2017年10月11日水曜日

★★★真偽は?日本もUCAVを開発していた



日本にもブラック事業がある(あった)のでしょうか。映像公開したのは機密解除になったのか、事業がもっと先に進んでいるからでしょうか。各務原での目撃がないことから別の場所で秘密裏に開発されたのでしょうか。川崎重工関係者は口がさけても語れないと思いますが、事実なら日本もUAV-UCAVを開発していることがわかりますね。判断は読者の皆さんにおまかせします。


This is the combat drone Japan has been building in secret


これが秘密裏に開発していた日本の戦闘無人機だ


川崎重工ブースのビデオでUCAV試作機の飛行状況を写していた (Photo by Harold Hutchison)
By Harold HutchisonOct. 06, 05:10 AM

  1. 無人戦闘航空機、つまりUCAVはこれからの軍事航空のカギを握ると言われる。米国、ロシア、フランスが開発中と判明している。
  2. だが本誌We Are The Mighty (以下WATM)はこのたび日本も秘密裏にUCAV開発を進めていたことを知った。
  3. ワシントンで先ごろ開催された空軍関係のイベントでWATMは川崎重工業のブースでビデオ画像を見た。それは同社によるUCAV研究開発の様子で、画像内のUCAVはボーイングX-45やノースロップ・グラマンX-47に似ているようだった。
  4. 会場で詳しく聞こうとしたが、同社係員が日本政府の意向だとしてやんわりと断ってきた。翌日も別の係員はこの件は存じていないと答えてきた。
  5. 結局三番目に会った川崎重工の小林タクミ氏が「試験機で10年近く前のもの」とし、「防衛省予算による実験事業だった」と説明してくれた。同氏はさらにメールで「2008年ごろのプロジェクト」と述べている。
  6. WATMが当時空軍の筆頭参謀次長として情報監視偵察分野を担当し現在は航空宇宙研究にあたるミッチェル研究所の所長をしているデイブ・デプチュラ退役空軍中将に日本がUCAV開発をしていた事実を知っているか聞いたところ、即座に「知らない」との答えが返ってきた。
  7. このことから日本のUCAVは秘密のベールに隠されていたことがわかり、F-117ナイトホークなど米国のブラックプロジェクト並だったようだ。


川崎UCAVの別の画像。メリーランド州ナショナルハーバーで開催された2017 AirSpaceCyber expo会場にて。(Photo by Harold Hutchison)
  1. 秘密扱いの理由や川崎重厚がUCAVについて語りたくない理由が日本国憲法第九条なのは明らかで、「日本国民は国家主権としての戦争を永久放棄し、国際紛争の解決方法として戦力の利用や脅威は行わない」とし、さらに「陸海空戦力その他戦闘手段は保有しない」と述べている。
  2. この条項により日本はひゅうが級・いずも級軽空母を「ヘリコプター駆逐艦」と呼称している。イタリアのジュセッペ・ガリバルディは10,500トンとひゅうがの19千トンより小規模だが、空母としてAV-8B+ハリヤーを2011年のNATOによるリビア介入時に運用していた。
  3. では川崎のUCAVはこの制約にひっかかるのか。X-45やX-47に驚くほど似ていることから今日のUCAV技術により防空任務より攻撃能力を充実させる方向に進んでいることが想起される。.
  4. GlobalSecurity.orgによるデータベースによれば基本形X-47にはペイロード搭載能力がなかったがX-47Bには兵装庫ふたつで4,500ポンドの装備を搭載していた。計画だけに終わったX-47Cはさらに10,000ポンドまで拡大するはずだった。
  5. WATMは防衛省にも本件を照会したが返答がない。ワシントンの日本大使館からは回答があった。自衛隊がUCAVを保有したことがあるのかとの問に「自衛隊はUCAVの取得、運用を今のところ想定していない」ととのことだった。■

2017年10月10日火曜日

再び大規模戦力の衝突に備えようとする米陸軍の新指導方針


16年も小規模戦闘、対テロ作戦に忙殺されているうちに世界が変わってしまい、あわてて米陸軍が新環境に適応しようとしています。中国やロシアを相手にした大規模作戦を再び想定するわけですが、湾岸戦争のような圧倒的な戦勝を得るのは難しいと覚悟しているのでしょうか。

