2016年7月6日水曜日

★★★F-35とF-105の意外な類似性、戦闘爆撃機でドッグファイトは不得手




The National Interest


America's F-105 Thunderchief Fighter-Bomber: The F-35 of the Vietnam War?


July 3, 2016

War Is BoringによればF-35はF-16との模擬空戦で旋回速度が遅すぎて勝てなかったとテストパイロットが語っている。

  1. これからの米空軍で最多の戦闘機材になるF-35が数で優勢なロシアや中国の機体と戦って残存できるのだろうか。
  2. 答えは歴史の中にある。50年前にも米空軍は同じ予測をしている。攻撃の主力F-105サンダーチーフは重量級ハイテク地上攻撃機で敵戦闘機も同時に撃退できるはず、とF-35と同様だった。
  3. だが事実はF-105も旋回速度が遅くロシア製MiG-21に太刀打ちできず、空軍はF-105の損失を防ぐ特別な戦法を編み出した。同様の措置はF-35でも必要だろう。
  4. F-35とF-105は驚くほど似ている。「F-105とJSFは大型、単座機、単発の戦闘攻撃機で、その時点で最強力なエンジンを搭載、空虚重量は27千ポンド級で翼幅もほぼ同じ35フィートだ」とオーストラリア航空宇宙専門家カーロ・コップが2004年に指摘していた。
© 2005, 2007 Carlo Kopp


  1. 「両機種とも機内兵装庫があり機外パイロンで燃料と兵装を運べる」とコップは指摘し、「ともに戦闘半径400カイリクラスを目指し推力重量比、高機動操縦性能で制空戦闘機や迎撃機より劣っていた」
© 2005, 2007 Carlo Kopp


  1. 空軍が調達したF-105は833機のうち334機をヴィエトナムで1965年から1970年までに喪失している。北ヴィエトナムのMiGに撃墜されたのは22機で、F-105が撃墜したMiGは27機とほぼ対等の空戦実績を上げている。
  2. だが対等だからとペンタゴンは喜んでいたわけではない。1969年には状況を改善するべくF-105に模擬空中戦をイラクから搬入したMiG-21と行わせた。国防情報局の「Have Doughnut」の一環でイスラエルに亡命した機体をイスラエルから借りた。
  3. 結果はF-105に芳しくなかった。MiG-21と遭遇したF-105はまず回避行動をとるよう勧奨された。MiG-21後方に回り気づかれない時に限り、サンダーチーフは高速奇襲攻撃した。
  4. F-105とMiG-21は対等の条件で空中戦を展開していたが、F-105はトラブルに遭遇している。「F-105が交戦で長時間機体を操縦すると、機動エネルギーがなくなり、操縦の余裕が減ることで攻撃力が減じ、追撃を受けやすくなる」ことが判明したと報告書にある。
  5. F-16と戦ったF-35パイロットも同様の現象を報告している。「パッチレートが不足した」F-35のパイロットが「敵機に対してエネルギー不足が何度も発生した」と述べている。
  6. F-105には直線飛行では他機の追随を許さない速度上の利点があったが、F-35は現役世代のスホイ、瀋陽、成都の各戦闘機よりも低速だ。さいわいにもJSFはステルス機なので、一定の条件なら敵の長距離探知センサーから逃れることが可能だ。
  7. 将来の戦争に備えF-35の残存性を高くする戦術を開発し、ステルス性を武器に優位性を確立すべきだ。コップは「決定的なのはJSFのステルス性には限界があること」と指摘している。■


6月17日東シナ海上空で何があったのか どちらの言い分が正しいのか


この問題の背景には中国が狙う心理戦もありますが、世界に孤立する様相を示す中国が多方面で大胆な動きに出ていることにも注目すべきでしょう.一体真実はどうだったのか。否定するだけではだめで、日本も情報開示すべきではないでしょうか。でないとウソを言い続けるほうが真実だと受け止められるようになります。日本も主張する際に計算された戦略戦術が必要ですね。

