スキップしてメイン コンテンツに移動

★もし戦わば(17)F-2対J-10


 


中国への抑止効果を発揮するため、防衛技術の革新進歩を続けていく必要があるのはもちろんですが、同時に漏えいも防がねばなりません。しかしなんといっても挑発に乗らず冷静に対応するため日常の訓練が欠かせません。中国は神経戦を意図しているはずです。こうした国防の最前線をほとんどの国民は知らないで暮らしています。学校開設問題の方が優先度が高いと判断する反対党の皆さんは事実は受け入れたくないのでしょうね

Could China's J-10 Fighter Kill the Best from Japan's Air Force? J-10は日本の最優秀機種を撃墜できるか


July 25, 2017

  1. 東シナ海を巡る対立から空の上でも日中両国に緊張が生まれている。中国戦闘機が尖閣諸島をパトロールする日本機を追い回し、日本から戦闘機がスクランブル出動することもある。
  2. 西太平洋上空での対立は人民解放軍空軍と航空自衛隊が主役だ。中国のSu-27とJ-11戦闘機は日本のF-15Jイーグルに相当する。
  3. これに対して大型機を支援する役割の中国の単発多用途戦闘機機材がJ-10「猛龍」で、中国初の近代的戦闘機として2005年から投入されている。改良型J-10Bも就役している。日本のF-2多用途戦闘機の就役開始は2000年だ。
  4. 三菱F-2戦闘機はFSX事業から生まれた日米共同開発の多用途戦闘機だ。原型はF-16で米議会は高度技術の日本移転に警戒的だった。
  5. J-10は成都航空機設計集団の作品とされるが、実はやはり米航空宇宙産業にルーツを有する。J-10は米イスラエル共同開発ラヴィ戦闘機に驚くほど外観が似ている。ラヴィもF-16を原型にしたが価格と政治的な理由から事業取りやめとなった。米海軍情報部は1987年に中国がラヴィを受領し、結果として米国製技術も入手したと指摘しており、Jane'sも同意している。
  6. F-2は三菱重工とロッキードの共同作業でF-16を拡大した。主翼面積は25%拡大し、GE製F110エンジン、日本製J/APG-1(世界初のアクティブ電子スキャンアレイレーダー)、三菱AAM-3・AAM-5赤外線誘導空対空ミサイル(AIM-9サイドワインダーと類似)を搭載する。F-2には侵攻部隊攻撃ミッションも想定しASM-2対艦ミサイル4発を搭載可能。M61 20mmガトリング銃も搭載する。
  7. にもかかわらずF-2は失敗作とされることが多い。機体単価は171百万ドルとF-16Cブロック50/52の4倍以上に膨らんだ。F-2がF-16より4倍以上有能というわけではない。F-2の唯一の意義は日本の航空宇宙産業に戦闘機の製造機会を提供したことだ。
  8. J-10はデルタ翼を採用し、ロシア製サツルン-リュルカ製AL-31アフターバーナー付きターボファンエンジンを搭載する。パルスドップラーレーダーの1473H型をつけ、兵装用ハードポイント11か所と燃料増槽をつける。空対空戦ではPL-9赤外線誘導式空対空ミサイルとPL-12レーダー誘導式ミサイルおよびロシア製GSh-23 23mm機関砲を搭載する。レーザーや衛星誘導式爆弾多数も運用する。
  9. ではどちらが勝つか。F-2の戦闘半径は520マイルでJ-10の340マイルに勝る。両機がそれぞれ基地から進出すると仮定すれば、F-2の燃料余裕がわずかだか上回り有利だ。J-10のレーダーが旧式のパルスドップラー方式なのに対しF-2はAESAレーダーなのでF-2が先にJ-10を探知するはずだ。両機の機体重量はほぼ同じだがF-2の推力重量比がわずかだが優る。
  10. 結局F-2が優位となる。
  11. 比較はまだ続く。両国はJ-10、F-2の性能改修を続けている。中国はJ-10B生産を開始した。B型ではエンジンがAL-31FNとなり推力と航続距離が改善された。さらにフェイズドアレイレーダーと赤外線捜索追尾(IRST)が近接空対空戦用に使える。
  12. F-2生産は終了しているので今後は既存機の性能改修が中心だ。F-2ではデータリンクと新型レーダーJ/APG-2にAAM-4B空対空ミサイルを組み合わせて運用する。AAM-4Bは今のところAESAレーダー搭載の世界唯一のみミサイルだ。発射後にロックできるためパイロットは発射後に回避行動をすぐにとれる。
  13. F-2は長距離飛行性能を活かし、AAM-4Bを視界外から発射して空域を離れることができる。データリンクによりF-2部隊は長距離発射を調整統合し最大の効果を上げることが可能。中国の新型フェイズドアレイレーダーも優秀だろうが、長年のレーダー技術蓄積から日本の優位性は確実だろう。J-10は交戦前に多数が撃墜されてしまう。
  14. 反面、接近戦では赤外線探知追尾でJ-10のに有利に働く。F-2にはIRSTは装備されていない。
  15. J-10、F-2それぞれに長所短所がある。長距離ではF-2がJ-10を餌食にする。短距離では形成逆転する。だが戦いはまず長距離で始まり、F-2の優位性が発揮され、視界外で決着がつくはずだ。そうなるとF-2が一歩抜きんでているようだ。■
Kyle Mizokami is a defense and national security writer based in San Francisco who has appeared in The Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and The Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter:@KyleMizokami.
This appeared several years ago and is being reposted due to reader interest.
Image Credit: Reuters.


コメント

  1. F-2にSM−2搭載ってありますけど、これASM-2の事ですよね?スタンダードミサイルを航空機に乗せたら偉いことですよ。
    多少の誤字は脳内変換で読んでますけれど、これはちょっと修正したほうがいいんじゃないでしょうか?

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