Army to Unveil New Major Land War "Operations" Doctrine

米陸軍が発表予定の新作戦方針は大規模会戦を想定

Scout Warrior - Oct 4, 10:53 PM



  1. 米陸軍はまもなく「FM3.0作戦」構想を発表し、将来の大規模機甲部隊の衝突に米軍と同等の戦力を有するロシア、中国を想定し陸軍の体制を整え、米軍の優位性を守る。
  2. 陸軍内で将来の脅威対象の検討が続いており、陸戦環境の変化を念頭に上層部は全地球単位の状況変化のため陸軍も運用構想を刷新する必要が生まれたと語っている。
  3. 新規の「作戦」構想は米陸軍協会年次総会の席上で発表される予定で、現行の「FM3.0完全版」を補足する。FMとは野戦マニュアルの略で数年前に初版が発表された。.
  4. 新編の著者によれば3.0の内容は大部分維持しつつ、一部を改定・追加したという。FM3.0が編纂されたのはロシアのウクライナ攻撃前であり、米陸軍はアフガニスタンにかかりきりで、南シナ海の緊張は表面化していなかった。リッチ・クリード大佐Col. Rich Creed(フォート・レヴンワース駐屯混成部隊指揮官)がScount Warrior独占インタビューに答えてくれた。
  5. 「陸軍は大規模戦闘でほぼ同格の敵と地域規模での作戦実施に備える必要がある。想定シナリオは以前とは大違いだ。過去の作戦構想から教訓と経験を抽出しているが、大規模陸戦実施にはしっかりした戦術と手順が必要だ。実情に応じ指導原則も変更していく」
  6. クリード大佐の説明では新規構想は2011年から2012年にかけて編纂された合同陸上作戦構想からの自然進化であり、冷戦時代の戦略構想「エアーランド航空ー陸上」バトルとして西ヨーロッパを守るため航空攻撃を陸上戦力を組みわせ実施する案も見直すという。
  7. 「エアーランドバトルはヨーロッパでの大規模陸上戦を想定しました。大国同士が大規模戦力で衝突する構想でした。現在でも米国は唯一の超大国ですが世界には大幅に戦力を向上させている勢力があります。いまや脅威の種類から作戦で一つだけの想定が許されない状況です」
  8. エアーランドバトルは米陸軍の大規模部隊を大規模空軍力の支援のもとフルダ峡谷経由で強襲させる構想だった。
  9. 別の米陸軍高官敵側が1990年代初頭の「砂漠の嵐」作戦の戦術、技術をつぶさに学ぶ中がScout Warriorに新「作戦」構想はどうしても必要だと語っている。
  10. 「砂漠の嵐で世界にエアーランドバトルの実情を示しました。それまでは想像の世界だったものを現実に見せてしまった。各国は米軍を研究している」
  11. クリードは新構想は将来と現在の脅威を想定したとし、北朝鮮、イラン、ロシア、中国の名をあげている。
  12. これから登場する「指導」原則ではゲリラやテロ戦闘員の脅威も国家単位、非国家勢力から今後も続くと想定しているが、強力な戦力を有する敵国相手のハイテク戦闘環境への対応を強調した内容になっている。
  13. 強力な敵国には空母、ステルス機、次世代戦車、極超音速兵器、無人機、長距離センサー、精密誘導技術もあり、米軍の側で戦術を適正に変えないと急速な変化に対応できなくなる。
  14. 例としてロシア、中国はともにステルス代後世代戦闘機、電子戦能力、防空体制を進化させており、以前より広範囲の周波数による長距離航空探知が可能になったと主張しており、長距離精密誘導兵器には米空母を900マイル先から狙えるDF-21D(中国)があり、米軍が従来のように自由活動できず、兵力投射も十分に行えない地点が生まれる新たな脅威を示している。
  15. 地上戦の新規構想では米陸軍は長距離陸上配備精密兵器を有する唯一の存在ではないことを前提にしている。JDAMやGPS誘導兵器は湾岸戦争時にすでにあったが、陸上配備の精密兵器として155㍉GPS誘導エクスキャリバーがあり30キロ先を狙える火砲がこの10年で登場している。精密誘導陸上火砲は他にも保有する国が現れている。
  16. さらに陸軍のGPS誘導ミサイル同時発射装備Guided Multiple Launch Rocket System (GMLRS) は70キロ先の敵軍を破壊できる最新装備であるが同様に敵国になりそうな勢力が同様の兵器を投入し始めている。
  17. 無人機では陸軍にシャドーやグレイ・イーグルがあるが、同様に多数国が類似装備を導入しており、高度脅威の高度技術が世界で生まれている。
  18. こうした高性能兵器の登場で新構想を練る必要が生まれ、新戦術や構想、戦略や戦闘方法を新たな作戦環境に適応させるのだ。その一環にジャミング戦術やセンサー機能の充実があり、サイバー攻撃や長距離精密兵器も拡充させる必要がある。
  19. 世界各地での脅威の高まりに呼応して米陸軍は新技術を盛り込んだ次世代装備の充実を図る一方で主要装備の性能向上も目指している。例としてエイブラムズ戦車、ストライカー装甲車、パラディン、ブラッドレー戦闘車両がある。エイブラムズではハイテク性能改修で、今後登場するロシアのT-14アルマータ戦車や中国の99式主力戦車を凌駕する存在になったと開発担当者は述べている。
  20. 米陸軍の現行教則である野戦教本3.0 では「全面対応」作戦として非国家勢力の脅威対抗も含めている。また「全政府対応でテロ対応、合同作戦、安定化作戦と合わせ将来に予想される進展に対応する」とある。
  21. 全面対応とは陸軍作戦に心理戦、人道援助作戦、非対称戦、訓練装備整備を含めるとともに同盟国との協調体制を維持しやあらゆる戦闘の可能性に備えることを意味する。
  22. イラク、アフガニスタンでの作戦が減少してきたため、米陸軍は訓練の主眼を機械化戦や大規模な直接対決に移し、これまで15年間を対ゲリラ戦に費やしてきた流れから脱しようとしている。ここでも新しい教導方針の注力点が見られる。
  23. これまでのFM3.0完全対応版でも最新の脅威として「ハイブリッド戦」などへの対応も盛り込まれているが相手国が整備中の装備がどこまでの内容になっているかまでは認識が十分でなく、米国装備と同等なのか優れているのかまで言及していない。
  24. ISISや国家支援を受けたテロ集団のハマスやヒズボラではテロ戦闘員特有の戦術に高性能兵器が加わり、高度センサーや監視ネットワークに加え、対戦車誘導ミサイルのような精密兵器も見られる。このように混在した脅威のため各種兵器や対テロ戦術を随時組み合わせるのが米陸軍が想定するシナリオの一部だ。
  25. 新教本では急進展を見せるペンタゴン戦略を「マルチドメイン」戦として取り込んでいる。これは敵戦術に新技術が加わってきたことで各軍横断的に多様な舞台での対応が必要との認識から生まれた構想だ。
  26. 主眼はサイバー、電子戦、精密兵器、宇宙空間、無人機、C4ISRの各ドメインにある。各分野での急速な進展により各装備横断的な接続による戦闘の重要性が浮かび上がっている。例として艦載F-18により陸上砲兵部隊が通常は不可能な長距離での目標捕捉情報を得ている。
  27. 「宇宙やサイバー作戦能力は地理条件とは無関係でむしろ無限の距離で作用する機能です。司令部はこのような作戦実施も考える必要があるのです」(クリード大佐)
  28. マルチドメイン戦の例に陸軍による海上戦対応があり、陸上配備ロケット砲で敵艦船の攻撃を想定している。陸軍が進めているのはペンタゴンの戦略装備整備室とともにATACMミサイルセンサーで海上移動する敵を有効に攻撃することだ。
  29. 構想が重要になるのは敵側が米軍の統合作戦を妨害あるいは分断摺る能力を整備してきたためだ。
  30. 背景にはジャミング戦術が各地で広がってきたこと、高性能センサーやサイバー攻撃さらに長距離精密攻撃兵器の普及がある。
  31. 大規模かつ全面的な陸上戦闘への関心は当然としても新構想では緊急対応にも言及しシナリオや戦略には武力を使わない場合もあるとクリード大佐が説明してくれた。■
Kris Osborn can be reached at krisosborn.ko@gmail.com
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Author - Kris Osborn

