2026年4月30日木曜日

注目の艦艇:シンガポールの国産艦艇MRCV「ヴィクトリー級」の建造が順調に進んでいる。排水量8千トンで多用途任務に特化した同級は将来を見越した設計のようです。

 

シンガポールが「ヴィクトリー」級MRCVの第3・第4号艦の建造を開始

  • Naval News

  • 2026年4月29日公Xavier Vavasseur

Singapore cuts steel of third and fourth Victory-class MRCV

シンガポール共和国海軍提供の写真。

2026年4月29日、シンガポール共和国海軍は、シンガポールのSTエンジニアリング造船所にて、多目的戦闘艦(MRCV)の第3・第4番艦の起工式を執り行った。

シンガポール共和国海軍は、ソーシャルメディアを通じて発表し、投稿には次のように記されている:

本日早朝、海軍工学・兵站部長(HNEL)のME7クー・コー・ギオク氏が、第3・第4番目の多目的戦闘艦(MRCV)の起工式を執り行った。式典には、STエンジニアリング・マリンにて、シンガポール共和国海軍(RSN)および国防科学技術庁(DSTA)の高官や代表者が出席した。

同級1番艦であるMRCV「ヴィクトリー」は2025年10月に進水しており、今年下半期には2番艦の進水を楽しみにしている。

MRCVは、海軍作戦の遂行に向け、無人航空機、水上・水中システムの「母艦」として機能するよう設計されている。

ヴィクトリー級第3艦はRSS「ヴィジランス」、同級第4艦はRSS「ヴァリアント」と命名される。STエンジニアリングのベノイ造船所では、計6隻のMRCVが建造されている。

MRCV 3 + 4 steel cuttingSTエンジニアリングのベノイ造船所にて、MRCV第3・第4艦の起工式が行われた。RSN写真:CPLラッセル・イム(NIC)。

STエンジニアリングは、6隻のヴィクトリー級多目的戦闘艦(MRCV)のうち最初の1隻である「ヴィクトリー」を、2025年10月にベノイ造船所で進水させた。同社は、2025年4月に2番艦の起工式を行い、2番目の多目的戦闘艦(MRCV)の建造を開始した。この2番艦の起工は2026年初頭に行われた。

MRCVについて

MRCV Infographic

シンガポール共和国海軍(RSN)は、シンガポールの海上防衛を確保し、重要な海上交通路(SLOC)を開放した状態に保ち、物資、サービス、エナジーの円滑な流通を保証することで、海上航行を保護する。これには、近海および遠洋の両方で作戦を遂行できる強力な海軍が必要となる。MRCVは、RSNの既存戦力と相まって、シンガポールのSLOCを保護する能力を強化し、地域の安全保障体制および海上へのアクセスが妨げられないよう確保するための国際的な取り組みに貢献するものである。

MRCVは、新鋭フリゲート艦の戦闘能力と、各種無人システム群の母艦として必要な搭載・制御能力を兼ね備える。RSNの独自の運用要件を満たすため開発された本艦は、シンガポールでこれまでに建造された中で最大かつ最も複雑な戦闘艦艇である。国防科学技術庁(DSTA)が主導し、DSO、STエンジニアリング、国際的なパートナーとの共同開発を通じて誕生したMRCVは、シンガポールの防衛技術コミュニティの深い専門知識と、シンガポール軍(SAF)との強固な連携を実証している。

無人システム対応の先進戦闘艦兼母艦

全長150メートル、排水量8,000トンのMRCVは、多様な無人システムの母艦として機能するよう設計されている。「フォーミダブル」級フリゲートの2倍にあたる7,000海里を超える作戦行動範囲と、21日以上の航続能力を備えたMRCVにより、シンガポール海軍(RSN)は、シンガポールの海上交通路(SLOC)を保護するため、各種無人システムを展開する。

MRCVから展開される無人水上艇(USV)、無人航空機(UAV)、自律型水中艇(AUV)は連携し、空中、水上、水中の各領域において、同艦の監視および作戦行動範囲を拡大する。これにより、無人技術の艦隊を擁する1隻のMRCVで、現在有人艦が必要となっている任務を遂行することが可能となる。

MRCVは、高度なセンサーと兵器を装備し、ハイエンドな戦闘を遂行するとともに、SAF(シンガポール軍)の任務を支援する指揮艦としての役割を果たす。また、DSTA(国防科学技術庁)が独自開発した最新の戦闘管理システム(CMS)を搭載し、高度な状況認識および意思決定支援機能を備えている。

