2022年4月13日、ウクライナのミサイルによる攻撃を受けたRTSモスクワ(121)。ロシア国防省
RTSモスクワ(121)の乗組員は、ウクライナのミサイル攻撃に気付かず、準備もできていなかった。
オープンソースの海軍アナリストで退役海軍大佐のクリス・カールソンCapt. Chris Carlsonによるネプチューン対艦ミサイル2発攻撃後の画像解析では、誘導ミサイル巡洋艦がレーダーを作動させておらず、ミサイルの脅威を探知できなかったことがわかった。
攻撃後の写真では、レーダーは「通常の格納位置のままだった」とカールソン氏は月曜日にUSNIニュースに語った。
分析は、ウクライナ沿岸から約100マイル沖で、ウクライナ側がネプチューン級の対艦ミサイル2発と主張する攻撃を受けた直後の画像に基づく。
カールソンの分析によれば、ミサイル攻撃後の写真ではレーダーが収納状態になっていた。
防御システムが旧式とはいえ、巡洋艦モスクワは40年前のソ連設計が原型のネプチューン・ミサイルに対抗できたはずと言う。
「ネプチューンはハープーンに似た小型ミサイルだ。弾頭は約145キログラムで、レーダーによるホーミング機能を備えている」「これは、防空システムが対応不可能な脅威ではない。超音速でもない」。
ウクライナのミサイルに対抗するためモスクワが搭載の対空ミサイルOSA-Mを指示するはずのレーダーシステムは、写真によれば、エミッタが収納されアクティブになっていなかったようだ。
「起動していなければ、ポイントディフェンス対空ミサイルは作動しない」という。
さらに、モスクワの場合、「装備が古く、メンテナンスが大変で、とくに海上整備はロシアの得意とするところではありません」。
モスクワの被弾場所。
攻撃後の写真によると、2発のネプチューンは同艦で最脆弱な喫水線直上の主推進スペースに命中している。
「前方機関室にミサイルが命中すると、巡航ガスタービンと蒸気タービンが大きく損傷する可能性が非常に高く、主軸を歪めブーストタービン減速機にも損傷を与える可能性がある」「エネルギーと生存能力の損傷で、電力をすべて失うだけでなく、潜在的に自動ダメージコントロール機能を無効にする可能性が生まれる」。
ロシア海軍ダメージコントロール訓練が不十分なのと合わせて、カールソンは、この写真が、自らのリソースで標的を定め、ミサイル発射し、命中させたというウクライナの説明に信憑性を与えているという。
初回攻撃後、ロシアの軍事会社ワーグナーグループとつながるテレグラムチャンネルは、乗員が艦付近でウクライナのバイラクターTB2を見つけたと伝えている。ウクライナ海軍は昨年から戦闘用無人機の調達を始めていた。同機は電気光学システムを搭載し、データリンクで照準情報をネプチューンに提供できる。
沈没の直後、米海軍P-8Aポセイドン機が攻撃前に同地域にいたとの報告があり、米国がウクライナ側に標的情報を提供した可能性を示唆している。
カールソンによると、米国はウクライナ軍に同艦の大まかな位置を伝えることはできたが、P-8のデータリンクと互換性がないため、情報はネプチューンに提供できなかったという。
木曜日、ニューヨークタイムズが水曜日に報じたロシア将校をターゲットにしているとの記事を受けて、ペンタゴンのジョン・カービー報道官は、ウクライナ側とのアメリカの情報共有には限界があると認めた。
「我々はウクライナ軍の標的決定に関与していない。ウクライナ側は我々よりずっと多くの情報を持っている。これは彼らの国、領土であり、彼ら自身の有能な情報収集能力を持っている」「ウクライナは、我々や他のパートナーが提供する情報と、彼ら自身が戦場で集めた情報を組み合わせて、自身で決断を下し、行動を起こしています」。
Warship Moskva was Blind to Ukrainian Missile Attack, Analysis Shows - USNI News
By: Sam LaGrone
May 5, 2022 6:19 PM
About Sam LaGrone
Sam LaGrone is the editor of USNI News. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services since 2009 and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.
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