2017年10月9日月曜日

☆ステルス「爆撃機」B-21の姿と性能を予測すると...



LRS-Bという名称は爆撃機型のBであり、その他機種が想定されていることが分かります。とりあえずB型が登場しますが、もはや伝統的な爆撃機の機能を超えた「バトルプレーン」に近い存在になりそうです。その分だけB-2が遠回りをしたことになるのでしょうか。いや、時代がやっと当初想定していた環境になってきたのであり、単座小型戦闘機にはいよいよ終幕が近づくことになるのか、B-21に期待が集まりそうですね。

The B-21's Three Decade Old Shape Hints At New High Altitude Capabilities

Northrop Grumman seems to have gone "back to the future" with their next generation stealth bomber design, and that's actually really exciting.

ノースロップ・グラマンの次世代ステルス爆撃機は「バックトゥフューチャー」の観があり興奮を感じさせる設計だ

BY TYLER ROGOWAYOCTOBER 6, 2017

NORTHROP RENDERING

B-21レイダーの詳細情報はほとんど存在しないままだが本誌はこれまで多用途戦略ステルス機としての同機の基本形状や特徴をお伝えしてきた。最近になりノースロップ・グラマンから別の想像図が出ており、最新技術や製造方法を駆使して製作される同機の形状に新奇の観はなく三十年前のステルス爆撃機革命の黎明期に戻るようだ。
USAF
2016年2月26日に発表された想像図

一見するとB-21は同社のB-2スピリットと酷似しているがちゃんとした理由がある。ノースロップはB-2の設計を30年前に確立しており、B-21にも応用するようだ。当時米空軍が低空侵攻能力を追加注文しなければ実現していたはずの性能がいよいよ現実のものになろうといているのだ。