ミッションモジュール

MRCVは、任務ベイに8つのコンテナモジュールを搭載できる設計で、短期間で幅広い任務に対応すべく再構成が可能だ。これにより、人道支援・災害救援(HADR)などの任務にも展開でき、作戦上の柔軟性が向する。例えば、艦載医療能力(手術室(OT)、集中治療室(ICU)、高度管理病床、診察室、一般病棟、薬局など)が不十分な場合、MRCVのミッションベイに迅速展開型海上コンテナ(いわゆる「コンテナ型診療所」)を収容し、HADR任務における能力を強化できる。

標準化海上コンテナを扱う能力で、同艦の兵站も効率化される。食料、物資、整備用装備を安全かつ効率的に積み下ろしできる。

MRCVは、既存のヴィクトリー級ミサイルコルベット(MCV)に取って代わり、2028年以降順次引き渡される。ヴィクトリー級MCVの伝統を尊重し、MRCVはヴィクトリー級MCVの艦名を継承する。MRCV一番艦は「ヴィクトリー」と命名される。

将来を見据えた設計

モジュール式による柔軟性に加え、MRCVは拡張余地も大幅に確保して建造される:

  • 統合全電気推進(IFEP)システムに電力を供給するために必要な高電圧配電システムは、将来的により高いエナジー需要を持つシステムにも対応できるよう設計

  • 上部構造は軽量な複合材料で作られている。これにより重心が低くなり船体の安定性が向上するほか、新装備の搭載に対応する余剰重量も確保ずみ

MRCVは、乗組員の効率と安全性を高めるため、高度な自動化も設計に組み込まれている:

  • MRCVのブリッジは、従来5名必要だったところを2名で運用可能で、機関制御センターも、艦のシステム監視でも従来の4名が1名で済む

  • 搭載クレーンにより、物資、兵器、装備の積み下ろし作業が効率化される。ミッションベイには貨物用エレベーターに加え、コンテナを艦内で効率的に移動させる設備も備えられている

艦名および艦番号

MRCVは、ヴィクトリー級MCVの艦名および艦番号を引き継ぐ。現行のMCVは1990年代に就役し、RSNの能力において飛躍的な進歩をもたらし、MRCVは誇り高い伝統と歴史を継承する。

MRCVの艦名  艦番号

ヴィクトリー 88

ヴァラー 89

ヴィジランス 90

ヴァリアント 91

ヴィガー 92

ヴェンジェンス 93


諸元

全長: 150m

全幅: 21m

排水量:8000トン

速力: 22ノット以上

航続距離:7000海里以上

基準乗組員数:100名未満

センサー

  • タレス製多機能レーダー

  • タレス製火器管制レーダー

  • サフラン製電気光学システム

  • 船体搭載ソナー

  • サイバーセキュリティ能力

兵装

  • STRALES 76mm 誘導砲

  • MK30-C 30mm 遠隔操作兵器システム

  • MICAおよびASTER 地対空ミサイルシステム

  • 地対地ミサイルシステム*

*後日確認予定

ザビエル・ヴァヴァスール

ザビエルは、Naval Newsの共同創設者兼編集長です。フランス・パリを拠点としています。フロリダ工科大学(FIT)で経営情報システムの学士号と経営学修士号を取得しています。ザビエルは10年以上にわたり、海軍防衛関連のトピックをカバーしてきました。

Singapore cuts steel of third and fourth Victory-class MRCV

米海軍のFF(X)新型フリゲート艦建造の再スタートをHIIインガルス造船所に随意契約で交付。― 各国の新鋭フリゲート艦に比べ従来型の艦容ですが、これが建造契約で苦労してきた米海軍の意向なのでしょう

 

FF(X)フリゲート艦の概念図。海軍提供

米海軍がFF(X)フリゲート艦建造契約をHIIインガルス造船所に交付

USNI News

マロリー・シェルボーン

2026年4月28日 午後6時36分

海軍は4月28日火曜日、HII傘下のインガルス造船に対し、沿岸警備隊の「ナショナル・セキュリティ・カッター(NSC)」が原型の新型フリゲート艦の主要造船所業務として、2億8290万ドルの契約を発注した。

国防総省の発表によると、海軍は競争入札を行わず、作業は2028年4月に完了する予定である。

この契約締結は、ジョン・フェラン前海軍長官が昨年コンステレーション級フリゲート計画を中止し、インガルス造船所で建造されたNSCレジェンド級の船体を基にした新型フリゲートの開発を選択したことを受けたものである。

