2017年10月27日金曜日

★主張 日本が長距離攻撃能力を整備するのは当然のことだ



選挙が終わり「反対党」勢力の考えが国民に受け入れられないことが証明されました。一方、北朝鮮は不気味な沈黙を保っており、制裁が効果を上げているのか、「敵失」を待っているのか不明ですが、安全保障が争点になった今回の選挙を経て新政権は現実的な対応をしていくでしょう。今回ご紹介するのはランド研究所研究員の主張ですがこういう考え方を米国人から聞かねばならないのは妙な話であり、本来は国内から出て当然と思います。自衛隊の英訳はSelf-Defenceですが、英語感覚では犯人に向かい銃を使い犯罪を未然に防ぐ市民の言い分がself defenseですね。つまり海外からすればなぜ自衛隊が「専守防衛」の域を出ないのか不思議なのでは。日本の安全を真剣に考える風潮の中でSelf Defenseとして敵を先に攻撃する能力の整備(使う、使わないは別の問題)で抑止力を高めるのは至極健全な動きだと思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

Why Japan Needs Long-Range Strike Capabilities
なぜ日本は長距離攻撃能力を整備すべきなのか



October 23, 2017



  1. 平和憲法があれば安全保障上の脅威は乗り切れると考える日本国民の頭の中を表現することばとして「平和ボケ」heiwa-bokeがある。北朝鮮がミサイル性能を引き上げ日本を核爆弾で沈没させると脅かす中での平和ボケは他国にはできない贅沢である。日本が存続すため何が必要なのか国内議論でも結論が出ていない。
  2. 日本がミサイル脅威に対応するには二段の弾道ミサイル防衛BMD体制が必要だ。海上配備は駆逐艦で中間軌道ミサイルを大気圏で狙う。陸上装備はペイトリオットで最終段階を迎撃する。総じて日本のBMDは高性能であるが対応には限界があるPAC-3として日本が配備中のペイトリオットの射程は12.5マイル程度しかなく、標的地に配備しない限り意味がない。駆逐艦のイージス戦闘システムは日本全土を有効範囲におさめるが正しい位置で正しい時間に艦がいなければ無意味だ。北朝鮮ミサイルが高速ロフテッド軌道をとるのが日米の想定する最悪の可能性でBMDで対応不能だ。
  3. 日本はイージスアショア導入をすすめ、陸上海上で高性能迎撃ミサイルを配備し、有効射程、高度、精度をあげるはずだ。ただし北朝鮮がミサイルを同時多数発射し複数再突入体で攻撃してきたら127百万人の防御は不可能だが今よりは迎撃効果があるだろう。
  4. 日本の選択肢は法律で狭められている。2015年に通過させた法案で集団防衛演習への自衛隊参加に道が開いたが安倍晋三首相は実際の運用に厳く制約を課している。必要最小限の軍事力行使が許され、しかも国家存続が危うくなった場合に限られ、日本自体が攻撃を受けるか、日本と緊密な関係を持つ他国が攻撃を受ける場合のみの想定しかなく、侵略勢力の撃退手段は他にない。
  5. 北朝鮮ミサイルの脅威は集団安全保障の行使の難易度が高いことを日本にあらためて示した。発射数秒で予想軌道を割り出さねばならない。標的が日本ではなく別の場所と判明すれば日本の政治指導層は集団的安全保障要件を満たすか協議する必要がある。だがミサイル迎撃の決断で話が迅速にまとまるだろうか。仮にそうであっても集団的安全保障の名のもと他国に先駆け日本が単独でミサイルを撃破できるだろうか。
  6. 抑止力整備で日本は積極策を検討すべきだ。長距離攻撃力を取得すべきだ。敵が攻撃準備する中、座して待ち死を覚悟するのか。鳩山一郎首相は1956年に敵ミサイル基地への攻撃は日本国憲法の自衛権の範囲内と答弁している。この解釈で日本はミサイル発射前に敵地を攻撃できる。歴代の内閣はこの解釈を継承し、長距離攻撃能力を保有することは憲法上許されるとしながら政策上はその整備に向かったことはないが、現実世界は法理論をこえたところにきているのだ。
  7. 日本が長距離攻撃能力を取得し、あくまでも防衛姿勢を保ち、日本政府も先制攻撃すると明言しないとする。そう、技術面では今と何も変わらない。法的解釈も同じだろう。「先制」だと攻撃に写るがミサイル着弾前に日本が行動したら「防衛」なのか証明が極めて困難だ。絶対の自信をもってミサイル発射が近づいており発射後に日本へ向かうと証明の上、これ以外に選択肢はないと説明する必要がある。言うのは簡単だが、行動は別だ。
  8. 安倍首相が攻撃能力取得に向かうだろうか。政治面で困難だ。平和憲法を踏みにじると批判されかねない。国内反対勢力は長距離ミサイルは憲法が禁じる「戦力」だと批判するだろう。また中国はじめとする近隣諸国は再軍備化だと安倍首相を批判するのは想像に難くない。
  9. だが政府には国民の生命財産を守る責任がり、北朝鮮のような国家は日本の脅威であり、政治指導層は日本の存在そのものを守る必要がある。現行BMDシステムで対応不能の空白があるならば補強策は当然歓迎されるはずだ。北朝鮮からの脅威が高まる中で新対応が検討されるのは当然と言える。
  10. 70年にわたる期間ほとんど通じ日本は平和国家で許される範囲内で防衛政策を向上させてきた。冷戦中はソ連の技術体系が迅速に向上せず対応は容易だった。冷戦後も日本の防衛政策は変化を続けているが速度がいかにも遅い。北朝鮮が迅速に軍事力を増強させる中で以前のような安閑とした対応を続ける余裕は日本にない。日本は攻撃能力の整備を政策上の最優先課題とすべきである。■

