2020年11月7日土曜日

中国、ロシアとの対決に動員できる機数が足りない! 米国の空軍力の現状を憂う報告書

  

メリカの空軍力の勝利の方程式は敵より多くの機体を、優れた整備を経て配備することだ。だが現実には米軍はあまりにも多くのミッションへ対応を迫られ、戦闘に疲れてはないものの、整備が重荷になっている。

 

トラック台数が少ないのに配達先ばかり多い運送会社のようだ。米空軍力は酷使されているが整備が追いついていない。

 

RANDコーポレーションと米会計検査院(GAO)から二通りの報告書が昨年出た。ともに米空軍力の現状に悲観的だ。まずRANDは米空軍に将来想定される四種類のシナリオで戦闘力を発揮できるか検討した。①ロシアまたは中国との対決 ②大規模地域紛争として朝鮮戦争やヴェトナム戦争同様のシナリオ ③新しい冷戦として小規模な対決を砂漠の嵐作戦を想定、④対テロ作戦だ。類似例の事例からRANDは空軍が対応を迫られるミッションに8種類を上げた。制空、攻撃、空輸、空中給油、C3ISRがここに入る。

 

ほぼそのすべてで空軍は100パーセントの要求に答えられないとRANDは評価。地域紛争が長期化の場合、攻撃では60パーセントしかこなせない、空中給油も92パーセントの需要しか満足させられないという。

 

 

 

可能性が最も低いと思われる戦闘シナリオが空軍を最も疲弊させるのは皮肉としか言いようがない。RANDは「最大の驚きは平和維持活動が空軍に最大の負担となること」と述べている。平和維持活動の一環としての飛行禁止区域設定のシナリオではC3ISRの要求で29パーセントしか満たせず、給油機の需要では32パーセント、特殊作戦関連では40パーセント、爆撃機ミッションの46パーセントしか実施できない。

 

RANDはこの試算を「バルカン半島、中東での飛行禁止措置の長期化で戦闘機、給油機、C3ISR/BM(戦闘統制)の各機材でローテーション配備が必要となった」事例から導いた。言い換えれば、飛行禁止措置の執行のような普通の任務でも長期化すれば、重荷になるということだ。

 

一方で会計検査院報告書で2011年から2016年にかけ空軍、海軍ともに機体の稼働率目標が未達と明らかになった。空軍海軍の13機種について、GAOは重整備の遅れ、必要部品が生産終了となっている、整備要員の欠員、耐用期間を超えても飛行させている事例を指摘している。

 

「機体稼動率が目標を下回ると、訓練や実戦ミッションが期待通り実現できない場面が生じかねない」とGAO報告書は指摘し、「たとえばF-22飛行隊関係者から稼働可能機材が足りず制空任務が達成できないとの不満を聴取した。F-22パイロットは充実した訓練があってこそ制空任務が実現できる。さらに司令部レベルでは機体稼働率が目標水準以下のため、緊急事態の場合に十分な機数を動員できない事態もありうるとの見方がある」

 

海軍では第一線部隊に機材を優先手配し戦力を維持しているが、後方部隊に訓練機材も不足する事態が発生している。

 

また旧式化して維持が高費用となっているやっかいな機材はどうするのか。何か手を打つ必要がある。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

The Air Force Doesn’t Have Enough Jets to Take On Russia and China

November 7, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: RussiaChinaMilitaryTechnologyF-15

 

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook. This first appeared last year.


2020年11月6日金曜日

米国内演習にMi-24ハインドが投入されているのはなぜか。超大国間戦に備える姿がそこにあった。もっとすごいのは民間企業がハインドを保有していることでは。

 

 

 

 

空軍の救難ヘリコプター部隊が2019年11月に強力なソ連時代のミルMi-24ハインド攻撃ヘリコプターを前に模擬戦闘訓練を展開した。

 

演習はアリゾナのデイヴィス-モンタン空軍基地で展開され、同基地駐留の第55救難飛行隊にヘリコプター同士の戦闘に備える機会となった。

 

Mi-24の2機が同基地に飛来した。空軍公式写真では大型複座の同機が砂漠上空を低空飛行する様子やハンガー内で第55救難飛行隊のシコースキーHH-60Gぺイヴホーク救難ヘリコプターと肩を並べる姿が写っていた。