B-21が同じ形状として2017年9月の空軍協会年次総会で同社が掲示した宣伝媒体に見られた。
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#northropgrumman Gearing up for #afa2017 @usairforce looking good @Whiteman_AFB
低空飛行性能の追加はロシアの防空レーダーがさらに高性能化しB-2のステルス性能が無効になることを空軍がおそれたためだ。レーダー有効範囲の下をくぐる飛行がB-52やB-1でも同様に必要となり、以前のような高高度をステルス特性を生かしながら飛行し残存性を狙えなくなった。
この無駄な追加でB-2ではステルス性が一部犠牲になっただけでなく、機体重量が増え、上昇限度も当初の60千フィートが50千フィート程度に下げられる結果となった。さらに航続距離が短くなり、なんといっても機体価格が大幅にあがり、結果としてハイエンドを極めた高価な機体になってしまった。
ノースロップ提案の高度技術応用爆撃機(ATB)設計構想(後日のB-2)は「シニア・アイス」の名称が開発期間中につき今や有名なノコギリ状の後縁部はついておらず、かわりに大型ウェッジシェイプの 尾部となっていたのは現在のB-21レイダーと同様だ。ノコギリ形状は米空軍が前述したようにどたんばで要求内容を変更し低空侵攻能力を求めてきたことへの対応である。
PUBLIC DOMAIN
米空軍が低空侵攻能力を要求追加する前の当初のATBの形状

すべては1980年代のことでレーガン大統領が国防予算を増額させソ連が真剣に脅威とされていた時代の話だ。わずか数年で冷戦は終わり、議会が製造機数を大幅削減したこともありB-2の機体価格は急増する「死のスパイラル」に入り、生産はわずか21機で終了している。
NORTHROP/PUBLIC DOMAIN
ノースロップのATB原設計では傾斜角つき尾翼や主翼に垂直構造物さえも追加され全翼機のヨー制御を試した。最終的に分割式のラダー「エレボン」が採用された。B-2にはV字形の尾翼が残っていることに注目。低空性能の追加で設計内容には多様な悪影響が残った。

今日のB-2は「切り札」兵器システムの認識で高い需要に引っ張りダコの存在であり、米国の秘宝というべき存在だ。真価を発揮する機会も多々あり、直近ではリビアの第二回攻撃に投入された。小規模部隊だが改修を数回となく受け21世紀後半でも供用が期待される。
B-21想像図では排気口が見えないが、まさか後縁部や機体下部に配置されることはないはずだ。赤外線探知に一番弱い場所だからだ。だがこれは奇異なことではない。というのはB-2でも最初の公表図で排気系が全く描かれておらず、同機の機構上最も機微な部分であったためであり今日でも変わっていない。(米空軍基地でB-2を撮影する場合も機体後部の撮影は禁止されている)
USAF
初期のB-2想像図では排気口付近の描写を省略している。この角度で見るとB-2は2016年公表のB-21想像図と酷似していることに注意。
米空軍とノースロップ・グラマンがB-21でも1980年代後半を回顧してB-2の情報開示方法を参考にしているのは疑いない。
ノースロップがステルス爆撃機設計案を公開した30余年前のコンピュータ性能は今日の数分の一もなかったが、B-21の形状が初期のシニア・アイスに酷似しているのは新型爆撃機の有する性能に興味深い点が多々あることを示す。
B-21の機体形状が高高度侵攻機シニア・アイス構想に酷似しているのはB-21が高高度飛行用で究極の空力学特性を追求した兵器センサー搭載機であるためだろう。この事は極めて重要だ。ノースロップのATB原設計の実用高度は60千フィートが目標でB-21がこの高度を念頭に置いていることは想像に難くない。作戦距離からこの高度に意味があり、燃料消費・推力共に低くおさえRQ-4グローバルホークの飛行限界近くを飛べることでB-21にセンサー装備を搭載し長距離飛行させる可能性が生まれてくる。
USAF
B-2 スピリットの実用高度限界は要求内容の変更で犠牲になっている。だがB-21レイダーではこの制約はない。
同時にB-21ははるか下を飛行する戦術機よりも長時間滞空が可能となる。このため通信データリンク中継点として機能できF-35、F-22他無人戦闘航空機のデータリンクとつなぎ情報を吸い上げることが可能だ。また逆に各機に戦場の全体図をデータ「融合」して伝えることもできる。