Based in Washington, Jeffrey Hornung is a political scientist at the nonprofit, nonpartisan RAND Corporation. He specializes in Japanese security and foreign policies, East Asian security issues, maritime security, and U.S. foreign and defense policies in the Asia-Pacific region, including its security alliance.


2017年10月26日木曜日

大丈夫か米海軍MQ-25無人給油機構想、ノースロップが不参加を表明



先日のT-X競合でもノースロップはいち早く脱退を表明しており、ビジネス決断が迅速な会社ですね。米海軍の要求内容では同社の得意分野が生かせないと判断したのか、要求内容を実現するのは無理と判断したのでしょう。そうなると残る三社の去就が注目され、受注してもKC-46のボーイングの例のように大きな負担になってしまう可能性はないでしょうか。そうなるとノースロップの決断が優秀だったことになってしまうのですが、もともとは海軍の要求内容に問題があるようですが、給油機が喉から手が出るほど欲しい米海軍としては悩ましいところでしょうね。しかし給油機なのにMQ呼称には別用途にも投入したいという海軍の色気があるのでしょうか。二兎を追う者一兎も得ず、とならなければいいのですが。


Northrop Grumman Drops Out of MQ-25A Stingray Competition

ノースロップ・グラマンがMQ-25スティングレイ競争提案から脱落


An X-47B during a March 2015 test flight. US Navy Photo

October 25, 2017 4:47 PM


  1. ノースロップ・グラマンが米海軍MQ-25スティングレイ給油無人機競合に加わらないことがわかった。同社首脳部が今期営業報告で明らかにした。
  2. 「当社の目標は受注を勝ち取ることではありません。無論勝つことは重要で気持ちよくなりますが、実際に執行できず納入できなければ株主にも誤った選択になります」と同社CEOウェス・ブッシュWes Bushが10月25日に語ったとDefense Newsがいち早く報じている。
  3. 「米政府あるいは別の同盟国から頼りにされるのは信頼の証で、当社としては信頼を裏切ることは許されず、提案内容から当社として実施可能か検討して参りました」
ノースロップ・グラマンX-47B無人戦闘航空システム実証機(UCAS-D)は2014年も空母着艦テストを行っている。US Naval Institute Photo

  1. ブッシュによれば今月初め発表の提案要求内容から同社は参加を断念した。ボーイングロッキード・マーティンジェネラルアトミックスの三社は競合に残り2018会計年度末までに受注社が決まる見込みだ。
  2. 2013年7月10日に同社製造のX47Bソルティドッグ502がUSSジョージ・H・W・ブッシュに自律着艦している。
  3. ただし着艦後に海軍の求める初の艦載UAVの姿は高性能低視認性無尾翼機から単純な空中給油機に変貌してしまった。
  4. ブッシュは発言で各論に触れていないが、海軍がUAVで優先順位を変えたことがノースロップの競合他社に有利に働いているのは事実だ。X-47Bは全翼機形状で低視認性と燃料効率を追求していた。
  5. 海軍の要求では既存D-704型バディタンク給油システムの採用を想定している。
  6. 8月にAviation WeekがX-47BにD-704バディタンクを主翼左右下に装着した写真を公表していた。X-47Bはペイロードは機内搭載の設計で外部に装備をつければステルス性が犠牲になる。

ジェネラルアトミックスのMQ-25スティングレイ想像図。GA Image used with permission

  1. 海軍がスティングレイによる空中給油能力を必要としているのは事実で、スーパーホーネットが唯一の給油機として2割から3割におよぶ空母発着艦ミッションを給油に使ってりうことが機体損耗を招く一因になっている。
  2. 「MQ-25はライノ(スーパーホーネット)より効率がよくなり4機ないし6機への給油で行動半径を伸ばせるでしょう」と米海軍航空隊司令マイケル・シューメーカー中将Commander of U.S. Naval Air Forces Vice Adm. Michael Shoemaker が米海軍協会Proceedings9月号で語っている。”
  3. 「スーパーホーネットの機体を給油任務で痛めつけることがなくなればいいのですが。現在この任務に投入できるのはライノしかないのです」
  4. 海軍はスティングレイに空母から500マイル地点で15千ポンドの給油能力を与え、有人機の行動範囲を700カイリ以上延長することを望んでいる。
  5. 海軍は新型機の就役予定を明示していないが、作戦部長ジョン・リチャードソン大将は早ければ2019年の実現を期待している。■

