2019年10月13日日曜日

C-2グレイハウンドの退役が迫り、オスプレイに交代するとCOD任務はこうなる

With the Osprey Waiting on Deck, Delivery Service to Carriers is About to Change

オスプレイの艦上運用が近づき、空母への貨物輸送任務が変わる

Farewell to the Grumman C-2 Greyhound, which has been running supplies at sea for more than 50 years.

海上の空母へ物資人員を50年にわたり運んできたグラマンC-2にお別れのとき

MV-22 Osprey
MV-22オスプレイがUSSワスプに接近している。2018年撮影。新型オスプレイが長年稼働してきたグレイハウンドに交代し2021年から空母への補給活動に従事する。 (US Navy / Specialist Daniel Barker)
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OCTOBER 2019
暁の空をノースロップ・グラマンC-2グレイハウンド「ローハイド78」がフロリダ北東沖合100マイル地点の空母USSハリー・S・トルーマンに向かい悪天候の雲を通過している。トルーマンは9ヶ月におよぶ配備の準備中で艦載機でいっぱいだが離着艦はしていない。今日は艦長の交代式典の日だ。ローハイドの搭載貨物は軽微だ。F/A-18のアクセスパネルがかさばるものの一点、乗組員の私物二十点ほど、乗客用座席が28も空席だが、不安を隠しきれない筆者が一席を占める。数分前に別のC-2が式典に参列する幕僚多数を乗せ先に飛んでいる。
C-2はいとこの関係のE-2ホークアイとともに最重量の空母艦載機だが、パイロットは空母艦上での運用に誇りを感じている。高度800フィートで空母艦上を通過し、機体を激しく左バンクし、フラップと降着装置を下ろし、高度と速度を下げる。グレイハウンドがトルーマンのグライドスロープに乗ると機体は甲板の三本のワイヤーを捉え、停止する。即座にパイロットは主翼を畳み、駐機場へタキシーさせる。
機体移動中でもランプは下がり、トルーマン乗組員が集まってくる。貨物は無造作に車輪付き黄色バスケットに放り込まれる。F/A-18用パネルは艦の下方デッキに運ばれた。交代する艦長が最後の訓示を艦内PAでしているがグレイハウンド乗務員はまったく気にする様子が無い。かわりに天候をチェックし、貨物マニフェストを最終確認し、補助発電機を点検し、艦のエアボスの指示を書き留め、飛行甲板要員と打ち合わせている。訓示が終わった。搬送する乗客9名が揃い、機内に乗り込む。一名は腕を骨折し、本土に移送し直ちに治療を受ける。エンジンを始動し第三号カタパルトへタキシーしたと思ったらローハイド78は発艦していた。目的地は海軍航空基地(NAS)ジャクソンヴィルだ。同機が艦上にあったのは40分足らずで、空母補給物資輸送(COD)任務を教科書どおりに実施した。
Persian Gulf C-2A Greyhound
2015年にISIS攻撃ミッションでペルシア湾に展開するトルーマンに着艦しようとするC-2Aグレイハウンド。このあと、バーレーン基地に戻ったはずである。 (US Navy / Specialist 3rd Class Justin R. Pacheco)

