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USSコネティカット座礁事故の報告書が公表され、艦長の資質が焦点の人的問題が取り上げられています。

 


シーウルフ級原子力攻撃型潜水艦USSコネティカット(SSN-22)がカリフォーニア州サンディエゴを出港した on Dec. 15, 2021. San Diego WebCam Photo

 

海軍で最も強力な潜水艦が、2年以上にわたる指導者の甘い監督により、最終的に昨年10月2日の南シナ海の未知の海山への衝突につながったとする事故調査結果が発表された。

 

 

 USSコネティカット(SSN-22)は、米インド太平洋軍の要請で西太平洋に配備され5カ月が過ぎたころ、海図が不十分な海域を高速走行中に海山に座礁したと、米太平洋艦隊海上本部長クリストファー・カバノー少将Rear Adm. Christopher Cavanaughが統括する2021年10月29日の司令部調査が明らかにした。調査結果は月曜日発表された。

 公表前に大幅に編集された報告書は、コネティカットの前艦長キャメロン・アルジラーニ中佐Cmdr. Cameron Aljilaniによる一貫しない監督と劣悪な指揮風土が、南シナ海の海山座礁につながったと述べている。

 「今回の事故は、単一の行動や不作為が原因ではなかったが、予防できた。事故は、航海計画、監視チームの遂行、リスク管理における過失の積み重ねから生じた」と報告書にある。

 「これら3分野の1つでも、慎重な意思決定と基準の遵守があれば、座礁を回避できたはずだ」。

 報告書では、アルジラーニ艦長の784日にわたる指揮の間、同艦が67%をワシントン州ブレマートン母港から離れた場所に展開していた高テンポ運用もわかる。

 座礁までの数時間、乗組員には事故を防ぐチャンスが何度かあったが、危険警告を無視した、と報告書は指摘している。

 

 

座礁事故の発生 

USSコネティカット(SSN-22) は、2021年7月31日に横須賀基地に寄港した。US Navy Photo

 

 

10月2日、コネティカットは緊急の乗組員上陸のため、南シナ海を沖縄に向け高速航行中に座礁した。速度や位置情報は報告書から削除されているが、脚注の参考文献には、24ノットでの機器の性能が機密解除で記載されている。

 報告書の未編集部分に詳細が書かれていないが、乗組員を下船させるHUMEVACは、家族の緊急事態など様々な理由で発生する。

 10月1日、アルジラーニ、副長パトリック・カシン中佐Lt. Cmdr. Patrick Cashin、先任兵曹長コーリー・ロジャースChief of the Boat Cory Rodgers、航海士補、武器担当、機関士、作戦担当などが、臨時航路を検討した。

「臨時航路は、承認されたNAVPLANに基づいて運航されている場合に、CO「艦長)の裁量で使用できる」と調査結果にある。

「COは航路を詳しく検討しなかった。任務遂行のため、海図化が完全でない地域を通るコースを計画し、航路の理解度で航海士官と指揮官が食い違った」。

 アルジラーニ艦長は、潜水艦乗組員に海底地形を超精密に把握できる機密航法ツールでルートがカバーできると誤解してていた、と報告にある。

「COを含む航行審査チームは、コネティカットの外洋環境での活動を誤って評価した」と報告書は述べている。

 「航行危険区域の近くを通過する計画航路に基づいて、艦制限水域にあると認識すべきだった」。

 航路の航行中、乗組員は船底の水深を測定する測深機で継続的に測定していた。測深は、海図上と実際の水深を比較するために使用される。

 座礁の1時間弱前、当直員は潜水艦の予定進路と水深を確認し始めた。当直員は甲板長に、海図上の航路との不整合を知らせた。OOD、操舵員ともにアルジラーニに測深計と海図の不一致を知らせなかった。

 時刻が近づくにつれて、甲板長は測深値が浅くなってきたとOODに知らせた。

 「OODは、予想以上に浅い測定値を懸念していたが、積極的な行動を取る必要性を感じなかったと述べている」(報告書)。「OODは速度を下げる指示は考えなかった」。

 衝突の数秒前に、「ソナー・スーパーバイザーは艦首付近に痕跡を確認した。痕跡は[動物]と分類された。ソナー・スーパーバイザーは、他に接触はなかったと述べた」と報告書にある。

 その後、コネティカットは海山に衝突した。乗組員11名が衝撃で軽傷を負い、同艦はグアムへの移動中にドームを失った。潜水艦が2月に乾ドックに入った後の海軍海上システム本部の評価では、「損傷は艦首と舵の下部」とされた。

 アルジラーニ、カシン副長、ロジャースCOBは、10月29日の調査終了後、解任され、譴責文書が出たと、USNI Newsは当時報じている。

 米第7艦隊のカール・トーマス中将Vice Adm. Karl Thomasは調査終了報告で、座礁時の航海士、航海士補、機関士、OODに対して追加の譴責文書を出し、艦内職務から解任したと書いている。また、同艦の電子技師長、航海士も叱責し解雇した。