2017年10月25日水曜日

特報 米空軍が核爆撃機24時間警戒態勢を復活か


冷戦時代とは規模が違いますが、核爆撃機を即応待機に戻すという時計を後戻りさせたのは金正恩その人であると断言できますね。その意味ではグローバルな影響力を持った人物であるのは確かです。ただしあとどのくらい生きていられるかは誰にもわかりませんが。米空軍はこの内容を否定しているようですが、真実はまもなくわかるでしょう。

EXCLUSIVE: US Preparing to Put Nuclear Bombers Back on 24-Hour Alert 特報:核爆撃機の常時待機態勢の復活を米国が検討中


A 2014 photo of a B-52H Stratofortress based at Barksdale Air Force Base, La.
  • BY MARCUS WEISGERBER
OCTOBER 22, 2017
BARKSDALE AIR FORCE BASE, La. —  米空軍が核搭載爆撃機を再び24時間待機態勢に戻そうとしている。冷戦終結の1991年以来の措置となる。
  1. 本基地の11千フィート滑走路の末端でふたたび「クリスマスツリー」(斜めに駐機する形状から)にB-52が待機し下命あり次第即座に核爆弾を搭載して離陸する風景が見られるのだろうか。
  2. 「空軍の準備態勢を一歩進める措置になる」と空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドフェイン大将Gen. David Goldfeinがバークスデール基地含む米空軍核ミッション基地順次訪問の途中で語っている。「特定事態への対応というより地球規模の事態発生に備える体制づくりと見ている」
  3. ゴールドフェインはじめ国防高官は警戒態勢を取る命令は出ていないと強調するが、即応態勢整備が進んでいるのは確かだ。命令を出す権限があるのはジョン・ハイテン大将Gen. John Hyten(米戦略軍STRATCOM司令官)あるいはロリ・ロビンソン大将Gen. Lori Robinson(米北方軍NORTHCOM司令官)のいずれかだ。STRATCOMが核戦力で、NORTHCOMが北米大陸防衛の責任を負っている。
  4. B-52を再び待機させるのは北朝鮮含む急速に変貌しつつある地政学的課題への米軍の対応策のひとつにすぎない。ロシアも軍事力増強を続けている。
  5. ゴールドフェインは米空軍トップであり、統合参謀本部の一員だが隷下部隊に核兵器を使う抑止効果に加え核を実戦投入した場合を考えるよう求めている。
  6. 「世界は危険な場所であり核兵器使用を公言するひとたちもいる。かつてのソ連とこちらの二極態勢はもはや存在しない。核プレイヤーが増えた中でミッションを確実に行える体制がここまで重要になったのは初めてだ」(ゴールドフェイン)
  7. 全米移動した先週ゴールドフェイン大将は空軍隊員に冷戦時を超えたICBMや核巡航ミサイルの使用内容を考えるよう促していた。
  8. 「空軍グローバル打撃軍団に意見交換の中心役を求め『通常戦に核兵器の要素が加わるとどんな様相を呈するか』『もしこれが現実に発生したらグローバル勢力として対応できるか』『オプションは何か』を考えさせたい。そのような環境で抑止力はどうあるべきなのか」
  9. B-52を常時警戒態勢に戻すと抑止効果が高まるのかと問われたゴールドフェイン大将は一言では答えにくいと認めた。
  10. 「それは相手がだれで、どんな行為を問題にするか、さらにこちらの即応態勢が関心を呼べるかにより異なる」
  11. バークスデール基地には第二爆撃飛行団と空軍クローバル打撃軍団が本拠地を置き、かねてからB-52を常時警戒態勢に戻す作業を受けてきた。待機施設近くには相当年数の立ったコンクリート建物がありB-52乗員が冷戦時にここで寝泊まりし機体をすぐ離陸させる体制を維持してきた場所でこれも改装を受けている。
  12. 内部には100名以上を収容するベッドがすえつけられ、外部に設けられた待機機材9機には十分すぎる規模だ。レクリエーション室にはビリヤード台があり、テレビやシャッフルボード卓もある。基地内の各隊隊章の大きな絵が壁に掲げられている。
  13. その一つが冷戦時代のシンボルでB-52のシルエットに「古くながらの平和達成方法」を書き添得るのが目立つ。さらに戦略空軍軍団のロゴもあり、これも冷戦時代のなごりで当時はB-52が常時外に待機態勢にあったのだ。
  14. ずっと空だったB-52用駐機場には核戦争時の空中指揮統制機材E-4BナイトウォッチとE-6Bマーキュリーがやってくる。核戦争となれば両機は国防長官、STRATCOM司令官の空中司令機にそれぞれなる。大統領が攻撃命令を下せば、両機は発射コードを爆撃機、ICBM、潜水艦に伝える役目を負う。核攻撃を予期し強化措置を受けているE-4Bのうち一機は今も24時間待機だ。
  15. バークスデール他核爆撃機の基地では新型核巡航ミサイル導入に備えて保管施設の新設工事を進めている。各地視察の途中でゴールドフェイン大将は400発あるミニットマンIII大陸間弾道ミサイルの後継機種の初期検討内容を受け取っており、新型長距離巡航ミサイルでも同様の報告を受けた。
  16. 「われわれの仕事はオプションを示すことで最良の軍事助言と選択肢を最高司令官および国防長官に提示することだ。STRATCOM司令官あるいはNORTHCOM司令官から本土防衛のためには警戒態勢を高める必要があると言われた場合に備えて対応できるようにしておかねばならない」■
  • Marcus Weisgerber is the global business editor for Defense One, where he writes about the intersection of business and national security. He has been covering defense and national security issues for more than a decade, previously as Pentagon correspondent for Defense News and chief editor of ... FULL BIO

