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米海軍LCSの早期退役で海外譲渡案が浮上。新型フリゲート艦建造で造船所追加をめぐり綱引きか。

 

フリーダム級沿海域戦闘艦9隻の退役案が米海軍の2023年度予算提案に出ている。 US Navy Photos

海軍は、退役予定のフリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)を他国へ譲渡する可能性について、海軍作戦部長のマイク・ギルディー大将Adm. Mike Gildayが連邦議会で語った。

上院歳出委員会国防小委員会で証言したギルディーは、麻薬撲滅活動用に南米諸国にLCSを譲渡する可能性についての評価を提案した。

「今後の選択肢について、効果的に使用できる他国への提供を提案したい。例えば、南米には、少規模乗組員で運用できる各艦を利用できる国があります。廃棄処分は唯一の選択肢とするべきではなく、他にも検討できることがある」。

米海軍の退役艦船を受け取っている国がある。例えば、オリバー・ハザード・ペリー級フリゲート艦をトルコ、バーレーン、ポーランド、パキスタンなどに譲渡した。

海軍は2023会計年度予算案の一部で、フリーダム級LCS9隻の退役を求めているが、すべて予定耐用年数に達していないため、議員から批判が寄せられている。

木曜日に議会でギルディー大将は、海軍が各艦を退役させたいと考えているのは、国防総省当局が「忍び寄る脅威」と表現する中国との潜在的な紛争に各艦では対処できないためと主張した。

「残念ながら、現行の沿海域戦闘艦は、機械的な問題もあるが、より大きな要因として、中国に対し十分な戦闘遂行能力を欠いている。フリーダム級用に開発されていた対潜艦戦パッケージが有効でないことが、判断の主な要因。そのため、中国潜水艦の脅威に対抗できないシステムに追加資金を投入しないことにした。これが、他の艦船と比較して、LCSが戦闘に貢献しないとの判断に至った主な要因です」と、ギルディー大将は語った。

フリーダム級LCSは2つの大きな問題に直面している。1つは、ガスタービンをディーゼルエンジンにつなぐコンバイニングギアの問題、もう1つは、LCSミッションモジュール計画でねらった対潜戦パッケージの搭載が困難になったことだ。

USSフォートワース(LCS-3)。2022年2月15日、カリフォーニア州サンディエゴ海軍基地にて

海軍は、2023年度予算要求を3月に発表した際、フリーダム級へのレイセオンAN/SQS-62可変深度ソナー(VDS)の搭載に苦戦し、LCS ミッションモジュールプログラムの ASW パッケージを断念すると発表した。ASW パッケージ放棄は、LCS ミッション・モジュール・プログラムの Nunn-McCurdy法 違反となった。

代わりに、海軍はコンステレーションConstellation級フリゲート計画(FFG-62)には、ターレスのCAPTAS-4を搭載した対潜戦能力を主装備にする。

木曜の公聴会でギルディー大将は、海軍には駆逐艦やP-8Aポセイドン航空機のような資産があり、暫定的にASWミッションを実行することができると述べた。

このような状況下でも、「対潜戦能力は強化されている。現行の駆逐艦は、対潜戦能力が非常に高い」「対潜水艦に関しては、海上だけでなく、潜水艦が世界で最も静かで最も効果的な潜水艦で、広範囲なASW監視用のP-8機など、他の有能なシステムがある」と述べた。

コンステレーション級フリゲート艦を建造するフィンカンティエリ・マリネット・マリーンFincantieri Marinette Marineは、初期作業を開始したが、まだ初号艦のキール敷設(正式な建造開始)には至っていない。

海軍は、フリゲート第一号艦の建造契約をフィンカンティエリと結んだとき、オプション9隻が含まれていたが、11号艦以降については、別造船所に契約を発注する可能性も残していた。USNI News が以前報じたところによれば、フィンカンティエリは1号艦の受注前に1億 8000万ドルを投資し、競争に勝てばさらに8000~1億ドルを投資し、年間2隻建造すると述べていた。

フィンカンティエリ・マリネット・マリーンによるUSSコンステレーション(FFG-62)のモデル USNI News Photo

木曜の公聴会で、タミー・ボールドウィン上院議員Sen. Tammy Baldwin(民-Wis.)は、フリゲート艦建造の産業基盤を開発するため、増額予算の計上を検討していると述べた。同議員の出身州にフィンカンティエリのウィスコンシン造船所がある。同議員は、毎年3~4隻のフリゲート艦の購入を支持すると述べたが、そのためには2番目の造船所が必要になると認めた。

カルロス・デル=トロ海軍長官Carlos Del Toroはボールドウィン議員に、海軍は1番艦を建造し初期問題を解決してから、造船所を追加したいと考えている、と語った。

「しかし、決定前に、フリゲート艦に搭載する技術や、例えばフィラデルフィアのLBES(陸上工学支援機構)への予算計上は、同艦に決定的に重要となると確認することが大切だと思います」「そして、同艦がスケジュール通り、コスト通り、時間通りに進むことを確認する必要があります」。(デル=トロ海軍長官)

同長官は、年間2隻の導入は、2番目の造船所を保証するものではない、と述べた。

海軍の2023年度5カ年予算計画によると、海軍は2023年度にフリゲート1隻、2024年度に2隻、2025年度1隻、2026年度2隻、2027年度1隻を購入したいとある。

議会は、2022年度予算案に添付の文書で、海軍が二番目の造船所を早急に導入することへ懸念を表明している。

「最初の造船所が技術的、生産的な問題を特定し、修正する前に、早急に2番目の造船所を追加すれば、プログラムに不必要なリスクと複雑さをもたらす懸念がある」と声明にある。

このようなリスクへの懸念から、議会は2番目の造船所と契約を結ぶ前に「重要な艦内部品の技術成熟とリスク軽減、主要システムの統合、艦全体の技術データパッケージ作成、最初の艦運用に即した試験の成功という目的を優先させる」ことを義務づけたとある。

海軍の予算統括ジョン・ガンブルトン少将Rear Adm. John Gumbletoは、3月の予算発表の際に、フリゲートに関する5カ年予算計画は単一造船所で建造する想定と述べている。■

Navy Could Transfer Decommissioned Littoral Combat Ships to Allies, Says CNO - USNI News

By: Mallory Shelbourne

May 26, 2022 1:37 PM

 

 

 


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