2014年4月21日月曜日

非常に理解しにくいF-35の機体単価 削減の矛先はP&Wに向けられています


F-35 Chief Puts Heat On Pratt's F-35 Engine Cost

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com April 17, 2014


F-35調達コストで米国分担分が昨年だけで45億ドル上昇したのは「コスト曲線」あるいは機体製造費用が大幅に下がるはずと過剰なまでに楽観的な見方があったためだとF-35開発を統括する米空軍クリストファー・ボグデン中将 Lt. Gen. Christopher Bogdan は見ている。.
  1. 実績が予測を下回ったのには二つの理由がある。主契約企業やその他協力企業の費用と、JSF購入を先送りする傾向が各国にあるためだ。費用低下では従来はロッキード・マーティンに圧力がかかってきたが、ボグデン中将の照準は今やエンジンメーカーのプラット&ホイットニーに向けられている。
  2. 「エンジンでも価格カーブを想定していた。プラットは約束を満たしていない。全然だめだ」と同中将は取材陣に話している。.
  3. 米議会の求めで作成された2013年度報告書では米国の負担額は開発、調達、55年間供用含み総額3,986億ドル(約40.7兆円)で、前年度は3,912億ドルだった。上昇分のうち45億ドルが調達関連だ。
  4. ボグデン中将は全体額の中で上昇分は無視できる規模だとしながら、契約企業の価格設定には不満の様子だ。
  5. これに対しプラット&ホイットニーは最初のロットとの比較で価格を4割下げていると主張するが、F-35では単一エンジン供給元の立場から実際の数字を一切公表していない。
  6. ボグデン中将の不満はエンジン単独供給元に対して交渉力の切り札がないことだ。「エンジンの選択肢がないままではコストをさげさせる有効な手段がみつからない」
  7. F-35の平均機体単価は開発、調達、維持の各費用と未公表のプラットのF135エンジン含め130百万ドル(約133億円)で米国は2,443機を調達する予定だ。飛行可能な状態での機体単価(総費用を2,443で割る)は104.8百万ドル(約106.9億円)となる。二つの数字は米国の想定導入機数を前提としている。
  8. 価格をさらに下げる要因として韓国、シンガポール、イスラエルの購入が実現することがある。ただし、カナダ、トルコ、オランダが子導入を先送りしているので、短期的に価格が上がる要因になっている。ボグデン中将は結局価格を下げる要因は差し引きゼロになるとみている。
  9. もっと多くの調達引き合いがあることを期待しながら、ボグデン中将はロッキードとプラットに部品等をまとめ買いしてスケールメリットを生かすよう求めている。「強制予算削減も二年目に入り、F-35も無傷のままではいられない。」(ボグデン中将) この点でプラットがロッキードよりも先行しているのはF135の部品等で商用エンジン含む他製品と共通性が高いためだ。
  10. 78億ドルの上昇分で別の要員は為替レート変動とインフレーションによる補正だ。約3割の機体部品は米国外から調達しており、多くは英国のBAEシステムズとイタリアのアレニアだが、ドルやウ傾向がポンドとユーロ相手に続いていることがその理由だ。
  11. もともと量産開始は2018年とみていたが、関係者もこれが2019年にずれ込むと認めている。ボグデン中将は量産が開始されれば飛行可能な状態の機体単価は85百万ドル(約87億円)以下になると今でも期待している。■

2014年4月20日日曜日

UCLASS提案依頼書がまとまる



Navy Issues Restricted UCLASS Draft Request for Proposal

USNI News By: Dave Majumdar
Published: April 17, 2014 5:35 PM
Updated: April 17, 2014 6:50 PMNorthrop Grumman's X-47B flies over USS George H.W. Bush (CVN-77) on May 14, 2013. US Naval Institute Photo
Northrop Grumman’s X-47B flies over USS George H.W. Bush (CVN-77) on May 14, 2013. US Naval Institute Photo