 

 

 

ソ連崩壊を受け、米軍は1990年代初め以来ハインドを実際に所有し、借り上げている。うち軍所有のMi-24の2機はネリス空軍基地に配備されている。

 

さらにVTSエイヴィエーション社が二機所有し、一機はブルガリアが運用していたMi-24Dで、アラバマ州ハンツビルに常駐する。VTS社のハインド各機は一時は博物館展示機だった。

 

The Aviationistのトム・デメリーによれば今回アリゾナに展開したMi-24はVTS所有機という。デイヴィス-モンタン基地での訓練は同基地部隊には難易度がきわめて高い内容だった。ハインドはじめソ連時代のヘリコプターは対地攻撃、空対空攻撃の双方をこなす。

 

空対空モードではハインドは機首の機関砲や無誘導、誘導式双方のロケット弾で敵ヘリコプターを排除する。ヘリコプターで敵ヘリコプターを攻撃するのは容易な仕事だ。

 

このため米空軍ではA-10攻撃機をヘリコプター援護に使い、敵ヘリコプターからの攻撃に備える。F-16よりもA-10の低速飛行性能が適している。しかし、ハインドは対ヘリコプター攻撃に性能を発揮する。

 

「ネリスのウェポンスクール以外の場所でこの訓練を展開するのは今回が始めて」と55救難隊のカート・ウォーリン大尉がいう。「HH-60G対HH-60Gの訓練しかしていないので今回は大変化だ」「この訓練で他機種が敵の場合にどんな状況になるかわかるので戦術や手順も対応できる」

 

55救難隊のぺイヴホークはUH-60ブラックホークの派生型だ。HH-60Gには追加センサー、空中給油用プローブがつき、大型機関銃も搭載する。

 

空軍にぺ一ヴホークが100機ほどあり、墜落機のパイロット救出のほか、地上部隊の救出、傷病兵搬送を危険地帯で実施している。G型が旧式化してきたので空軍はHH-60の新型の導入を始めている。

 

ぺイヴホークは中東やアフガニスタンの戦闘地帯に投入されてきた。搭乗員は地上の砲火や悪天候、険しい地理にも対応してきたが、敵部隊の武装ヘリコプターから攻撃を受けた事例はない。

 

ただしこの状況も米国が大国と戦えば一変する。2019年11月の演習は新状況に適応する意味もある。「55救難隊はこの訓練で今後の対応に備えられる」とウォーリン大尉も述べる。


「大国相手の戦闘に備えるべく実力を引き上げたい。ゴールドフェイン参謀総長がまさしくこれを指示している」

 

ペンタゴンが一層現実的なハイエンド演習を増やす中で、VTS社保有のハインド両機が各地の米軍基地上空にあらわれる機会も増えそうだ。

 

海兵隊は2018年にMi-24あるいはMi-17ヒップ輸送ヘリコプターを敵機として借り上げアリゾナ州ユマでの演習に投入する可能性を模索した。

 

「Mi-24はその大きさ、性能、火力、防御行動能力がこちら側にない戦力となり、今後も脅威になりうる」と海兵隊は当時説明していた。■

 

この記事は以下を再構成したものです。20年間戦闘員相手の戦いを展開してきた米軍がロシア、中国との対決に切り替えていくのは相当ハードルが高いでのしょうね。

 

Why the U.S. Air Force is Flying Russian Mi-24 Attack Helicopters


November 5, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: RussiaU.S. Air ForceMilitaryTechnologyHelicopterMi-24

by David Axe 

 

David Axe serves as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This article is being republished due to reader interest.


2020年11月5日木曜日

レイルガンの夢と現実。

 

「指向性エナジー兵器」構想は早くも19世紀の通俗小説にあらわれたが、SFの世界をそのまま現実にする兵器技術をフランス人発明家が第一次大戦中に提唱していた。

 

レイルガン構想は化学反応では到底無理な距離まで発射体を大型電気回路で飛ばそうというもので、提唱したのはアンドレ・フォション-ヴィレプレーだった。このフランス人は簡単な構造の電気砲を作り、フランス軍の注目を集めた。当時ドイツが運用中の「パリ砲」に対抗可能な長距離砲が欲しかったからだ。

 