China says Japanese F-15s locked onto its fighters over East China Sea

Gabriel Dominguez, London - IHS Jane's Defence Weekly
05 July 2016


Source: JASDF
中国国防省が火器管制レーダーを東シナ海上空を6月17日に飛行中のスホイSu-30戦闘機二機に航空自衛隊のF-15戦闘機二機がロックオンしたと非難した。
中国は中国戦闘機のうち一機が航空自衛隊F-15に攻撃を加える構えを見せて接近したとの報道を否定している。F-15はスクランブル出撃していた。
「日本側の発表は事実を捻じ曲げ白を黒と言いくるめ不和を植え付けようとするものである」と同省情報局報道官が述べているとChina Military Onlineが伝えた。
それによると報道官はSu-30の二機編隊が「東シナ海防空識別圏で通常の哨戒飛行を行っていたところ」航空自衛隊F-15が二機高速で接近し「火器管制レーダーを中国機にロックオンした」とし、日本側がいつでも武器を発射できる状態だったとしている。
Su-30編隊は「戦術行動など必要措置」で日本側の「挑発行為」に対応したと報道官は述べ、F-15二機は赤外線フレアを放出しその場を去ったという。
中国側報道官は日本の行為は「空中事故で深刻な被害や損傷を航空機搭乗員に与えかねない」事態だったと注意喚起した。また同報道官は日本政府が「中国に歩み寄り」かつ「交渉の障害を取り除き」中日海上空中連絡メカニズムの立ち上げ・運用の条件整備に向かうよう希望すると述べた。日中両国は海上での意図しない衝突回避のしくみづくりで昨年12月に基本合意している。
萩生田光一内閣官房副長官は中国の言い分を否定しており、航空自衛隊機は「中国国防部が言うような挑発行動は一切取っていない」と述べ、中国戦闘機へのロックオンレーダー作動の事実はないと述べている。■


★★米空軍主導で進む第六世代用エンジン開発の現状



Aerospace Daily & Defense Report

USAF Confirms Sixth-Gen Fighter Engine Awards

Jul 1, 2016 Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report

F135: Pratt & Whitney
LOS ANGELES—ジェネラルエレクトリックプラット&ホイットニーの二社が米空軍ライサイクルマネジメントセンターから次世代のサイクル可変型エンジン技術の開発契約を適合型エンジン移行事業 Adaptive Engine Transition Program (AETP)の名称で交付された総額10億ドル以上となる。.
  1. このエンジンは推力45千ポンド超で第六世代戦闘機用に空軍と海軍での供用を目指し同時にロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の換装用になることも狙い適合型エンジン技術が研究段階から実戦用に進展していることが分かるAETPは2021年にかけて各種テストを受け適合型エンジン開発事業 Adaptive Engine Technology Development (AETD)に続くものでAETDが適合サイクルエンジンの実用性を証明したのを受けるものだ
  2. AETD技術の実証は今年から2017年にかけGEとプラットが行い終了する。空軍は同技術を2007年から開発しており、可変サイクル構造で三段式の蒸気通過でファンを適応させる。三段目の蒸気により空気の流れを追加し、ミッションの段階には左右されるとはいえ推力を追加し燃料消費を抑える効果が期待され、コア内部に空気の流れを追加し推力を増やす効果と冷却効果をともにねらう。同時に燃料の冷却も行い、機体各システムで吸熱効果も狙う。
  3. GEとプラットのエンジン構成の詳細は極秘扱いだが、空軍によればAETPエンジンで狙う効果は燃料消費で25%改善しながら推力を現行エンジンより10%向上させるものだという。今後登場する戦闘機では各種センサーや指向性エネルギー兵器により発電量の増加が必要になるとして、AETPエンジンでは熱管理の効率改善が求められる。
  4. GEはF-35用の代替エンジンで提案したF136以降は現役戦闘航空機用エンジンを手掛けておらずB-21ではプラットに負けたこともあり、AETDは戦闘機用エンジンへ再度参入するため願ってもない機会だ。同社はAETDの初期設計審査を2015年3月に終え、2014年にAdventエンジンのテストに成功している。同社はこのAdventエンジンを初の適合サイクル方式三段蒸気方式エンジンと評している。GEは推力と航続距離の関係見直しで作戦半径が30%以上増えると説明している。
  5. プラットは同社製F119とF135の運用で戦場からのデータをもとに2013年に地上施設で三段スチーム方式のファンを実証しており、これをAETDの一部としている。「2017年早々に当社は次の段階に移行し、三段風流技術を実際の作動エンジンで実証します」と発表している。■


2016年7月5日火曜日

★★★空対空性能を重視するF-3、国産開発の可能性が濃厚



選挙戦もたけなわと思いますが、相変わらず安全保障では空理空論が大手を振っているようです。スクランブルの現状などなぜ実態を踏まえた議論にならないのか、都合の悪い事実には目をつぶる傾向が見られるのは本当に残念です。
War Is BoringWe go to war so you don’t have to