2017年10月24日火曜日

速報 米空軍F-35A飛行隊が沖縄に11月移動し、6か月駐留


以下米空軍による公式発表ですが、11月に現地入りし、その後半年なら来年4月までとなり、北朝鮮危機がこの間に一つの山場を迎える想定になっていることがわかります。


U.S. Air Force's F-35A Lightning II scheduled for first operational deployment to Indo-Asia-Pacific



U.S. Air Force's F-35A Lightning II scheduled for first operational deployment to Indo-Asia-Pacific

米空軍ヒル空軍基地所属のF-35ライトニングIIがパールハーバー―ヒッカム共用基地(ハワイ)で地上移動中。2017年10月13日。(U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Heather Redman)

Pacific Air Forces Public Affairs / Published October 23, 2017

JOINT BASE PEARL HARBOR-HICKAM, Hawaii --ヒル空軍基地(ユタ)の第34戦闘機飛行隊からF-35A12機と300名の隊員が6か月にわたる巡回配備で嘉手納航空基地にやってくる。機体と支援部隊は11月初旬に現地入りする。
米太平洋軍がはじめてF-35Aをインドアジア太平洋地区に配備することになる。
「F-35Aは傑出したグローバル精密攻撃能力を台頭する脅威に向けつつ現行機を保管して航空優勢を維持します」と太平洋空軍司令官テレンス・J・オショネシー大将Gen. Terrence J. O’Shaughnessyが語る。「当方の責務実行上同機は理想的で訓練や実際の作戦に統合したい」
F-35A部隊は米太平洋軍の戦域安全保障パッケージ(TSP)制度で配備され、TSPは2004年から実施されている。米国による地域内安定と安全保障への取り組みの一環を見せるのが目的だ。
F-35Aが戦域内に配備されるのはこれが初めてだが海兵隊F-35Bは岩国海兵隊航空基地に2017年1型以来配備されている。■

空軍機材からのレーザー兵器運用技術はここまで進展している


レーザー兵器の発展は急速なようです。
光ファイバーレーザーは新技術なのでしょうか。今やレーザー単体より光学系センサー技術との同期化など応用面に研究の中心が移っているようですが、電源確保、安定性など航空機での実用化にはまだ課題は多いのでしょう。一方で完全自律兵器は米国ではタブー扱いですがこんなことにかまわない東側勢力はちゅうちょなく「ターミネーター」を作り、いつの日か暴走するのでは。恐ろしいです。