空母打撃群は予備部品、補給物資、乗組員がそろい移動準備ができたが、艦には絶えず物資、人員の補充が必要だ。そのための唯一の手段がC-2で貨物10千ポンドあるいは28名を一度に運ぶ。米海軍の空母が出港すればグレイハウンド2機が補給活動を続ける。
C-2は各艦航空団に所属しない点でその他艦載機と別の存在だ。米海軍は飛行隊二個を運用し、VRC-30がNASノースアイランド(サンディエゴ)、VRC-40をNASノーフォーク(ヴァージニア州)があり分遣隊で太平洋、大西洋に展開する空母部隊をカバーする。分遣隊は空母出発時には艦載されているが、航続距離内に陸上目的地が入ると往復飛行を開始する。
空母が航行を続けると50名規模の分遣隊は基地から基地へと移動する。VRC-40では最初の移動先がアゾレス諸島になることが多い。その次にスペインのロタに一週間滞在し、イタリアのシゴネラへ移動し、クレタ島のソウダベイ、そして最後にバーレーンで空母打撃群がペルシア湾で展開する数ヶ月を過ごすことが多い。目標は一日二回の空母補給飛行を実施することだが距離の関係で一回となることンが多く、グレイハウンドの整備上の制約も受ける。VRC-40は今年7月時点で分遣隊2個を運用しており、ひとつはジャクソンヴィルからトルーマンを支援し、もう一隊はバーレーンでエイブラハム・リンカンの支援にあたっていた。アイゼンハワーの派遣に備え三番目の分遣隊の編成準備に入っていた。
陸上にもどれば各分遣隊は独自に機体整備や貨物輸送を計画し、乗務員の滞在を手配する。長年に渡りC-2乗務員は自給自足体制の評価がついている。
とはいえC-2乗組員は陸上で毎晩過ごすことができ、艦乗組員の羨望を集める。日当での宿泊費やりくりや各地のバー飲み歩きといった話題は口にしないよう釘は刺される。「航空団はわれわれが朝10時に起床し、コーヒーを飲んでから仕事に入り、帰還するとビーチで酒を飲んでいると思われているようですが」とVRC-40隊長エリック・ブロムリーが語る。「一時間もしないうちにわれわれがどこかに飛んでいくと不思議がられます。たしかにうまくこなしていますが、外から見るほど楽な仕事ではありません」
CODの第一の仕事は人員輸送だ。赴任や休暇掛けの乗組員や修理専門員、医療要員や交代要員以外に防衛産業の技術要員や視察に訪れる提督幕僚が絶えず艦にやってくる。なんと言っても空母は米国の影響力を広げる一番のツールであり、関係国の要人にも空母の威容を見せつけることが多い。運ぶ貨物は重要かつ時間で制約のあるものだ。HH-60シーホークのローターブレイドや艦内の温水パイプ修理部品や着艦ギアのピストンなど必要な貨物ならC-2が運んでいる。
「3日前ですが本当にゴミ入れを運びましたよ」とブロムリーが言う。その他の乗員から新鮮卵を満載したとか、花、コピー用紙、されは作業用車両1台まで運んだという。
The C-2—unstable in pitch, roll, and yaw—is a handful to fly, much less land aboard an aircraft carrier, yet this crew appears to execute a flawless approach to the <i>Abraham Lincoln</i> in 2018.
C-2はピッチ、ロール、ヨーが不安定で操縦は容易ではない。写真ではエイブラハム・リンカンへ文句のつけようが無い着艦をしているのがわかる。 (US Navy / Seaman Shane Bryan)