For Japan, Air-to-Air Fighters Trump Other Jets

Tokyo requests information from industry for next-gen warplane

by JAMES SIMPSON
F-3はX-2技術実証機を元に生まれるのだろうか。Japanese defense ministry photo
  1. 6月末、防衛省は次世代戦闘機の情報要求を各メーカーに出し、これで三菱重工F-2の後継機「F-3」開発の長い工程が始まった。
  2. だが性能向上が目立つ中国の海空兵力の脅威に対抗する必要を日本政府が感じる中、現在入手可能な機種はいずれも日本のニーズにこたえられない
  3. 日本が本当は欲しいF-22は立法措置で購入がままならず、次善の策が新型ステルス機の国産開発だ。
  4. Aviation Weekは6月24日号でX-2戦闘機技術実証機について評価をし、F-3開発につながると見られる同機から日本が狙うのは「大型双発機で長距離飛行性能があり機体内部に大型空対空ミサイル6発を搭載する」と推定している。
  5. 確かに日本のニーズからこの推定はありうるが、その通りなら日本はF-2の攻撃能力は捨て、高速長距離迎撃性能に重点を置くことになる。つまり対地攻撃ミッションから離れ空対空戦を重視することになる。
  6. Jane’s Defense Weeklyでも今回の情報要求を報じておりF-3は100機生産になるとしている
  7. 原稿執筆時点で日本国内報道を伝えているのはロイターだけで日付は6月30日となっている。その記事によれば防衛省はボーイングとロッキード・マーティンにも参加を呼び掛けている。ロイターは新戦闘機開発の予算は400億ドルと試算している。
百里基地から離陸したF-15とF-2 Japanese Air Self-Defense Force photo

F-2から F-35へ

  1. 日本側は研究成果をF-16に詰め込み三菱F-2が生まれた。機体単価171百万ドルはF-16四機分で安い買い物ではない。日本はF-2を94機保有している。
  2. F-2は多用途戦闘機で、恒例の富士総合火力演習では爆弾投下し、地上部隊を支援する姿が見られる。島国ということもありF-2は対艦攻撃任務もこなす。
  3. だが噂通りF-2後継機が双発ステルス戦闘機になればF-2の任務はどうなるのか。答えはF-35にある。
  4. 日本は2011年にF-35Aを42機導入すると決め長年供用しているF-4ファントムの後継機種とする。まず四機がテキサスとイタリアで生産中で三菱重工の小牧南製作所も参加し、2017年に日本へ到着する。
  5. 航空自衛隊はロッキードF-22導入を希望していたが、2006年に米下院が輸出禁止措置を延長し、日本導入の可能性が消えた。
  6. 日本がF-22を調達できていれば旧式ながら非常に価値の高い双発多用途戦闘機F-4を退役させていたはずだ。代わりに日本は第五世代戦闘機で唯一入手可能な機種として性能は落ちるが単発のF-35に落ち着いた。同機輸出はロッキードが力を入れており、議会も海外販売を後押ししていた。
  7. 双発と単発の違いを論じると多分に学術的になる。双発機の方がエンジンが余分にある分だけ残存性が高いとされるが、現実にはエンジン一基が作動しなくなると墜落する。
  8. 双発機でステルス効果が高いのはエンジンの大きさだけでなく同じ推力なら探知されにくい排気を出すためだ。このためF-22のステルス性能はF-35に勝る。
  9. そうなるとF-35をF-2やF-4の後継機種にすることで意味が出てくるが、わずか42機では90機近くのF-4にとって代わることができないし、日本は戦闘機が不足しているのだ。F-35選定が遅れ、稼働開始が遅れている中で既存各機は限界まで使われている。
  10. 日本にはF-15が150機ほどあり、日本の領空を中国の偵察行為の増加から守っているが、F-15は数次にわたる耐用年数延長改修を受けている。F-2も改修されているとはいえ、F-4が消えた後のギャップは早々に埋まりそうにない。Jane's報道のF-3100機が正しくても日本の戦闘機不足は解消しない。
  11. 今のところ日本は数より質を重視するようだ。Aviation Weekの推測通りならF-3はF-15同様の航空優勢戦闘機となるが、わずか42機のF-35はF-4とF-2の役目もこなせるのか。
  12. この場合のF-35は空対空戦に加え戦闘攻撃機の機能も果たす。日本が求めるのは高速ステルス戦闘機であり、F-35やF-15改修型を補完し、中国の高性能機材へ一対一で対決できる機材だ。