 

 

衝突前から問題があった

ワシントン州キーポートで行われたシーウルフ級高速攻撃型潜水艦USSコネティカット(SSN-22)の指揮官交代式で、カリフォーニア州アナハイム出身のキャメロン・アルジラーニ中佐がスピーチした US Navy Photo

 

 

 調査によれば、アルジラーニは2019年8月に艦の指揮を執ってから座礁までの間、シーウルフ級原子力攻撃艇3隻を統括する潜水艦分隊指揮官から3度、指導力での問題点で助言されていたと判明している。

 アルジラーニは着任して1年足らずで、第5潜水艦開発飛行隊司令官リンカーン・ライフステック大佐Capt. Lincoln Reifsteckから業績報告書を通じてカウンセリングを受けた。「不適切な監督、効果的でない説明責任の遂行、表面的な自己評価」を取り上げていた。

 2月、ライフステック大佐はアルジラーニに指示書を出し、「司令部の全体的なパフォーマンス、改善の欠如、フィードバックを受け入れたがらないことに対処するよう指示した」。

 配備前訓練中の2021年4月14日、コネティカットはカリフォルニア州ポイントローマで桟橋に衝突し、別の司令部が調査し、航行安全停止を促した。

 調査官は、アルジラーニ、カシン、ロジャース、桟橋衝突時の甲板長、航海士と航海士補に対し、「職務怠慢による懲戒処分」を勧告した(調査結果より)。

 ライフステック大佐は勧告を覆した。理由は「この調査により、航行、計画、稚拙なシーマンシップ、効果的でない指揮統制における基準低下が明らかになったが、通常ではないパフォーマンスであり、組織的失敗ではない」。「2021年5月13日にUSSコネティカットのブリッジから安全に入港したの確認し、乗員の訓練の適切な反映が示された」と述べた。

 ライフステック大佐はその1週間後にDEVRON 5の指揮を引き継いだ。

 ハドソン研究所の主任研究員で元潜水艦乗組員のブライアン・クラークBryan Clarkは、座礁の調査を見直したが、キャリア終了の懲戒処分になっていてもおかしくないと述べた。

 「普通なら、この男はクビになるはずだ」とクラークは言う。「あれだけ明らかな問題があるにもかかわらず、艦長であり続けたことに、とても驚いてかされる」。

 2021年5月21日、太平洋潜水艦部隊司令官ジェフリー・ジャバロン少将Rear. Adm.Jeffery Jabalonはコネティカットの配備を推奨し、2021年5月24日、当時の米第3艦隊司令官スコット・コン中将 Vice Adm. Scott Connは配備の準備状況完了を認定した。

コネティカットは5月27日に出港した。

 

 

高需要のアセット

北極の氷の中を浮上する高速攻撃型潜水艦USSシーウルフ(SSN-21)。July 30, 2015. US Navy Photo


コネティカットは、冷戦終結時に外洋でソ連潜水艦を狩るため設計されたシーウルフ級潜水艦(SSN-21)3隻の1隻だ。

 シーウルフ級は、ロサンゼルス級やバージニア級の攻撃型潜水艦よりも速く、深く潜ることができ、魚雷数十本を格納できる武器庫を誇る。3隻は最も重武装の艦船の一つで、需要が高い。

 調査によると、アルジラーニがコネティカットの指揮を執っていた784日のうち、527日はコネティカットの母港であるワシントン州ブレマートンから離れた場所で過ごしており、この割合は一般的な潜水艦よりもはるかに高いとハドソン研究所のブライアン・クラークはUSNI Newsに語った。

 2年に1回、半年間の配備がある一般的な攻撃型潜水艦の2倍以上である、とクラークは言う。

 攻撃型潜水艦がより高い運用テンポを持つことができる理由の1つは、最初の10年間、コネティカットは同クラスの他の2隻、USSシーウルフ(SSN-21)と大幅に改造されたUSSジミー・カーター(SSN-23)の部品取り用となり、頻繁に展開しなかったからだとUSNI Newsは理解している。その結果、コネティカットは船体の耐用年数よりも長く存続する過剰な原子炉能力を持ち、急配備で良い候補となる。

 「最初の10年間は、あまり頻繁に配備されなかった」とクラーク氏は言う。

「今は、失われた時間を取り戻しつつあります。

だが衝突による損傷で、重要な潜水艦資産を取り除いてしまった」。

 海軍水上システムズ本部によると、コネティカットは、2月にピュージェットサウンド施設で修理を開始している。NAVSEAの声明では、「損傷の修理にかかる費用は現在計算中」とあり、工期の見積もりを出していない。■


Investigation: USS Connecticut South China Sea Grounding Result of Lax Oversight, Poor Planning - USNI News

By: Sam LaGrone

May 24, 2022 5:49 PM


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