グレイハウンドは名前の由来となった競争犬のすっきりした姿とは似ても似つかない。むしろ別の由来のバスに近い。小型ターボプロップ機で垂直安定版4枚が鹿の角のようにつく。
C-2は操縦も難しい。とくに練習過程を終えたばかりの新米パイロットには。直系のE-2ホークアイ同様にピッチ、ヨーが不安定だ。グレイハウンドではロールも不安定となる。「これまで総縦してきたT-6、T-44、T-45と比べてもこんなに操縦が大変で肉体的にストレスを感じさせる機体はありません」とパイロットの一人が述べた。
ヴァージニア南部の上空8千フィートでパイロットのポール・マステラーがコパイロットのストーヴァル・ナイトとC-2の飛行特性を実演してくれた。「プロペラが大きく強力なため、ラダーを相当踏み込まないとブレイドの力に勝てないのです」とマステラーは飛行前に説明してくれた。「この機体に初めて乗るパイロットが混乱するのは左旋回しようとすると右ラダーを相当強く踏んで連携させる必要があるからです」
飛行中に出力を落とすとC-2の機首はすぐ左ドリフトとなり高度が落ちる。出力を上げると機首は右ドリフトを開始する。オートパイロットは高度と進路を維持するだけで、突然機能しなくなることが多いため、パイロットは全行程を手動操縦することになる。
こうした特性は艦載機としては理想的と言えないし、空母の基準から見てC-2は巨大機になる。翼幅81フィートだと着艦時に左右の余裕は10フィートずつしかない。着艦についてブロムリーは「何回やっても変わらないし、楽にもならない。毎回違う状況になる」と言い、「前の体験が役に立たない。毎回集中して自己保存本能をフルに使い、安全かつ予測できる形で着艦するだけです」
マステラーもフェントレス海軍着陸場で最終アプローチを実演してくれた。ノーフォーク配属のパイロットが空母アプローチの訓練用に使う施設だ。スロットル、操縦桿、ラダーをひっきりなしに操作してグレイハウンドをグライドスロープに向かい風で乗せた。着陸信号士官が地上からギリギリのタイミングで合図をしたのはいかにもC-2らしい着陸だ。
航空管制官から機体のトランスポンダーが作動していないと言ってきた。レーダー反射だけ識別できたので一定の地点や高度についたら連絡してほしいとのこと。空母アプローチの模擬を2回するとフラップが作動しなくなり、上がったままになったのでノーフォークでは高速着陸をせざるを得なくなった。
「総合的には非常に信頼性がある機体です」とブロムリーは述べる。「機齢30年ですが以前からの技術をベースにしています。故障はちょくちょくありますが整備員が優秀です。そのためにいるわけで、着実に修理してくれます」
艦上輸送機は当初は戦闘部隊の「余剰機材」を使い、兵装を取り外し座席と貨物スペースを作っていた。最初からCODとなった機材は第二次大戦の終結前にはなかった。当時はTBMアヴェンジャー雷撃爆撃機を6名搭載用に改装していたが、1950年には大型双発のグラマンC-1トレーダーが登場した。同機は当時は新型の艦載対潜哨戒機を改装したものだった。
冷戦初期の戦略思想では弾道ミサイルや空軍の大型爆撃機に注目が集まったが、海軍は空母が戦術核兵器運用で役目を果たせると説得し、超大型空母の建造を認めさせた。問題はC-1の貨物搭載量が過小で核兵器あるいはジェットエンジンの輸送ができないことで、特に当時のジェットエンジンは稼働中に使用不可となることが多かった。1960年に新型早期警戒機E-2開発が始まり、海軍はC-1後継機を同機から作成することとした。E-2の機体を輸送機として再設計させた。この際の改修は本格的でC-2試作機がまず2機製造された。一機はロングアイランドサウンドでのテスト中に墜落したが、残る一機を試用したあと、海軍はグラマンに17機製造を求め、引き渡しは1966年開始となった。
C-2部隊は海軍航空のキャリア上で吹き溜まりになった。海軍では機種転換はめったになく、グレイハウンドは小規模で魅力がなくキャリヤでは先が無い存在だった。しかし1980年代に入ると次第に状況が変わったのはC-2乗員がE-2搭乗員と統合され、キャリアパスがCOD以外にも広がったためだ。しかし一旦できた行き詰まりの印象を変えるのは時間がかかり、現在でも解消していない。
空母は機材に過酷な環境で1980年代に入ると海軍はグレイハウンドの後継機材を模索しはじめた。だが構想から先に進んだものは皆無だった。(737の艦載型提案もあった)結局海軍はC-2A(再調達)として再生産を決定し、今回は39機が生産され、強力なアリソンT56エンジン、エイビオニクス更新、新型補助エンジン、貨物室の強化が実施された。追加生産は1985年から1990年にかけて行われた。
V-22 landing
V-22が性能を発揮するのは垂直着艦時で、C-2では無理な小型艦や揚陸艦への着艦も可能だ。写真は揚陸強襲艦ニューヨークへの着艦。(2015年) (US Navy / Specialist 3rd Class Jonathan B. Trejo)

そのC-2A(R)に休息のときが必要だ。VRC-40で最古参の機体(識別番号1162144)は過酷な空母着艦発艦サイクルを1,000回こなし、飛行時間も11千時間超だがまだ飛行可能だ。機種として退役は2024年予定だが当初の2027年から前倒しになっているのはミッション即応率が予算を投入しても2018年にやっと40%になったにすぎないためもある。現在では問題を抱えた機種は改良するより引退させることが多い。
そこでベルボーイングCMV-22オスプレイに交代する。CMV-22は外観こそ海兵隊と空軍が運用するV-22と酷似するが、内蔵燃料タンク、高周波無線装置、機内案内装備が追加されている。
オスプレイにはグレイハウンドと違う点もある。まず良い面ではCMV-22の航続距離が伸びる。6千ポンドのペイロードで1,150カイリとなるが、C-2は850カイリだ。グレイハウンドはばら積み貨物搭載だが、オスプレイはパレット式となり予め貨物を準備して積み込み時間が短縮できる。垂直離着陸方式のため空母への接近を遥かに低速で可能とし、機体にストレスとなる拘束ワイヤ着艦やカタパルト発艦が不要となる。CMV-22パイロットの第一陣は夜間着艦訓練中で、C-2では困難だった内容だ。
だがオスプレイには欠点もある。まず機内容積が小さく、従来どおりの人数や貨物が運べない。またF-35用エンジンも保護キャニスターのままで対応できない。これはCODのもともとの要求内容だったはずだ。またティルトローターのためエンジンナセルが垂直方向になると飛行甲板が排熱で損傷を受ける。機内は非与圧のため人員を乗せて悪天候では高高度飛行できない。ティルトローターは複雑な構造で整備工数もかかる。CMV-22分遣隊は従来の2機から3機へ、50名体制も88名に増える。
marines in Osprey
V-22にはC-2なみの物理的空間がない。もともとオスプレイは海兵隊員を強襲作戦で運ぶため開発された。(写真は2014年のタイでの演習時のもの)また大容量の貨物運搬も想定していない。CMV-22は新型だが機体が拡大しているわけではない。 (DOD)