中国問題

  1. なぜ日本が空対空能力を重視するかを理解するためには中国が琉球諸島へ脅威になっていることを知る必要がある。
  2. 冷戦時の日本は北方の守りを固めソ連からの防衛を重視していた。だが冷戦後の状況変化へ対応が遅れた日本はロシアと緊張緩和しても北方重点配備を続けていた。1990年代から2000年代にかけ自衛隊は存続意義の説明に苦慮し、平和維持活動や国際災害救難人道援助活動、さらにテロ対策や中東での民生整備事業に活路を見出すありさまだった。
  3. だが2010年に保守派が懸念していた通りに防衛省は新しい脅威対象を発見する。その年の防衛ガイドラインで中国の海洋進出の野望、接近阻止領域拒否の兵器体系と尖閣諸島占拠の可能性を取り上げた。
  4. 日本の懸念を理解するのは難しくない。
  1. 上図は日本の防空識別圏に侵入した中国航空機へのスクランブル回数を防衛省データでまとめたものだ。2008年に航空自衛隊のスクランブルで中国機は全体の13パーセントだったが、昨年実績では65パーセントに増加している。
  2. 中国の侵犯は年々増加し、今年4月から6月だけで航空自衛隊のスクランブル回数は200回近くと、前年同期の114回から大幅に増えている。
  3. 制空防衛任務が日常的になっている現状で高速長距離迎撃機が航空自衛隊で一番活躍する機材になっている。航空自衛隊の主任務は接近してくる中国機への対応になった。
  4. そこで那覇基地にF-15が40機ほど展開し、2010年の24機から大幅増で同基地は緊急配備部隊の本拠地になったが、基地としては完全とはいいがたく、民間空港と同居して沖縄の空を守っている。政府も尖閣諸島に近い地点に基地開設を検討しているが、現行基地の負担は相当大きい。
  5. 那覇基地のF-15は今や一日一回のスクランブル出撃をしており、離陸後のF-15は255マイル先の尖閣諸島まで20分飛行する。
  6. 中国機は高速化しており、ロシアが北方に飛ばす低速の偵察機とは大違いだ。
  7. 中国が焦点を合わせる外縁島しょ部分には双発長距離戦闘機が日本に最適な存在となる。ただし攻撃能力も完全に除外されているわけではない。IHI製XF-5のような高出力双発エンジンでペイロードが増加すると、F-3を揚陸部隊支援として対地攻撃に充てることも可能だろう。

脅威は第五世代機

  1. 武装した航空機が対峙すると緊張も確実に上がる。航空自衛隊航空支援集団の元司令官が6月17日に中国戦闘機がF-15に敵対行動をとったとオンラインニュースで明らかにした。これに対し防衛省は中国機が「異常な行動」はとっていないと報道を否定している。
  2. だが翌6月18日に河野 克俊統合幕僚長から報道陣に「中国は海空で行動をエスカレートしているようだ」とのコメントが出ている。
  3. このままでは中国機と日本機の遭遇が危険な状態を作った2013年の再来は時間の問題だろう。緊張がここまで高くなると一回のパイロットの行為が国際危機につながりかねない。危機が発生した場合、日本は戦闘に勝ちたいと思うのは当然だ。
  4. そこで中期防衛整備計画(2018年まで)から日本の優先順位が見えてくる。「海上優位性ならびに空中優位性の確保を可能とする能力の整備」で日本政府は実現に全力を挙げている。
  5. その表れとして航空自衛隊はF-2のうち49機に三菱電機製のAAM-4B空対空ミサイルを、また91機に新型J/APG-2レーダーを導入た。改修でF-2はF-15をよりよく支援できるようになった。
  6. F-15も二回に分け性能改修を2004年から受けており、68機で完了している。ただしF-15では老朽化の兆候を示しており、部品落下が特に沖縄で増えている。
  7. F-2が2030年までに退役し、F-15は2040年代まで飛行するが、つなぎ機材のF-35が42機では大変なので第六世代のステルス制空戦闘機が数年のうちにも必要となる。
  8. 問題は日本が欲しい機材が今存在しないことだ。日本は今もF-22調達を希望しているが。
  9. 背景に中国のJ-20、J-31の共に双発ステルス戦闘機の存在があり、2020年代に実戦化すると見られる。中国報道では空母に搭載する案もある。
  10. 実際の性能、特にエンジン性能とは別に中国の利点は数だ。およそ8対1で劣勢な日本の武器は地理条件、練度と技術で強力な隣国に対抗しようとする。.
  11. 現時点の日本は第五世代技術の実証機による技術開発を目指しX-2高度技術実証機を作り、初飛行を2016年に済ませている。同機は縮小型で生産機材とはかけ離れた存在だがテストで得られる技術成果は次の国産機の基礎となるだろう。
  12. 防衛省からの情報要求は既存機材の項中、共同生産、純国産のいずれかの選択を目指す日本政府の既定方針の日程に合致し2018年に最終決定を下す。
  13. ボーイング、ロッキードあるいはヨーロッパ企業が極秘プロジェクトを隠しているのでなければ、Aviation Weekが伝えた予想性能諸元ではF-3が国産開発になる可能性が高い。ただF-2のように機体は高額となり期待通りの結果が得られないかもしれない。.
  14. なお、情報要求の回答締め切りは8月。■


F-22は南シナ海でHQ-9ミサイル防空網を突破できるのか



ここにきて中国の動向に関心が集まり、米中軍事衝突の想定での記事が増えています。観念的な内容が次第に兵装レベルに移ってきたのはそれだけ緊張がリアルであることの証拠でしょう。

Visit Warrior Can the F-22 Evade and Destroy Chinese HQ-9 Air Defenses - Now in the South China Sea?

