2019年3月14日木曜日

中国がY-20をもとに派生機種を製作中か 今年中に姿を表わすのは給油機、早期警戒機か

中国の弱点にエンジンかありこれまでも苦悩する様子が伝えられていますが、WS-20というのは性能不足といわれているんですが。本命エンジンの搭載が始まる前に量産しているって計画経済の匂いもしますね。スペックを見るとY-20(Yは運輸の意味)はなかなかのものですが西側と違うエイビオニクスで実際に国際間輸送に耐えられるのでしょうか。


China's Y-20 large transport plane to spawn several variants: chief designer 中国のY-20大型輸送機から派生型が登場か

By Liu Xuanzun Source:Global Times Published: 2019/3/12 16:56:27



PLA空軍パラシュート部隊の兵員が中国中央部河南省で行われた演習で降下した。 May 8, 2018. Photo: eng.chinamil.com.cn

国の国産開発大型輸送機Y-20の主任設計者が同機原型の派生型の開発を進めていることを認め、軍事筋は派生型が2019年にも登場すると見ている。

「Y-20を原型の各種機体が生まれる」とY-20設計を率いた政治顧問Tang Changhongが述べたとChina Aviation Newsが伝えている。

ただTangは派生型の姿や機能に触れていない。

他方で軍事専門家の間にはY-20派生型として空中給油機や早期警戒機を開発中との指摘が2018年から出ている。

Feng Wei人民代表会議メンバーにしてY-20パイロットは「Y-20が今年別の姿で登場すればすばらしい。人々を失望させることはない」と述べたとニュースポータルvos.comが3月5日伝えている。

匿名の軍事専門家はGlobal Timesに3月12日今年中に複数のY-20派生型が登場すると述べている。

離陸最大重量が200トンのY-20は燃料その他の搭載量で今までの国産機より優れており、航続距離が長いため、給油機や早期警戒機の母機としてふさわしいと上記専門家は指摘し、その他にも移動病院や電子戦機材の可能性もあるという。

Y-20は現在はロシア製エンジンを搭載するが2019年中に国産WS-20に換装されると同専門家は述べている。

Y-20の人民解放軍空軍での供用は2016年始まっている。

「Y-20は量産段階に入っており、軍での訓練は計画どおり順調に推移しています」(Tang)■



Posted in: SOCIETY,MILITARY,HIGHLIGHT REPORTS

参考)Y-20と日本のC-2の比較


Y-20
C-2
最大離陸重量
220トン
141トン
最大搭載量
66トン
36トン
最大航続距離
40t/7,800km
36t/4,500km
巡航速度
マッハ0.75

陸自の次期攻撃ヘリコプター調達でいよいよ動きが出るか

なるほどアパッチで後味の悪い経験をしたスバルは最初から攻撃ヘリ製造にはタッチしないということですか。運用システムとして考えると完成機輸入がメリットが大きいと思いますが皆さんはどう思いますか。


Aerospace Daily & Defense Report

Japanese Attack Helicopter Program Lives 日本の攻撃ヘリ調達事業は死んでいない



Mar 4, 2019Bradley Perrett | Aerospace Daily & Defense Report
AH-1S: Japanese Ministry of Defense