Air Force Tests Bolt-On Aircraft Laser Weapon

米空軍が航空機搭載レーザー兵器試射に向け準備中


Scout Warrior - May 28, 9:48 PM

  1. 米空軍科学技術部門がB-52に防御用レーザー兵器を搭載し飛来する空対空ミサイルを焼きつかせようとしている。
  2. 攻撃防御両面でレーザー兵器を空軍は戦闘機や大型貨物機への搭載を狙い数年にわたり開発中だ。ただし空軍研究所Air Force Research LabがSHIELD事業の名前で別の5か年開発事業に乗り出しており機内発電容量の確保、光学高エネルギーレーザーで大型機のB-52やC-130さらに戦闘機の防御に役立てる。
  3. 「長期的にはレーザーを攻撃兵器に運用して標的を排除できるようになる」と空軍科学主任グレッグ・ザカリアスAir Force Chief Scientist Greg ZachariasがScout Warrior 単独インタビューで答えている。
  4. おそらく外部装備ポッドから十分な電力を確保する構想と思われるが、AFRLはすでに実証装備を機材に取り付ける作業に入っているとザカリアスは述べている。
  5. 外部ポッドは敵レーダーに探知されやすくなりステルス機への搭載は困難とザカリアスは認める。
  6. ただし1960年代製の大型B-52が防御能力の恩恵を一番大きく享受するはずだ。B-52はハイテク技術アップグレードを続けて受けており、空軍は同機をまだ数十年稼働させる。
  7. B-52の防御は重要課題になるはずで、改装B-52をペンタゴンは重武装機別名「空飛ぶ爆弾トラック」として使う構想があるからだ。
  8. レーザーは高熱と光エネルギーで標的を爆発させる代わりに焼却する構想で運用は非常に高速で高速標的を即座に破壊するか敵の攻撃にも対応する。防御用兵器にして敵ミサイル妨害にも使えると開発陣は説明してくれた。「飛来するミサイルを破壊する代わりにコースをずらせるのです」(ザカリアス)
  9. またレーザー兵器に望遠鏡の光学技術を同調させれば高速移動標的の高精度追尾破壊を実現できるとザカリアスは説明してくれた。
  10. 光ファイバーケーブルを束ねることがレーザー出力の増強策になり1キロワット出力を10キロワット兵器にできる。「光ファイバーレーザーの問題は安定性とレーザーそのものの拡大だ」(ザカリアス)
  11. レーザーの標的捕捉でもフェイズドアレイレーダーとレーザーを同一波長で接続して同期化を進めた兵器になる。
  12. 航空機からのレーザー発射は戦闘機でゆくゆく実現し広い用途が考えられ、空対空戦、近接航空支援、対UAS(無人機)攻撃、小舟艇攻撃、地上攻撃さらにミサイル防衛を考えていると関係者は述べる。
  13. 低コストがレーザー兵器のカギであり、高価なミサイルの投入が不要となる。
  14. 空軍研究部門関係者は空中発射レーザー兵器の実用化を2023年までに実現すると述べている。空中発射実験は202年までに実施すると空軍関係者は述べている。
  15. 高エネルギーレーザー(HEL)の地上兵器運用テストがここ数年ホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ)で続いており、空軍指向性エネルギー局が高エネルギーレーザーテストをニューメキシコのカートランドAFBで実施中だ。
  16. 空軍首脳部は大型機のC-17やC-130からの空中発射から始め、小型化が実現すればF-15、F-16やF-35にも投入されるとみている。
  17. 航空戦闘軍団は自機防御用高エネルギーレーザー高度技術実証で中規模出力レーザーを小型化し戦闘機用ポッドに搭載して地対空、空対空ミサイルへ対応させる。
  18. 空軍特殊作戦軍団は空軍研究所とともに海軍支援施設ダールゲンともレーザーをAC-130Uガンシップに搭載し攻撃用途に使おうと模索中だ。
  19. レーザーでは弾薬量の制約がなくなるのが利点だ。ミサイル6発なり7発を機外機内に搭載するのかわりに、指向性エネルギー兵器ならわずか1ガロンのジェット燃料で数千回発射できると空軍専門家は発言。
  20. レーザー兵器は弾道ミサイル防衛にも投入できる。ジェイムズ・シリング海軍中将(ミサイル防衛庁長官)は2017年度予算審議の席上で「レーザー技術の成熟化は死活問題だ」と述べている。
  21. 技術の進展では自律化技術分野がめざましくレーザー搭載無人機で敵を捕捉、追尾、破壊する能力がセンサー、目標捕捉、兵器運搬の組み合わせで実現するとの見方が強い。すべて人的関与なしで実現する。
  22. 急速に技術が発展する中でペンタゴンは自律型兵器運用でも「人員を関与させる」考え方をウェポンシステムに導入しているとザカリアスは認める。
  23. 「人員との接続を必須としており、断続的でもかならずチームに人員をかませる。実現まで数年かかるだろうが、自動化技術も数年にわたる開発が必要だし、飛行制御コンピュータや航空機そのものと多様な内容だ」(ザカリアス)
  24. ミサイル装備にはトマホークやSM-6のようにセンサーとシーカー技術で自律運用や半自動自己誘導を実現しているものもあるが、なんらかの人的介在が必要だ。ミサイルと大型機や高機動地上ロボットが自分で標的を破壊する作業は異なる。■

ロシアとの第五世代戦闘機開発の継続に消極的なインド空軍


ロシアはインドの資金提供を期待していたはずなのにこれでは目論見が外れます。Su-57(PAK-FA T-50)の今後に暗雲ということでしょうか。あるいはロシア機の性能内容に今後の成長の可能性がないとみているからでしょうか。インドが米国製機材採用に大きな方向変更を取る可能性が出てきたと言えないでしょうか。


Indian Air Force wants out of fighter program with Russia

インド空軍がロシアとの戦闘機共同開発の継続に消極的に

Su-57 の試作機 T-50 がMAKS 2011航空ショーで飛行展示された。 (Alex Beltyukov via WIkipedia Commons)


NEW DELHI – 100億ドルで第五世代戦闘機(FGFA)を共同開発・生産しようという野心的なインド-ロシア構想は新たな難関に直面している。インド空軍が事業中止を求めているからだ。
インド空軍高官が国防省に不安を訴え、FGFAのロシアとの共同事業では米F-35戦闘機並みの性能は実現できないと事業継続に消極姿勢を見せている。
FGFA事業の内容ではステルス性能でレーダー断面積がF-35より劣ると空軍関係者は述べ、構造面で抜本的な改良が必要でロシア試作機では実現は無理だという。
FGFAにはエンジンのモジュラー構想はなく、整備と保守性が高価格となりトラブルも増える。
ロシア側はモジュラー式ではないエンジンを提供し、保守点検等はエンジンメーカーが担当するとしている。
これに対し国防アナリストのインド空軍出身のバジンダ・タクールVaijinder K Thakurは、空軍の評価に賛同していない。FGFA原型機のSu-57のエンジンはAL-41F1だがFGFA生産型にはプロダクト30型が搭載され、重量が3割軽減され、推力向上と燃料消費改良に加え稼働部品数が減る。このため信頼性が上がり、ライフサイクルコストが3割下がるという。
インド空軍は米製機材の運用経験がなく、長期運用経費をロシア、米国の戦闘機で比較する立場にないというのがタクールの言い分だ。■

2017年10月23日月曜日

北朝鮮攻撃に待機する米潜水艦部隊の持つ意味とは...