先週公表された2027会計年度海軍予算案では、2027年度にFF(X)を1隻、2029年度に1隻、2031年度に2隻を購入する見通しとなっている。2027会計年度の造船予算説明文書によると、海軍は2028年までに1番艦を就役させたいと考えており、これが単独調達戦略を採用した理由だ。

「主要造船所支援契約により、量産に向けた設計作業を完了させ、迅速な建造移行を可能にするための試作段階を含む長期調達資材を調達する」と文書には記されている。「その後、最初の2隻については単独調達による建造契約が締結される。3隻目以降のフリゲート艦については、複数の造船所での生産と造船産業基盤の拡大を通じて艦隊への配備率を高める競争入札方式で調達される。」

HIIの最高経営責任者(CEO)クリス・カストナーは、2月の投資家向け説明において、同社の2025年度決算発表の電話会議で、インガルスがミシシッピ州パスカグーラの造船所で建造を予定していたものの中止となったNSC-11号艦の残材を保有していると述べた。

「本契約に基づき、インガルス造船は、主構造の基礎および第1隻のフリゲート艦の全体的な建造工程計画における今後の作業段階を支援するため、原材料の切断および成形を開始する」と同社は火曜日のニュースリリースで、主要造船所としての選定について述べた。「この新たなアプローチにより、インガルス造船における設計から生産への円滑な移行が可能となり、最終的には産業基盤全体へと波及するだろう。」

火曜日、新たに就任した海事プログラム調達担当執行官は、改NSC設計に基づく提案中のFF(X)フリゲート艦のレンダリング画像を公開した。このレンダリング画像には、上部構造物の前方に追加された突起部、57mm主甲板砲と思われる装備、ミサイル式近接防御兵器システム、後部に海軍ストライクミサイル(NSM)16発搭載用のラックが描かれている。

「今後の検討では、垂直発射システムや対潜戦システムを含む能力の拡張が検討される」と、2027年度予算文書に記されている。

レンダリングには、コンテナ化されたプラットフォームを備えた2隻の概念的な中型無人水上艇が含まれている。最近の予算要求書によると、FF(X)の要件の一部には、自律型ロボットシステムの統合が含まれる。

「当社のPAE Maritimeチームは、造船パートナーと協力し、必要なプログラムの納入を加速させるべく引き続き取り組んでいます」と同社はFacebooに投稿した。「本日、HII傘下のインガルス造船所に交付された契約は、新フリゲート級の設計を確定させ、調達リードタイムの長い資材を調達し、建造前の活動を開始する当社の能力を支えるものです!」■

マロリー・シェルボーン

マロリー・シェルボーンはUSNI Newsの記者である。以前は『Inside Defense』で海軍関連の取材を担当し、『The Hill』では政治分野の報道を行っていた。

Navy Awards $282.9M FF(X) Frigate Contract to HII’s Ingalls Shipbuilding

Mallory Shelbourne

April 28, 2026 6:36 PM

https://news.usni.org/2026/04/28/navy-awards-282-9m-ffx-frigate-contract-to-hiis-ingalls-shipbuilding


2026年4月29日水曜日

F/A-XX選定が米防衛産業につきつける懸念事項―冷戦後の産業構造はここまで弱体化してしまったという現実

 

F/A-XXステルス戦闘機で米海軍が抱える、解決できない問題は米国の防衛産業全体の懸念でもある

19fortyfive

ルーベン・ジョンソン

FA-XX Fighter Screenshot from X

FA-XX Fighter Screenshot from X


つ決定が発表されるのか、そして海軍史上最大の戦闘機プログラムの勝者は誰になるのかについて長年にわたり憶測が飛び交ってきたが、米海軍は2026年8月までに決定を下すというスケジュールを発表した。これは、待望のF/A-XX契約の交付日である。また、これはおそらく、毎年開催される「Sea Air Space」会議から出たニュースとしてはここ数年で最大のものとなった。

F/A-XXを覆う不確実性の雲

しかし、本当のニュースはまだこれから出てくる――そして、このニュースが「悪い」と「さらに悪い」の組み合わせになる可能性は極めて高い。

海軍がどの企業に契約を授与するにせよ、このプログラムには克服不可能な問題が山積しているからだ。

これらのジレンマは、現在の米国防衛産業および国防総省・海軍の予算編成プロセスに影響を及ぼしており、おそらくそれが決定がこれほど長引いた理由だろう。

2023年から2025年にかけて、防衛担当の報道陣は、ワシントンD.C.のナショナル・ハーバー・エキスポセンターで開催される年次イベント「Sea Air Space」に忠実に足を運んできた。