本の防衛省が攻撃ヘリコプター調達で2019年に動きを示しそうだ。ただしこの案件は昨年12月公表の中期防衛力整備計画に盛り込まれていない。業界筋が明らかにした。
陸上自衛隊が調達は待ったなしとするのはベルAH-1Sコブラの最古機材の更新時期が迫り、供用期間が残り少ないためと業界筋は解説。さらにAH-1Sの戦闘能力は2020年代には疑わしくなるという別の筋もある。
防衛省は提案要求を今年中にも出すと見られ、次期攻撃ヘリコプター New Attack Helicopter (NAH)として30機ないし50機の調達となるだろうと業界筋が述べた。
防衛省、陸自には中期防から外された同ヘリの調達では道がふたつあると業界筋は述べる。ひとつは別事業の未達予算の活用でこれは前例がある。もうひとつは次期中期防まで待つことだ。
NAH受注を狙うのは以下の六社で、その提案内容は幅広い。
エアバスはH-Forceモジュラーシステム構想を提示し同社のヘリコプターならどれでも応用可能とする。ベルはAH-1Zヴァイパー、ボーイングはAH-64Dアパッチ、川崎重工業はOH-1観測ヘリコプターの改修型、レオナルドはAW249(開発中)、三菱重工業はシコースキーUH-60の武装型を提示しそうだ。
これまでどおりなら30機の現地生産になるだろうが、ロッキード・マーティンF-35ライトニングで完成機輸入方式を昨年選択している。調達予算を他事業から確保するのなら完成機輸入が価格面で有利だが国内生産となれば政界や関係者が予算確保に走るかもしれない。
政界の支援が川崎、三菱両社の提案を後押しするだろうが、艦上運用ではヴァイパーの専用設計が他の候補より優位など他の要素もある。
陸自にはコブラが56機あり、1979年から21年にわたり富士重工(スバル)が生産した90機の残存機体だ。ここ数ヶ月で59機あったものが減少している。

2019年3月13日水曜日

★F-35用に日本がJSMミサイルを世界に先駆けて採用

慎重な日本がまっさきに採用したのはJSMが唯一のF-35機内搭載可能な対艦対地ミサイルであるからでしょう。それだけF-35による抑止力の整備がまったなしということですか。日本が量産開始前の装備品を導入するのは異例かもしれません。

KONGSBERG awarded JSM Joint Strike Missile contract with Japan

コングスバーグがJSM共用打撃ミサイルを日本から受注

11.03.2019




ングスバーグディフェンス&エアロスペースASは日本政府よりJSM(共用打撃ミサイル)を同国F-35の装備として受注した。


JSMは2008年に開発開始し実証段階を経て2018年に完成した。


「今回の受注は国際市場への突破口として重要で、ノルウェイ国防研究機関および国内産業含むノルウェイ関係機関間の協力の重要性をあらため示した」と同社CEOGeir Håøyが述べた。
JSMはF-35機内搭載可能な唯一の長距離対艦、対地ミサイルである。

「F-35運用国からJSMへの関心が高まる中でコングスバーグがこの度日本から選定されたのは非常に誇らしい。JSM事業で大きな一歩となり、量産段階に入る」とコングスバーグディフェンス&スペースAS社長 Eirik Lieが述べている。

コングスバーグ、日本政府共に今回の契約金額、調達量を明らかにしていない。■

T-Xは軽攻撃機、アグレッサー機材にも転用したいとする米空軍ACC司令官

ひとつわからないのはT-XがいまもT-Xと呼ばれている点で、採択されればすぐにでも呼称がつくのですが、いまだにT-Xのままですね。軽攻撃機としては当方はスコーピオンに期待していましたが未だ鳴かず飛ばずですね。ボーイングT-Xがその任務もこなせるのか、これから注目しましょう。


US Air Force’s new trainer jet could become its next light-attack or aggressor aircraft 米空軍の新型練習機は軽攻撃機、アグレッサー機材に発展する可能性を秘めている


By: Valerie Insinna    


ボーイング-サーブのT-X提案が空軍のT-X競作で2018年9月に勝ち残った (John Parker/Boeing)



空軍のT-Xには練習機以外に、アグレッサー機材や軽攻撃ミッションにも転用の可能性があると航空戦闘軍団司令官が3月7日述べた。
T-X練習機の調達は供用50年に及ぶT-38の交替が主眼であり、これが最優先事項であるのは変わりはないが、空軍は別用途の検討もしており今後の調達に反映されようと、マイク・ホームズ大将が空軍協会シンポジウムで語った。
「同機の軽戦闘機型を想像してほしい。訓練で敵機役をさせてもいい」
「非公式レベルで別型式の要求性能を検討させている。いつ公式になるかはいろいろな要素次第だ」とし、予算が念頭にあると付け加えた。
では空軍はどんなT-X発展形を想定しているのだろうか。