CMV-22編成の最初の飛行隊VRM-30は2018年11月にNASノースアイランドで発足ずみだ。パイロットと整備員は海兵隊のV-22訓練飛行隊が有るMCASニューリヴァー(ノースカロライナ)で訓練中で2019年10月末にも新型CMV-22の一号機を受領する。
VRM-30を率いるのはC-2のベテランパイロット兼教官のトレヴァー・ハーマンで新型機が気に入っている。「ホバリングするのは初めてで、全く新しい経験だった」「ナセルの方向転換で速力をあげるんですが、失速すると思いましたが、最初からそういう設定なんですね。実にクールです」
CMV-22初の展開は2021年に予定され、新型機としては異例の早い時期での実用化だが、最初の展開はいつも学びの機会であり、ハーマンも心配していない。「なんでも最初は大変ですが、色々想定を試しながら調整していきます」
グレイハウンドを40年飛ばしてきたジェイムズ・ウォーレスも「すごい機体でヨーロッパ各地の上を飛び、艦にも飛ばし、その他いろいろ試してみました」という。海軍を退役しウォーレスは航空関連企業数社を起業した。「C-2の体験から学んだ再興のことは航法、フライトプランのまとめからであり、税関当局との交渉もあり、すべては海軍の他の部署では体験できないことです」
古い軍事上の言い伝えだが、アマチュアは戦術を勉強し、プロは兵站を学ぶという。グレイハウンドは空母部隊の複雑な補給活動で不可欠な要素として任務を黙々とこなしてきた。C-2はトップガンに登場することはないが、マーヴェリックも同機がなければ航海中に愛機をとばせない。CMV-22がそのままグレイハウンドの後継機になれるかは不明だが、C-2を飛ばしてきた部隊は同機の運用で学べたことを決して忘れないだろう。■
コメント:今回はちょっと長文になってしまいました。空母への人員物資の補給活動は大変そうですね。世界を舞台に展開する米海軍はその必要があるのですが、日本の「空母」第一陣は果たしてここまでのシステムが必要でしょうか。そのうちに必要になりそうですね。

フィリピンがUH-1飛行再開に日本が贈った部品を有効利用

Philippine air force reactivates seven old Huey helos thanks to spares from Japan

By: Mike Yeo    1 day ago

 

フィリピン国軍、米軍の隊員が強襲訓練でヘリコプターから展開中。2014年、フィリピン国内フォート・マグサイサイにて。フィリピン空軍はヘリコプター部隊の維持のため日本から寄贈された予備部品を使用している。 (U.S. Army Photo by Spc. Michael G. Herrero/Released)

ィリピンが日本提供の予備部品を利用して米国製ヘリコプター機材の現役復帰をめざす。同国は新規製造ヘリコプターの導入も進める。
フィリピン空軍(PAF)報道官アリスティデス・ガラン少佐はベルUH-1「ヒューイ」7機を飛行可能状態に復帰するに当たり日本政府が今年3月に寄贈した部品を使用すると述べている。
少佐によれば、PAFの第205戦術ヘリコプター飛行隊から査察官が部品保管所に赴き検査したところ、7機分の飛行再開に必要な部品が利用可能と判断したという。
対象はローターブレイド、テイルローターのブレイド、テイルローターの駆動軸で第205戦術ヘリコプター飛行隊に引き渡された。
PAFは1960年代製造の旧式UH-1を大量に保有し、一部は米軍事装備の余剰品として引き渡されていた。ただ機材維持に苦労し、一部はモスボール状態や飛行不能になっていた。
「UH-1の復元と維持が人命救難や災害対応、さらに輸送、情報収集監視偵察といったPAF活動の実施に不可欠」とガラン少佐は説明。
残る寄贈予備部品はPAFのその他UH-1機材の維持に活用し、PAFは稼働率を向上させる。(同少佐)
フィリピンはUH-1を多様な任務に投入しており使い勝手がよい機材ととらえている。また同国内には共産勢力、分離勢力も活動しており対応作戦でも需要がある。
フィリピンはヘリコプター部隊の増強策としてシコースキS-70iブラックホークヘリコプターの16機導入で契約調印しており、機体はボーランドのPZL Mielecが製造する。現地報道ではロシア製Mi-17輸送ヘリコプター16機の購入契約も調印寸前としている。■