これが抑止力の好例でしょう。北朝鮮も今春シリアが巡航ミサイルで攻撃されたのを恐ろしく見ていたはずです。潜水艦の場合はどこにいついるのかわからないため、今回ツーソンをあえてさらけ出した米海軍の意図は近海にもっと多くの潜水艦がいる(いない)かもしれないと北朝鮮をおびえさせることにあるのでしょうね。空と海で北朝鮮軍は米軍等にまとも戦える戦力ではないのでいったん作戦が始まれば北朝鮮は一度も主導権を握れずに壊滅する可能性があります。



The U.S. Navy Could Attack North Korea from Stealth Submarines (With Almost No Warning)

米海軍は無警告で北朝鮮をステルス潜水艦から攻撃可能だ

October 12, 2017


  1. 北朝鮮との対決に備え米国は兵力増強を続けている。.
  2. 米空軍のB-1Bランサー戦略爆撃機が航空自衛隊および韓国空軍と演習をする中、海中から発射できる巡航ミサイルを搭載した米海軍原子力潜水艦が遊弋している。潜水艦の存在は通常は秘匿情報だが、米海軍は今回ロサンジェルス(SSN-688)級攻撃潜水艦USSツーソン(SSN-770)をあえて10月7日に韓国鎮海Chinhae 基地に寄港させている。
  3. ツーソンの寄港は北朝鮮へのメッセージでもある。平壌は米軍動向を常時監視しているが、米軍が高精度長距離攻撃能力を拡充させていることを意味する。北朝鮮との緊張が高まる中、同艦は米国が韓国を見捨てることはないとのメッセージでもある。
  4. ツーソンはシーウルフ級(三隻で建造終了)や新鋭ヴァージニア級(15隻が就役中)とは同等ではないが、米海軍が就役中のSSN原子力潜水艦52隻の中で大きな存在だ。ツーソンは688級の通算59号艦であり、改ロサンジェルス級20番目の艦だ。今では最新鋭とはいいがたいが、ツーソン他688級各艦は艦体の働き馬だ。
  5. 改ロサンジェルス級はヴァージニア級と同様に垂直発射管12本にトマホークミサイルを搭載する。潜水艦はもっともステルス性が高い装備であり、接近してから巡航ミサイルをいきなり発射できる。そのため攻撃潜水艦は敵にミサイル発射地点を悟らせない。
  6. 北朝鮮に関して言えば、ツーソンが朝鮮半島沖合に展開することで平壌に対するけん制となり北朝鮮の行動を辞せさせる効果があるのだ。■
Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

2017年10月22日日曜日

米空軍F-35Aが韓国へ到着



一瞬ドキリとする記事ですがソウルの航空宇宙ショー展示のために韓国入りしたとのことです。航空ショーは米軍の現役機材が多数参加しており、北朝鮮への戦力誇示の意味が強いようですね。とはいえこれだけの機材が一度に見られるのは貴重な機会で今年は見逃した格好です。来年も平和が続き再びショーが開催されるのならぜひ見てみたいものです。しかし今の日本の旅行業界ではソウル航空ショーツアーは売りにくいでしょうね。

The F-35A Just Arrived in Seoul Amid Tension With North Korea

F-35Aが北朝鮮との緊張のさなかでソウルへ到着

Members of the 第388戦闘機飛行団の第4機材整備隊が第4戦闘機隊司令ヨセフ・モリス中佐の乗機の到着に対応している。中佐は機体をロッキード・マーティン工場から9月27日にヒル空軍基地に移動させたばかりだった。 (U.S. Air Force photo/Todd Cromar)
POSTED BY: ORIANA PAWLYK OCTOBER 20, 2017

空軍仕様F-35がアジアデビューした。
  1. 共用打撃戦闘機がソウル国際航空宇宙防衛博Seoul ADEX出展のため韓国に今週到着したと米空軍が発表。
  2. 同機はその他米空軍のF-22ラプター、A-10サンダーボルトII、C-17グローブマスターIII、C-130ハーキュリーズ、B-1ランサー、KC-135ストラトタンカー、E-3セントリー、U-2ドラゴンレイディ―、RQ-4グローバルホーク他陸軍海軍機材と展示される。会場は北朝鮮国境から35マイルしか離れていない。
  3. ヒル空軍基地(ユタ)からF-35A2機に整備要員27人が随行しているがF-35飛行展示は行わないと空軍報道官は述べている。
  4. ただし今回の航空ショーではラプターがアラスカのエルメンドーフ・リチャードソン共用基地の第三航空団から飛来して飛行展示を行い、オサン空軍基地の第51戦闘飛行隊所属のA-10、ハワイのパールハーバー・ヒッカム共用基地第15航空団のC-17一機も加わる。
  5. 「航空ショーへの支援と参加で米国のインドアジア太平洋地区における安定安全へのコミットメントを示せ相互運用と標準化を推進する効果も期待できる。また軍事作戦を成功裏に実施することにもつながる」とPacAFは別リリースで発表。
  6. ADEXは10月22日に閉幕するが、ペンタゴンが最新のジェット機をそのまま同地域の同盟国と共同訓練に投入するかは不明だ。
  7. 8月に空軍長官ヘザー・ウィルソンAir Force Secretary Heather WilsonがF-35Aは太平洋はじめいかなる地域にも展開可能とし北朝鮮との緊張エスカレ―ションに対応する準備があると発言していた。「F-35は飛行時間累計が10万をこえたところで順調です。いかなる緊急事態にも戦闘投入できます」とウィルソン長官はペンタゴンで報道陣に述べていた。
  8. 空軍はF-35Aを演習に参加させていないが、海兵隊はF-35B飛行隊を岩国に今年展開しており、8月31日にはB-1Bランサー爆撃機編隊と日本韓国それぞれのF-15戦闘機編隊とともに飛行させ北朝鮮に戦力誇示している。
  9. 今年4月にはF-35A小規模編成がヨーロッパに数週間派遣されており、ヨーロッパ大陸で初の訓練を展開した。■