軽攻撃機構想
空軍は軽攻撃機に転用する道筋を明らかにしていないが、上層部によればターボプロップ機材の性能を超える物が欲しいという。T-Xあるいは別の低コスト機に期待しているとホームズ大将は述べたが、2020年度っ国防予算の詳細が未公表のいまは詳細を話してくれなかった。
「同機やT-X競作の各機のサイズと飛行経費今後の実証の対象だ」
2017年の軽攻撃機試験第一ラウンドで空軍は軽戦闘機を試していた。テキストロンのスコーピオンだがターボプロップ機のA-29やAT-6を合格とし同機を避けた。
スコーピオンにはターボプロップ機にない性能として速力や操縦性さらに機内兵装庫がありプラグアンドプレイ式でセンサー搭載が可能だ。AT-6やA-29の有利な点はふたつで、購入価格が安く製造ラインがすでに存在していることで、スコーピオンは未だ採用国はない。
ボーイングのT-Xはこうした課題にそのまま答えていない。ひとつにはT-Xでは350機調達を前提に生産ライン立ち上げコストを想定し単価を引き下げている。
ホームズ大将はボーイングが同社のブラックダイヤモンド生産方式をT-X設計段階から使用していると説明。ブラックダイヤモンドとは大幅な生産コスト削減のため新しい製造技術を同社の民生部門から流用する。
「機体の共通化で量産効果が生まれ、単価が下がり供用を長く維持できるだろう」(ホームズ)
ただし非武装のT-Xは決して安い買い物にならず、各国に売り込むのなら負担可能な価格に抑える必要がある。


アグレッサー部隊用機材
米空軍は空戦訓練で敵機役となる「レッドエア」機材の新規調達を今年にも公募する予定だが、要求性能は高くなる見込みでアグレッサー機材に新型機が必要になりそうだ。
T-Xで各社が採用をめぐりしのぎを削っているころ、空軍はT-Xのアグレッサー機転用は真剣に見ていなかた。だが契約が交付されると、新型機で要求性能を実現できるか検討しはじめたとホームズは明かした。
航空戦闘軍団司令官はWar on the Rocksの1月記事で深掘りした意見を表明している。T-XはT-38タロン後継機の位置づけだがタロンを飛ばすのは1950年代の戦闘機を操縦するのと大差なく、同機で体得できるのは基礎戦術だけだとしていた。
T-Xは飛行性能とセンサー機能が充実し現在の第一線戦闘機に近く、ホームズ大将はF-15、F-16、 F-22、 F-35の操縦訓練にT-Xが活用できると期待する。
「敵機役として訓練に活用できる」のではないかと記していた。

「T-Xの低運航コストを活かせば敵機役として活躍の余地は伸びるのではないか。第四世代機の半分程度、第5世代機の5分の一という水準なのでパイロット訓練を増やすか、低コストで実施できるはず」とホームズは寄稿している。

2019年3月12日火曜日

トランプ政権の北朝鮮政策が変化、完全非核化からWMD廃止へ拡大、緊張増加は不可避か



The Trump Administration North Korea Policy Isn’t Engagement. It’s Demanding Kim’s Total Surrender  

トランプ政権の北朝鮮政策は金正恩の完全降伏をめざしている

The seeds of the next North Korea crisis are being sown as we speak.
こうしているうちにも次の北朝鮮危機の種がまかれている
March 11, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: North KoreaMilitaryTechnologyWorldTrumpSteve BiegunDPRK