コメント: 国有財産の有効活用事例としてもっと認知されてしかるべき内容と思います。陸上自衛隊がていねいに扱ってきた部品をフィリピン国軍がぞんざいに使うことのないよう願うばかりです。寄贈ということは無償譲渡と思いますが、装備品の輸出がちっとも進まない中でこうした協力が将来の販売の素地になればいいですね。

2019年10月12日土曜日

米空軍が第6世代機開発の専門部局を発足、めざすのは機材ではなく相互接続したシステムのかたまり

Air Force Launches Office to Plan Future Fighter Jets


米空軍は2016年発表の「侵攻制空」構想からさらに踏み込んで「ファミリーオブシステムズ」手法へ移行している。
4 Oct 2019
Military.com | By Oriana Pawlyk
空軍から戦闘機の将来像の発表が出て三年が経過したが、空軍は構想を現実に移する専門部局の発足を公表した。
調達・技術・兵站担当空軍次官ウィル・ローパー博士がオハイオ州ライト・パターソン基地基地で「高性能航空機事業執行室」Program Executive Office for Advanced Aircraftのリボンをカットした。
ローパーはデイル・ホワイト大佐を室長に指名した。公式記録によればホワイトはペンタゴン内の空軍迅速性能整備室でB-21レイダー開発の物資面統括官を務めてきた。同爆撃機はペンタゴン史上最大規模の機体調達事業となりF-35共用打撃戦闘機を追い抜く見込みだ。
「今回の事業ではホワイト大佐に期待しているのは最高の技術力を応用しながら業界の実情を理解すること。というのは我々が業界にとって有益な存在でなければ、イノベーションの継続が実現しないし、より小規模で迅速かつ機動性を発揮しないとことを実施できないし、契約相手の企業がわざわざ業務を複雑にする必要はないためだ」(ローパー)
特別な役割を与えられた部局が以前も存在したが、今回の「高性能航空機」センターは将来の戦闘機像の作成に専念する初の組織、と空軍広報官カーラ・バウジー大尉が説明。
6月のパリ航空ショーでローパーは空軍内部で第6世代戦闘機構想の要求性能で議論中と述べ、F-22ラプターやF-35の後継機に触れていた。
「デジタル技術」で従来の部品製造工程を省略すれば開発元は設計内容をもっと柔軟に変更できるとローパーは語っていた。
デジタル時代のセンチュリーシリーズにはデジタル技術以外に相互接続性のあるアジャイルソフトウェアやプロトタイピング技術で実戦投入できるジェット戦闘機を5年で実現できる。
「業界で実施できる内容とこちらのチームの考え方をもとに、どこまで迅速に構想を現実の航空機にゼロから作れるかが課題だ。現時点での試算は5年です」とローバーはDefense Newsに述べていた。ローバーによれば製造が採択されれば空軍は防衛産業に報奨金で従来の調達モデルを上回る速度で作業をさせる必要があり、今は数年間かかるのが普通の調達が早まるという。
だが空軍には調達を迅速化させた経験がある。最初の「センチュリーシリーズ」が1950年代に登場し、F-100スーパーセイバーでは2年半で開発を終えている。
そこで画期的なデジタルセンチュリーシリーズ構想があり、この期待は次世代制空戦闘機Next Generation Air Dominance(NGAD)として知られる。
2016年に空軍は航空優勢2030ロードマップを公表し、旧型機を新型機と並列運用するとし、同時にNGADの概略にも触れ、高性能戦闘機にセンサーや兵装を搭載し変化しつつ予測不可能な脅威環境への対応と想定していた。
未来的なルックスの有人戦闘機を現在の第5世代機の後継機種と捉える向きが多いが、関係者によれば空軍の次世代機はこれまでの分類が適用不可能なネットワーク化手法を取るという。
その一部には戦闘機を自律型無人機を組ませて戦闘を行わせる構想があるとローパーが説明している。今年春にローパーから空軍研究本部でスカイボーグ事業で進展があったと明らかにしていた。これは人工知能とパイロットをペアにするもので飛行操縦技術をマシンに学習させるものだ。
着想には制約がない一方で議会を納得させる必要がある。2020年度国防予算権限法案の下院版では空軍が要求したNGAD予算10億ドルが5億ドルに削減されており、「開発関連の経費リスク」が理由だったとAir Force Magazineが解説している。
「将来の展望はできており、これを議会にうまく説明するのは大変なジソ五」とデイヴィッド・クラム少将(空軍グローバルパワー事業主幹)が述べている。8月にクラム少将はNGADについてミッチェル航空宇宙研究所で講演した。
「モノでもなく機材でもない。それは複数の存在の集合体になる」と少将は語っていた。「全部を接続することこそ目指す方向だ」■
-- Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @oriana0214.
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謎の中国新型潜水艦はセイルなしの画期的な形状、艦名、任務等は一切不明