DAVE MAJUMDAR
Wednesday at 10:59 PM

National Interest 誌はF-22戦闘機を南シナ海に投入すれば中国で最高性能を誇るHQ-9ミサイル防空網をかいくぐり勢力均衡が変わるとしている。

  1. 強力なHQ-9ミサイルを中国が南シナ海ウッディ島に持ち込んだことで緊張がさらに高くなっているが、ただちに開戦になる可能性は低い。だが武力衝突が発生すれば米国はHQ-9に対抗してロッキード・マーティンF-22ラプターを投入するだろう。
  2. HQ-9は極めて高性能な兵器でロシアのアルマズアンティS-300P(SA-10グラウラー)と米製MIM-104ペイトリオット(中国はイスラエルから入手済み)の長所を融合させたような装備だ。だが米製、あるいはロシア製の地対空ミサイル(SAM)にない特徴としてアクティブ電子スキャンアレイレーダーを搭載している。HQ-9発射装置一式で同時に6個の目標を最大120マイル射程、高度90千フィートまで狙える。さらに一部のHQ-9迎撃ミサイルでは最大有効射程が150マイルまで延長しているといわれる。同ミサイルには事実上の飛行禁止帯ができるほどの威力がある。
  1. 第五世代ステルス戦闘機F-22ラプターはHQ-9に対抗して米空軍が投入できる最高の機材だ。もともと制空戦闘機の役割を中心に考えてきたが、多様な任務をこなせるのは実証ずみだ。また制空任務にあわせ「ドアを破り」ノースロップ・グラマンB-2爆撃機に侵入経路を開く任務も想定している。イラクとシリア上空ではF-22の強力なセンサー性能が着目され、偵察任務と指揮統制任務もこなしている。
  2. 空軍のラプター遠征飛行隊がエルメンドーフ・リチャードソン共用基地にあり、第三飛行団がアラスカから展開できる。同飛行団の機体は装備アップグレードで最新の3.2A仕様になっている。つまり合成開口レーダーによる地図表示、位置認識能力に加えて小口径爆弾(SBD)の運用能力があり、戦闘識別能力が向上しており、Link-16によるデータ受け渡しで各機のデータを融合できる。.
  3. 現在配備中の機体にアップグレード5仕様のソフトウェアがついているか不明だが、同ソフトは2015年10月にリリース済みで、AIM-9Xサイドワインダー、AIM-120D AMRAAMおよび自動地上衝突回避システムがソフトウェアが先に搭載されていれば運用できる。
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  1. ラプターはインクリメント3.1アップグレードで位置把握性能が付与されており、S-300やS-400相手に強力な威力を発揮できる。合成開口レーダーと位置把握能力でラプターは高機動式SAMの位置を突き止め、スピードとステルスを組み合わせ比較的安全に攻撃を加えることが可能。マッハ1.8超の飛行速度をアフターバーナーを使わずに維持でき、同機のレーダー断面積はおはじき玉ほどになる。つまりHQ-9陣地に接近して250ポンドのSBDあるいは1,000ポンドのJDAM衛星誘導爆弾を敵に機体を長くさらすことなく投下できる。
  2. 中国はウッディ島にHQ-9を持ち込み各国空軍機の接近を困難にしているが、F-22が到着すれば米空軍は南シナ海上空を自由に飛行できる。

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


2016年7月4日月曜日

★★7月12日を境に中国は「不良国家」になる



尖閣、南西諸島での中国の海空軍の不穏な動き、蔡政権の台湾への露骨な圧力などすでに以下予想するオプションが現実ののものになっています。7月からの南シナ海は荒れた海になりそうです。

The National Interest

A South China Sea Explosion: Why China Might Go ‘Rogue’ on July 12, 2016


July 1, 2016

7月12日に国際仲裁裁判所が中国とフィリピンの係争案件で裁定を出す。中国に不利になるとの見方が大半の中、中国は早くも距離を置こうとしている。だが予想通りきわめて不利な結果が出た場合に中国はどう対応するだろうか。中国には選択肢は多数あり、大部分で悪影響を出しそうだが、アジアのみならず米国にも悪影響が及ぶのは必至だ。

最も可能性が低い選択:何も反応せず裁定を事実上受け入れる

  1. 北京からお決まりの声明文が出て、南シナ海は自国領海と主張したらどうなるか。
  2. 一見悪くない選択に見える、表面上は。中国は今と同様に人工島建設で小規模軍事基地を構築し、最新「空母キラー」対艦兵器を配備し、最新鋭戦闘機、爆撃機を順番で移動させ、南シナ海を究極の接近拒否領域否定(A2/AD)地帯に変えるというシナリオだ。中国は裁定内容に怒りを表明し、今まで通りの行動を続ける。自国主張を固める効果があるといえよう。
  3. この反応なら最近の中国にすれば穏やかな方だ。が実現の可能性は極めて低い。習近平一党は国内に力強く見える形で対応を迫られるだろう。昔通りではだめだ。強硬策を求める国民に外部勢力には屈しないと見せるため南シナ海は兵力投射先として中国の影響圏にしておく。
  4. ここから二つの可能性が生まれるが、どちらも超大国同士の衝突の危険を発生させるはずだ。