ティーブ・ビーガン特別代表がカーネギー財団主催のカンファレンスで講演するのを聞きながら、朝鮮情勢ウォッチャーにわずか数週間前に感銘を与えてきた同人に何が起こったのか不思議でならなかった。北朝鮮には外交手段とともにアクションにはアクションを重視するわれわれは非核化だけでなく北朝鮮関係を新時代に移行することが重要と見るが、.ビーガン発言こそ願ったり叶ったりの内容だったのだ。
以下ビーガンがスタンフォード大で行った講演の引用で、交戦やむなしとする朝鮮事情通の多くが賞賛した内容だ。
「これまで北朝鮮には両国首脳部が昨夏シンガポール共同声明で述べた目標全てを同時あるいは並行して希求する準備があると伝え、朝鮮国民の明るい未来を企画しつつ制裁解除で新たな機会が生まれ、朝鮮半島の平和を達成できるので、北朝鮮にも同様に行動してもらい、完全かつ検証可能な非核化の実現を目指すと述べてきたのだ」
われわれはトランプ政権の対応が軟化したと感じていた。シンガポール宣言の四本柱すべてを「同時かつ並行で」希求する選択に走ると受け止めてきた。声明文はあくまでアクションにはアクションで対応するアプローチにより朝鮮戦争終結宣言、連絡事務所設置を政治的観点で進めると見ていた。
だが現政権は姿勢を変えたようだ。ハノイサミット後に何があったのか知る由もないが、米国は明らかにゴールポストを動かした。具体的には以下3つの変化が朝鮮半島の緊張緩和状態に終止符をうち、緊張再開の種となりそうだ。
アクションにはアクションの段階は終わった 米朝両国は段階的非核化をめざすはずだったが、制裁措置の完全解除は完全非核化が条件でそれまでは意味ある譲歩を前提としていた。ステップバイステップ方式とも呼ばれ、双方でなにかを得るべく別のものを断念することでめざすゴールに到達するとしていた。北朝鮮に核放棄を合意させるとしたら論理的にはこの方法しかないとされてきた。
ビーガン講演を聞くとこれは実現性ゼロとわかる。「非核化は漸増的には進めない」とし、「大統領はこの方針を明確にしており米政府はこの点で完全一致している」と述べたのは交渉に終止符を打つことを意味し、事態はさらに悪化することになる。
ハノイで米交渉団は制裁完全解除の見返りに完全非核化を金正恩に求め、これ以外の選択肢を示さなかった 現政権の全員が金がこれを飲むと見ていたとすれば不可解だ。ワシントンでは平壌が寧辺核施設の部分的廃止で国連制裁措置で一番痛い内容の解除を求めてくるとわかっていたはずだ。寧辺施設全部の解体という提案が破綻したが、そもそもこれならトランプがシンガポールに行った理由がなくなるのではないか。
非核化の意味に北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)全部の廃止が加わった 現政権は北朝鮮の核開発停止だけで満足しないことが明らかで、核分裂物質全部の除去、弾頭すべての破壊を目指している。さらにトランプ政権は生物化学兵器の全備蓄ならびに製造原料全部の廃棄を求めている。
これでどう変わるのか。金委員長の立場で考えてみよう。ワシントンから降伏を迫らるのと同じ要求が来れば、米国による政権転覆を抑止できると思い整備してきたWMDをみすみす放棄するだろうか。外交とはギブアンドテイクを最大の見せ場で示すことであり、一方が命令する状況では機能しない。
さらに北朝鮮には「最大の圧力」でも無傷に近い弾頭がある。たしかに経済成長は止まり、逆に縮小に向かっているが制裁措置の抜け穴も判明しており、もっと厳しい状況でも生き残りを図る技を平壌が習得済みなのは明らかだ。
現時点の根本課題とは圧力を受けたと感じ金が衛星打ち上げに走るかどうかだ。あるいは長距離ミサイルを発射し信念を示すか。トランプとしては気に入らない状況だろう。■

Harry J. Kazianis is director of Korean Studies at the Center for the National Interest. Follow him on Twitter @Grecianformula.