米海軍がUCLASS無人艦載監視偵察攻撃機の提案依頼書原案を17日午後発表した。
  1. 提案依頼書原案は同機開発の予備設計審査に参画中の四社に送付されている、と海軍航空システムズ本部 (NAVAIR) が発表し、原案の目標は各社にUCLASSに必要な各要素を統合することを求めることと説明。送付先はジェネラルアトミックス航空システムズ、ボーイング、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンの各社。
  2. なお、提案依頼書原案は当初2013年中に発出予定だったが要求性能の方向性の違いが表面化し遅れていたもの。
  3. 最終版が今年中に出るものとみられる。
  4. しかしながら上位要求内容は昨年4月から変更ないとマット・ウィンター少将(NAVAIR無人機計画主査)Rear Adm. Mat Winter, NAVAIR’s program executive officer for unmanned aviation and strike weapons は明らかにしている。
  5. ウィンター少将によればUCLASSのめざす目標の中心は制空権の確保された空域内で「戦術上の意味がある範囲内で」24時間、毎日ISR(情報収集・監視・偵察)飛行を実施することだ。同時に軽攻撃能力ももたせる。
  6. ウィンター少将からはUCLASSはオープンアーキテクチャ設計として改修が簡単にできるようにするとの発言もあった。
  7. ただし、UCLASSが2020年の初期作戦能力獲得目標を達成できるためには開発・試験で相当強引な日程消化が前提となる。■




2014年4月18日金曜日

F-35の英国遠征案が明らかになる


Lockheed Preparing For F-35 U.K. Deployment

By Anthony Osborne tony.osborne@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com April 16, 2014
Credit: Lockheed Martin


ロッキードマーティンは米国防総省、英国防省と共同でF-35の英国でのデビュー案を最終調整中。

  1. 原案はチャック・ヘイゲル国防長官が4月16日に承認ずみで、王立国際航空タトゥー(RIAT)が今年7月11日から13日にフェアフォード英空軍基地で開催されるのにあわせ、F-35を飛行展示とと地上展示する。
  2. またファーンボロ航空ショーにも出展するが飛行展示のみとし、会期中はフェアフォードに機体を駐機し移動させる。
  3. 派遣するのF-35Bは三機で二機は海兵隊仕様で一機は英国向け機体とし英パイロットが操縦する。
  4. 派遣が決まると、運用基地から三週間にわたり遠隔地に送られるため苛酷な条件となるほか、空中給油により長時間飛行して移動することになる。給油機が海兵隊のKC-130Jか、空軍のKC-135ないしKC-10になるかは現時点では不明。
  5. もうひとつはっきりしないのは今回派遣対象の機体のうち一機が7月4日予定の英国の新型空母HMSクイーン・エリザベスの命名進水式(スコットランド・ロサイス)で役割を与えられるかどうかだ。
  6. 英国は現在三機のF-35を保有しており、四機目を発注中。期待されている追加14機の調達案はまだ発表されていない。■

2014年4月16日水曜日

新型軽量攻撃機スコーピオンの国際デビューは7月か


重厚長大な支援攻撃機の代替策としてテクストロンが提案しているスコーピオンが国際デビューする可能性が出てきましたが、肝心の米空軍は同機をシカトしているようです。

関連記事 http://aviation-space-business.blogspot.jp/2013/12/blog-post.html?view=timeslide

Scorpion Eyed For RIAT, Farnborough Debut

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviatonweek.com April 14, 2014
Credit: Textron

テクストロンはスコーピオン軽攻撃偵察機の試作型を7月の英国国際航空タトゥー(RIAT)およびファーンボロ航空ショーに送り、国際お披露目を図る予定だ。
  1. 「ファーンボロは国際展示会としてスコーピオンにうってつけと考えています」とテクストロン広報は説明するが、出展は決定事項ではないという。
  2. スコーピオンは完全失設計の軽量攻撃偵察任務機で武装ターボプロップ練習機とジェット高性能戦闘機の隙間を埋める機体としてテクストロンが企画したもの。同社の目標は運航コストを一時間当たり3,000ドルとすることで中小国の空軍に訴求力を持たせること。
  3. テクストロンとエアランド(スコーピオン専業で設立した小企業)が実証機組立を介したのは2012年1月で、初飛行を2013年12月に実施している。その後、テスト飛行は60時間を超えている。同機の存在は昨年9月にAviation Weekが初めて報道している。.
  4. 同社は米空軍にも同機導入を期待しているが、いまのところ海外販売がせいぜいである。同機のフェリー飛行距離は2,400 nmなので北回り空路をとり、英国に到達するまでに数回給油のため着陸を余儀なくされるだろう。■