1918年にフランス軍需省発明局の命令でフォション-ヴィレプレーは簡単な電気砲の作成に取り掛かった。今日でも画期的な同装置はフランス軍には未来と写ったはずだ。

 

だがフォション-ヴィレプレーのレイルガン開発が進展を示す前に終戦となってしまった。

 

第二次大戦中にナチドイツのヨハヒム・ヘンスラーもレイルガン構想を提唱し、秒速2千キロで発射弾を飛ばすと豪語していた。終戦後に研究内容を発掘した米調査団は構想の弱点として発射には当時のシカゴの半分の照明用にあたる電力が必要だと理解した。

 

レイルガンは数々のコンピュータゲームに登場しているが、大型の「レーザー砲」との誤解がついてまわっている。ゲームではレイルガンは大型ライフルや機関銃の扱いを受けたり、ロボットの腕に装着されたりしている。ゲームデザイナーにはこれだけの威力を誇る兵器にどれだえ電力が必要となるのかわかっていないようだ。

 

レイルガンとは基本的に大型電気回路であり、電源、レイル二本、移動式回転部品の三要素で構成される。こういうと単純な構造に聞こえるが、問題は必要な電力があるかだ。中大型レイルガンでは百万単位のアンペアが必要となる。

 

レイルは伝導性の高い銅などで形成するとしても30フィート超の長さが必要だ。そうなるとライフルや機関銃の大きさのレイルガンなど実現困難だとわかる。

 

レイル二本の間をつぐぎ回転部品や伝導性の高い金属部品が必要だ。電流は電源の正極からプラス荷電のレイルを伝わり、回転部品を通過してマイナスのレイルを伝わり、電源に帰ってくる。

 

簡単に言えば、これで電磁力が生まれ発射体を高速度で打ち出す。

 

レイルガンの長所

 

化学爆発を利用する従来型兵器に対しレイルガンには大きな利点がある。まず発射速度が圧倒的に高くなる。海面上でマッハ10に達し、M16ライフルの弾丸より三倍速い。射程距離は供用中の爆発力利用砲の10倍に達する。高速度、質量運動エナジーの大きさのため発射体に爆発物を入れなくても十分な破壊効果を発生できる。

 

運動エナジーは大きく、非爆発性の発射体でもトマホークミサイルと同様の効果を発揮でき、軍艦を破壊できる。高速度ながら精度は三倍になり風の影響も受けない。

 

レイルガンの短所

 

これだけの威力を発揮するレイルガンが普及しないのは問題があるためだ。実際に多数の問題がある。まず、前に述べた電力消費の問題だ。今日でもこの兵器を稼働させる電力量の利用が困難だ。このため、今のところ応用範囲は電力量が確保できる軍艦等に限られている。

 

つぎに抵抗発熱の問題がある。レイル表面が熱で損傷を受けかねない。機関銃でも発熱が当初から問題視され、初期には水冷式構造も考案されたが、のちに銃身の交換が有効と目されるようになった。冷却方法がいろいろ模索されているが、連続発射すれば本体が損傷を受けるような兵器では軍も採用できない。

 

最後に残る問題は大電流で深刻な疲労破裂が生じることで試作型も数回の発射で使えなくなる。

 

ただしこうした問題によりレイルガン研究が中止になっているわけではない。事実はその逆で、米海軍が導入を検討する中、中国は実用型レイルガンの運用に近づいている。この場合、毎分の発射回数を10回程度に抑えてもかまわないとする。

艦載砲としてレイルガンの発射回数は従来型砲より少なくなるが、精度は上がり、破壊効果ははるかに大きくなる。このためかつては夢の世界の話だった構想の研究に期待が寄せられているのだ。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Naval Railguns: A Far-Off Dream or a Super Gun?

November 4, 2020  Topic: Security  Blog Brand: The Reboot  Tags: RailgunInnovationMilitaryDirected Energy Weapons

by Peter Suciu

 

Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com. This article first appeared earlier this year.