毎年、彼らは高官が米海軍(USN)のF/A-XXプログラムに大きな進展をもたらす発表を行うことを期待していた。

しかし、毎年、最終日の終わりにほとんど何も得られないまま会場を後にしていた。

米海軍がようやく2026年8月に調達先選定を行うと発表したこと、および同プログラムが直面するであろう複雑な課題に関する事後分析が、これらの遅延の原因となっている。

「複数の要因が絡み合っている」と、本誌取材に応じた元海軍将官は述べた。「しかし結局のところ、このプログラムの成否は産業基盤に関する決定に大きく左右される。現在、あまりにも少ない主要請負業者に、あまりにも多くの責任が押し付けられている。」

F/A-XXステルス戦闘機の資金調達状況は不透明

4月20日、海軍作戦部長(CNO)のダリル・コードル提督は記者団に対し、2026年8月という日程を明らかにした。

この日程は、スティーブ・ファインバーグ国防副長官、国防総省の計画担当者、および海軍当局者との一連の会合と協議を経て決定されたものである。

「8月には候補の絞り込みが行われる。プログラムに関する決定を下すのは、その月だと思う」と、コードル提督は展示会および併催シンポジウムの初日に報道陣に語った。

同プログラム計画とスケジュールでは始まりに過ぎないが、米軍、米国防総省および海軍の予算編成、さらに産業界のリスクは甚大だ。

航空機の調達資金をどう確保するかという問題は、リスク関連事項の中でも最優先事項である。

まさに資金源が不明確であることこそが、本プログラムの資金調達計画が未だ策定されていない主因である。

海軍当局者は、F/A-XXの調達決定を前進させると公に約束している。

国防総省が提出した過去最大規模の2027年度予算要求案には、米海軍の航空機プログラムに対する多額の資金が盛り込まれている。

しかし、要求額のうちF/A-XXプログラムに充てられるのは、合計で1億4,000万ドルに過ぎない。

この金額のうち、6,800万ドルは国防総省のベースライン予算から、7,200万ドルは議会で別途法案として可決される必要がある調整予算から供給される予定である。

海軍予算要求の航空部門の残りの部分は、同軍における航空部門への資金配分として過去最大の増額となっている。

予算案では344億ドルの調達費が計上されており、2026年に要求された166億ドルの2倍以上に相当する。

しかし、海軍航空部隊の調達に向けたこれまでのすべての約束を果たした後、どれだけの予算が残るかは依然として不透明だ。

現時点での計画では、F-35をさらに47機導入することが予定されている。内訳は、海軍向けF-35Cが20機、米海兵隊向けF-35Cが17機、F-35Bが10機となっている。

さらに、P-8ポセイドン、E-2Dホークアイ、MQ-25などに対する追加支出も予定されている。ボーイングはまた、P-8のベース機である737NGの生産から737 MAXへの移行に伴い、ポセイドンの価格を引き上げた。この要因などにより、同機の納入価格は1億7,210万ドルから3億2,850万ドルへ上昇した。

F/A-XXプログラムを支援する上での難題は、1年後に表面化するだろう。第6世代戦闘機プロジェクトが開発の次の段階に進むために、その時点でどれだけの資金が確保できるかは、2028年度の予算策定が本格化する際の検討事項となる。その費用は数十億ドル規模になると見込まれている。

この時点で、主契約業者が選定される。詳細設計作業はさらに先のこととなる。

しかし、エンジニアリング・製造開発(EMD)段階に入れば、F/A-XXのコストとその予算に占める割合は急速に国防総省の計画策定プロセスにおける主要な焦点となるだろう

産業基盤の縮小

プログラムの資金源がどこから捻出されるのかという疑問は未解決のままで、このプロジェクトは十分に複雑なものとなっている。

しかし、米海軍は以前から、またコードル提督も「シー・エア・スペース」イベントで改めて述べたように、このプログラムの主要請負業者候補として残っている2社――ボーイングとノースロップ・グラマン(NG)――のいずれもが、F/A-XXの開発およびその後の生産を支える能力を有していない

「この機体を製造する請負業者の1社は、我々が求める納期内に納品することが事実上不可能な状況にある」とコードル提督は述べた。「したがって、今回の決定にあたっては、『二度確認して、一度切る』という姿勢で臨んだ。」

コードルCNOは、F/A-XXを効果的に管理する能力を欠いているのがどちらの請負業者かについて明言を避けた。ボーイングとNGの両社の幹部はこの評価に異議を唱えており、両社とも、第6世代戦闘機に関する米海軍のスケジュールを満たせると主張している。