2014年4月15日火曜日

デンマークの次期戦闘機選定始まる

Denmark Kicks Off Fighter Contest

By Anthony Osborne tony.osborne@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com April 14, 2014


デンマークの次期主力戦闘機選考で4社に情報開示が要請されている。
  1. ボーイングにF/A-18F スーパーホーネット、ユーロファイターにタイフーン、ロッキード・マーティンにはF-35A、サーブにグリペンEの詳細情報を請求中で、現行のF-16ファイティングファルコンの後継機種選定に入る。ダッソーのラファールは情報請求の対象から外れた。
  2. 各社の回答は7月の予定で選定は2015年中ごろに性能および耐用期間中の改修可能性、運用・維持費用、およびデンマーク国内産業へ生産面で業務発注の可能性があるかを考慮して絞り込む。
  3. 次期機種は2020年から2024年にかけ就役し、その時点でデンマーク空軍のF-16 は機齢45年になっている。
  4. デンマークはレベル3の共用打撃戦闘機開発の署名国であるが署名国だからとって同機の購入は義務ではなく、デンマーク産業はF-35関連で国内に回ってきた業務量に失望していると何度も伝えられている。
  5. 一方でボーイングはスーパーホーネットをデンマーク王立空軍のエアショー(6月22日カルップKarup)に派遣する予定だ。

コメント ズバリ大胆予想をすれば、デンマークが選定するのはユーロファイターだと思います。スウェーデンのサーブは選びたくないのでは。F-35については経済が理由で選定外、F/A-18は将来性を考えると食指が動かないのでは。そうなるとユーロファイターですが、日本に売り込む際には産業協力をもちかけていましたね。どうなりますやら。


黒海の米海軍艦艇にロシア空軍がいやがらせ

クリミア情勢に加えウクライナ東部がきな臭いですが、黒海で任務遂行上の米海軍艦艇にロシア空軍がちょっかいをだしています。これは単に現場パイロットの勝手な行動なのか、計算されたロシアのメッセージなのか、まだ読み取れませんね。

Russian Fighter Buzzes U.S. Destroyer in Black Sea

USNI NEWS By: Sam LaGrone
Published: April 14, 2014 4:12 PM
Updated: April 14, 2014 4:12 PMArleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Donald Cook (DDG-75) transits the Dardanelles en route to the Black Sea. US Navy Photo
Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Donald Cook (DDG-75) transits the Dardanelles en route to the Black Sea. US Navy Photo

黒海に入っている米海軍アーレイ・バーク級駆逐艦にロシア戦闘機が90分にわたり低空で上空通過飛行を繰り返していたことがUSNI Newsに国防関係者から伝えられた。

発生したのは4月12日土曜日でスホイSU-24フェンサー1機がUSSドナルド・クック(DDG-75)から1,000ヤード地点を高度500フィートで飛行したという。

同機は駆逐艦上空を12回通過したが、同艦は同機の接近前に数回無線交信を試みたが反応がなかった。空域にいた2機目のフェンサーは無謀な飛行はしていない。

「挑発的かつプロの資質を疑いたくなるロシア側の行為は国際慣行の上からもこれまでの軍事上の合意事項にも反するもの」とペンタゴンが発表している。「ウクライナにおけるロシア軍の行為は国際通念に違反しており、数か月継続しており、このような挑発行為は当方が求めているウクライナ情勢の鎮静化になんら資するものではない」

A Russian Sukhoi SU-24 Fencer.

A Russian Sukhoi SU-24 Fencer.

クックが黒海に入ったのは先週木曜日でクリミアへのロシア侵攻に対し、合衆国の同盟国向けにプレゼンスを示すのが任務だ。

今回のフェンサーの上空通過飛行はロシア外相セルゲイ・ラヴロフRussian Foreign Minister Sergei Lavrovが合衆国が1936年の通称海峡通過に関するモントルー協定に違反したとの発言に続くもの。モントルー協定では黒海に領土を持たない国家の軍艦は21日以内に退出することを求めている。

クックには弾道ミサイル防衛用のイージス防空システムを搭載している。同艦は弾道ミサイルとともに航空機も撃退することが可能。

2014年4月14日月曜日

ジェネラルアトミックスのUCLASS提案


米海軍のUCLASS構想に名乗りを上げる企業にはプレデターシリーズで有名になったジェネラルアトミックスもありますが、肝心のUCLASSの想定運用環境次第ではステルス性等の仕様が大きく変わりますね。やはり空中給油能力の付与も想定されているようですが、どうなりますやら。UCLASSでは四社が競合する形になりそうですね。