可能性が一番高い選択肢:防空識別圏(ADIZ)を設定する

  1. 中国政府はここ数か月にわたりこの動きを予告している。防空識別圏を宣言するかとの問いに中国政府関係者は現時点で予定はないが将来あるとしたら南シナ海の危険度が理由だろうと述べている。中国に不利な裁定内容が出れば中国の公式見解も変わるだろう。
  2. 習近平はじめ上層部が公式見解で変更を正当化するのはたやすい。裁定内容で中国の権益が侵されたと言えばよいのであり、他国の誤った行動や国際圧力でADIZ宣言に「追い込まれた」と説明すればよい。中国はすでに防空装備を配置しており、戦闘機も交代で派遣している。現状でも中国はある程度の騒動を起こす力はある。東シナ海と同様に宣言しながら強制力は行使できないのではないか。だが宣言だけで緊張は相当高まる。識別圏の大きさや範囲にもよるが、アジア各国との危機状態につながるかもしれない。ワシントンとしても今回はB-52を一機か二機通過飛行させるだけでは済まないだろう。

もう一つの選択肢:不良国家になる

  1. ではADIZ設定だけで満足せず、武力衝突一歩手前まで強硬な態度に中国がでればどうなるか。中国はアジアの危険の火種すべてに圧力をかけてくる、つまり悪党の役を演じることだ。例として、
-東シナ海で海空のパトロール回数を大幅に増やし日本の神経を逆なでする。同時に石油天然ガス採掘も大々的に始めて日本政府を大いに憂慮させる

-台湾で危機状況を引き上げる。習主席は台湾渡航を大幅に制限するかもしれない。台湾はすでに中国本土に経済的依存度を高めているが、投資貿易規模を減らすことから始めるだろう。習は台湾を困らせる方法を各種熟知している。アジアの目を台湾海峡に向けさせるのも有効な手だ。

-スカボロー礁でも埋立て工事を開始する。リスクも危険も最高でワシントンは実施の場合は対処するとの意向を示しており、A-10他で示威飛行させている。だが中国がフィリピンからわずか150マイル地点で浚渫工事を開始し南シナ海でもう一か所の軍事基地構築を始めたらアメリカはどう対応するだろうか。

南シナ海対決へ向かうのか

  1. 7月12日の裁定結果前後に世界各地のアジアウォッチャーは多忙を極めるはずだ。アジア太平洋地区には不幸なことだが、その後に発生する事態で南シナ海の緊張はさらに高まるし、中国が選択可能なオプションを考えると、同時に中国の実力とここ数年にわたり中国が国際関係の現状を大きく変えようとしてきたこともあり、今後数か月にわたり緊張が高まることは避けられようにない。

Harry J. Kazianis is a Senior Fellow for Defense Policy at the Center for the National Interest and Senior Editor for The National Interest magazine. You can follow him on Twitter: @grecianformula.



2016年7月3日日曜日

★★歴史に残る機体④ F-4ファントムII




ドイツ空軍 F-4 Phantom 2013.年撮影  U.S. Air Force photo

The F-4 Is a Great Fighter With a Bad Reputation

Phantom jets overcame their flaws

by SEBASTIEN ROBLIN
マクダネル・ダグラスF-4ファントムIIは伝説の域に達した機体で、ヴィエトナム戦の象徴であり第三世代戦闘機の典型と言える。1960年代から供用開始し合計5千機が生産され、現在も数百機が現役で活躍する大型超音速戦闘機だ。
  1. ヴィエトナム戦での空戦実績から同機は大出力エンジン推力と時代遅れの武器技術にあぐらをかいた不器用な大男との印象が生まれてしまったが、これは不当な言い方だ。
  2. ファントムの欠陥は1970年までに修正され、エイビオニクスや兵装は近代的標準仕様に変わっている。この性能改修型ファントムはトルコやギリシャでF-15同様の役目をずっと低い費用で実施している。
スペインの射爆場で爆弾投下演習をする米軍F-4。1986年3月。U.S. Air Force photo

