2014年8月8日金曜日

米海軍が黒海に再び巡洋艦一隻を派遣 NATO艦艇は黒海内に2隻へ


U.S. Sends Guided Missile Cruiser to Black Sea, 2 NATO Ships in Region

By: Sam LaGrone
Published: May 23, 2014 8:38 AM
Updated: May 29, 2014 7:27 AM
USS Vella Gulf (CG-72) transits the Atlantic Ocean on March 19, 2014. US Navy Photo
USS Vella Gulf (CG-72) transits the Atlantic Ocean on March 19, 2014. US Navy Photo


USSヴェラガルフ(CG-72,9,800トン)はフランスの情報収集艦に続いて黒海内でNATOの二隻目の艦艇となる。

二隻はクリミア半島がロシアにより占拠されたことに呼応した存在を誇示する西側諸国のミッションとして地域内の西側同盟国への支援を示すもの。

合衆国は黒海へ艦船を派遣、撤収を繰り返している。最初は冬季オリンピックへの支援が名目だった。

直近ではUSSテイラー(FFG-50)とUSSドナルド・クック(DDG-75)が黒海に派遣されていた。後者は黒海入り直後にロシア戦闘機の嫌がらせを受けている。

黒海沿岸に領土を有しない各国の艦船は1936年の通称モントルー条約により海峡通過の規制を受け、黒海内に21日以上とどまることができない。■
 



2014年8月7日木曜日

海軍協会がH26防衛白書のポイントを紹介しています


新しい防衛白書を米海軍協会が早速紹介しています。忙しくて邦字新聞を見る暇がなかった方(当方含む)はご一読ください。(紹介の仕方が相当違うのではないかと思います)なお、本ブログでは護衛艦を駆逐艦、各自衛隊を各軍と表記しています。原文を尊重してDestroyer, Servicesからの訳語です。ご承知おきください。



Japan’s ‘Increasingly Severe’ Security Environment

By: Kyle Mizokami
Published: August 6, 2014 11:26 AM
Updated: August 6, 2014 11:26 AM

防衛省がこのたび公表した防衛白書では日本の安全保障を取り巻く環境は「厳しさを増している」と表現している。白書では 中国、ロシア、北朝鮮で潜在的な脅威とし、サイバー攻撃、海上挑発行為、核兵器を取り上げている。

同時に「動的防衛力」“dynamic defense”の各論として組織改編とともに5か年中の防衛装備の整備を概括している。自衛隊 Japanese Self Defense Forces (JSDF) の組織構造面での改編は冷戦終結後最大規模とし、人員増せずに新規能力の整備と既存能力の温存を図るとする。

新しい防衛方針の核心部分は陸海空の各部隊を「動的防衛隊」 “dynamic defense force”に再編することだ。これは高度機動力があり、日本各地での活動展開を可能とし、とくに尖閣諸島など辺境部で駐屯地の開設が困難な地点の防衛を視野にいれている。また米軍を参考に自衛隊も「共同運用」を拡大していく。

「動的防衛」の基本任務は島しょ部分への侵攻の阻止、特殊部隊あるいはゲリラの攻撃を封じ込めること、災害救難や非戦闘員緊急避難があげられている。とくに後者では韓国有事の際に日本国民を撤退させる想定だ。
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防衛予算は微増と見込み、現在の換算レートでは平成26年度予算は約469億ドル前年度比2.2%増となっている。このうち18.8億ドルは日本に駐留する米軍部隊の支援部分である。

海洋兵力



中国が海軍力整備を続ける中で海上自衛隊も増強を図っている。このうち新型P-1長距離哨戒機を23機導入し、P-3Cオライオンと交代させる。
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駆逐艦(護衛艦)は現行48隻を54隻に増強し、総トン数は52千トン増加させる。あたご級イージス駆逐艦の既存2隻でBMDソフトウェアを更新し、あらたに2隻を建造してBMD対応艦を8隻にする。各艦にSM-3ブロックIIA迎撃ミサイルを搭載する。潜水艦は22隻に増強。護衛隊は14へ増強し、潜水艦部隊は6になる。