General Atomics Shows Off Company’s UCLASS Option

USNI NEWS  By: Dave Majumdar
Published: April 10, 2014 12:12 PM
Updated: April 10, 2014 2:46 PMAn artist's concept of General Atomic's Sea Avenger UCLASS bid taken from a display monitor. US Naval Institute Photo
An artist’s concept of General Atomic’s Sea Avenger UCLASS bid taken from a display monitor. US Naval Institute Photo

ジェネラルアトミックスは同社のシーアヴェンジャー Sea Avenger 無人機を原型にした案を米海軍の無人艦載監視攻撃機 Unmanned Carrier Launched Airborne Surveillance and Strike (UCLASS)として提案するとみられる。

4年前に海軍からUCLASS構想が発表となった際には同社のプレデターCを改修したシーアヴェンジャー案を売り込もうとしていた。その後、高性能攻撃機の機能を重視するか、情報収集監視偵察(ISR)機能を重視するかで意見がまとまっていない。

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ある程度のISR任務を制空権が確保された空中で実施する能力を重視する向きが主流となってきた観があるが、海軍関係者以外にはUCLASSの仕様が何を求めているのか見えなくなってきている。海軍は情報管理をしているためだ。

もし海軍の要求水準が自由に飛行できる環境でのISRを重視し、高度のステルス性を軽視するのであれば、ジェネラルアトミックスのシーアヴァンジャー案に十分勝算が出てくる。An artist's concept of General Atomic's Sea Avenger UCLASS bid taken from a display monitor. US Naval Institute Photo
An artist’s concept of General Atomic’s Sea Avenger UCLASS bid taken from a display monitor. US Naval Institute Photo

かつてジェネラルアトミックスはシーアヴェンジャーはステルス機ではないものの、他の機体よりも被探知特性を減らしているのでステルス性はあると説明していた。

ジェネラルアトミックスがシーアヴェンジャーのステルス性を強化するのであれば、C、X、Kuの各バンドの高周波数で探知されにくくする必要がある。

VHFやUHFと言った低周波数へのテルス性確保には全翼機形状が選択肢となる。同社はシーアヴェンジャーは非通常型やハイブリッド型の戦闘シナリオに適化可能と説明していた。

また同社の機体構想では外部ハードポイントが4か所および小型兵装庫が追加されている。シーアヴェンジャーは空中給油機にも転用可能だが、機体寸法が拡大されていることからエンジンを強化する考えであることがわかる。

ロッキード・マーティンノースロップが本格的ステルス機を全翼機設計で提示しているのに対し、ジェネラルアトミックスとボーイングは中程度の脅威環境で十分作戦が可能な主翼・胴体・尾翼構成の機体を売り込もうとしているのは興味深い点だ。■



2014年4月12日土曜日

オーストラリアがF-35追加調達へ


Australia Likely To Order More F-35s

By Bradley Perrett
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com April 07, 2014
Credit: Lockheed Martin