 

2020年11月4日水曜日

ヴァージニア級攻撃型潜水艦の後継艦はコロンビア級並みに大型化し、重武装、ステルスを前面に出すのは中国、ロシアへの対抗のため。

 


ヴァージニア級高速攻撃型潜水艦USSミズーリ(SSN-780) on May 31, 2018. US Navy Photo

 

海軍の次期攻撃型潜水艦はコロンビア級で採用した技術を流用し、艦体も現行ヴァージニア級より相当大型化するとBWXテクノロジー社のCEOが11月2日第三四半期営業報告の席上で述べている。同社は空母、潜水艦用の原子炉を製造している。▼「潜水艦としては大型となり、コロンビア級並みになるとみているが、これ以上お話しできない。ただし、米海軍と検討中であり、製造に移すことになる」とレックス・ジヴェーデンが述べた。▼「正式名称が決まるまではSSN(X)とされるヴァージニア級高速攻撃潜水艦後継艦は2030年代末に登場する」

 

ジヴェーデンが言及しているのは潜航時排水量ではなく艦体の直径だ。コロンビア級は20千トンと、現行のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦より2千トン増える。ヴァージニア級の排水量は約8千トンだ。コロンビア級の直径は約42フィート、ヴァージニア級は36フィートだ。▼艦体の幅が広がるとステルス性があがり、設計時にノイズ低減技術を大幅に導入できるし、速力を増やす装備の収納容積も増える一方で、建造が大掛かりになる。

同CEO発言と軌を一にしてマイク・ギルディ作戦部長が将来の艦隊戦力の主軸として大胆な戦力を有する攻撃型潜水艦の開発を求めている。

「水中で有利になれば優位性が拡大する。水中からの攻撃力を高めたまま永遠にこれを維持したい」(先月の発言)「攻撃型潜水艦は司令官の思いのままに動き、敵標的をどおりに攻撃する。そのため高速移動可能な艦が必要だ」

 

冷戦後の米潜水艦部隊は深海潜航可能で強力な兵装を有するシーウルフ級攻撃型潜水艦からヴァージニア級に主役が移った。ヴァージニア級は情報収集や特殊作戦運用の沿海域での実施に特化している。▼「次世代攻撃型潜水艦は高速、ステルス、魚雷搭載数のいずれもヴァージニア級を上回る性能が必要となり、シーウルフ級に近くなる」との発言も2018年に出ていた。▼重武装の高速潜水艦への回帰は国家安全保障戦略構想でロシアや中国を脅威リストのトップに掲げたことに合わせている。

ジヴェーデンCEOは同社が今後も空母、潜水艦用の原子炉作成を続けられると楽観視している。

 

BWXTに海軍から年間3隻建造の方針はまだ伝えられていない。マーク・エスパー国防長官はバトルフォース2045構想の一部として年3隻建造を求めている。「以前の建造計画では高速攻撃型潜水艦48隻体制をうたっていたが、現行案ではこれが66隻に増えている。エスパー長官はさらに70隻80隻にしたいとの意向だ」とジヴェーデンCEOは解説。

「たまたまある年にヴァージニア級3隻を建造するだけなら現行施設のまま実現できそうだと伝えた。年間3隻建造を維持する構想が採用されれば当社も設備投資が必要になる」■

 

この記事は以下を再構成したものです。

BWXT CEO: Navy's Next-Generation SSN(X) Attack Boat Will Build Off Columbia Class

Article Keywords: Battle Force 2045, BWX Technologies, general dynamics, Phebe Novakovic, Secretary of Defense Mark Esper

Categories: Budget Industry, News & Analysis, Submarine Forces, U.S. Navy

Sam LaGrone

About Sam LaGrone

Sam LaGrone is the editor of USNI News. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services since 2009 and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.


2020年11月3日火曜日

「大型艦」で地上イージスアショアを代替するのは安易な発想。あくまでもイージスアショアを設置すべきだ。

 


 

本国内報道で日本政府が「スーパー護衛艦」を二隻建造し、中止されたイージスアショア二か所の代替手段にする可能性を検討中という。地上施設は技術問題、費用さらに反対の声を受け中止となった。

 

新建造する艦艇は北朝鮮弾道ミサイルへの対応を主任務としロッキード・マーティンのAN/SPY-7長距離式識別レーダーを搭載する。もともとイージスアショア用に開発されたレーダーだ。

 

報道では11月半ばに防衛省に中間報告が寄せられ、政府は今年中に案を進めるか決定するとある。Nikkei Asia では実現は了承済みとある。


ミサイル防衛に関し日本は専用船あるいは沖合施設を使えないか検討してきた。「スーパー護衛艦」よりは安価だが、ともに空、水中からの攻撃に脆弱すぎる。これに対し新型艦は柔軟性が抜群ながらミサイル防衛以外の任務にも投入できる。