興味を引くのは米海軍の沿海戦闘艦に類似した新型駆逐艦構想でモジュラー式の性能変更が可能としている点だ。この新型駆逐艦はさらに小型で曳航式ソナーを備える点が異なる。掃海装備をモジュラー化して搭載でき、現行の掃海艇が25%削減され18隻になることにも対応する。海上自衛隊は人員増が難しい中、駆逐艦を増強しつつ掃海能力を維持しようとしている。

航空戦力


航空自衛隊の改編では尖閣諸島で中国の領空侵犯に対処するため、那覇基地のF-15J配備数を倍増する。また同地区の空中早期警戒体制も1飛行隊を追加して2隊体制とする。このうち603飛行隊は那覇基地常駐とする。AWACs4機を追加導入する。
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戦闘機部隊も増強する。唯一残る偵察飛行隊は解隊する。F-15Jでは26機に性能改修を施す。F-35共用打撃戦闘機(JSF)の最初の28機の前払い金を支出する。F-35は三沢基地に配属される。

高性能無人機(UAVs)も導入する。このうち長時間滞空無人航空機調達事業はノースロップ・グラマンのグローバルホーク3機の導入になるのは確実だ。UAV運用は三軍が共同で行う。

陸上兵力


陸上自衛隊も装備の更新を受ける。まずペイトリオット部隊にはペイトリオットPAC-3性能改修型が配備され、北朝鮮と中国の弾道ミサイルへの拠点防衛能力を向上させる。


陸上自衛隊は機動性を重視していく。西部方面隊に水陸両用部隊を編成しようとしており、長崎県に配備される新部隊は琉球、尖閣双方の防衛を担当する。兵員3,000名と水陸両方強襲車両52両が配備される。V-22オスプレイ17機が即応展開を可能とするだろう。

陸上自衛隊の常設部隊の半数を「迅速配備編成」とし、師団単位で迅速な移動を可能にし国内の有事に備える他、周辺部への対応もさせる。この迅速展開部隊に3師団と7旅団を対象とする。このため戦車を整理し、300両を残すが、新型機動戦闘車両を配備する。

東シナ海での中国の活動強化に呼応して陸上自衛隊は琉球諸島全般に沿岸監視部隊を配備し、中国の軍事活動を監視する。移動式対空レーダーを遠隔の島しょ部に配置し、新型対艦ミサイル部隊9を整備し、沖縄に移動すれば宮古海峡の外国船舶通航を阻止できる。

サイバー対応

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白書ではサイバー防衛隊(Cyber Defense Group, CDG)を創設し、指揮通信システム隊C4 Systems Commandに編入するとしている。サイバー戦の重要性が高まってきたこともあり、CDGは防衛相から階層二つ下に編成される。同隊は防衛省及び各軍のネットワークを24時間監視し、一層高度になってきたサイバー攻撃の被害を予防する。CDGは各軍のサイバー戦部隊とも連携する。


興味を引くのは白書が安倍政権による集団自衛権の変更について多くを語っていない点だ。とくに米国との絡みでの言及がない。白書執筆の時点が方針変更の前だったことがその理由だろう。■


2014年8月6日水曜日

RC-135リベットジョイントにロシア戦闘機が交戦の構えを示す事件が発生していた


ロシアが相当いらだっているようです。


EUCOM Reviewing Air Ops After Russian ‘Attempted Engagement’ Of U.S. Jet

By: Carlo Muñoz
Published: August 4, 2014 1:34 PM
Updated: August 4, 2014 1:34 PM
Boeing RC-135V/W Rivet Joint. US Air Force Photo
Boeing RC-135V/W Rivet Joint. US Air Force Photo