オーストラリアがロッキード・マーティンF-35調達を58機追加する見込みがでてきた。実現すれば同国は合計72機のF-35を整備し、EA-18Gグラウラー12機と合わせ空軍力の近代化を図る。
  1. このF-35発注は80億ドル規模で空軍の要求を政府は受け入れる構え。これによりロッキードはF-35の大口海外注文を維持する格好となる。オーストラリアは当初100機の導入を検討していた。
  2. オーストラリア空軍(RAAF)は100機のF-35でF-111とF/A-18A/Bホーネットを退役させる予定だったが、F-35開発の遅延で変更を余儀なくさせられていた上、F-111が2010年に想定より早く舵一線を退いたことで、グラウラー購入に動いたもの。またスーパーホーネット24機がF-111の後任となり、課題は2020年に機体寿命が切れる旧式ホーネット71機の後継機種選択に移っていた。
  3. もともとはF-35導入一本だったが、スーパーホーネット導入で代替策が見えてきた。オーストラリアにはスーパーホーネットを追加購入する選択肢とF-35 納入を待つか、取り消すことでスーパーホーネットのみによる部隊編成の可能性があった。
  4. そこでオーストラリア政府はまず2機のF-35を発注し、追加12機の導入意向を示していたが、この12機は契約に正式に含まれていなかった。政府は今月半ばにも追加購入を承認する見込みだが、意思決定が遅れる可能性もある。
  5. 決定に当たり、政府は同機の性能、国内産業の関与、米国との同盟関係を考慮し、追加購入に動くこととした。また、F-35開発が安定化してきたことも考慮し、今後の機材供給が順調に実現すると見込み、初期作戦能力獲得を2020年とみていたが、当面戦闘機部隊の規模縮小は避けられない。
  6. ただしグラウラー12機が2018年に実戦配備されると、実質的な戦力増加が実現する。
  7. F-35追加調達が58機になるとRAAFの第一線作戦機はライトニング72機、スーパーホーネット24機、グラウラー12機体制となり、合計108機というのは1980年代よりも1割多い規模だが、オーストラリアが冷戦終結後も安全保障で楽観を許されず、事実兵力を削減していないことを想起する必要がある。空中早期警戒機や水平線超えレーダーを導入しているし、この背景には人口成長率は23年間にわたる経済拡大基調があるが、国防予算のGDP比率は歴史的な低率に収まっている。
  8. オーストラリア企業でF-35に関係しているものとして垂直安定板を製造するマランドMarandがある。同社は3月末に初の出荷をしたばかりだ。BAEシステムズオーストラリア BAE Systems Australia も機体後部の製造に関与している。複合材メーカーのクイックステップ Quickstepは炭素繊維複合部材の増産体制に入っている。
  9. ただし、オーストラリア空軍はF-35を100機程度調達の目標を断念していない。2030年になればスーパーホーネット各機も20年目に入り、退役を検討する時期に入る。スーパーホーネットのうち12機はEA-18G仕様に変更され、さらに供用されるが、RAAFはグラウラー部隊が小規模編成であることから米海軍の電子戦支援に頼る意向で、F-35を主力機として運用する一方でEA-18Gの運航費用を最小限に抑えたいとしている。■



2014年4月11日金曜日

次期大統領専用ヘリ選定結果の発表近づく



NAVAIR to Select Presidential Helicopter by End of May

USNI NEWS By: Dave Majumdar
Published: April 10, 2014 9:54 AM
Updated: April 10, 2014 12:11 PMAn artist’s rendering of Sikorsky’s bid for the VXX presidential helicopter. Sikorsky Photo
An artist’s rendering of Sikorsky’s bid for the VXX presidential helicopter. Sikorsky Photo

米海軍はVXX次期大統領専用ヘリ(マリーンワン)取得にむけ主契約企業を5月にも選定したい意向だ。
  1. 「決済手続きと契約手続きは最終段階にあり、数週間で最終発表できる運びです」とディーン・ピーターズ大佐(海軍航空システムズ本部VXX計画担当) Capt. Dean Peters, Naval Air Systems Command’s VXX program manager が発言しており、選定は「5月中」になるという。
  2. 提案企業はシコルスキー一社で、S-92でVH-3およびVH-60(いずれもシコルスキー製)を代替しようというもの。
  3. 2013年7月段階では提案は複数あり、アグスタウェストランドAW101 大型ヘリが撤回され、ボーイングもCH-47チヌークとV-22オスプレイ提案を取りやめている。
  4. 一社提案でも標準手続きを順守する必要がある。
  5. 契約企業を選定すれば、その後は迅速に進むものとみられる。試験用一号機は2016年に納入されるとピーターズ大佐は語る。海軍の調達規模はテスト用2機と別に21機の運用機材となると同大佐は説明。.
  6. 大統領専用ヘリ調達は2009年のVXXでいったんロッキード・マーティンとアグスタウェストランド共同提案に決まったが、コスト超過で取り消しになり、2008年の大統領選挙戦で争点となった経緯がある。■



2014年4月10日木曜日

オハイオ級ミサイル原潜の後継艦の仕様が定まる


Navy Has Finalized Specifications for New Ohio-Replacement Boomer

USNI News By: Sam LaGrone
April 7, 2014 2:06 PM
 
An undated artist’s rendering of the Ohio Replacement. Naval Sea Systems Command Image