戦火の洗礼

  1. 1958年に登場したF-4は革命的な設計とされ、すぐに航空記録を塗り替える飛行性能を示した。
  2. 巨大なJ79エンジンを双発搭載する同機は今でも優秀な推力性能を発揮し、重い機体をマッハ2、時速1,
  3. 473マイルまで加速する。
  4. 初期型は最大兵装18,000ポンドで第二次大戦時のB-17爆撃機の三倍の搭載量だった。後席に兵装士官が乗りレーダー、通信、兵装システムを扱い、パイロットは操縦に専念できた。
  5. F-4は地上運用型、空母運用型があり、米空軍、海軍、海兵隊に採用された。三軍が同時に使用した戦闘機は同機の後はF-35まで現れなかった。
  6. 軽量MiG-17やMiG-21戦闘機と初めてヴィエトナムの上空で対決するとファントムは被害を受けている。
  7. 朝鮮戦争で米空軍は空対空戦で米側一機損失に対し6ないし10機の敵機を撃墜したが、ヴィエトナムでは2対1近くになっていた。
  8. F-4が最初に遭遇した問題は機関砲がないことで、兵装はすべてミサイルという想定で最新式レーダー誘導方式のAIM-7スパロウと熱感知式AIM-9サイドワインダー、そして旧式AIM-4ファルコンを搭載していた。
  9. 空軍が初期型ミサイルがとんでもない存在だと気づいていなかった。
  10. 研究成果によればヴィエトナム戦時代のAIM-7では45パーセント、AIM-9の37パーセントが発射時やロックオンで不良となり、各機は慌てて回避行動をとっていた。このため撃墜の可能性は各ミサイルで8%、15パーセントしか期待できなかった。ファルコンミサイルはもっと悪く、ペンタゴンはまず同ミサイルを実戦使用から外したほどだ。
  11. 北ヴィエトナム空軍のMiGは機関砲とミサイル(MiG-21の場合)を両方装備し、重いF-4を出し抜く飛行ぶりを示し、全速度域でF-4は敏捷さが不足していた。さらに米パイロットは近接ドッグファイト訓練を受けておらず、空軍は空対空戦はミサイルで長距離から行う前提だったのだ。
  12. さらにJ79エンジンは黒い排気煙を発生し、機体の大きさと相まって遠隔地から位置を簡単に突き止められた。その一方で交戦規則で米パイロットは有視界距離外では未確認機の撃墜が禁じられ、せっかくのミサイル性能を自ら減じていた。
米空軍のF-4GがAGM-45シュライクミサイルを発射。1988年8月。 U.S. Air Force photo

各種改良策

  1. だがそこからF-4の問題は解決されていく。空対空ミサイル技術は大幅に改良され、スパロウ、サイドワインダーともに性能が上がっている。F-4EではM161ヴァルカン砲を最初から機内に搭載した。
  2. 以前はガンポッドで機銃を運用したファントムもあったが射撃時にひどく振動が発生した
  3. 1972年にフィル・ハンドレイ少佐のF-4がMiG-19を機銃で撃墜したが超音速での機銃による撃墜で唯一の例となった。
  4. さらに空軍はF-4Eに主翼スラットを付け操縦性を大幅に改良し速度を若干犠牲にした。新型J79エンジンは初期の黒煙問題を解決している。
  5. これに対し海軍は早い段階で航空戦闘操縦訓練の不足が問題の根源と認識し、トップガン教程を1968年に創設している。海軍パイロットの撃墜記録の方が優秀で7機のファントムを喪失したが40機を空対空戦で撃墜している。
  6. 空軍のファントムは空対空戦で喪失33機で107機を撃墜し、海兵隊も三機を撃墜と公表している。だが三軍で474機が地上砲火で撃墜されたのは大型のファントムに対地攻撃任務も課せられていたためだ。
  7. さらに派生型二機種も登場した。RF-4写真偵察型は速度を武器とし、ワイルドウィーゼルは敵の地対空ミサイル攻撃に特化した機体だ。
  8. 米軍がF-4を作戦投入したのは砂漠の嵐作戦が最後で機体は1996年に退役しており、一部はQF-4標的無人機に改造された。

中東

  1. F-4は世界に広く普及した。イスラエルは同機を広く稼働し1969年からの「消耗戦」でエジプト、シリアを相手に116機を撃墜している。
  2. ヨム・キッパー戦(1973年)の初日にエジプト空軍のMiG28機がオフィル空軍基地を奇襲攻撃し、ファントムは二機しか緊急発進できなかったが7機を撃墜している。
  3. イスラエルのファントムの主要標的で一番恐ろしい敵はアラブの地対空ミサイル陣地だった。SAMでイスラエルはファントム36機を喪失した。
  4. そのイスラエルのファントムも1982年のレバノン介入が最後の戦闘機会となった。F-15やF-16の護衛を受けたファントムはベカー渓谷でシリアのSAM陣地三十か所を一日ですべて壊滅させたが一機も喪失していない。
  5. イランは革命前に米国からF-4を225機供与されている。その後イラクと9年間続いた戦争でイラン空軍の主力装備となった。イラクのMiGに対し優秀な戦績を残したといわれる。またイラク石油施設への長距離空襲を数回実施している。ただしイラン発表の空対空撃墜比率は疑問がついたままだ。
トルコ空軍のF-4E。2014年6月。Royal Air Force photo

