロット養成の両方が停止中で、このふたつが進まないと海兵隊が同機の初期作戦能力獲得を宣言することができないままだ。

  4. エンジン技術者がX線画像分析を各機のチューブに対しておこなっており、異常がないかをチェック中だと同スポークスマンは発表。「当社はStovl型各機の飛行再開はまもなくになるとみています」
    なお、同型を発注しているのは米国と英国のみである。■

2013年1月27日日曜日

サイレント・ガーディアンは革新的なハイブリッドUAS


Bye Aerospace and BoldIQ Team on Software for Silent Guardian Hybrid Power UAS

from UAS Vision, Posted on January 23, 2013 by The Editor

Bye Aerospace, Inc.はデンバーを本拠地とするクリーンなエネルギーを革新的設計の航空機に応用し、航空宇宙及び国防需要に食い込もうとしている企業であり、BoldIQ Inc.のソフトウェアを組み込んだハイブリッド無人航空機システム(UAS)をサイレント・ガーディアンSilent Guardianの名称で開発すると発表した。
  1. BoldIQは画期的な運航最適化ソフトウェアを開発しており、完全自動化した飛行管理プラットフォームをAstroの名称で最適化を目的としたエンジンSolverに組み込む。この最適化機能によりAstroによりサイレント・ガーディアンは従来の飛行計画よりも多数のミッションを計画・実行できるようになる。さらにAstroではリアルタイムで最適化され実施可能なタスク中断・復帰が可能であることに加え、自動シナリオ立案機能も可能なため、全般的なミッション信頼度が向上する。
  2. Astroの開発には「例外事項を管理する」考え方の実現が目的とされた。高度な自動化、判断エンジン、拡張性・柔軟性がそれぞれ高い水準で実現することで、同機の運用では作戦立案と各時点での実行対応をこれまでより少人数で行い、これまでより高い実効性のある運用が可能だ。ここにサイレント・ガーディアンが提供する高付加価値の意義がある。
  3. ハイブリッドUASでは初となる同機の構想ではターボファンエンジンでまず離陸上昇を行う。機内の蓄電動力および薄膜太陽光電池で電動推進器を動かし、ずば抜けた長時間飛行、静粛運用、低排ガスを実現する。同機を政府で運用する場合の用途として国境警備、国土保安、捜索救難、視覚・熱感知による航空管制が想定される。民間部門では同機を災害・火災探知、エネルギー天然資源探査、広範囲安全確認、パイプライン・送電線の点検、広範囲天候観測(ハリケーンの追跡)、衛星と同程度の写真観測・通信データ中継が考えられている。
  4. Bye AerospaceCEOのジョージ・バイGeorge ByeによるとBoldIQはサイレント・ガーディアン特有の太陽光発電のハイブリッド運用に特化して開発したという。「国防予算政府予算が縮小する一方で費用対効果を高く期待する動きの中で、BoldIQによるソリューション能力があれば少ない費用でもっと多くのミッションを実施できます」
  5. 「サイレント・ガーディアンは無人航空機の世界で革命的なパラダイムとなります」と語るのはRoei Ganzarski,(BoldIQ社長兼最高業務責任者)で「当社のミッションは顧客にこれまで以上の成果を期待させ実現させることで、その意味で今回の大胆な新型機開発で共同実施ができることを誇らしく思っています」