東欧上空を飛行中の米情報収集機にロシア戦闘機編隊が「交戦の試み」をしたため米軍欧州司令部EUCOMは同地域内の航空作戦を再評価中とペンタゴン関係者が明らかにしている。
  1. 事件は7月18日にボーイングRC-135V/Wリベットジョイントが国際空域内でバルト海地方のロシア地点を対象に通常の監視飛行ミッション中に発生したとペンタゴン報道官スティーブ・ワォレン大佐が8月4日に発表した。
  2. 同機を支援する地上部隊がロシア戦闘機編隊の接近に気づき、乗員に知らせたという。
  3. ロシア機はRC-135の飛行地点に接近し、「交戦の構え」をしたと同報道官は発表。
  4. リベットジョイント機は警報を受けスウェーデン領空に方向転換し、ロシア機を回避した。乗員が領空内侵入に気づき、即座に国際領空に引き返したという。
  5. 詳細説明はないが、EUCOM関係者が「積極的手段で」将来のロシア軍とのニアミス回避策を立ち上げたという。
  6. EUCOM司令官フィリップ・ブリーダヴ大将 Gen. Philip Breedlove から6月にロシア戦闘機・艦船がアメリカおよび同盟国軍に対する嫌がらせが増えており憂慮しているとの発言があったばかり。
  7. EUCOM管轄地区内でこのような事例は通常のことだが、ロシアが力を誇示する例が急増しているのはとくにウクライナ問題が過熱した今年の特徴だ。
  8. ウクライナ東部で武力衝突が発生してから、ロシア戦闘機・艦船が米国並びに同盟国側へ過激な行動に出る事例が増えている。
  9. 6月にはスホイSu-24フェンサー戦闘機が黒海を航行中の駆逐艦USSドナルド・クック(DDG-75)に対し12回も上空通過飛行をしており、最接近時は1,000ヤードの距離で数回飛行している。.
  10. ウォレン大佐は今回のリベットジョイント機事件とドナルド・クック事件の比較はしていないが、今回のような事例は「きわめて挑発的で緊張をエスカレートするばかり」だと東欧の状況に言及して説明している。■


2014年8月5日火曜日

中国の衛星攻撃能力開発は弾道ミサイル防衛も狙っているのか



China Developing Capability To Kill Satellites, Experts Say

Aug. 4, 2014 - 03:11PM   |  
By WENDELL MINNICK   |

TAIPEI —米国防関係者と国務省は中国が7月23日に成功した「対ミサイルテスト」の実態は衛星攻撃テスト anti-satellite test (ASAT) とみている。運動エネルギーによるASAT実施はこれで3度目で、米国では情報収集・航法・通信各衛星を防御しきれないのではと警戒を強めている。

  1. 今回の衛星迎撃テストは人民解放軍(PLA)が中国上空を通過する他国衛星を破壊する能力を有しているのを示すものとプロジェクト2049研究所 Project 2049 Institute の中国ミサイル専門家マーク・ストークス Mark Stokes は見る。

  1. SC-19(DF-21弾道ミサイルとほぼ同形)に運動性破壊機を装着した。宇宙空間上の目標破壊に成功したのは2007年テストだった。2010年と今回のテストでは弾道ミサイル迎撃に成功している。
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  1. 前回の気象衛星破壊はデブリ帯を作り他国の宇宙機の運航を危険にしたと国際非難を招いた。このため中国は弾道ミサイルの迎撃に切り替えたとみられる。

  1. 今回の実験はストークスによれ宇宙迎撃専用に作られた新型固体燃料ロケットのテストだった可能性もあるとし、名称はHongqi-26 (HQ-26)であるという。

  1. 国際評価戦略センターの中国軍事専門家リチャード・フィッシャー Richard Fisher, a China military specialist with the International Assessment and Strategy Center は2007年の初回テスト後に人民解放軍は衛星攻撃手段を隠蔽し低高度の対ミサイル迎撃実験と称することにしたのではないかという。「SC-19テストはASATとABM(対弾道ミサイル)能力の両面をねらったものだったのかもしれない」

  1. 中国がABM能力獲得に真剣になっていると信じる向きは少ないが、アメリカ科学者連盟 Federation of American Scientists の核情報プロジェクトを主宰するハンス・クリステンセン Hans Kristensen はその一人だ。

  1. 「なぜ中国がABMシステム構築に多大な努力を払うのか、米ソが長年にわたり構築しようとしたが部分的な成功しか収めていないのに」と言い、中国がABMの実用化に一夜にして成功するのはありそうもないという。

  1. また中国が米国のミサイル防衛に反対する一方で自前のABM開発を進めるのは矛盾しているとクリステンセンは見ており、中国のシステムが高性能な米ロの核ミサイルに有効な能力を有しているとは思えないが、インドなら話は別だとみる。