両CEOの主張はさておき、彼らが自社がこの課題に対応できると信じていないと疑う理由はないが、米国の防衛産業セクターは、冷戦終結以来、芳しくない状況にある。

過去2年間に発表された複数の評価報告書が結論づけているように、米国の防衛産業は1990年代以降、衰退の一途をたどってきた。

「ジャスト・イン・タイム」生産プロセスの専門家や信奉者たちがもたらした結果は、同じ評価報告書が指摘するように、かつての巨人が崩壊寸前まで追い込まれたような米国防衛産業の現状である。この件について19FortyFiveに語った複数の退役軍高官や業界幹部も、こうした見解に同調している。

数字がすべてを物語っている。冷戦後の「平和の配当」時に、主要請負業者は51社からわずか5社へと削り落とされた(「チェーンソーで切り刻まれた」という表現の方が正確だと指摘する者もいる)。

「統合が必ずしも防衛産業の縮小を意味するわけではないが、防衛下請け業者やサプライヤーからなる広範なエコシステムもまた縮小している」: 米国国防産業協会(NDIA)の調査によると、「過去5年間だけで、防衛セクターは純減17,045社を記録した」とされている。

「そして、これは3年前に発表された調査であることを忘れてはならない」と、NDIAでも活動している米国の業界幹部の一人は語った。「もし今日書かれたものなら、その結果はほぼ間違いなく、さらに悲観的なものになっていただろう。」

「かつての10分の1にまで主要請負業者が統合されたことで生じた『効率化』は、ウクライナ紛争、中東での別の紛争、そして誰もが北京が台湾に動き出す可能性への備えが必要だと語っている状況下で、生産を急増させるために今必要な能力を提供できていない」と彼は付け加えた。「結果はまさに正反対のものとなっている。」

士気への打撃

防衛産業の現職者の多くは、経営陣がほとんど認識していないと主張するだろうが、兵器システムを設計・製造する企業において最も重要なのは、従業員の士気なのである。「開発から量産に至るまで製品ラインを熱意を持って支えられる有能な人材がいなければ、市場で生き残る企業の能力は最終的に失われてしまう」と、前述の当局者は説明した。

米国で起きている事態には、検討に値する極めて不愉快な前例がある――つまり、やってはいけないことの好例だ。

過去20~30年にわたり、かつて旧ソ連の防衛産業帝国の一員であった同僚たちとの数百回に及ぶ議論の中で、彼らはソ連崩壊後、設計者、技術者、管理者などの陣営から、膨大な数の人員が消え去ってしまったことを指摘している。

かつてソ連最大かつ最も有名な設計局の一つで働いていた長年の知人が、ある日、かつてのモスクワの兵器製造帝国がいかにして無に帰してしまったかを説明してくれた。

「レーダー設計者やミサイル技術者といったサブシステム企業は、かつて3500人以上の従業員を抱えていたが、今では300人以下になっている。かつて防空砲台や航空機全体を開発・設計していた設計事務所は、1万5000人以上を擁していたが、今では2000人以下かもしれない。かつて200人のスタッフを擁していた特殊工学センター内の部署は、今では両手の指で数えられるほどの従業員数しかない。」

「これらの企業がかつて担っていた業務を、必要な経験者のほんの一部で遂行することは不可能だ――たとえ全員が天才であったとしても」と彼は続けた。「したがって、少なくとも我々の大半が生きている限り、ロシアの兵器システムの次世代型が再び登場することは、ほぼあり得ないだろう」と彼は説明した。

「かつてその名を聞くだけで世界が戦慄したロシアの産業が、面影すら失った姿に落ちぶれていくのを目の当たりにすることは、製図台やCAD画面の前で働き続ける者たちの士気や意欲にとって恐ろしいことだ。いや、それすら控えめな表現だ」と彼は結論付けた。

悲しいことに、米国の防衛産業も同じ方向へ進んでいる。数十社あった主要請負業者を数社に統合した結果、従業員数が膨大な少数の企業が残ったわけではない。むしろ、米国における防衛関連業務に従事する人数は冷戦以来3分の2に減少した――1985年の320万人以上から、2021年には110万人へと減ったのである。

逆説的だが、防衛企業にとって最もコストのかかる項目は従業員数であるというのが一般的な通説だ。大幅な人員削減は、防衛費全体の大幅な削減につながるはずだったが、実際には冷戦時代より支出が増加しており、その資金がどこに使われているのかと疑問を抱く人々も少なくない。