XQ-58A、忠実なるウィングマン....UCAVの進歩はすごいが 解決すべき課題は残る

3月にUCAV開発の2機種がほぼ同時に姿を表したのは意図的なのでしょうか。本ブログでもF-35との関連に関心を示す向きも現れていますが、今回の機体はまだ実証機であり、すぐにでも戦闘投入できるわけではないようです。ともあれ、無人機の世界の進歩は早く、そのため本ブログでも新型機についてはなるべく早くご紹介するようにしています。

A Mini F-35?: Don't Go Crazy Over the Air Force's Stealth XQ-58A Valkyrie ミニF-35? 空軍のステルスXQ-58Aヴァルキリー登場に単純に興奮できない理由

It might look cool, but . . . 一見クールに見えるが、...
March 8, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarAir Force


ボットウィングマンとはすばらしい。
米空軍の新型無人機の初飛行が話題になっている。同機は有人機に随行し戦闘に加わる想定で航空戦の新時代への期待が高まっている。
XQ-58Aヴァウキリーの写真を見るとたしかに何か違うものを感じる。現行のMQ-9リーパーは間の抜けた形状の機体で機首も肥大化し、旧式プロペラ推進で巡航速度はセスナ機と大差ない。これに対してXQ-58AはF-35ステルス機の小型版のように見え双尾翼とカーブのついた機体、ジェット推進で音速近くまで飛行できる。
XQ-58Aはクレイトス無人機システムズが設計し、3月5日にユマ試験場のあるアリゾナ州で初飛行したばかりだ。「滑走路の条件から自由で運用の設計で76分の初飛行を想定通りこなした」と空軍発表にある。計5回のフライトを予定し、空軍研究実験本部の低コスト消耗品扱い航空機技術(LCAAT)事業として安価かつ使い捨て無人機ながら戦闘航空機からの指揮される共同作戦仕様となっている。
米空軍から詳細仕様の発表はないがXQ-58Aは航続距離が長く、「亜音速で高い速度域」だという。「滑走路非依存」で非整地滑走路や前方基地からの運用を想定している。クレイトスに2016年交付された低コスト消耗攻撃無人航空システム実証の40.8百万ドル契約にヒントがありそうだ。契約では最高速度マッハ0.9、500ポンドのペイロードで戦闘行動半径1,500マイル、GBU-39小口径爆弾二発搭載、機体単価2百万ドルを量産時に達成することとある。(F-35は100百万ドルほど)
ここから従来の低性能無人機ではなく真の無人戦闘航空機UCAVだとわかる。別の言い方をすれば本格的ロボット軍用機だ。
皮肉にもオーストラリアが米国より先を進んでいるかも知れない。忠実なるウィングマン事業で同国はボーイングと共同でUCAVを開発中だ。直近の展示会でボーイングはオーストラリアで設計した航空戦闘チーム装備の概念図を示した。
XQ-58A同様にオーストラリア構想もステルス戦闘機とよく似ている。ボーイングは試作機三型式を全長38フィートとF-35の三分の二の大きさで2,000マイルを飛ぶ機体賭して開発する。このUCAVは第二次大戦後にオーストラリア国内設計で初の機体となり、オーストラリア空軍での稼働を想定し、米国含む同盟国への輸出も目論む。
「忠実なるウィングマンは有人機のF-35A、F/A-18Fスーパーホーネット、E/A-18Gグラウラー、E-7Aウェッジテイル早期警戒統制機やKC-30A給油機と飛び戦力増強効果を実現する」とオーストラリア戦略政策研究所の上席アナリスト、マルコム・デイヴィスが解説している。「主任務は兵力投射で有人機の前に危険な空域に突入することだ。またウェッジテイルなどの支援機材を敵の長距離対空攻撃から守る任務も想定する」
対空攻撃とは敵航空基地や指揮命令施設を攻撃し航空戦力の根幹をねらうことだ。忠実なるウィングマンでこの阻止を想定するのなら、爆弾搭載に加えドッグファイターにもなることになる。
だがロボ軍用機時代の開幕を祝う前に課題も残る。
例えばXQ-58Aも忠実なるウィングマンも亜音速機だ。有人戦闘機も燃料を大量消費する超音速飛行を連続で行えないが、必要ならアフターバーナーに点火しさらに高速へ加速できる。有人機が無人機と同時に作戦運用する際に無人機の速度が低い、操縦特性が違うとどうなるか。
XQ-58Aも忠実なるウィングマンも地上施設あるいは有人機が操縦する想定だが、忠実なるウィングマンでは自律運航(XQ-58Aの次の課題だろう)も可能なはずだ。だがこのために乗り越える障害がある。たとえば通信の安定確保や有人機パイロットが自機操縦しながら注意力をうばわれずに無人機を統制する機能だ。
こうしたことからUCAVにはAIの搭載が望ましい。ただし自律運航ロボットのアキレス腱は不測の事態への対処に困難をきたすことで、戦闘とは常に不測の事態の連続なのだ。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook .
Image: Wikimedia Commons