  1. 「インドが中国のABMで自国の小規模な核抑止力の実効性が危うくなると判断すれば、中国を狙う長距離ミサイルを増強する動きに出る、あるいはMIRV(多弾頭独立攻撃型再突入部分)を装備しようとし、結果として中国は自国の安全を守るのではなくむしろ危うくしてしまう」

  1. フィッシャーは中国は衛星攻撃とABMの双方を同時に開発中とする。SC-19にASATとABM能力が両方備わっている可能性もあるという。新型HQ-19とHQ-26の想定性能は米国の最終段階高高度地域防衛システム(THAAD)と同程度とフィッシャーは見ている。また中国がロシア製S-400低高度ABMの調達を狙っているとの報道もあるという。

  1. クリステンセンも中国は多様なプロジェクトを同時実施する潤沢な予算があるとし、「中国がABM技術で自国防衛を図ろうとしているのか潜在敵国のミサイル防衛を無効にしようとしているのか興味深い点」としている。

  1. フィッシャーもより大きな観点は中国があれだけc米ミサイル防衛を「長々と批判演説」をほぼ30年にわたり繰り広げてきたあげく、実は自前の弾道ミサイル防衛システムを開発していた点だとする。「中国の第二次ABM、ASAT開発が実は1990年代初頭にはじまっていたと判明しています。戦略核兵器に関する中国の発言の信ぴょう性が傷つく以上に、米国は2020年代に高性能核ミサイルに加え有効なミサイル防衛能力を持つ中国に直面する現実を今から覚悟しなければなりません」

2014年8月4日月曜日

米陸軍次期ヘリ開発 実証事業者の選定が遅れる






US Army's JMR Helo Selection Slips

Initial Flying Demonstrator Planned for 2017

Aug. 1, 2014 - 05:44PM   |  
By PAUL McLEARY   |   Comments
Next Helos: The US Army's Future Vertical Lift program would replace its Black Hawk and Apache helicopters.
米陸軍の次世代垂直離着陸機事業は現行のブラックホーク、アパッチヘリの後継機をめざすもの(US Army)

WASHINGTON — 米陸軍による野心的な共用多用途 Joint Multi-Role (JMR) ヘリコプターの技術実証契約企業絞込みが7月中に完了できなかった。陸軍は今月中に選定結果を発表する。
  1. JMR提案競争に参加中の民間企業チーム4つを「8月末あるいは9月はじめ」に招集し、今後の進め方を協議したいとし、2社への絞り込む作業が招集時までに終わっているはずだと陸軍関係者は言っている。
  2. 担当主査のダン・ベイリーDan Bailey によるとこの会合時に「選考結果として技術内容と企業チームを明示」しさら次の目標である大型の次世代垂直離着陸機 Future Vertical Lift  開発にどうつないでいくかを話しあうという。
  3. とはいえ今回の変更で計画全体への影響は限定的だ。陸軍の希望は飛行実証を2017年、次世代垂直輸送機FVLの運用開始を2030年代中頃としており、ここでJMRが技術実証機として役割を果たす。
  4. ただし陸軍から作業の遅れの理由の説明はない。陸軍は予算強制削減以前に2019年までに350百万ドルをJMRに使う予算案を作っていた。
  5. 開発主査のベイリーは2016年に強制削減措置が続いていても開発の大きな障害にならない、なぜなら陸軍の将来にとって同事業が不可欠なものだからだという。
  6. 冷戦時代の産物であるブラックホークやアパッチ攻撃ヘリの後継機としてFVLが想定されている。「市街地における将来の作戦では垂直飛行が絶対条件」(ベイリー)
  7. その一環として7月11日にはボーイングシコルスキーのチームがJMR向けの共用共通コンピュータ構成 Joint Common Architecture (JCA)  開発先として陸軍から選定されている。JCAとは各ミッションシステムをFVLに統合する「デジタル基盤」とシコルスキーは発表している。
  8. シコルスキー・ボーイングチームはDefiant (挑戦)案を陸軍に提出している。同機は反回転同軸ローターと推進用プロペラーを搭載したシコルスキーX2を原型とするもの。
  9. 陸軍は2013年にベルAVXカレム、ボーイング・シコルスキーに各6.5百万ドルを交付し、技術実証事業を開始させている。この内2社が絞り込みで脱落する。ベイリーは競争は公平に行われ、陸軍は各社技術から最適な選択をすると公言している。
  10. 選定二社に予算を分配し、また陸軍が期待する技術内容もそれぞれ担当させることになろう。■