 

ただし日本側が完全な新型艦または既存設計の改良艦を想定しているのか不明だ。海上自衛隊がまや級イージス艦の追加建造に向かう可能性はある。まやに続く二号艦が2021年に編入される。まや級では新型イージス戦闘システムが導入され、先行するあたご級を改良した。このあたご級もこんごう級の発展型であり、これも元をたどれば米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦にたどり着く。

 

U.S. NAVY/SEAMAN SANTIAGO NAVARRO

海上自衛隊のはたかぜ級駆逐艦しまかぜ(DDG 172)(手前)、あたご級駆逐艦あしがら(DDG 178)、カナダ海軍フリゲート艦HMSCウィニペグ(FFH 338)の上空を通過する航空機編隊。キーンソード21演習の行われたフィリピン海にて。2020年10月。

 

 

共同通信は政府想定は基準排水量9千トン艦と伝える。まや級は8,200トンだが、これを拡大した改良型が生まれないとはいえない。まや級は4隻建造となり、後期建造の二隻がAN/SPY-7レーダー搭載の拡大型になる可能性が残る。

 

共同通信記事では新型艦を大型化する理由に居住空間の拡大があり、「北朝鮮弾道ミサイル警報の中で厳しい勤務環境」があるとする。米海軍もフライトIIIのアーレイ・バーク級で同様の方向をめざし排水量9,700トンとし、艦体を拡大する。

 

記事では新建造艦にAN/SPY-7レーダーを搭載し、イージスアショアと同じ性能にするとある。日本は同レーダーの導入を先に決定していた。ただし運用要員の居住空間など追加条件のため既存まや級の上部構造さらに艦体自体が変更となる可能性がある。

 

Nikkei Asiaでは追加二隻の建造費は令和3年度予算に計上するとあるが、AN/SPY-7の艦艇搭載で改良が発生する。ただしロッキード・マーティンは同型式レーダーをカナダ海軍の26型フリゲート(BAEシステムズ建造)、スペインのF110級フリゲートにも供給しており、ともに日本が想定する艦艇より小型であることに注意すべきだろう。

 



新型艦がどのような姿になるにせよ、SM-3MkIIA迎撃ミサイルを搭載する。同ミサイルは迎撃性能が拡大し、現在配備中のSM-3以上に多くの種類のミサイルに対応できる。

RAYTHEON


RAYTHEON

 

 

ただし疑問が残る。とくに人員面だ。イージスアショア導入の理由として海上自衛隊の人員不足で既存艦艇の運用にさえ支障をきたしていることがあった。大型艦2隻を配備すれば海自の人員面がさらに苦しくならないか。

 

実際に多任務「護衛艦」30DXあるいはFFMと呼称する新型艦は人員不足のため排水量3,900トンとフリゲート艦より若干大きい程度となる。イージス艦より安価で乗員はほぼ三分の一で多任務をこなすものの弾道ミサイル防衛は想定していない。

 

そこで新型イージス駆逐艦建造が承認されれば、北朝鮮の脅威のみならず東シナ海他で展開する相手側の兵力投射にも十分対応できるはずだ。日本の次年度防衛予算要求が記録的規模の550億ドル近くとなるのは北朝鮮並びに中国の脅威に直面する日本で自衛隊の役割が重要になっているあかしでもある。

 

新型艦の艦容がどうなるにせよ、海自艦隊が増勢に向かっている野は明らかだ。予算の伸びを受け防衛省は駆逐艦隻数を54に増やそうとしている。現状は50隻を下回る。ただし、費用が大きな難関で、内22隻を安価なFFMで構成する構想とし、まや級のようなフル装備艦ばかりにはできない事情がある。■

 

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Japan Considers Building Two Super-Sized Destroyers As An Alternative To Aegis Ashore

THE DRIVE

BYTHOMAS NEWDICKNOVEMBER 2, 2020


中国空軍の空戦能力に致命的な欠陥、訓練は派手な見栄えを重視、背景に中国人の思考方法に問題がある。

 https://www.reutersconnect.com/all?id=tag%3Areuters.com%2C2019%3Anewsml_RC2V8D903C6S&share=true

