スキップしてメイン コンテンツに移動

5月14日-20日 日本周辺の海での中露米海軍の動き

 


 

統合幕僚監部が発表した東調級情報収集艦の画像と動向

 

 

国とロシアの監視艦がそれぞれ日本の周囲を今週航行した。

 

 

 中国艦は木曜日に大隅海峡を、ロシア艦は水曜日にラペルーズ海峡(宗谷海峡)を航行した。また防衛省の発表によると、人民解放軍海軍の第41中国海軍護衛機動部隊は、アデン湾に向かう途中、宮古海峡を木曜日に航行した。

 統合幕僚監部(JSO)は水曜日の報道発表で、ロシアの監視船RFSプリバルティカ Pribaltica(80)が午前5時に宗谷岬の西120kmを東に航行しているのを目撃し、その後ラ・ペルーズ海峡を東に航行したと発表した。

 海上自衛隊の高速ミサイル艇「わかたか」(PG-825)と海上自衛隊八戸航空基地(青森県)に所属する第2航空群のP-3Cオリオン海上哨戒機(MPA)がロシア艦を監視した。

 金曜日に、海上保安庁から2つ発表があった。PLANの東調級監視艦(船体番号795)が、木曜日午前9時に種子島の東約100キロメートル西方で目撃され、その後、大隅海峡を東シナ海に向け西進した。鹿児島県の鹿屋基地に所属する第一航空群のP-1哨戒機と補給艦JSはまな(AOE-424)が、PLAN艦を監視していた。

 JSOによると、木曜日午前8時、PLANの駆逐艦、フリゲート、補給艦の3隻が宮古島の北150kmで目撃され、その後、沖縄と宮古島の間を南東に進み、太平洋に出た。中国海軍第41護衛機動部隊のCNS 蘇州(132)、フリゲート艦CNS 南通(533)、CNS巢湖(890)である。

 

PLANのJ-15艦載機が遼寧 (16)から発艦した  May 20, 2022. Japanese MoD Photo

 

 新華社によれば、PLAN は 2008 年 12 月から、アデン湾を航行する中国船舶を保護するため、海賊対処部隊を派遣しており、第41任務部隊は水曜日午前に中国を出航した。支援艦、JSあまくさ(AMS-4303)が、PLAN部隊を監視していた、と 統合幕僚監部が伝えた。

 これと別に、CNS遼寧空母打撃群(CSG)は現在、フィリピン海の日本の排他的経済水域の外で活動しているようで、統合幕僚監部は月曜日以来、同CSGの活動に関しては発表がない。最後の発表では、遼寧は052D型駆逐艦2隻を伴い、日曜日午前9時に沖大東島の南350kmで目撃され、午前9時から午後9時まで、搭載するJ-15戦闘機とZ-18ヘリコプターで飛行作戦を実施した。

 統合幕僚監部発表によると、駆逐艦「すずつき」(DD-117)が艦船を監視し、航空自衛隊戦闘機がJ-15の発進に対応してスクランブルをかけた。遼寧は、055 型駆逐艦 CNS南昌(101)、052D 型駆逐艦 CNS 西宁(117)、CNS ウルムチ(118)、CNS 成都(120)、052C型駆逐艦 CNS 鄭州(151)と共に展開している。054A型フリゲートCNS湘潭(531)、901型高速戦闘支援艦CNS 呼倫湖(901)は、5月2日に宮古海峡から太平洋に進出し、4日から太平洋からフィリピン海で空母飛行作戦を実施していた。

 5月4日、人民解放軍空軍(PLAAF)H-6爆撃機2機が東シナ海から飛行し、沖縄と宮古島の間を通過して太平洋に達し、その後太平洋上を旋回して再び沖縄と宮古島の間から東シナ海に向かった、と統合幕僚監部は水曜日の報道発表で発表した。航空自衛隊の戦闘機が2機を追尾した。

 一方、米空母USSロナルド・レーガン(CVN-72)は、2022年春のパトロールで横須賀を金曜日に出発したと、米第7艦隊はニュースリリースで発表した。

 駆逐艦部隊15の駆逐艦と巡洋艦USSチャンセラーズビル(CG-62)、USSアンティータム(CG-54)がロナルド・レーガン空母打撃群を構成する。

横須賀市の公式ウェブサイトは、レーガンが出発する間、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)が土曜日に横須賀に寄港するとニュースリリースで発表した。外務省が金曜日に横須賀市役所に空母寄港を通知していた。

 強襲揚陸艦「トリポリ」(LHA-7)は、金曜日に岩国海兵隊航空基地に入港した。トリポリは、5月2日に西太平洋に展開するため、カリフォーニア州サンディエゴ海軍基地を出港していた。■

 

 

Chinese, Russian Navies Remain Active Near Japan; Carrier USS Ronald Reagan Begins Spring Patrol - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

May 20, 2022 3:36 PM



コメント 統合幕僚監部の報道発表https://www.mod.go.jp/js/Press/press2022.htm

では逐一中国、ロシアの日本周辺での動きを発表していますが、日本のメディアは無視した形ですね。報道の価値がないというのでしょうか。安全保障ではこうした小さな動きが重なって大きな事態に発展していくのが常ですが、事件性がないから報道しないというのでしょうか。あるいは波風を立てたくないというのでしょうか。


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...