低空を飛ぶステルス機から戦場情報を中継することも可能だろう。つまりB-21はステルスの戦場空中通信中継機材Battlefield Airborne Communications Node (BACN) となり、最前線近くまで進出する重要機材になる。
同じ構想がここにきて多数発表されており、米空軍も高い優先順位をつける問題解決手段となりそうだ。ネットワーク、情報共有に加えこれまでの機材中心の情報収集を「分散型」に変える動きにつながる。
LOCKHEED MARTIN
ステルス全翼機(ここではB-2)がステルス各機(F-35,F-22、UCAVS)の上空を飛行し通信ゲイトウェイになっていることに注目。EQ-4グローバルホークがBACN機材として同様の機能を果たす。B-21とRQ-180もステルス機同士で低探知性のデータリンクを実現するだろう。
同時にF-22ラプターと同様にB-21の兵装はJDAMから大型貫通爆弾まで多様であり、超長距離空対空ミサイルも含まれレイダーの高高度飛行を活用するはずだ。レーザーの搭載も実現すれば有効攻撃半径がさらに伸びるだろう。スタンドオフ攻撃能力があがりながら残存性が高まり、攻撃距離が延びることになる。
そうなるとB-21はステルス多用途機となり従来の爆撃機の分類は無理となり広範なミッションに高高度飛行で対応するはずだ。また同時に同機は構造上の要求内容からも複雑化を避けてエンジン推力も極端に強力である必要もなく、燃料搭載量も減らしながらミッション実施が可能となるはずだ。
ノースロップ・グラマンが厳しい米空軍の注文の中で製造コストを下げることが可能なのもこの背景があるからだろう。さらに機体形状は広帯域低視認性実現のカギともなる。ステルス機の機体が大型になっても機体全体での形状変更(水平垂直尾翼、機首の工夫等)があれば低周波レーダーに照射されても機体背後の放射線との区別がつかなくなる。
NORTHROP GRUMMAN
ノースロップ・グラマンの次世代爆撃機構想図はLRS-Bになる前のものだが、同社の特徴たる「つぶれた凧」形状が描かれており、B-2の全翼機構造とは異なる。
高高度飛行の要求により今回のB-21にはノースロップ・グラマンの代名詞ともいえるノコギリ状の主翼設計が採用されていないのだろう。同社のX-47B実証機にもノコギリ状の特徴がみられた。同社は機体形状を複数検討し、一部は初期の次世代爆撃機構想にも採用されていた。ただしLRS-B事業が始まると方向性に変化が生まれている。
本誌ではノースロップ・グラマンにはRQ-180高高度長時間航空機(HALE)についても数度にわたり話題にしてきた。同機が同じノースロップ・グラマンの設計に大きな影響を与えた可能性は排除できないが、米空軍にもB-21要求水準で影響を与えたのだろう。2000年代後半に国防総省がロバート・ゲイツ長官による大きな方向転換の中で新型爆撃機開発に乗り出した。
USAF
B-2は今日でも非常に未来的なマシンである。B-21は小型軽量化されるはずだが同機の登場でB-2も主役の座を奪われる日が来るだろう
RQ-180や次世代爆撃機実証機がこの流れを受けているのは確実で10年近く停滞はあったが努力が実を結んできたといえよう。RQ-180は少数機しかないが、B-21と良い組み合わせになりそうで、その関係はE-11とEQ-4によるネットワークゲイトウェイ機能、U-2SドラゴンレイディとRQ-4Bによる偵察ミッションに見られる関係と似ている。
また長距離打撃爆撃機構想の要求内容でB-2より軽量かつペイロードも少ない機材が想定されたことも安価でいながら高高度性能の実現を目指したためと判明している。ボーイングによるLRS-Bコンセプト図もB-21ならびに先立つシニア・アイスと酷似している。
BOEING
ボーイングのLRS-BコンセプトもB-21や高高度侵攻機「シニア・アイス」案と酷似している。
すべての事実はノースロップ・グラマンが「バックトゥザフューチャー」でB-21レイダーの設計をまとめたことを示しており、同機の性能はいかなる既存機種とも一線を画し、ミッション実施ではB-2をしのぐ存在になることを示唆している。世界初のステルス爆撃機登場から30年が経過してノースロップ・グラマンB-21で多くの点で本来あるべき爆撃機の姿を実現し、さらに多くの機能を果たす機体になることに一番の興奮を感じる。
新情報や詳細な図あるいは写真がグラマンから公開されればもっと多くがわかるのだが。
噂では新型機は同社の第42プラント(カリフォーニア州パームデール)で進行中だという。■

2017年10月8日日曜日

F-22はシリアで何をしているのか



シリアの不毛の地の上空に投入するとはちょっともったいない気もしますが、ステルス機の利点を生かして圧倒的な情報優位を確保している分だけ地上部隊初め僚機も安心して作戦実施できるのでしょう。であれば戦闘機を投入する必要がない気もしますが。それはともかくこれから半世紀近く供用しなければならないので米空軍も慎重なのでしょう。一時は生産ライン再開の話もありましたが計算すると非経済的な結果しか得られないためいつの間にか消えたようです。しかしF-Xが失敗したりするとなりふりかまわず近代化F-22の生産再開の話がいつ生まれるかわかりません。

F-22s Act as Flying Scouts Over Syria

Sensor fusion puts stealth fighters in a leading role

シリア上空のF-22の役割は空の監視兵
センサー融合機能でステルス機の優位性を発揮
F-22s Act as Flying Scouts Over Syria
WIB AIR October 4, 2017 Robert Beckhusen