Source: Press Release


2013年1月24日木曜日

フランスにはA400Mの早期導入を望む理由がある

French Need A400M, Due This Year 
 
aviationweek.com January 21, 2013 

マリ武力介入が続く中、フランス空軍は地上軍支援の空輸能力を試されている。
  1. フランスが運用中のC-160 トランザール、C-130ハーキュリーズ、エアバスA340の各輸送機は戦略級兵員物資輸送の任務がある。フランソワ・オランド大統領により1月11日にアルカイダ支援の武装勢力によるマリ占領を防止する国際協調実施案が提案されたが実施は非常に緩慢な一方、偵察によると同国の首都バマコに向け大量の部隊移動が判明している。
  2. Operation Servalと命名された今回の作戦はフランス陸軍200名の地上部隊でマリ陸軍への支援開始と言う形で発動となった。同時に空爆により反乱軍が占拠する同国北部および砂漠地帯(およそフランス全土の面積に匹敵)の各拠点を攻撃している。空爆の初期段階にはガゼルヘリコプター・ガンシップにHOT(長距離対戦車)ミサイルと20-mm 砲を搭載した機体およびダッソー・ミラージュ2000DとミラージュF1-CR偵察機にボーイングKC-135給油機を投入。1月13日には羅ファール戦闘機4機を派遣し、マリ北西部を空爆させ、チャド国内のフランスが運用するジャメナN'Djamena空軍基地に配備した。
  3. 数日間に及ぶ空爆でも武装勢力の地上進行を食い止めることができず、Operation Servalは規模を拡大し地上兵力を2,500名に増強すると国防相ジャン・イブ・ルドリアンJean-Yves Le Drianから発表があった。
  4. それに先立って同国防相からフランスが同盟国各国に対して戦略空輸活動の強化を要請していることが明らかになったが、それに呼応したのは英国のみで2機のC-17が1月13日に大型装備補給品を輸送した。英国はOperation Newcombeと呼称し、英軍機も同地域内で活動中。ただし、C-17の一機は未公表の技術的問題によりフランス国内で飛行できない状態になっている。
  5. ルドリアン国防相によると「具体的な軍事支援」に部隊を動員している諸国はベルギー、カナダ、ドイツ、イタリア、ポーランド、英国、米国の各国だという。
  6. 「空輸はフランスが整備を急ぐ必要のある分野です」と見るとのはアラン・ドュパ(パリ在住の航空宇宙国防コンサルタント)で、A400Mが利用可能となれば」状況は大きく変わるはず」と言う。
  7. フランスはA400Mを50機発注しており、今年から納入を開始し、同機を受領する初の国となる。エアバスミリタリーは昨年11月に同機のフランス向け納入を予定していたが、2009年に開発工程が大幅に遅れたことで発生した計画の大幅修正のあおりを受けていたのだ。
  8. 昨年9月に納入第一号機は今年第二四半期に先送りとされ、この際はエンジンの改修が必要なためだった。機能信頼性公試が12月に実施され、同機は今年になり再飛行を予定している。エアバスミリタリーは2013年中に計4機のA400Mを納入する予定で、このうち3機がフランス向けだ。(残る1機はトルコへ)
  9. 昨年10月にフランス政府がマリ介入の可能性をほのめかしていた際には空軍の戦略空輸能力の準備態勢を疑問視する声が議会に見られた。
  10. 「A400Mはどこにあるのか」と議員がフランスの国防装備調達庁(DGA)長官ローラン・コレビヨンLaurent Collet-Billonを問い詰める光景が国防委員会で見られた。「納入を前倒しで実施できないのか、あるいは旧型トランザールの耐用年数を延長する次善策はないのか
  11. これに対しコレビヨン長官の回答は空軍の乗員訓練開始は6月以前で実践能力開発の予定も同時だとするもの。
  12. 「A400Mの調達機数を増やすことがよいと考えます。もし予算があれば、ですが、今回はこれは実現できそうもありません」とも同長官は回答している。「空輸補給能力と地上介入作戦はトレードオフ関係なのです」
  13. オランド大統領の就任は昨年5月で、それ以来のフランス政府は財政難の中で国防上の優先課題の見直しをしている。今後数週間で新戦略案と実施法案が成立する見込みだ。軍は既に2011年から13年にかけて約10%の予算削減になっており、新型多目的空中給油輸送機で使用年数50年になる現行給油機の代替とする計画などが遅れる結果になっている。新型給油機の就役は2017年の見込みになっている。■

読者からのコメント

123xyzさん
もしフランスが戦略空輸能力共同整備に参加していたら英空軍C-17の代わりにハンガリー駐留のC-17を利用可能だっただろう。A400Mの納入開始があってもフランスにすぐ役立つことはないだろうが、アフリカの紛争もベトナムのように長期化するのではないか。そうであれば他国の援助も当てにできるはず。

LMPさん
カナダもC-17を一機提供していることを記事は触れていないぞ

chaleteさん
A400M開発の歴史は過誤の連続で、A380と787をあわせたよりよりたちが悪い。さらにその機体単価は220百万ドルで性能が高くより機敏なC-17より高いのだ。

2013年1月19日土曜日

海兵隊用F-35Bだけ現在飛行停止中

Pentagon Grounds Marine Corps Model Of F-35 Fighter Jet
By Reuters

 
aviationweek.com January 18, 2013
Credit: DoD


ペンタゴン及び米海軍はロッキード・マーティンF-35の海兵隊用機材の運用を一時中止する命令を発した。これは今週水曜日にエグリン空軍基地(フロリダ州)の訓練飛行中に発生したインシデントのため。
  1. ペンタゴンのF-35計画室からは今回の措置の対象はF-35B合計25機全機だとし、空軍のA型、海軍のC型は対象外だと発表した。B型も地上での運転は継続する。
  2. 運行停止の原因となったインシデントとはB型の排気システムの不良に関連した推進系の問題で離陸前に発生したもの。同機のパイロットは離陸を断念していると同計画室が文書で発表した。これに伴うパイロット、地上要員の損害はない。
  3. 今回のインシデントはペンタゴンのテスト評価部長が18ページの報告書を発表し、一連の問題点を詳しく述べ、総額3,960億ドルで開発中の同機で「成熟度が不足している」ことを明らかにした直後に発生してしまった。
  4. プラットアンドホイットニー社スポークスマンは初期段階の点検で推進線がエンジン格納部分後部で外れていたことが見つかったと発表した。
  5. この機構はA型C型では使用されていないので飛行はそのまま許可されている。
  6. 「プラットアンドホイットニーとロールスロイスの合同チームが今回のインシデントの根本原因を調査中でロッキード・マーティンおよびF-35共用戦闘機開発室と密な連絡をしながら問題解決に取り組んでいます」とプラットアンドホイットニー社から文章による発表があった。
  7. それによると今回発生した事例は以前はみつかっていないという。