超大型空母に未来はあるのか、RAND研究成果に見る小型空母の可能性


大は小を兼ねるのか。これまでの流れの頂点が新型フォード級空母ですがさすがに米国もこれでいいのかと考えつつ、必要な戦力を積算するとどうしても大型艦になるジレンマに苦しんでいるのでしょうか。一方で強襲揚陸艦の新世代USSアメリカが新しい動きの芽になりそうですね。超大型空母が過去の遺物になるのかそれともこれからも平和の守り神の主役の座に残るのか、まだまだ論争は続きそうですがそんなに悠長なこと言ってられるのでしょうか。筆者は日本が一部負担して米海軍が運用する部分所有権みたいな空母が今後生まれると見ていますが。


Small Aircraft Carriers: RAND Report Won’t Convince McCain

RAND報告が型空母構想を検討したがマケイン議員は納得させられず

Navy photo
USSジェラルド・フォード
By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on October 20, 2017 at 8:28 AM
  1. 米海軍には小型かつ安価な空母が必要であると予算超過・予定遅延のUSSジェラルド・フォードを念頭に元海軍パイロットのジョン・マケイン上院議員はずっと主張してきた。真っ向から反対するのが大型空母建造を推進する団体ACIBCで米海軍向けRANDの研究成果を引用しつつNational Interestに見解が掲載された。だがマケインに簡単に引き下がる気配がなく、RANDも小型空母構想のうち一案は検討の価値ありと考えている。
  2. RAND報告書はマケイン主張に異議を立てるものではないとある議会スタッフが教えてくれた。報告書は上院軍事委員会委員長のマケインが提起した疑問に答えていないからだ。「最も過酷な環境下でフォードが実施できる能力との比較で代替各案を検討している」と高度戦力を有する中国のような敵との対決を想定している。「また各案でうまく対応できないと分かったのも驚きに値しない」とこのスタッフは語っている。「空母の任務をあらゆる角度から検討し、フォードは過剰戦力で小型空母がより適していると言えるのか検討している」
  3. RANDもマケイン主張の中心課題に一言だけ言及している。つまり、「海軍は新しい『ハイローミックス』空母戦力を検討すべきだ」とのくだりでマケインの論文Restoring American Power.を引用している。「従来型の原子力推進スーパー空母は互角の戦力を有する大国への抑止ならびに撃破には有効だが、実際の日常運用たる兵力投射やシーレーン確保、近接航空支援や対テロ作戦なら小型で安価な通常動力空母で十分用が足りる」
  4. RANDは大型小型空母の組み合わせの方がうまく行き、各種ミッションに対応でき「リスクを低減し」ながら「管理しやすくなる」と結論づけている。ただし同シンクタンクは長期的解決策として深く検討していない。
将来の海軍戦闘構想 (CSBA graphic)
  1. RAND報告書は立法上の要求に十分こたえられない。上下両院が成立させた国家防衛認可法(NDAA)(2016年)の128節(d)項では海軍に対し代替空母構想を以下の形で議会提出するよう求めている。
  • 「各種作戦シナリオで」
  • 「CVN-78級空母に代わるものあるいは補完するもの」
  • 「排水量2万トンから10万トン超までの範囲で」
  1. これに対しRAND報告書では
  • 「最も過酷なシナリオ」での機能を分析しただけ
  • フォード級に対し「低コスト空母代替策」を検討し、
  • 検討範囲は2万トンから10万トンの範囲のみ
  1. マケイン議員は小型空母を推進派だが、NDAAは海軍に現在のスーパー空母を上回る艦の検討も求めており、大小両端で検討を求めているのにRANDはこれをしていない。
  2. 批判は脇においても「大きいことはいいことだ」がRANDの結論ではない。研究では「小型化には代償がある」としている。同シンクタンクの結論は建造費用を下げても戦闘能力が切り下げられるのは割りが悪いということだ。RANDはフォード級より三割小さい中間サイズの原子力空母も検討している。
Navy photoUSS フォレスタル。米海軍はこの大きさの通常動力空母は運用していない。
オプションは四つ
  1. RANDは構想を四つに分け、それぞれで長所短所が大規模戦闘で露呈するという。
  2. ハイエンドが10万トン原子力空母構想(CVN 8X)でフォードよりわずかに大きく高価格の選択肢だ。RANDは建造単価を下げた場合ソーティ形成能力つまり機材の着艦、燃料補給、装備再充填ののち発艦させるくりかえしが「わずかながら低下する」と結論づけた。フォード級でも開発にあれだけの予算がかかりながら、バグ対応していくと節減効果は期待できない。
  3. ローエンドが2万トン通常動力空母(CV-EX)で第二次大戦中の護衛空母の現代版だ。ここまで小さいと空母航空隊全部の運用は無理でジャンプジェット機のF-35Bやティルトローター機のV-22オスプレイ並びにヘリコプターの運用しかできない。かつ機数が限られる。電子戦機材は大型空母や陸上基地から運用を迫られる。あるいは新規開発の垂直離着陸機に支援任務を期待するしかないだろう。そうなると護衛空母構想は「実用性に乏しい」とRANDは結論付けている。
  4. この中間に興味を引く選択肢が用意されている。
HMSクイーンエリザベス
  1. 7万トン原子力空母(CVN-LX)はフォードより3割小さいがフルサイズ飛行甲板で同じ機材を運用できる。(同規模の通常動力空母の提案も英クイーンエリザベスやかつてのUSSフォレスタルなどの例からあるが、RANDはなぜか検討していない) この艦だと同じ一日でもフォードのソーティー数に及ばないが、RANDはこのことは「ストレスのかかる戦闘シナリオでは制約条件にならない」と結論付けている。深刻なのは7万トン艦が搭載する一機あたり弾薬燃料量はフォードより低くなる点だ。このため同艦は再補給が頻繁に必要となり、戦火の環境では望ましくない。それでもRANDは「相当の節約効果が就役期間全体で期待できコンセプトをさらに磨けば大いに期待できる」としている。
  2. 4万トン通常動力空母(CV-LX)は現行の強襲揚陸艦USSアメリカを大型化した構想だ。アメリカ同様にこの艦の飛行甲板も小さいため運用はF-35、V-22、ヘリコプターしか期待できず部支援も必要になるが、護衛空母構想よりは支援度合いは低くできる。艦そのものも現行艦を発展拡大すればいいので「低リスク」かつ費用対効果が高いとRANDは見ており、二隻あればフォード級一隻の機能のほとんどが期待できるが、全部とまでいかず、艦隊に追加負担をかけない代替策にだという。
USSアメリカ(LHA-6)
  1. マケイン論文は小型空母を求めており、具体的にはこの規模を想定しているが現行の空母打撃群(CSGs)の肩代わりは期待していない。かわりに通常動力軽空母群を建造し高艦齢のワスプ級大型甲板型揚陸艦の代替にしたいとする。揚陸即応集団(ARGs)の中核がワスプ級で海兵隊を運ぶのが任務だ。構想では海兵隊に航空戦力を増強し厳しい環境に対応させ、艦隊航空戦力の増強はそこまで期待しない。だがこの構想はマケイン提案にありながら海軍がRANDに委託した際には薄められている。
  2. 「本研究内容で論争が終止符を打たれることはないし、その他にも似たような結論の研究成果が出ている」と元海軍のブライアン・マグラスが記者に語っている。「小型かつ限定目的の空母には将来の艦隊に立ち位置が残されているが、大型原子力推進空母群に付随こそしても代替する存在にはならない」■