21世紀のファントム

  1. ファントムは一部国でまだ供用中だが、いかにも常軌を逸している。F-15イーグルと比較してみてほしい。
  2. F-15は1975年に供用を開始した第四世代戦闘機のはしがけと言える機体で今日でも主要空軍部隊の主力だ。F-15では意図的にF-4との違いが加えられている。やはり大型双発で二名搭乗だが敏捷なドッグファイターになった。
  3. F-15と軽量F-16が初めて実戦投入されたのは1982年のレバノンで両機種でシリアの第三世代MiGを80機撃墜しながら喪失はゼロだった。
  4. 第四世代戦闘機の優越性が再び証明されたのが湾岸戦争で、イラク戦闘機が撃墜できた第四世代戦闘機はわずか一機(F/A-18ホーネット)で逆にイラクは第三世代機33機を失っている。ではF-4に新しい環境で生き残ることができるのだろうか。
  5. 答えは簡単だ。第四世代機と同じ新型ハードウェアを搭載すればよい。
  6. トルコ空軍とギリシア空軍のファントムには共に新しいパルスドップラー式レーダーが搭載され、「ルックダウン・シュートダウン」性能が実現した。これまで高高度からのレーダー観測では抵抗う飛行中の航空機の捕捉は困難だった。レーダー波が地上から反射されるクラッターが原因だ。アクティブドップラーレーダーはクラッターを減らす。
  7. 今のF-4は各種新兵装の運用が可能となり、AIM-120 AMRAAM空対空ミサイルは射程65マイルで、AGM-65マーヴェリック精密誘導兵器やスパロウやサイドワインダーの後期改良型も搭載した。
  8. これでF-4も第四世代機のF-15やSu-27と同等の兵装運用性能を手に入れたことになる。
  9. 電子装備や計器類は旧式なままではない。近代化改修を受けたF-4はヘッズアップディスプレイも搭載しており、パイロットは計器盤をいちいちチェックしなくてもよい。
  10. ドイツは改修型F-4Fを2013年まで稼働させたが、現在は非常時に備え機材を備蓄している。韓国はF-4Eに中程度の改修を加え71機運用中だ。日本はF-4EJ改にパルスドップラーレーダーと対艦ミサイルを搭載した。.
  11. 改修ではイスラエルが1980年代にファントム2000クマス(大槌)で先鞭をつけている。すでにイスラエルでも同機は2004年に退役しているが、イスラエル企業はギリシアのピース・イカルス・ファントム41機にANPG-65パルスドップラーレーダーとAMRAAMミサイル運用能力を与える改修作業を実施した。
  12. イスラエルはトルコ機ターミネーターも改修し主翼ストレーキの追加で操縦性を向上している。.延長20キロの配線を取り換え1,600ポンド減量に成功している。またセンサーと電子装備も近代化している。兵装ではペイヴウェイ爆弾、HARM対レーダーミサイル、また射程48マイルのポパイミサイルの運用が可能となった。
  13. ターミネーターは対地攻撃が主任務で評判の悪い任務にも投入されてきた。クルド人抵抗組織PKK戦闘員をトルコ国内とイラクで空爆している。その間にRF-4偵察機がシリアで撃墜され2015年にはF-4が三機墜落しているため、トルコのメディアでは「空飛ぶ棺桶」の異名がついた。
  14. イラン空軍によれば2009年時点でF-4D、E型あわせて76機が稼働中でRF-4も6機あった。イランはロシアや中国製の対地、対艦ミサイルの運用のため機材を改修したといわれるが、空対空ミサイルではAIM-7スパロウの中古品が中心だ。また補修部品も密輸により確保しているのはF-14トムキャットと同じだ。
  15. イランのファントムもイスラム国の空爆に2014年12月に投入されており、現在もペルシア湾上空で米軍偵察機や無人機と追いかけっこをしている。
  16. だが強化したとはいえF-4が本当に第四世代機と互角に戦えるのだろうか。21世紀に入ってファントムの空戦記録はないがギリシアのF-16とにらみ合いをしたファントムはある。また演習だが中国のSu-27と模擬空戦をし0対8の結果で勝っている。
  17. また主翼スラットを装着したF-4が180度方向転換をする画像を見ると、F-15と比べると両機種とも旋回を終えるのにともに7から8秒で差がないことに気づくはずだ。ただしF-15の方が制御は容易にできている。
  18. だからと言って改修F-4がその後登場した機体より優秀というわけではない。これだけの重量の機体を操る性能として第四世代機並みというだけだ。
  19. ファントムは長年にわたり性能とともに順応性を発揮してきた。初飛行の1958年にまさか同機が60年近くも第一線で活躍すると想像できた人は少ないはずだ。■