三年前のこと、F-22ラプター四機が米主導多国籍軍によるシリア国内のISIS空爆第二波に加わり、爆弾投下した。ステルス第五世代戦闘機の同機で初の実戦投入となった。多国籍軍の作戦立案部門はF-22の低視認性と高性能センサーを生かす方法を模索しながら通常型機材の護衛にもあたらせシリアの戦闘機や防空装備が稼働した場合に備えていた。幸運にもシリア軍は動かなかった。
いきなり現在に飛ぶとF-22は今もシリア、イラク上空を飛んでいるが任務は護衛にほぼ集中している。「初めて当地に投入された際は95%が精密爆撃だったが今や95%が航空優勢の確保になっている」と「シェル」(コールサイン)中佐(第27派遣戦闘機隊)が語っている。
航空優勢確保こそロッキード・マーティンと米空軍がF-22に当初から期待する役割である。だが中東ではこのミッションは通常は偵察任務を意味する。「シェル」中佐によればラプター編隊は空域の「戦闘回避」効果に投入され、ロシアやシリア機を米軍やシリア民主軍(クルド人民防護部隊が中心の戦闘員部隊)から引き離すのが役割だ。
F-22がこの任務に最適なのはアクティブ・パッシブ両方の高性能センサーで各データを「融合」させパイロットの前の画面に映し出すせるからだ。またこれによりラプターはE-3AWACS同様の指揮統制機となっており、友軍各機に該当地区の情報を送り突然の脅威出現をいち早く知らせている。同時にロシア機には接近しすぎないよう無線で警告を与えている。多国籍軍機が標的近くまで接近するとラプターが誘導を助ける。
Above, at top and below — F-22 Raptors over the Middle East in 2017. U.S. Air Force photos

F-22は狙撃手の存在だ。自機の搭載する戦力も投入できるが、中東での主要な仕事は上空監視だ。2016年8月にはシリア北部で展開する米特殊部隊にシリアSu-24機が接近しすぎたためF-22編隊が追い払ったこともある。ステルス性能により敵になる可能性のある機体や地対空ミサイル陣地に接近しても探知される危険が少ない。
F-22は完成度が高い機体になっており、初飛行は1997年だったが、米空軍が少なくとも今後43年間供用する予定にしているのは機体に十分がある一方で、累積稼働時間がさほど長くないためだ。
航空戦闘軍団のアナリスト、トム・マッキンタイヤーは下院軍人員会で2017年6月に証言している。「ラプターは1990年代からさほど酷使されておらず構造試験においても積極的な寿命延長策をしなくても大体2060年までは十分に供用できるとわかっています」

とはいえラプターの生産は終了しており、生産再開した場合は恐ろしく高費用になりそうだ。コンピュータハードウェアは1990年代製で部品の大部分は生産終了している。空軍の言い分はF-22再生産は非合理的とし、結局、F-22の調達は予定381機が187機で停止した。
F-22が2060年代まで飛ぶには大規模性能改修はどうしても必要だ。2018会計年度予算では10億ドルが計上され、レーダー他アンテナの換装、新型エイビオニクスとしてディスプレイ、データリンクや暗号化ソフトウェアの導入が予定されている。
またF-35のステルス機構をF-22に流用する策もある。ヘルメット搭載型の標的捕捉システムが導入され、パイロットはどの方向を見ていても兵装を敵に向かわせることが可能となる。このハイテクヘルメットはスコーピオンと呼ばれるが、F-35ではヘルメットが重いこと、射出脱出の際に危険になることからF-22パイロットが果たしてこのヘルメットを希望するか疑問の声もある。
だがパイロットはラプターが気にいっておりイラク、シリアにおける監視任務で十分な機能を発揮していることから米空軍も高評価を与えている。■

★★航空自衛隊向けAMRAAM最新型の導入へ



Japan to receive additional AMRAAM missiles

  
Source: US Air Force

 Gareth Jennings - IHS Jane's Defence Weekly
05 October 2017

日本がレイセオンAIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)を調達する。米国務省が売却を承認した。
米国防安全保障協力庁(DSCA)が10月4日に公表した案件内容によればAIM-120C-7ミサイル56発を売却するとあり、総額113百万ドルと見られる。
「同案件により日本に必要な本土防空能力の拡充が図られ同時に日本駐留の米軍関係者の安全も確保される」とDSCAは発表している。案件の実現には議会承認が必要だ。
航空自衛隊にはAIM-120C-7がすでに配備されており、導入は2014年から始まっている。導入済みAIM-120C5を補完し戦力強化となる。
AIM-120C7はAMRAAMの中でも際立った性能改修型だ。Jane’s Air Launched Weaponsでは同ミサイルのアンテナ、受信機、信号処理ハードウェアの改修で最新の脅威に対抗する能力が実現し、電子装備小型化で今後の性能向上のスペースが内部に生まれたとある。

同ミサイルにはアクティブレーダーシーカーがつく点でAIM-120Aと変わりがないが、ソフトウェア改修に加えAIM-120C-5と同等の推進系でロケットモーターが大型化している。■


2017年10月7日土曜日

米空軍の戦力低下と世界危機、ヘリテージ財団の警鐘


予算確保のため米軍は厳しい状況を意図的に伝える傾向があるのですが、米空軍の状況は実際に悪いようです。予算削減が続く中でしわよせが人的資源に現れた結果と思われますが、再建に数年かかるでしょう。その間に北朝鮮とイランという最悪の組み合わせで戦闘が始まれば戦勝の実現はおぼつかないというのが今回の報告書の指摘でしょうか。