2017年10月21日土曜日

★GBU-57大型貫通爆弾を投下するB-2の貴重画像が今出てきた意味



なぜこのタイミングで大型爆弾の投下の様子が公表されたかは皆さんのご想像通りです。今後こうした情報開示が増えていくでしょうが、一方で肝心な情報は消えていくでしょうね。

 

We Have Found Ultra Rare Footage Showing A B-2 Spirit Stealth Bomber Dropping A 30,000-Pound Bunker Buster Bomb

B-2スピリットステルス爆撃機がが30千ポンドバンカーバスター爆弾を投下する貴重な映像を発見
Oct 20 2017 -


ステルス爆撃機B-2スピリットは巨大な30千ポンド(14トン)GBU-57大型貫通爆弾 Massive Ordnance Penetratorを作戦運用可能な米空軍唯一の機体だ。(MOPテストにはB-52が2009年投入されたが、作戦運用はB-2のみの想定していない)
GBU-57は全長20フィートのGPS誘導爆弾で厚さ200フィートのコンクリートを貫通し爆発するといわれ、地下施設の攻撃用兵器と考えられる。北朝鮮の地下指揮施設がそのひとつか。
GBU-57を搭載したB-2の画像はわずかしかなく、MOPは最大二発までB-2が搭載できるが実際の投下風景のビデオは入手困難だ。
ただし今回本誌はMOPを投下するB-2のビデオクリップを393爆撃飛行隊から入手した。同隊は509爆撃航空団隷下でホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)に駐屯している。MOPの威容はこのビデオからも明らかだ。
MOPは11トンのパラシュート落下式GBU-43B大型空中炸裂爆弾Massive Ordnance Air Blast(MOAB)と混同される。MOABはその略語から「全ての爆弾の母」と呼ばれることもある。MOABは通常型空中投下兵器としては最大で、アフガニスタンで米空軍特殊作戦軍団のハMCー130コンバットタロンIIがISISの洞窟基地攻撃に使用したのがGBU-43B初の実戦投入で2017年4月13日のことだった。■

(ビデオは以下のリンクからどうぞ。ただしMOPは最後にちょっと出てくるだけです)