経済誌のフォーブスでもこういう記事が出ているんですね。また潜水艦に的を絞ってフォローするジャーナリストというのもすごいですね。それはいいのですが、小型潜水艦というのは中国の防衛思想に合致しており、今後どう発展していくのか注目されますが、完全自律運用の潜水艦になるのか不明です。

The Chinese Navy’s New Mystery Submarine


H I Sutton Contributor 
I cover the changing world of underwater warfare.
Oct 9, 2019, 07:50am
New Chinese mystery submarine
「セイルなし」潜水艦の進水式(2018年10月)で公式に発表された写真。艦名、任務等は一切不明。江南造船集団。

国により防衛分野の世界が驚かされることが続いている。同国は詳細を漏らすことなく潜水艦をまるまる建造できる世界唯一の存在ではないか。米海軍では艦名、艦の規模、一般特徴は進水式の相当前から判明している。一年前、中国は誰も想像できない形の潜水艦を進水させ、世界が驚いた。そして今回、オープンソース情報から同艦の詳細が浮かび上がってきた。
これまでは進水時写真から艦体を推定してきた。今回、同艦を建造所で捉えた商用衛星画像の解析から全長が150フィート、直径15フィートと判明した。これは当初の予想よりやや小さく小型潜水艦と見られるが、潜水艇とするには大きすぎる。衛星が上空通過したのは9月のことで同艦は建造所公試に投入されており、現時点では配備前段階だ。
同艦の計上で特徴的なのはセイルが見当たらない点だ。これ以外の潜水艦にはことごとくヒレ上の構造物が艦中央部から伸びており、潜望鏡の上下の動きに対応する。これが潜水艦共通の特徴だったが、同艦の艦体にはこれがなく、セイルがつくべき場所に小さなコブが見られるだけだ。この理由が各種の推測を呼んでいる。一つの仮説は同艦を無人潜水艦だとし、艦長が立ち観察するセイルが不要になったとする。そうだとすると世界最大級の自律水中運行機(AUV)を中国が建造したことになる。

ただし筆者はこの推論に賛同しない。同艦は試験艦で画期的な機軸を実証し今後の中国攻撃潜水艦に応用する可能性が最も高い。後日、この謎の艦の名称、任務が判明するだろうが、当面は西側は推察をすることしかできない。■

2019年10月9日水曜日

アフガニスタン情勢が悪化し、米軍の空爆規模がここ10年で最大規模になっている

US records highest airstrike rate in Afghanistan for nearly a decade

Gareth Jennings, London - Jane's Defence Weekly
08 October 2019

米空軍のF-15Eストライクイーグル編隊がアフガニスタンで爆弾を投下中。空爆がここ数年で最大規模になっている。9月に米軍は10年近くで最大規模の空爆を実施。これは同国の治安が悪化しているための措置だ。 Source: US Air Force

9月の米軍のアフガニスタン空爆規模が2010年以降で最大規模になったと空軍中央司令部(AFCENT)が発表している。
連合軍航空部隊司令部(CFACC)の統計記録が10月8日発表となり、9月には948回のミッションが展開されたことがわかる。これまで最大規模だったのが2010年で同年10月に1,043回だったのが最高記録だ。
AFCENTの発表統計はアフガニスタンで米軍、連合国が運用する有人機、無人機のうちCFACCの隷下機材が対象だ。アフガニスタン空軍(AAF)機材は対象外で、現時点でアフガニスタンで航空作戦を展開するのは米国だけなので今回の数字は米軍のみのものとなる。

米軍および連合軍のアフガニスタン航空作戦は公式には2014年に終わったことになっているが、CFACC指揮下の航空攻撃は同年の2,365回から2015年は947回にまで減っていた。だが2016年になると再び増加し、1,337回になり、2017年に4,361回、2018年は7,362回まで増えた。9月の新記録の前に8月も9年来で最高で、783回の空爆を実施している。2019年9月末までの合計は5,431回でアフガニスタンに最大量の弾薬が投下されたことになる。■

2019年10月8日火曜日

ベルが米陸軍向け新型偵察ヘリ ベル360 を発表


Bell Unveils Army Scout Helicopter — With Wings

ベルが新型陸軍用偵察ヘリコプターを発表、主翼を搭載

With its trademark tiltrotors too big for the Army’s FARA requirement, Bell is squeezing every ounce of performance out of a helicopter. Will it be fast enough?