Aerospace Daily & Defense Report

Influential Think Tank Warns Of Drop In Fighter Capability

有力シンクタンクが米空軍戦闘機兵力の減衰に警鐘を鳴らす

Oct 5, 2017Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

F-15: Boeing
  1. トランプ政権に近いワシントンの有力シンクタンクが米空軍の戦闘機戦力の低下に警鐘を鳴らしている。
  2. ヘリテージ財団による「米軍事力指標」によれ戦闘機数がば昨年から大幅減少し空軍の第一線戦術戦闘機は現在923機とある。昨年より236機の減少で、ヘリテージが算出した二大戦役同時勝利に必要な水準1,200機からも277機不足している。同財団はこの機数を基準にして米戦力を評価した。
  3. パイロット不足も1,000名の大台に近づきつつあり、整備陣が3千名も不足しているため米空軍の有事対応力は減衰中と報告書で指摘した。
  4. 総合評価では米空軍の戦力、規模、即応体制は「最低限」と評価し、いいかえると現時点で同時に二方面で大規模戦に米国が巻き込まれると現状の戦力水準では要求にこたえられない。
  5. 総合評価は昨年から大きくは変わっていないものの訓練・機体整備両面の不足に加えパイロット自身の自己評価でも退潮は明らかとしている。
  6. 米空軍が状況悪化の進行を食い止められない一方で海外の敵勢力は戦力整備にまい進しているとヘリテージが強調している。
  7. 「米空軍の総合戦力評点は下降を続けており、米国の航空優勢確保は潜在敵国の技術力向上により脅かされている」と報告書はまとめている。同財団が特に懸念するのはF-15Cの第一線配備が106機しかないことで同型が全機退役した場合に生まれる能力ギャップだ。
  8. 朗報もある。F-35Aは価格面、日程面、さらに技術面で苦労を経験してきたが新戦力として期待できる存在に育ってきたと同財団は評価している。「同機パイロットは機体に多大な信頼感を寄せており、同機事業にはずみがついてきた観がある」
  9. 総合するとヘリテージ財団の評価は米軍の現時点の姿を「最低限水準」で「弱体化」に向かいつつあるとしており昨年版から変化はない。つまり、現状の部隊戦力で大規模地域戦闘が一つ発生するなら対応は可能だが、「それ以上になると苦しく」なり大規模戦闘が二つ同時進行で発生すると「装備不足」は否めないとする。
  10. ヘリテージ採点では米陸軍・海兵隊は「弱体」としながら米海軍は「必要ぎりぎり」としている。
  11. 同時に米核戦力も「最低限」としたのは旧式化著しい装備に依存しているためで潜在敵国の「野心的な」戦力整備に比べると「著しい」違いがあるとする。ヘリテージはロシア、中国、イラン、北朝鮮の事例をあげ、とくに北朝鮮のミサイル試射のペースが急であると指摘している。■

2017年10月6日金曜日

USSマケインの修理は横須賀で実施へ



Stricken Destroyer USS John S. McCain to be Repaired in Japan

衝突事故を起こしたUSSジョン・S・マケイン修理は日本国内で実施へ


誘導ミサイル駆逐艦USSジョン・S・マケイン(DDG-56)がシンガポールのチャンギ海軍基地に停泊している。同艦は民間船 Alnic MCとマラッカ海峡東で衝突した。事故調査は別途進められる。US Navy photo.

 By: Sam LaGrone
October 4, 2017 4:50 PM

THE PENTAGON — 8月21日にシンガポール沖で民間貨物船と衝突したUSSジョン・S・マケイン(DDG-56)の修理は日本で行うことになったと米海軍関係者がUSNI Newsに伝えてきた。
  1. 修理は横須賀の艦艇補修施設内で行うという。
  2. 「被害評価は事故直後にシンガポールで実施し工事は日本で完結することがわかり、最小の工費で同艦を現役復帰させられる」と米太平洋艦隊が発表している。「横須賀は前方配備海軍部隊 (FDNF) 用の施設があり乗員および家族にも安定かつそのまま同地に残る機会が生まれる」
  3. マケインにはタンカーAlnic MCのブルバスバウが突き刺さる形で衝突し艦内浸水と10名の乗員の犠牲が生まれた。深刻な被害だが浸水による艦内電子装備損傷は発生せず被害は一部に集中していた。
  4. 海軍の費用積算ではマケイン補修に223百万ドルが必要となり工期はほぼ一年だ。「艦修理の一方で乗員は訓練と即応性維持に従事しながら艦の復帰を待つ」と太平洋艦隊は発表した。
  5. 海軍は同艦をシンガポールから横須賀に移動する準備に入っており、今月末にも大型輸送船で運ぶ。
  6. 他方で損傷度が大きいUSSフィッツジェラルド(DDG-62)は横須賀からミシシッピ州パスカゴウラにあるインガルス造船施設に今年12月に移動され大規模補修工事に入る。同艦は日本沖合で6月17日に商船と衝突し7名を失っている。
  7. 両艦は駆逐艦戦隊15に所属し、前方配備空母USSロナルド・レーガン(CVN-76)の護衛部隊として域内弾道ミサイル防衛任務にも従事していた。米同盟国の防衛を主に北朝鮮を想定し展開していた。■