米海軍が次世代の原子力弾道ミサイル潜水艦の諸元を決定したことが明らかになった。

オハイオ級後継艦(ORP, 以前はSSBN(Xとして知られていた) は全長560フィートでオハイオ級と同程度だが、ミサイル発射管は8つ少ない、とデイビッド・ジョンソン少将(海軍海洋システムズ本部 潜水艦計画統括官)Rear Adm. David Johnson Program Executive Officer (PEO) Submarines for Naval Sea Systems Command (NAVSEA)が発言。
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設計ではミサイル発射管の削減とあいまってステルス性を実現して、建造費用、維持費用の削減を狙い、運用期間は42年間を想定。

排水量は2万トンを超える最大級の潜水艦となる。ただしソ連は45,000トンンのタイフーン級を建造しているが、ロシアの新型ボーレイ級Borey-class (Project 955A) SSBNsと同程度の大きさになる。

英海軍のサクセッサー級SSBNsと協調し、ORPはミサイル発射管16基にトライデントIIDS潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBMs)を搭載する。

同艦の運航費用単価は年間110百万ドルで2号艦から12号艦の建造費用平均は53.6億ドルになるという。すべて2010年ドル価値で計算した。

国防長官官房から提示された目標は一隻当たり49億ドルというもの。

性能諸元が決まってきたことで、海軍は一号艦の設計を担当するジェネラルダイナミックスのエレクトリックボート部門に価格目標の実現のため考えられるすべての節約策を検討するよう求める。

現行のSTART条約下ではSSBN部隊は合衆国の戦略核弾道の7割を搭載しており、空軍の核爆撃機や大陸間弾道弾よりも海軍の役割が大きくなっている。

「核抑止力戦力を整備すべきかという問題ではなく、整備しなければならない」とジョセフ・タファロ少将Rear Adm. Joseph Tafalo(潜水艦部隊統括)は発言している。

タファロ少将はSSBN部隊が1960年代70年代は合計41隻あったものをオハイオ級で14隻に、さらにORPミサイル原潜で12隻になると指摘。

規模が小さくなるとはいえ、総額1,000億ドルという海軍史上で最高額の建造計画となる。

ORP一号艦の建造開始は2021年で、2031年にパトロールを開始する想定だ。海軍はORP用研究開発費用12億ドルを2015年度予算に計上している。

ヴァージニア級攻撃潜水艦(SSN-774)およびシーウルフ級(SSN-21)の知見を大幅に活用するという。

技術革新として全く新設計の電動推進システムがあり、艦の寿命と同じ期間で稼働する原子炉の採用により定期保守で第一線を離れる期間を大幅が短縮される。


2014年4月9日水曜日

次期空母輸送機CODの候補それぞれ


Lockheed Pitching Revamped Viking to Fill Carrier Cargo and Tanking Roles

USNI News By: Dave Majumdar
Published: April 8, 2014 5:05 PM
Updated: April 8, 2014 5:10 PMAn artist's concept of Lockheed Martin's C-3 concept to replace the Navy's Carrier Onboard Delivery (COD) aircraft. Lockheed Martin Photo
An artist’s concept of Lockheed Martin’s C-3 concept to replace the Navy’s Carrier Onboard Delivery (COD) aircraft. Lockheed Martin Photo
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ロッキード・マーティンが米海軍の現行空母艦載輸送機 carrier onboard delivery (COD) ノースロップ・グラマンC-2グレイハウンドの後継機選定に参入する。
  1. 同社提案は現在アリゾナ州で保存中の退役S-3ヴァイキング対潜哨戒機を改装改修し、C-3の呼称とするもの。.
  2. 同社からUSNI Newsに対して保存中91機のうち、87機が再使用可能との回答があった。平均で9,000時間の飛行できるという。
  3. ただし、上記数字は主翼の状況から判断したもので実際はこれ以上の飛行が可能な機材もあるという。同機の設計寿命は18,750時間で、COD任務は対潜哨戒飛行より負担が少ない。
  4. S-3改修で同社は機体は完全解体し、胴体部分のみ再利用せず大型の胴体に取り換えCODミッションに対応させる。改修後は22インチ幅が広がり、全長は6フィート、全高は3フィートそれぞれ伸びる。An artist's concept of Lockheed Martin's C-3 concept to replace the Navy's Carrier Onboard Delivery (COD) aircraft loading a F-135 engine. Lockheed Martin Photo
An artist’s concept of Lockheed Martin’s C-3 concept to replace the Navy’s Carrier Onboard Delivery (COD) aircraft loading a F-135 engine. Lockheed Martin Photo

