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An-225再製造をゼレンスキー大統領が発表したが、費用は全額ロシアの賠償で賄うという案で実現するのだろうか

 

ターミナル1-2共通記事です

 

The An-225, known as Mryia, taking off from Ukraine.


ゼレンスキー大統領はAn-225の再製造を発表したが、同機の初代パイロットは再製造は決して容易でなく、完成機は全く別の機体になると見ている。

 

レクサンドル・ハルネンコOleksandr Halunenkoは、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ホストメル空港を占拠したロシア軍により破壊された世界に一機しかないAn-225貨物機の新型機を製造すると発表したのを聞いて、喜んでいる。

 しかし、「ムリーヤムリーヤ」(ウクライナ語で夢)の愛称で知られる世界最大の航空機の初代パイロットのハルエンコは、代替機は別の機体になると見ている。

 ハルネンコは土曜日の午後、The War Zoneに「全く別の航空機になるだろう」と語った。

 ハルネンコはムリーヤの設計に携わっていた。

 1988年12月21日の初飛行でハルネンコが操縦した機体は、大部分が当時のソビエト連邦のシステムで構成されていた。

「ムリーヤ-2では、ヨーロッパやアメリカなどのシステムに置き換える必要があります」「ハルネンコ)。

 

ハルネンコはアントノフAn-225の設計も助けながら初飛行を実施した。 Photo courtesy of the Halunenkos

 

 

 新しい機体は、再度テストを繰り返すことになる。

 「結果として別の機体になる」「外見はムリーヤ-1と同じでも、中身は全く違う」。

 先週、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ学生とのオンラインミーティングで、新たなムリーヤを作る意向を表明した。

 インタファクス・ウクライナ通信によると、大統領は、「新規製造に8億ドルが必要」と述べ、「トルコ大統領に第2ムリーヤの製造提案を訴えたが、資金が確保できなかった」 と述べた。

 「しかし今回は、資金の問題ではなく、志の問題です。ウクロボロンプロムUkroboronpromのアントノフチームから声が出た。これは、我が国のイメージの問題であり、今回の戦争で亡くなった優秀なパイロットの問題でもある」

 ゼレンスキー大統領は、ロシアが2月24日に侵攻を開始して以来、国を守り命を落としたウクライナのパイロットに新機を捧げる構想を発表した。

 「彼らがどれほどのことをしてくれたか、今日、我々はマリウポルに残った人々の命、特にアゾフスタルの命をどれだけ救ったかを語ることができる......。どれだけのパイロットが、武器から水まで、すべて運ぶために命を捧げたことか。そして、どれだけの負傷者を運んだことか。多数が英雄的に死亡した」とゼレンスキーは語った。「英雄の記憶のためミリヤを製造することこそ、正しい国家の立場だ」。

 

ロシアの砲撃で破壊された世界最大のアントノフ An-225 ムリーヤ貨物機の残骸。(Photo by Metin Aktas/Anadolu Agency via Getty Images)

 

 しかし、新型ムリーヤの製造でゼレンスキーが語った見積もりは、アントノフが属するウクライナの防衛産業コングロマリット、ウクロボロンプロムの数字よりはるかに低い。

 ウクロボロンプロムは2月27日、新型ムリーヤの建造に30億ドル以上の費用と5年の歳月がかかると発表した。巨額な数字に思えたが、ロシアからの戦争賠償金でまかなうという。

 「ウクライナは、侵略国に代金を支払わせるべくあらゆる努力をする」と、ウクロボロンプロムはウェブサイトで楽観的に述べている。「占領軍は機体を破壊したが、我々の共通の夢は破壊できない」。

「ムリーヤは、間違いなく生まれ変わる。ウクライナの航空と航空貨物部門へ意図的に損害を与えたロシア連邦に費用を負担させる」。

 アントノフの設計チームは、An-124ルスランを拡張して、ムリーヤを作成した。胴体と翼幅を延長し、エンジンを2基追加し、胴体の延長部分を主翼の前後に配置し、ツイン垂直フィンの象徴的な尾翼を作り、着陸装置のタイヤを32本に増やし、後部貨物ドアを削除した。

6基のイフチェンコ・プログレス/ロタレフD-18T3軸ターボファンエンジンは、それぞれ最大推力約52,000ポンドを発生した。

 双尾翼の構造により、ロシアのスペースシャトル「ビュラン」のような大型で重い貨物の外部搭載が可能となった。

 ムリーヤは飛行期間中、最大重量含む数々の世界記録を樹立した。2001年9月11日、ハルネンコの操縦で、総重量250トン以上のタンク5基を飛行させた。

 ソ連崩壊後は、宇宙機器輸送からチャーター機として、民間企業や政府・軍を相手に活躍した。2021年7月にはドイツからナミビアに医療物資を運ぶフライトなど、破壊の前はCOVID関連物資の輸送に多数活躍した。最後のミッションでは、2021年10月に天津からオーストリアのリンツまでCovid19の検査キット110トンを届けた。

 ルスランとは異なり、アントノフはAn-225の完成機1機と追加機体部分一基を生産した。

 未完成の機体部分はウクライナのどこかに保管されているが、それが新しいムリヤに使われるのかは不明だ。ゼレンスキー大統領もウクロンボロンプロムもその点には特に触れていない。

 ハルネンコは、ミリアの破壊を子供が殺されるのになぞらえて、ここまで巨大な航空機の新型の製造は簡単ではないと述べた。

 「うまくいけば、とてもいいことだ」「しかし、非常に困難です」。

 今月初めのインタビューでは、資金調達が大きな障害と語っていた。

 「残念ながら、大規模投資が必要です。ウクライナには資金がない。寄付で作るしかない」。

 新しいAn-225の費用として、アントノフはクラウドソーシングで資金調達を開始した。

 しかし、5月2日のFacebookの投稿によれば、集まったのは4,200ドル余りだ。

 つまり、新しいAn-225は、まだ夢の段階だ。

 

アントノフのFacebookページ。


 ムリヤを愛したハルネンコ(76歳)は、新造ムリヤに乗ることはないだろう。

 ムリーヤ-2が離陸しても、彼がヨークを握ることはないだろう。

 「年齢が年齢だからできない」妻のオルハ・ハルネンコは、The War Zoneにこう語った。■


$800M Needed To Build A New An-225 ムリーヤ Cargo Jet Zelensky Says

 

Oleksandr Halunenko, the An-225’s first pilot, says doing so won’t be easy and will end up a very different aircraft.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 23, 2022 3:17 PM

THE WAR ZONE


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