2013年1月18日金曜日

日米防衛協力ガイドライン改定と変化した防衛環境


U.S., Japan Review Defense Guidelines Amid Tension With China
By Reuters
aviationweek.com January 17, 2013

日米両国は17日より防衛協力ガイドラインの改訂作業を開始した。これは15年ぶりの見直しとなり、阿部首相が中国との領土をめぐる対立、北朝鮮のミサイル・各開発問題に直面しているさ中での作業となる。

  1. 今回のガイドライン見直しはタカ派の安部首相が先月の総選挙の結果誕生したさなかでの作業となり、日本国内外で日本、米双方の部隊を共同運用するルール作りがねらいだ。
  2. 「自衛隊の役割と米軍の役割を10年15年先の安全保障環境を見越して検討したい」と防衛省関係者は語っている。
  3. 今回の見直しはこの15年間で大きな変化が既に選考していたため急ぎ求められていた。
  4. 北朝鮮のミサイル・核開発に加え、南シナ海では日中双方が艦船、航空機を動員する緊張が高まっている。
  5. 今回の見直し作業はまず実務レベルが東京ではじまった。一年以上かけて完成させるタイミングが米国が外交安全保障の軸足をアジア太平洋に移す時期とちょうど一致することになる。
  6. 安部政権が集団安全保障を権利として行使できるように憲法解釈を変更するかが広く関心をもたれる点、と戦略国際研究所Center for Strategic and International Studiesの主任研究員ニコラス・シェチェニNicholas Szechenyiは解説する。
  7. 「その決断を下した場合は自衛隊と米軍部隊の共同作戦は大きく変化します」 日本では集団自衛権とは日本に攻撃が及ばない場合に同盟国が攻撃を受けると想定し同盟軍とともに防衛作戦を展開することと解釈している。
  8. しかし歴代の日本政府は平和憲法下ではこの権利の行使は禁止されていると解釈してきており、日米の防衛協力関係でひとつの弱点になっている。阿部首相はこの解釈を変え、この権利の行使が可能になるよう希望している。
  9. ただし防衛省からは進行中の作業で集団的防衛権が検討されているかについては何も言及がない。■


2013年1月17日木曜日

新国防長官ヘイゲル氏と新CIA長官ブレナン氏

Obama To Nominate Hagel, Brennan For Top National Security Posts

By Reuters

aviationweek.com January 07, 2013

バラク・オバマ大統領は1月7日に共和党員チャック・ヘイゲルChuck Hagel(写真左)を次期国防長官に、ホワイトハウスで対テロ顧問のジョン・ブレナンJohn Brennan(写真右)をCIA長官に任命することを明らかにした。
  1. .ヘイゲルは一匹狼の元上院議員でベトナム戦争従軍で叙勲を受けており、レオン・パネッタに代わりペンタゴンのトップとなる。この人事は上院での承認ではヘイゲルのこれまでのイラン、イスラエルに関する投票記録を理由に批判があることから難航しそうだ。ブレナンはCIA勤務経験があり、退任したデイビッド・ペトレアス将軍David Petraeuの後任となる。
  2. この二人の任命人事は先のジョン・ケリー上院議員Senator John Kerryの国務長官人事とともに第二期オバマ政権の中で生じた閣僚の退任を埋めるもので、アフガニスタンでの戦域縮小、イラン各問題への対応、ペンタゴン予算削減と言った難題を乗り切るものだ。正式な発表はまもなくある予定。
  3. ヘイゲルはベトナム戦争従軍の後ネブラスカ州より上院議員に統制し、2008年までの任期を務めた。共和党内部からの批判が根強くあるのはイスラエルの利益に逆行する本人の姿勢が理由で、イランに対する制裁案でも反対票を投じており、「ユダヤ人ロビー」がワシントンにあるとの発言も反感を買っている。ヘイゲルは米軍兵力規模についても批判的である。ただし、ホワイトハウスはそのような批判を乗り越えて民主党が多数派を占める上院でもヘイゲルの人事は承認受ける見込みありと見ている。
  4. 退役陸軍大将スタンリー・マクリスタルRetired Army General Stanley McChrystalはNBCの「トゥディ」でヘイゲルのこれまでの発言をもって本人を不適切とするべきではないと発言。「オバマ大統領が信頼を寄せるのであればヘイゲル上院議員には経験があるということでしょう。たしかに一角の人物であります。」と発言。マククリスタルはアフガニスタンで最高位の将官出会ったが、2010年に退役。「信頼の度合い、人間関係の強さが関係者の間でどれだけ強いのかが一番重要な要素です」
  5. ブレナンは2008年よりオバマ政権の対テロ作戦の筆頭顧問を務めている。「ブレナンの経歴と並はずれた業績記録により非常に優秀なCIA長官になると見ています。ブレナンは大統領の全幅の信頼を得ています。」とある政府高官は語っている。
  6. .「これまでの四年間で大統領とは毎日顔を合わせていますし、一番厳しい決断を下した際も大統領の側にいました。ビン・ラディン襲撃の開始を決断したときもそうです」と同高官は語っている。■