  1. C-3の利点はロッキードF-35のプラット&ホイットニーF135エンジンをそのまま空母へ輸送できることだと同社は説明。
  2. 同時にS-3が実施していた空中給油任務も実施可能で、F/A-18を給油任務から解放できるとも同社は説明。.
  3. C-3の輸送能力は貨物10,000ポンドあるいは28名を搭載し、C-130で実績ある貨物取扱システムを利用できる。
  4. 一方、ノースロップはC-2の改修版をE-2Dの技術を応用して提案中。同機は主翼を再設計し、エンジン換装とコックピットを新型ホークアイから流用し、経済効果を享受できるとしている。
  5. C-2の輸送能力も10,000ポンドあるいは26名であるが、タンカー能力を付与されるかについては言及がない。
  6. ベルーボーイングもMV-22オスプレイのCODミッション転用案を出している。実際に同社はV-22を給油機としてF/A-18で実証済み。
  7. 今年2月にデイビッド・バス中将(海軍航空部隊司令官)Vice Adm. David Buss, commander Naval Air Forces,から一年以内に次期CODの機種選択をするとの方針が発表されている。■



2014年4月8日火曜日

EA-18Gグラウラー電子攻撃機の役割が一層重要になってきました


なにかと話題になっているEA-18Gですが今や唯一の電子戦専用機材として重宝がられる存在になりつつあるようですね。議会がそのコストパフォーマンスを認めて追加調達が実現するかが注目です。なお、EA-18Gがデータを提供する攻撃陣のなかにF-35Cの前はありません。米海軍はJSFに冷めた見方をしているのか、実現しないとみているのか、実現してもセンサー機材として使うなどと想定外の運用を考えているようです。A2D2がA2/ADと言い方に変わっていることにも要注意です。




Navy Preparing for More Aggressive Growler Operations

USNI News By: Dave Majumdar
Published: April 7, 2014 2:24 PM
Updated: April 7, 2014 3:26 PM
Conceptual loadouts for EA-18G Growler electronic attack aircraft. Boeing Image

米海軍は空中電子攻撃 airborne electronic attack (AEA) の主眼を敵防空網の積極的な探知および除去に移す。これまでは敵が友軍機を探知捕捉するのを妨害することとしていた。
  1. 海軍航空システム本部 Naval Air Systems Command で F/A-18 とEA-18Gを総括するフランシス・モーリー Capt. Francis Morleyは「従来はAEAの役割は敵の攻撃手段を妨害することとされてきた」と発言。「グラウラーにより友軍は接近阻止領域拒否であってもスタンドオフ目標捕捉、追跡、識別が可能となる」
  2. その内容は協調受動位置情報探知を敵の発信源からおこなうことcooperative passive geo-location of enemy emitters でロックウェル・コリンズが開発した戦術目標捕捉ネットワーク技術 Tactical Targeting Network Technology および発信源受信時間差 Emitter Time Distance of Arrival (TDOA)を使いデータを共通運用状況表示 Common Operating Picture (COP).に出すことだ。COPは海軍統合火器管制対空作戦実施能力Naval Integrated Fire Control- Counter-Air (NIFC-CA)の実施で重要な要素だ。
  3. 新戦術を有効活用するべく海軍はレイセオンの次世代ジャマー(NGJ)をグラウラーに搭載し、AEA飛行隊編成を8機構成にする必要がある。ただし、議会にグラウラー追加調達の必要性を納得させるとしても、増加分は7機編成となるにすぎない。。
  4. ボーイングはEA-18Gを攻撃任務に投入する構想も提案しており、敵防空体制を対象とするものだが、対航空制圧作戦も可能だという。同機は戦闘統制機としても優秀だとして、ネットワーク能力をその理由としている。ボーイングがこの提案をしているのは同機のセンサー類の有効距離が他機種より長いためだ。
  5. 海軍もグラウラーの戦闘統制能力 battle manager と目標捕捉機能 targeting platform,を認めており、同機からスーパーホーネット他の攻撃機材にデータを送信するのがNIFC-CA構想の一部だ。
  6. モーリー大佐からは詳細は明らかにできないとしつつも、NIFC-CAの一次性能が最初のF/A-18飛行隊に搭載されている発言。■