北朝鮮は米核攻撃に耐えられる---地図からの抹消は不可能では


政治家がえてして好戦的な発言をし、軍人が軍事作戦に及び腰に見えることがありますが、現実を知っているかいないかの違いです。今回の危機がどこまで続くかわかりませんが、北朝鮮が開戦数十分で地図から消えることはないようです。このブログの読者の皆さんは現実感をいつも維持してくださいね。


Why It Might Be Nearly Impossible to Destroy North Korea's Nuclear Weapons

北朝鮮核戦力の排除は実は不可能に近いという事実

October 4, 2017


  1. 状況がさらに悪化しホワイトハウスの目指す経済外交圧力が機能せず朝鮮半島の非核化が遠のけば、いよいよドナルド・トランプ大統領は自ら口にした「世界のだれも見たことのない炎、怒り、軍事力で」北朝鮮に対決せざるを得なくなるかもしれない。
  2. 大統領が北朝鮮に核先制攻撃を実施する選択をしても平壌の核兵器を発射前に確実に殲滅する保証はない。とはいえトランプが開戦を選択すれば北朝鮮の核一次攻撃力あるいは通常兵力をもぎ取ることがワシントンの課題となるはずだ。
  3. 巡航ミサイル多数を投入した通常兵力攻撃で平壌の有する固定式核兵力は大部分を除去できるはずだ、ただし米情報機関が正しい攻撃対象の位置を把握している前提だ。だが移動式発射装置の除去は難易度が高い。さらに超強固に固めた地下施設もある。ノースロップ・グラマンB-2Aスピリットは30千ポンドGBU-57大型貫通型爆弾二発を搭載するが、この爆弾でも最大限の強度を実現した北朝鮮地下施設の完全破壊はむずかしいだろう。
  4. GBU-57は厚さ200フィートの強化コンクリート壁を貫通するといわれるが実際の性能は機密事項であり、流布している情報は多分に楽観的と見る専門家は多い。さらに北朝鮮施設が地下200フィートより深く構築されている可能性は高い。問題をさらに複雑にするのは米国が有するGBU-57は20発しかなく、北朝鮮は施設をもっと多く構築すればよいのだ。
  5. このため核兵器投入が北朝鮮核施設除去の有力な選択肢になる。米国の核兵器備蓄量は相当なものがあるが、そもそもは第三次世界大戦を予期してソ連を相手に想定して整備されたものだ。朝鮮半島の地理条件を考えるとミニットマンIII大陸間弾道ミサイルは投入に適さないだろう。というのは飛翔軌道がロシア、中国上空を通過する必要があるためだ。この二国との核対立を招けばもっと危険な事態になる。
  6. 潜水艦発射の弾道ミサイルを投入すれば中国が北朝鮮に近いこともあり快く思わないはずだ。SLBMが自国を狙ったものではないと中国を納得させるのは至難の業だ。このため、核兵器を北朝鮮に投入する手段で一番確かなのがB-2になる。B-2は北朝鮮に侵入し目標をさがしB61熱核爆弾を北朝鮮核兵器上に投下する。だが核兵器と言えども地下深くの目標への威力が十分ではない。
  7. 「核兵器でも地下深くの施設に対しては効果が限定される」と2005年観光の憂慮する科学者連盟による報告書は指摘している。「例として地中貫通型兵器に米最大規模の1.2メガトンB83弾頭を付けた場合、地下1,000フィート施設の破壊は可能だ。だが対抗して地下壕をもっと深くに構築すれば核攻撃にも対応可能となる」
  8. 仮に米国が北朝鮮の固定式核装備を除去したとしても移動式発射装置の追跡が残る。砂漠の嵐作戦で判明したように移動式弾道ミサイル発射装置の捜索破壊は極めて困難で時間もかかる。砂漠の地形でもくこうなので北朝鮮の地形を考えると状況は厳しい。そうなると北朝鮮は報復攻撃の実施に踏み切る可能性が出てくる。残存する核ミサイルが一発でも発射されれば大変な混乱が生まれる。
  9. 先制攻撃に踏み切れば別の可能性が生まれる。米国は国際社会でのけものにされ、日本、韓国との同盟関係は破たんし、ワシントンは中国ロシアの怒りを買い、簡単に収まることはない。さらに自由世界の指導的立場などアメリカにとって過去の話となり、世界の文明国はこぞってワシントンを敬遠するだろう。
  10. そうなると抑止効果の模索が今後のとるべき行動としてすぐれていることになる。■
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.