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バイラクターTB2は「適正技術」の装備品への関心を各国に高めそう。ハイテク装備でなくともうまく使えば効果的になる実証がウクライナ戦だ。

 

Bayraktar TB2 Drone

ウクライナ空軍のバイラクターTB2 無人機

 

ウクライナで高い効果をあげている装備品に、戦術的無人航空機システム「TB2」がある。開戦以来、ウクライナ空軍は同機で戦術的心理的に大きな効果を発揮している。

 

 

バイラクターTB2の特徴と兵装 

バイラクターTB2は、トルコ製の戦術用無人航空機システムだ。中高度・長距離ドローンに分類される。

 精密打撃に加え情報収集・監視・偵察(ISR)作戦に特化した戦術無人航空機システムに分類される。

 バイラクターTB2は、Rotax 912エンジンで後部にある2枚羽根可変ピッチプロペラを駆動させ、100馬力超の推力を発生する。最大高度約27,000フィート、最大航続距離約93マイル(約150キロメートル)、航続時間27時間以上の性能を有する。

 戦術無人機で、時速は80〜140マイルと(時速70〜120ノット)バイラクターTB2は高速でも俊敏でもない。米国はじめとするNATO諸国がウクライナに供与している対空兵器FIM-92スティンガーの対空砲火を受けた場合、バイラクターTB2が生き残る可能性は低い。

 

 弾薬とペイロードに関しては、バイラクターTB2は330ポンド(150kg)の火力を搭載する。MAM-CまたはMAM-L空対地ミサイルも4発搭載できる。MAM-Cミサイルは重量14ポンドで、高爆発弾(HE)と徹甲弾の能力を持つ多目的弾頭を搭載し、必要に応じ敵の分隊や戦車を破壊できる。MAM-Lミサイルは、より重い攻撃力を備え、弾頭重量が48ポンドで、高火力弾や徹甲弾のニーズに対応できる多目的弾頭を搭載できるほか、周囲環境から酸素を吸い高温爆発を起こすサーモバリック弾頭も搭載できる。サーモバリック兵器は致命的でバンカーの破壊に最適だ。

 バイラクターTB2は、トルコの航空宇宙防衛企業であるBaykar Makinaが製造し、単価は約500万ドル。バイラクターTB2は、40万時間以上の総合飛行時間の実績ある戦術ドローンだ。

 トルコ軍がバイラクターTB2の主要ユーザーだが、国際的にも成功を収めており、ウクライナ戦争で販売促進は間違いない。このほか、アゼルバイジャン、エチオピア、キルギスタン、リビア、モロッコ、ニジェール、パキスタン、カタール、トルクメニスタンでも使用されている。その他数カ国が導入に興味や希望を表明している。

 ウクライナ戦争に加え、バイラクターTB2はアルメニア、リビア、シリア、アフリカの一部で活動した。バイラクターTB2は、投入された紛争で900近くの標的を破壊したとの報告がある。

 

ウクライナでの有効性  

ウクライナ空軍は、ロシア軍にバイラクターTB2を極めて効果的に使用している。

 オープンソースの情報サイト「オリックス」によると、ウクライナのバイラクターTB2は、ロシア軍の車両や装備を相当数破壊しており、152mm2A65 Msta-B牽引榴弾砲、220mmBM-27「ウラガン」多連装ロケットシステム、Pantsir-S1および9A331TLA対空システム、Ka-52「アリゲーター」攻撃ヘリコプター、Mi-8輸送ヘリコプター、プロジェクト03160ラプター級巡視船、燃料輸送列車およびBMD-2歩兵戦闘車両が含まれる。

 上記は、バイラクターTB2が破壊したとされる標的のうち、オリックスが目視で確認したものに過ぎない。

 「バイラクターTB2の役割は、単なるハンターキラーではなく、最終的に戦場を完全に支配することにあった。TB2は、地上目標の位置を追跡し、その一挙手一投足を監視でき、最も密集している防空エリアを飛行しながら、地上目標を叩くよう他のアセットに指示することができた」とオリックスのアナリストは書いている。

 しかし、バイラクターTB2は、ロシアの戦車や大砲を破壊するだけではない。ウクライナ空軍は、ロシア黒海艦隊旗艦である弾道ミサイル巡洋艦モスクワの注意をそらすため同機を使用し、ネプチューン対艦ミサイル2基が同艦を攻撃し沈めたと報じられている。

 ウクライナでは、同機を題材にした歌まで作られ、地上での戦果を称えている。

 

有効だが万能ではない 

しかし、ウクライナや2020年のアルメニア・アゼルバイジャン戦争でバイラクターTB2が効果を発揮したというが、全方位的な優位性を証明するものではない。確かに、バイラクターTB2は戦術的な無人航空機システムとして優秀であり、適切に運用すれば高い効果を発揮することができる。しかし、高度な能力と技術を有する軍隊の前に立ちはだからずに、全能の装備品と考えるべきではない。■

 

 

Why the Bayraktar TB2 Drone Was Such a Game Changer in Ukraine - 19FortyFive

ByStavros Atlamazoglou

 

1945’s New Defense and National Security Columnist, Stavros Atlamazoglou is a seasoned defense journalist specializing in special operations, a Hellenic Army veteran (national service with the 575th Marine Battalion and Army HQ), and a Johns Hopkins University graduate. His work has been featured in Business Insider, Sandboxx, and SOFREP.



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