 

 

璧な軍部隊など存在しないが、中国の近代戦経験の不足は米軍より深刻なようだ。近代装備多数を有する中国空軍だが、戦闘体験の欠如が演習で露呈してしまった。

 

タイで2015年に展開した合同演習で中国の航空戦の実力不足が露呈した。機材こそ新鋭機だが中国軍パイロットは長距離攻撃で弱体ぶりを示し、敵側の積極戦術に反応が追いつかない場面があった。▼ファルコンストライク2015は同年11月にタイ空軍基地のあるコラートで開催され、中タイ間初の合同演習となった。▼中国はJ-11戦闘機隊を投入した。タイ空軍はF-16に加え、グリペンも参加させた。

 

 

演習の7日間にわたりJ-11はグリペンに対抗した。J-11とはロシアSu-27の中国版で優秀なドッグファイターのはずだったが、グリペンを飛ばすタイ側パイロットは長距離射撃の腕が上だった。航空専門ウェブサイトのAlert 5がその内容をまっさきに伝えた。

 

模擬戦初日にJ-11とグリペンは視界距離戦を試みた。結果は中国側の一方的勝利だった。J-11は強力な双発エンジン、機関砲、赤外線誘導ミサイル(おそらくPL-8)でグリペン16機を「撃墜」し、自機側の損害はゼロだった。▼タイ空軍のグリペンは単発で接近距離戦にはAIM-9赤外線誘導ミサイルと機関砲を使った。グリペンの推力重量比がすぐれているわけではないため、ドッグファイトで操縦性に制限がかかる。

 

中国軍パイロットは二日目に9機撃墜、味方一機被撃墜の成果を上げた。だがその後はこうした成果は続けられなかった。▼演習が視界外戦に移ると、グリペンのはAIM-120中距離ミサイルはJ-11の中距離ミサイルおそらくPL-12をしのぐ性能を発揮した。▼三日目、タイ空軍はJ-11の19機を「撃墜」し、グリペンの被撃墜は3機だった。最終の三日間でタイは中国機22機を撃墜しながら、自軍の損失は3機だった。最終成果はタイに軍配が上がり、グリペン隊はJ-11の42機を撃墜し、J-11隊はグリペン34機を撃墜した。

 

タイ空軍による撃墜の88パーセントは19マイル以上距離をあけていた。グリペンは31マイル離れても10機を撃墜した。だが、この距離でJ-11は一機も撃破できなかった。▼「中国パイロットは状況認識が劣っていた」とAlert 5 は報じている。「自機前方に注意を払いすぎ、全周囲に注意していなかった」とあり、J-11隊のエスコート飛行でも「全体調整が欠落」していたという。▼Alert 5はさらに中国パイロットに「ミサイル発射後の回避行動で経験が不足」したという。「反応が機械的すぎ発射地点が異なるミサイルに最適な回避行動を正しく判断できなかった」とある。

 

中国もパイロット訓練の不足を認めている。2005年ごろから中国は実際の状況を模した空戦演習を米空軍レッドフラッグ演習を意識し開始している。だが、訓練を実施しているものの高い技能を有するパイロットは生まれておらず、中国製装備の性能をフルに引き出していない。▼「中国軍高官の著述や発言から中国空軍にはこれまでの訓練では実戦に対応できないとわかっているようだ」と米国防情報局は2019年1月発表の中国軍事力分析で述べていた。「訓練が非現実的なため空戦能力の養成が遅れている」とある。▼中国は自軍パイロットとその他有力国空軍の間に技量ギャップが依然として残っていることを理解している、と同上分析にある。「訓練の弱点を解決するべく、部隊司令は訓練は『実戦を意識した訓練』であるべきであり、『見せ場を意識した派手さ』を追い求めるべきではないとまで発言している」という。■

 

この記事は以下を再構成したものです。訓練内容より見栄えを重視するのは思考に問題があるためでしょう。

 

A Recent War Game Proved That China’s Air Force Is No Superpower


November 1, 2020  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: ChinaMilitaryAir ForceJ-11JAS-39 Gripen

by David Axe 

David Axe served as Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring and Machete Squad. This first appeared earlier and is being reposted due to reader interest.