2019年3月11日月曜日

カシミール空戦でMiG-21を繰り出したインド空軍の事情がわかった

世界最大の民主主義国家と自慢するインドの主張に米国人が苛立つのを知っていますが、行政手続きが複雑でとにかく時間がかかるインドが有事には不利になりかねません。今回の軍事衝突は今の所小康状態のようですが、こうした自国のまずい点を自分で直す気があるのか、をインドは試されそうですね。カシミール付近は目立つ軍事施設構築でパキスタンを刺激することもあり、構築が遅れているのでしょうか。


 

Sukhois hobbled by lack of blast pens near LoC

スホイ戦闘機の展開を妨げたのは強化掩蔽施設がLoC付近になかったためだった
NEW DELHI, MARCH 10, 2019 21:24 IST
UPDATED: MARCH 10, 2019 21:24 IST




ンド空軍(IAF)で強化シェルター「ブラストペン」建造が遅れているためパキスタン機との空中戦にSu-30戦闘機が出撃できなかったと判明した。機体導入から20年立つが建造が完了していないことを国防筋が認めた。

「行政手続きが遅れSu-30MKI用のブラストペンを国境管理線(LoC)近くで整備できていない。内閣安全保障委員会(CCS)の認可は2017年末にやっと出た」と同上筋は述べている。このため同機はLoC付近に前方配備できず、パキスタン空軍(PAF)機がインド軍事施設攻撃のため国境を超えてきた際にスクランブル出撃できなかったとの説明で、これでまっさきにMiG-21が投入された理由がわかった。

「構築には三四年かかる」とするが構築する施設数、総費用について同上筋は口を閉ざした。

2月27日朝、20機超のPAF機がLoCを超えH4誘導爆弾投下を試みたが、MiG-21バイソン8機編隊が迎撃した。ミラージュ2000やSu-30MKIは周辺基地から出撃したが、MiG-21部隊が一番近くにあり、PAF機に即座に対応した。交戦でF-16一機を撃墜したが、インド空軍もMiG-21を一機喪失した。
.
IAFがSu-30の第一陣をロシアから受領したのは1996年のことで計272機を導入し、うち240機が稼働中だ。だがロシアトノ契約にはブラストペン構築は含まれておらず、IAFが独自に構築を進めざるを得なかった。

議会の国防常設委員会はシェルター建設の遅れを2016年に指摘していた。「供用中の空軍機材向け強化シェルターがない」


ブラストペンは敵の空襲やミサイル攻撃から機体を守るのが目的でパキスタンとの軍事衝突(1965年)ではIAFは機体を外に展開し数機を喪失した。1971年戦ではこの教訓を活かした。■

インドがロシア原子力潜水艦をリース導入

なるほどリースと言う手がありましたか。日本も防衛装備販売が進んでいませんがリース提供にしてはどうでしょう。米国でも予算難で正規空母一隻の早期退役案がでていますが、日本がリースして日本の指揮命令下ながら運航は米側に任せるというのはどうでしょう。あるいは通常型潜水艦を日本が建造し、ハードのみ米海軍にリース提供するというのは?