お得意のティルトローターでは陸軍のFARA要求水準には大きすぎるため、ベルは小型化で性能を引き出す構想とした。だが十分に高速なのか。
on October 02, 2019 at 5:00 AM

Bell Flight graphic
Bell 360インヴィクタス Invictus の概念図

陸軍の将来型攻撃偵察機材構想Future Attack Reconnaissance Aircraft へのベル提案には驚くべきパラドックスが見られる。ベル360インヴィクダス(ラテン語で征服されざるもの)の名称がつき、各社提案の中でもっとも強力に見える一方、高速飛行性能と引き換えに低運行費用は劣る存在になっている。
前方に機関銃を配備し、薄い主翼をつけ、非対称型テイルローターのベル360の機体には数々の革新的技術が詰まっている。目には見えないが、性能の発揮に欠かせないのが完全デジタル制御システムで民生用ベル525リレントレスからの流用だ。525は現在FAA型式証明の取得中で初のフライ・バイ・ワイヤ操縦のヘリコプターとなる。電子制御の最高速度200ノットが実現する。ベルは360でも同程度の速度になるのか言明していないが、コンピュータモデリングと風洞テストで抗力の低減に相当努力しているのは事実だ。
だがベル360は通常型ヘリコプターの一種である。大型ローターで揚力と推進力を稼ぐものの、飛行距離と速力で制約から逃れられない。この壁の突破にベルはV-22やV-280の両ティルトローター機を準備した。
対照的なのがシコースキーS-97レイダーで、ヘリコプターと航空機のハイブリッドとして超硬度主ローターを主翼のように使い推進プロペラで推力を稼ぐ。ベルのティルトロータ同様にシコースキーの複合ヘリコプターは従来型ヘリの性能上の限界を突破する狙いがある。
その他競合相手には実機が未完成だが、ボーイングケイレムAVX/L3チームがある。だがシコースキーとベルの先行はあきらかだ
革新性ではS-97がベル360の相当先を往く。だがS-97も実証済みの設計となっており、すでに飛行テスト開始から数年がたち207ノットを達成した。これに対しベル360は縮小モデルが風洞内でテストしただけだ。では2022年末に実機が飛ぶとどこまでの速力となるのか。
「180ノット超となります」とベルの高性能回転翼機担当副社長キース・フレイルが一部記者を招いた特別説明会で述べた。180ノットはべ陸軍の巡航速度要求で機体は長時間に渡りこの性能を維持する内容だ。
では陸軍要求のダッシュ速度205ノットはどうか。「この機体は180ノット超」とフレイルは繰り返す。「陸軍要求は180ノットで当社は絶対に180を超えてみせます」
だが205ノットはどうか。「205要求はありません」とフレイルは述べた。
フレイルは記者会見後、筆者に認めた。陸軍がFARAに求める180ノット超は必要なとき短時間に限られるという。だが陸軍は「ダッシュ速度」での厳しい性能要求を設定していない。
「巡航速度180は譲歩の余地なしでの最低水準」と陸軍でFARA事業を統括するダン・ブラドレーは電子メールで筆者に伝えてきた。「ダッシュで205は望ましい性能」とし、陸軍はダッシュ速度は採択の条件ではなく、「最適条件」で実現可能かを評価するだけだという。
これは最近の陸軍の特徴たる柔軟かつ実際的なアプローチの一例であっり、これまでの硬直した要求内容と業界にリスクを無視してまで実現を共用してきた流れと好対照だ。とくにFARAでは速度、信頼性、価格などでのトレードオフを認めており、異例ともいえる許容度を業界に認めている。
Bell photo
ベルV-280ヴェイラー・ティルトローターが水平飛行中。V-280は将来型長距離強襲機(FLRAA)の最右翼候補とみなされるが、この基本設計はFARA向けの小型化は不可能だった
陸軍も現行機種より高速性能を求めており、FARA偵察ヘリには対空砲火をくぐり抜ける性能を想定している。だが機体の生存を決めるのは速力だけではない。陸軍は小型かつ機動性の高い機体を望んでおり、丘陵地や建物の影に隠れる性能を重視している。事実、回転翼の最大直径を40フィートにしたのは陸軍として譲ることができない要求となっている。このためベルお得意のティルトローターが使えなくなった。
FARAは過酷な条件で昼夜問わず飛行する必要があり、十分な整備基地がない条件も想定する。イラクではこのような基地が長距離ミサイルの標的になったこともある。「一日の終りに機体をほこりだらけの環境で整備する必要があるでしょう」(フレイル)
ベル360は速力ではシコースキーS-97にはかなわないが、ベルはセールスポイントは他にあるとする。「価格には細心の注意を払っています。ベル360は妥当な価格でリスクを最小にしながら、複雑な機構にしなくてもFARA要求性能を実現できます」”
「コーヴェットがほしくて買う予算もあるのにわざわざフェラーリを買いますか?」と在ワシントンDCのベル執行副社長ジェフ・シュレーザーが問う。「本機は高機動性の機体でお手頃な価格で米陸軍の要求内容をすべて満足させます。これ以上の機体では維持が大変でしょう」
だがフレイル、シュレーザーともに筆者が他にも低価格低技術内容の提案があると指摘するとみるみる興奮を示した。
「エキゾチックさを犠牲にしないエレガンスが手に入るのです。ここまで簡単には普通行きませんよ」(フレイル)
ベル360は高性能機軸が多数盛り込み、通常の回転翼機から一線を画すもので一部は民生用ベル525の流用だが、多くは独特の性能だ。
  • まず目につくのが主翼で揚力を稼いでいることだ。特に高速になればそれだけ多くの揚力を生む。つまり主ローターは高速度域では揚力の50パーセントしか産まず、残りの出力を加速に使えることになる。
  • ベル360はエンジンが複数装備される。GEが改良したタービンエンジンは低速域で推力を有無が、高速度になると補助出力ユニット(SPU)が起動する。これも可能な限りの出力を手に入れるためだ。
  • 主ローターのブレイドは4枚で、ベル525のものを縮小しているが、整流化ハブにつけ、抗力を最小化し、「完全関節接合」で最高の空力効率の確保のため屈曲したり原型に戻したりする。
  • 降着装置とミサイルラックはともに引き込み式で高速飛行で格納して抵抗力飛行が実現し、低速になり機体から伸長される。
  • 機体後部は意図的に非対称形になっており、右側に排気口とテイルローターがつく。フレイルからはこの設計にした理由の説明はなかったが、通常のヘリコプターではテイルローターから不均衡な力が生まれており、ベル360は非対称形にすることで戦闘機同様に「力学的に不安定」にすることで機動性を確保しているのかもしれない。
  • 機体は全電子フライ・バイ・ワイヤ制御で米戦闘ヘリコプターでは初となる。空力上で不安定な機体の制御には不可欠である。またコリンズエアロスペースがプラグアンドプレイ方式のアーキテクチャを提供しており、電子関連の交換、アプpグレードが容易に実施できる。ただし、ベル含め全社は陸軍が手動するFACE標準に準拠する必要がある。
微妙な操作が必要となるのはローター角度のみならず設計全体に及ぶ。ベルは信頼性を高めた低リスク提案をめざし、実証済み設計を基本に採用しており、シコースキーS-97のような革新性は追求していない。一方でベルは通常型設計から機能性能を引き出そうとし、機内に多くの新機軸も搭載している。ベル525の設計をさらに洗練させて新技術を採用している。ただしベル525は2016年に墜落事故を起こしFAA型式証明がまだ下りていない。
ベルは360を純粋に訴求力のある選択肢と位置づけし、シコースキーがフェラーリなら同社はコーヴェットをめざす。その真価は実機が完成して飛行性能を証明しないとわからない。■