ウクライナ紛争が5年目に突入する中、米国の防衛産業セクターでは、かつての3分の1に過ぎない労働力では、今後の課題に対応するには不十分だという認識が広がりつつある。しかし、米防衛企業は懸命に努力しているものの、従業員数を110万人超に増やすのに必要な新規労働者を確保できていない

現存する5大主要防衛企業の1社に在籍し、現在は退職したシニア・プログラム・マネージャーが、この件について19FortyFiveに語ってくれた。「防衛業界の巨大企業で働くという考えに魅力を感じないからといって、責めることはできない」と述べた。

「雇用の安定性は、米国政府が次のプログラムの資金を大幅に削減するか、あるいは完全に打ち切るかどうかに左右されるに過ぎない。「昨今、多くの人にとって昇給がインフレに追いついていない。それに、ボーイングのニール・ゴライトリーに起きた一連の出来事を見ればわかるだろう」と彼は語った。

「それが、今の米国防衛業界の経営陣における『リーダーシップ』の実態だ」と彼は述べた。「ここで働くほぼ全員がそれを知っている。経営陣の中に、あなたの味方になってくれる人間など一人もいないのだ。」

米海軍の退役軍人であり、ボーイングに広報・コミュニケーション担当上級役員として入社したゴライトリーは、現役時代に1987年に執筆した記事をめぐり、2020年に辞任を余儀なくされた。問題の記事は、主に海軍の退役軍人や海上戦に関心のある人々が読む、発行部数の少ない雑誌に掲載されたものだったが、ボーイングから彼を追い出す口実として利用された。

「彼を陥れようとした動きは、冷酷で、日和見的で、略奪的だった」と、この元プログラム・マネージャーは語った。「エンジニアや設計者が人事部門に覆され、脇に追いやられる状況がなくなるまで、米国防衛産業の人材が増えることは期待できない」と彼は付け加えた。

F/A-XX戦闘機の製造を請け負う企業が展開することになるのは、まさにそのような環境だ。これは決して小さな課題ではない――しかも、単なる人的な観点からの問題にとどまらない。

経験がものを言う

しかし、米国の主要防衛プライム企業で働くトップレベルのコンサルタントたち――多くは元軍高官や国防総省(ペンタゴン)の幹部――が抱く最大の懸念は、次期米海軍戦闘機を設計・製造する企業が、その課題に十分に対応できるかどうかという点だ。

コンサルタントや業界アナリストとの会話の中で、繰り返し耳にするコメントがいくつかある。

全員が懸念しているのは、次世代ステルス戦闘機の建造はリスクが極めて高く、今犯したミスが将来、壊滅的な結果をもたらす可能性があるという点だ。

海軍プログラムの2つの候補の1つはボーイングであり、同社はすでに米空軍(USAF)のF-47を建造する契約を結んでいる

ロッキード・マーティン(LM)は現在、どちらのプログラムにおいても公式な役割を担っておらず、この状況に懸念を抱く戦闘機専門家は少なくない。多くの専門家は、U-2からSR-71、F-117A、F-22、F-35に至るまで、同社がステルス機の設計において築いてきた実績は決して小さなものではないと、当然のことながら指摘している。

「ステルス機、つまりレーダーを回避する航空機の設計において、70年もの経験を積むには何が必要か、誰か理解しているだろうか?」と、LMについて元軍高官は述べた。「70年かかるのだ。近道などない。」

残るプライム契約者2社のどちらがF/A-XXの設計を担当することになろうとも、ほとんどのプロジェクトにおいて、今後進むべき論理的な道筋は存在しているようだ。

LMは下請けとして参画し、機首部(コックピットの後部までを含む)の設計を担当するとともに、F/A-XXの当該セクションの生産の大部分も担うことになるだろう。

一つの可能性として、F-35の共同生産において米国産業界がドイツのラインメタルと合意したのと同様の、F/A-XXにおける分業体制が考えられる。ドイツの防衛大手は機体の中央胴体を製造し、米国は前部胴体と後部セクション――ステルス設計において最も機密性の高い要素を含む戦闘機の部品――を製造することになる。

F/A-XXと米軍の未来

どのような決定を下すにせよ、それが10年後の米国防衛産業の健全性に重大な影響を及ぼす可能性があるという点で意見が一致している。

F-47とF/A-XXの両方に投じられる数十億ドルは、すでに独自の第6世代戦闘機の試作機を飛行させている中国との戦争において、米国がどのような戦果を上げるかを決定づけることにもなる。結局のところ、この次世代米海軍戦闘機の設計・製造をどの企業が担うかという点が、何よりも重要な意味を持つかもしれない。■