India signs $3 billion contract with Russia for lease of a nuclear submarine

インドがロシア原子力潜水艦一隻を30億ドルでリース導入


By: Vivek Raghuvanshi    




インドは原子力攻撃型潜水艦INS チャクラをロシアからリースで導入した。 2014年のTROPEX 演習にて。. (Indian Navy)



ンドは3月7日にアクラ-1級原子力推進攻撃潜水艦一隻をロシアから10年間のリース契約に調印した。費用は30億ドル。
価格等の条件をめぐり二年間の交渉の末調印となったもので、ロシアはインド海軍にアクラ-1級潜水艦をチャクラChakraIIIとして2025年までに引き渡す。
ロシア原子量潜水艦のインド海軍向けリース提供は三隻目となる。インド海軍高官によればインド仕様の通信装置、ソナー装備への変更、予備部品の提供、訓練施設も含まれる。
INSチャクラIIIに長距離核ミサイルは搭載しない。国際条約もあるが抑止パトロール任務は想定しないためだ。武装は通常型対地、対艦ミサイルと魚雷になる。
インド海軍はロシア建造の原子力攻撃型潜水艦INSチャクラを運用中で同艦は2012年に10億ドルで10年間リースで導入し、三年間延長になる見込みだ。インド海軍初の原子力潜水艦はソ連時代のチャーリー級で1988年から1991年まで供用した。
インド海軍では現地生産の原子力潜水艦INSアリハントArihantも運用中で、核弾道ミサイルを搭載する。二号艦INSアリリガートAririghatが今年後半に就役予定で別に二隻が建造中だ。■

米MQ-9がポーランド基地からISR任務を開始

ポーランドにリーパーですか。時代が様変わりしましたね。しかしヨーロッパ全部を警戒させるロシアは今のままでは大変なことになりますが対丈夫なのでしょうか。リーパーと言うと攻撃ミッションが頭に浮かぶのですがISR任務の非武装タイプもあるのですね。


MQ-9 Reaper Drone Operations Begin at Polish Air Base

MQ-9リーパーがポーランドで作戦運用開始


A remotely piloted MQ-9 Reaper taxis toward the runway shortly after a ribbon-cutting ceremony at Miroslawiec Air Base, Poland, March 1, 2019. (U.S. Air Force photo/Preston Cherry)


遠隔操縦無人機MQ-9リーパーがミロスラヴィエッツ基地での運行開始式典のあと滑走路をタキシー中。March 1, 2019. (U.S. Air Force photo/Preston Cherry)


6 Mar 2019
Military.com | By Oriana Pawlyk


MQ-9リーパー無人機が情報収集監視偵察任務をポーランドから本格的に開始した。


第52遠征作戦群第二分遣隊がMQ-9運用をポーランド北西部のミロスラヴィエッツMiroslawiec航空基地から先週開始し、同基地は情報収集監視偵察(ISR)任務の運用拠点になった。同群は第52戦闘機航空団もドイツのシュパングダーレムSpangdahlem航空基地に配置している。


「当基地の遠隔操縦機材は契約企業および米軍人員が運用しています」とグレッグ・センメル准将(在欧アフリカ米空軍部隊USAFE司令官付き)が述べている。「柔軟対応により新規ミッションも可能で米軍人員がいることで各種ミッションを実行できる」


契約企業との共同運行で非武装の同機を離着陸させISRミッションをこなしていると空軍は発表。USAFEは同基地のリーパー配備数は公表していない。


米軍関係者はポーランド空軍と連携しMQ-9を運用し国際安全保障に資する偵察監視活動を強化しているという。


ポーランドからのMQ-9運用で米国は海外ISR能力を拡充できる。MQ-9はギリシャのラリッサ航空基地からアフリカを対象のISR活動を昨年開始している。


ロシアの行動に注意喚起する米国は情報収集活動を強化している。


今週火曜日、陸軍大将カーティス・スカパロッティは上院軍事委員会公聴会でISR機能の強化は効果を上げており、ロシアのウクライナ東部占拠が6年目になりバルト海諸国に同じ結果を恐れる動きがあると指摘。


「情報収集監視偵察機能がロシアの脅威が高まる中で重要になっている」と述べ、「ISRはもっとほしい」と秘密審議で議員には詳細を伝えるとした。


在欧米軍についてスカパロッティ大将は「ヨーロッパにおける抑止効果は国家防衛戦略の文脈では不十分」とした。


国防総省はMQ-1プレデターを全機リーパーに昨年交替させ、3月にプレデターは用途廃止した。これによりMQ-9は世界各地で多用な任務の最前線にたっている。■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.