2019年10月7日月曜日

中国の新型無人ISR機材 WZ-8 は台湾、日本をカバー

Images suggest WZ-8 UAV in service with China’s Eastern Theatre Command

Andreas Rupprecht, Mainz - Jane's Defence Weekly
04 October 2019


10月1日北京の軍事パレードでWZ-8UAV2機の機体番号は抹消あるいは隠されていた。Source: Greg Baker/AFP/Getty Images

10月1日の軍事パレードに登場したWZ-8高高度高速偵察無人機(UAV)が人民解放軍空軍(PLAAF)の第30航空連隊に編入され、江蘇省首都の南京近郊の六合航空基地に配備されていると示す写真がある。

画像は中国国営メディアが10月1日の北京パレードの予行演習で公開したもので三角形主翼のUAVに21311、21312の番号がついている。
番号が5桁で21x1xの配列はH-6M戦略爆撃機とともに東方戦域司令部の隷下にあることを示す。同司令部は台湾、日本を担当する。

ただし、10月1日のパレードでは機体番号は消去あるいは覆いをつけ判読できないようになっていた。

WZ-8はエンジン双発構造だが空気取り入れ口が見当たらず空気吸い込み式ではないようだ。機体上部の構造からは母機が運び、その場合はH-6の可能性が高く、通常型の降着装置がついている。


H-6Nの機体下部は改修されており空中発射式弾道ミサイルの運搬用との観測があった。ただし、そうではなくWZ-8搭載用途見るべきだろう。ただし、確認のための情報はまだない。■