著者について:ルーベン・F・ジョンソン

ルーベン・F・ジョンソンは、外国の兵器システム、防衛技術、国際的な武器輸出政策に関する分析と報道において36年の経験を持つ。ジョンソンはカシミール・プワスキ財団の研究部長を務めている。また、彼は2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の生存者でもある。長年にわたり、米国の防衛産業で外国技術アナリストとして勤務し、その後、米国防総省、海軍省、空軍省、および英国・オーストラリア政府のコンサルタントを務めた。2022年から2023年にかけて、防衛分野の報道で2年連続の賞を受賞した。デポー大学で学士号を、オハイオ州のマイアミ大学で修士号を取得しており、専門はソ連・ロシア研究である。現在はワルシャワ在住。


The U.S. Navy Has a F/A-XX Stealth Fighter Headache It Just Can’t Cure

By

Reuben Johnson

https://www.19fortyfive.com/2026/04/the-u-s-navy-has-a-f-a-xx-stealth-fighter-headache-it-just-cant-cure/


F/A-XXでノースロップが選定された場合の同社の製造能力への疑問に対し、同社が反論している

 

Northrop Grumman CEO Kathy Warden says she is confident in her company's ability to deliver next-generation carrier-based fighters to the U.S. Navy if it is selected as the winner of the F/A-XX competition.ノースロップ・グラマン社提供画像

ノースロップが選定された場合を想定しF/A-XX第6世代海軍戦闘機の製造能力があると主張

F/A-XXについて海軍最高幹部が不特定の入札業者が、「求める期間内に納入することは『到底不可能』」と述べたことについてノースロップが反論しているのは、F/A-XXで同社案が採択される可能性が高いということなのでしょうか

TWZ

ジョセフ・トレヴィシック

2026年4月21日 午後12時15分(米国東部夏時間)公開

ースロップ・グラマンのキャシー・ウォーデンCEOは、F/A-XX競合で同社が選定されれば、次世代空母搭載戦闘機を米海軍に納入可能と確信していると述べた。米海軍の最高幹部は昨日、F/A-XXの契約を今年8月までに締結することを目標としていると述べた一方で、候補企業の一つは「求める期間内に納入することは到底できない」とも語った。

海軍作戦部長(CNO)ダリル・コードル提督は昨日、海軍連盟主催のSea-Air-Space 2026展示会のサイドイベントとして開催された円卓会議において、本誌のの質問に応じ、F/A-XXに関する最新のコメントを述べた。国防総省は昨年、米国の産業基盤には第6世代戦闘機2機種の開発を同時に支える十分な能力がないとして、海軍の次世代戦闘機計画を一旦保留しようとしていた。ボーイングは2025年3月、米空軍向けの現在F-47と呼ばれる機体の製造契約を獲得した。現在、F/A-XXの競争に参加していると確認されている企業は、他にボーイング以外にない。昨年、ロッキード・マーティンが競争から脱落したと報じられていた。

「当社は海軍省が第3四半期中に選定を行うと予想している」と、ノースロップ・グラマンのワーデンCEOは、本日行われた定例決算説明会の電話会議において、コードルCNOの発言に関する発言に答えて述べた。「当社は、自社のソリューションを海軍に提供できる能力に自信を持っている。」

同氏は、CNOがF/A-XXに関して「ある請負業者が海軍のスケジュール要件を満たせない」と述べた際、それがノースロップ・グラマンを指していたかどうかについて肯定も否定もしなかった。

「当社とサプライヤーは、プログラムを実行するため必要な人材とインフラを投入する準備が整っています。また、B-21における当社の実績は、複雑な航空機をスケジュール通りに納入できる能力を証明しています」とワーデンは付け加えた。「財務面については、もしF/A-XXの製造を任されることになれば、現在の業績予想を上回る売上と利益が見込まれ、それを実現することは当社にとって最優先事項となるでしょう。」

空軍当局者や連邦議会議員らは、定期的にB-21レイダー爆撃機を模範的な調達プログラムとして評しておりその過程で障害があったにもかかわらず、予定通りかつ予算内で進めることができている。今年初め、ノースロップ・グラマンは空軍とB-21の生産加速に関し合意に達した。

また、ノースロップ・グラマンが2023年にF-47開発につながる空軍の競争入札から撤退したことも忘れてはならない。同社は当時、この決定を自主的なものと説明していた。