2014年8月3日日曜日

UCLASSと次期艦載有人機F/A-XXの微妙な関係 海軍航空部隊の価値観の問題が無人機開発を妨害しているのか





UCLASS Requirements Shifted To Preserve Navy’s Next Generation Fighter

By: Dave Majumdar and Sam LaGrone
Published: July 31, 2014 3:49 PM
Updated: July 31, 2014 4:53 PM
A Boeing artist's conception of a potential design for F/A-XX. Boeing Photo
ボーイングによるF/A-XX構想図. Boeing Photo


米海軍の無人空母運用型監視攻撃機 Unmanned Carrier Launched Airborne Surveillance and Strike (UCLASS)のステルス性と攻撃力の想定が引き下げられたことで海軍の次期主力戦闘機の存在意義が守られる結果になった。


  1. UCLASSが敵地奥深くに進攻するステルス攻撃機から軽武装の情報収集監視偵察機(ISR)に変更されたことでF/A-XX有人機版(ボーイングF/A-18E/F後継機)が残る結果になると海軍、国防総省、業界筋からUSNI Newsは確認できた。

  1. 各筋は「空母に無人機を導入することへ役所的ならびに価値観の抵抗」があることをにおわせている。

  1. 海軍内部で伝統的価値観に染まった航空関連部署が有人機温存を図り、無人機に攻撃任務を任せルのを容認するのはほんの一握りにすぎないという。

  1. 「一般的に海軍の航空部隊はUCLASSや無人機の空母運用では意見がまとまっています」とUCLASSに求める要求性能が二転三転している現状を元海軍高官はコメントしている。「F/A-18後継機となる有人機を無人機とまともに競争させないためにどうしますか。無人機をISR専用にするか、ISR機で限定的攻撃能力のみ有する機体にするか、脅威度が低い空域でしか運用できない機体にしておけば有人戦闘機とのすみわけが可能ですね」

An artist's concept of General Atomic's Sea Avenger UCLASS bid taken from a display monitor. US Naval Institute Photo
UCLASSへのジェネラルアトミックスのシーアヴェンジャー提案
US Naval Institute Photo

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  1. 具体的にはF/A-XX構想は海軍航空戦力の近代化策として検討中だが、有人攻撃戦闘機として温存できることは有益だと海軍はじめとする複数筋が認めている。ただし海軍は両構想を直接関連付けていない。
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  1. 「海軍は F/A-18E/F後継機種の開発にむけ分析業務中」とペンタゴンの戦術航空機開発室Program Executive Officer for Tactical Aircraft Programs [PEO(T)]の報道官ロブ・クーンRob Koonは説明している。同室は海軍航空システムズ本部内にありUSNI Newsあてに文書で伝えられてきた。「UCLSSとは別個の作業であり、調達方針も異なる」

  1. たしかに両機種は別個の関係だが、ある筋によれば海軍は予算的にも政治的にも同時に高価かつハイエンドの三機種を同時開発する力はないという。UCLASS、F/A-XXおよびロッキード・マーティンF-35CライトニングIIである。

  1. そのためUCLASSをISR任務中心にして無難に実現させることにしたのだと複数筋が認めている。

  1. UCLASS単価を調達可能な額にすることが開発過程で表面化したのは2012年の要求性能の大幅変更とその翌年に海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将がこれを承認したことによる。

  1. 「初の艦載無人機システムとなるので、十分な注意を払い慎重に要求性能および調達配備の計画づくりを心がけ、性能と価格のバランスをとり、戦闘上の要求性能を時間通りかつ予算内で実現できるようにした」とマット・ウィンター少将(Rear Adm. Mat Winter, NAVAIR’s PEO Unmanned Aviation and Strike Weapons (U&W).)は書いている。

  1. 「そのため調達戦略で承認を得たうえで、調達可能な価格で妥当な性能で耐久性のある無人艦載機を実現し、艦隊の要求性能を見たし、空母飛行隊を今後数儒年間にわたり革命的に変革する機体にしようとした」

  1. このUCLASS調達方針を支持する中にはジェイムズ・ウィネフェルド大将 Adm. James Winnefeld(統合参謀本部副議長で合同要求性能検討委員会(JROC)の長でもある)、ショーン・スタックレー海軍副長官Sean Stackley(研究開発調達)、海軍作戦部長付き航空機要求性能担当および情報優位性担当部門があると複数筋からUSNI Newsは把握している。

The X-47B on the deck of the USS Theodore Roosevelt (CVN-71) on Nov. 10, 2013. US Navy Photo
USSセオドア・ローズヴェルト艦上(CVN-71)のX-47B
US Navy Photo

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  1. ISR特化型のUCLASS構想には議会、学会始めペンタゴン内部からも反対の声が起こっている。

  1. 上院国防歳出委員会からは2015年度予算案で示された性能内容への説明要求が出ており、下院軍事委員会シーパワー・兵力投射小委員長のランディ・フォーブス議員Rep Randy Forbes (共、ヴァージニア)は一貫してハイエンドUCLASS構想を支持している。

  1. 国家防衛審議会National Defense Panel (ペンタゴンの4年間国防計画検討報告を作成する独立監査機関)からはハイエンド無人艦載機の実現を求める見解が7月31日に出ている。

  1. 「合衆国の海洋兵力投射能力は長距離攻撃能力によってこそ強化されるのであり、有人、無人のいすれでもステルス性が望ましいが、合衆国の航空母艦あるいはその他の移動艦船から発進して正確で制御可能かつ威力のある攻撃を行いつつ、今後ますます威力を増す長距離精密対艦巡航・弾道ミサイルに対して生存性を確立することが肝要である」と同審議会は報している。

  1. その他にもペンタゴン内部にはUCLASSを多用途機とし、接近阻止領域通過拒否の環境でも運用できるようにすべきと主張している向きがある。ボブ・ワーク国防副長官Bob Work,、海軍長官レイ・メイバスRay Mabus、マイケル・ヴィッカース Michael Vickers 国防次官(情報担当)、クリスティン・ウォーマスChristine Wormuth 国防次官(政策担当)他だと複数筋からUSNI Newsは把握している。

  1. ペンタゴンでは要求性能内容を見直す動きがある。そこでUCLASSの最終要求性能の定義完了は先送りされて8月予定のワーク副長官による検討を待つことになったとUSNI News は知った。

  1. ワーク副長官は長距離攻撃に特化したUCLASSを支持するグループの一人で厳しい防空体制や強力な敵水上艦船に対しても作戦可能な機体を求めている。

  1. 最新の敵艦船には高周波目標捕捉レーダーだけでなく低周波レーダーも搭載されており、戦闘機大のステルス機の探知が可能だ。

  1. またコンピュータ処理能力の向上で、低周波レーダーが兵器誘導までできるようになってきた。このため全方位ステルス性能が必須になると専門家は見ている。全方位ステルス性を有する機体でないと高性能の敵最新鋭艦の撃破は不可能で、これ以外だと潜水艦や長距離対艦巡航ミサイルのみ対応可能だ。

  1. さらに敵攻撃の有効射程距離外に空母が待機するためUCLASSには長大な航続距離が必要となる。

  1. かつては空母は沖合から作戦実施が可能だったが、今や安全ではなくなっている。これは戦術戦闘機が制約を受ける作戦シナリオがあることを意味する。■

主張: 空軍を廃止せよ



Opinion: Abolish the Air Force

Jul 31, 2014Robert Farley | Aviation Week & Space Technology

組織面で見る限り、現在も1947年と変化がない。特定機能を専門に提供すべく各軍が創設されてきた。大戦間の航空兵力信奉者は航空軍独立を求めていた。陸と海の指揮官には軍事航空が変化し続ける重要性が理解できないからだ。技術、産業界、教義の各面で陸軍、海軍の視野の狭い権益により進歩が妨げられ、航空部門はいわば羽を広げることができない状態だった。

  1. 独立した空軍を求める議論の裏には航空兵力を独立させて本当に効果があるのかという問いが長い問があった。航空兵力の信奉者は空軍力で戦争に勝てると大げさな主張をしつつ、陸軍や海軍は不要だと吹聴した。この主張が軍事問題を真剣に考察した結果なのか単に縄張り争いから発したものなのかは今でも議論の種になっている。