「当社が追求している他の機会があることは指摘しておきたいが、もう少し情報が明らかになるまでは、現時点でそれが具体的に何であるかは明かさない」とウォーデン氏は当時撤退を発表した際に述べた。これはF/A-XXへの言及と広く見られていた。「我々が有利な立場にあり、政府がリスクとリターンのバランスを適切に取っていると判断すれば、先ほど述べた通り、そのプログラムには参入するだろうと推測していただいて構わない」

元空軍高官らはその後、ノースロップ・グラマンの入札案が落選寸前だったと語った。

前述の通り、F/A-XXをめぐり産業基盤の能力に関する疑問が渦巻いている。国防総省は、2026会計年度予算案において、海軍の次世代戦闘機プログラムを事実上棚上げしようとしていた。当時、米国防高官は、この決定について「現時点では産業基盤が1つのプログラムしか対応できないとの判断し、F-47に全力を注ぎ、そのプログラムを確実に成功させるという大統領の優先方針によるもの」と明言した。

その後、議会が介入し、2026会計年度においてF/A-XX計画を継続させるため、約16億9000万ドルの予算を計上した。

「はっきり言っておくがノースロップ・グラマンはF/A-XXを実行する準備ができている」とノースロップ・グラマン航空システム部門のトム・ジョーンズ社長も、昨年12月に同プログラムに関連する産業基盤の能力について質問を受け、本誌や他のメディアに対し語っていた。「当社は、顧客コミュニティに対し、準備が整っており、確実に遂行できると確信していることを理解してもらえるよう努めている。」

ボーイング・ディフェンス・アンド・スペースのCEO、スティーブ・パーカーも、昨年、米国の産業基盤がF-47とF/A-XXを同時に支えることはできないという主張に反論していた。同社が海軍のプログラムに向けて提案しているのは、F-47を海軍仕様に改修したもののようだ。

「空軍はこのシステムに対して多大な需要を抱えている。海軍も多大な需要を抱えている」と、コードル提督も昨日述べていた。「つまり、今回の決定には『二度確認して一度実行する』といった考え方があったわけだ。そして今、なぜ徹底的な検討が必要だったのかという点について、我々は皆、認識を一致させていると思う。私はそれで構わない。」

コードル提督や議会といった海軍トップからの明確な支持があるにもかかわらず、F/A-XXの将来全体に関する疑問は残ったままだ。海軍は2027会計年度において、同プログラムに1億4000万ドル強の予算を要求する見通しだ。これは、特にこの規模のプログラムにとっては極めてわずかな金額である。対照的に、空軍はF-47向けに50億ドルの追加資金を求めている。空軍の次世代戦闘機計画には、すでに数十億ドルが計上されている。

国防総省および各軍は本日、年次予算案の詳細を発表し、今後数年間のF/A-XXに関する計画について、さらなる手がかりが得られる可能性がある。海軍の次世代戦闘機を製造する契約を獲得すれば、最終的にどの企業が選定されようとも重要な勝利となるだろう。

更新:2026年4月22日

米海軍は、今週初めにコーデル提督が述べた発言に関して、以下の声明を発表した:

「シー・エア・スペース・エキスポ(Sea-Air-Space Exposition)での質疑応答セッションにおいて、海軍作戦部長のダリル・コーデル提督は、海軍の第6世代攻撃戦闘機プログラム(F/A-XX)について質問を受けた。コードル提督は、海軍の優先事項は、選定された請負企業が艦隊が求めるタイムラインが要求される能力を提供できることを、十分な調査を通じて確保することであり、同時に広範な産業基盤の能力も考慮することであると強調した。『特定の入札者』への言及は、一般的な逸話としてのコメントを意図したものであり、現在検討中のいかなる企業を指すものではなかった。」■

ジョセフ・トレヴィシック

副編集長

ジョセフは2017年初頭から『The War Zone』チームのメンバーである。それ以前は『War Is Boring』の副編集長を務め、その署名記事は『Small Arms Review』、『Small Arms Defense Journal』、『Reuters』、『We Are the Mighty』、『Task & Purpose』など、他の出版物にも掲載されている。


Northrop Defends Ability To Build F/A-XX 6th Gen Naval Fighters If Selected

The Navy's top officer said yesterday that an unnamed contractor "really can’t deliver" on F/A-XX "in the timeframe we need it."

Joseph Trevithick

Published Apr 21, 2026 12:15 PM EDT

https://www.twz.com/air/northrop-defends-ability-to-build-f-a-xx-6th-gen-naval-fighters-if-selected