  1. 陸兵や水兵から独立した軍を航空兵に与えることは航空兵力をめぐる組織間の陳情活動になった。1947年の遺産は「軍事航空をどう組織化すべきか」という難しい課題であり、答えはますます困難になっている。記者の著作Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force,(合衆国空軍解散)では各軍の改革が必要であり、空軍は陸軍と海軍の一部に改編されるべきと主張している。

  1. 合衆国は計5つの航空兵力を持ち、それぞれ独自に調達、訓練、ミッション運用を行っている。米空軍、海軍航空隊、海兵隊、陸軍、沿岸警備隊である。それぞれが独自規程で運用し、相互に複雑な関係を保っているのが現状だ。

  1. 各軍の創設すると官僚主義の壁が生まれる。その中には必要な壁もある。訓練や部隊の価値観で各軍は異なるからこそ、それぞれのもとめる役割を極めることができる。一方で、意味がない有害な壁もあり、調達が非効率になったり、戦闘時に装備が不足したりする。

  1. 近接航空支援やA-10をめぐる議論に終わりが見えないのは空軍あるいは陸軍の将校が愚鈍なせいではない。むしろ空軍と陸軍が装備を巡って争うことで共同作戦能力を阻害する構造を作ってしまっている。
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  1. そこで空軍を陸海軍の組織に編入すれば以下の政策目的二つが達成できる。

  1. ■まず、必然的に調達改革が生まれる。これは各軍の意思決定が変わるためだ。国防総省の調達手順は各軍の要求にそって制定されているものだ。1986年のゴールドウォーターーニコルス改革で合同訓練に道が開けたが、調達では依然として各軍ニーズ中心で行われており、そのため各軍の価値観や近視眼的利害がからみあったままだ。これにより戦争への準備や装備調達で各軍が分断されたままである。
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  1. ■二番目に国防総省による合同作戦遂行の方法が変わる。1947年以来初めて戦闘部隊を真の意味で統合できるからだ。航空兵力はいつも軍事作戦に関与している。第二次大戦が終結してから平時に戻るといつも各軍間に実行能力の期待と実態に大きな差があったことが明らかになっている。戦時になりこの差が埋まるのだが、ここでもゴールドマン―ニコルス法案が助けとなっているが、無人機を巡る意見の対立、ゲリラ鎮圧の教義を巡る対立がここ十年間に発生しているのを見るとこの問題の困難さが見て取れる。

  1. 問題解決には必ずマイナス面がある。空軍部隊に自律権を与える国が世界の大勢であるが、実態は各事例で異なる。我が国にかけているのは各軍の保有する航空部隊を正当化する思考である。その中でももっともよくいわれているのが手段が違うのだから違う組織が必要だ、というものだが、よく考えれば破たんしている。(我が国が空軍五種類を運用している実態を見てほしい) また陸兵にも水兵にも空軍力を重視しなくてもよいと説明することはもはや不可能だ。たとえば潜水艦部隊には独自の軍は不要である。なぜなら海軍には潜水艦を戦略上、通常作戦両面で統合することでその存在を十分理解しているからだ。

  1. 各軍の境界線は1947年当時には意味があったのかもしれないが、現在は健全な戦略・戦術思考の阻害になっているだけで、調達業務を邪魔しているだけだ。政府組織内の官僚主義を打破するのは困難だが、やればできるはずだ。

Farley is an assistant professor at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky.
本記事の著者ファーレーはケンタッキー大学パターソン外交国際商務大学院で助教を務めている。


コメント: あるのがあたりまえ、ではなく目的から考えて(ここでは調達と作戦運用)から考えると空軍の機能を陸軍、海軍にそれぞれ持たせればいいではないか、という主張ですね。じゃ宇宙はどうするんだ、と聞きたくなってしまいますが、これもF-35で頂点に到達した調達のずさんな実態に対する忍耐力の限界から出てきた主張なのではないでしょうか。ファーレー助教もむしろ「気付き」を読者にあたえるためにあえて主張している気がしますが、こういう主張ができる、またそれを堂々と発表するメディアがあるところがアメリカのすばらしさですね。