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日本が英主導テンペストに接近し、米側の思惑が外れるのか、それともやはり米国がゴリ押ししてくるのか

 Japan F-3 fighter

 

アメリカは日本の次期戦闘機事業に加わる機会を逸したのか。報道では日本が今年中に英国のテンペスト事業に加わるとあるが...

本のメディアは、日本側が次世代戦闘機F-Xの製造で、アメリカではなくイギリスと提携を考えていると伝えている。どうやら、BAEシステムズが最も有力なパートナーに選ばれたようだ。この計画は、2035年頃に新型戦闘機を配備する目標で、、英国のテンペスト未来戦闘航空システム(FCAS)と同じスケジュールだ。

最新の決定は今月初めの日英米のハイレベル会合でなされたようだ。岸田文雄首相は5月5日、英国のボリス・ジョンソン首相と英国で会談し、年内に「将来の戦闘機プログラムについて協力することで基本合意した」と報じられた。前日には、岸信夫防衛大臣がロイド・オースティン米国防長官と会談し、次期戦闘機も議題に上ったようだ。

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テンペストのモックアップがファンボロ国際航空ショーに展示去れた。2018年。BAE Systems

報道によれば、日本側はBAEシステムズと、日本の次世代戦闘機における役割の拡大で交渉を始めている。英各社は、推進装置の開発を支援し、新型機へ採用をめざす新世代の空対空ミサイルでの提携で日本と合意している。

さらなる二国間協力には、英国防省による日本の新型空対空ミサイル計画(JNAAM)への支援も含まれる。同兵器は、MBDAミーティアの可視距離外空対空ミサイル(BVRAAM)に関する英国の専門知識と、日本が開発した高性能無線周波数(RF)シーカーの組み合わせが予想されている。

BAEシステムズが戦闘機の開発パートナーになれば非常に重要なステップとなる。だが、米国の防衛関連企業、特にロッキード・マーティンには悪い知らせとなる。2020年末、防衛省はロッキードをパートナー候補として発表した。しかし、その後、技術移転をめぐり双方に意見の相違が出ているようだ。

日本が不満としているのは、供用開始後のアップグレード方法のようだ。具体的な内容は不明だが、ロッキードがソフトウェアやハードウェア更新で主導権を取る想定の可能性があり、日本側の自律性を制限する。

三菱重工業(MHI)は、新型機開発でF-2と同様に主契約者の役割を担う。その他業界パートナーとして、IHIがパワープラントを担当し、ロールス・ロイスとパートナーシップを組んでいる。昨年、2020年初頭にフルスケール実証機用動力システムの共同作業を開始すると発表された。ロールス・ロイスは、テンペストのパワープラントも製造する。

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テンペストの推進系の説明図。Rolls-Royce

 

以前の日本報道で、テンペストとF-Xはエンジンだけでなく、「エアインテーク...と排気口付近」も共有し、ステルスに最適化されるとあった。両部分は、ステルスの品質と性能を実現する点で、難易度が最高のエンジニアリング要素だ。

日英両国が合意すれば、三菱重工など日本の産業パートナーがテンペスト計画に正式参加する道が開かれる。中型から大型のステルス双発戦闘機となるテンペストは、日本の要求内容と合致するように思われる。英空軍も2035年までにタイフーンをテンペストで置き換える計画を立てており、日本の目論見と合致する。

イギリスとBAEシステムズにとって、テンペスト・プログラムに国際的なパートナーを迎えることは、コストを下げ、全般リスクの軽減効果が生まれる。

チーム・テンペストには、すでにイタリアの防衛請負業者レオナルドとヨーロッパのミサイル・コンソーシアムMBDAも参加しており、スウェーデンも加わる。しかし、イタリアもスウェーデン両国は、同機を購入すると公式発表していない。

一方、日本にとっては、「チーム・テンペスト」に参加して得られるものが多い。ステルス有人戦闘機だけにとどまらないからだ。このプログラムは最終的に、忠実なウイングマン型無人機、センサー、空中発射兵器、支援アーキテクチャを含む第6世代の「システム・オブ・システムズ」空戦能力の実戦配備を目標としている。

 

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BAE Systems

航空自衛隊(JASDF)はこれまでアメリカ製戦闘機に依存しており、防空戦闘機部隊はF-15Jイーグルと、F-35Aステルス戦闘機が中心だ。次世代戦闘機にはアメリカ製装備品との相互運用性が期待されるが、日本がBAEシステムズを採用しても大きな問題にはならないはずだ。イギリスもテンペストを自国のF-35Bと供用する計画だ。

日経によると、アメリカが日本の次世代戦闘機プログラムに残る可能性はまだあるようだ。記事では、開発分担の最終決定は今年後半の予定で、ロッキード・マーチンなどとの長年にわたる関係が、アメリカに有利に働く可能性はまだ残っている。

しかし、現時点では、BAEシステムズに勢いがある。同社が日本の第6世代の航空戦闘プログラムに機会を提供するように見えるが、少なくとも現段階では、米国のライバル各社が同程度に関与する可能性は低い。アメリカの最新の航空優勢戦闘機であったF-22ラプターの入手に日本が興味を示した際に、機密部品と能力の詳細が漏れることを恐れて、要請を断ったことを思い出すとよい。

日本が懸念しているとされる米国との技術移転問題については、詳細は不明だが、日本を含むF-35プログラムの外国パートナー各国は、アップグレードや適応に関し、各国の独立性のレベルに懸念を表明している。一方、海外で運用中のF-35戦闘機が、機密データを収集・保存しているが、米国に転送するプログラムになっていることに不満を持っている。

ただし、日本にとってチーム・テンペストへの参加はリスクも伴う。英国は、同プログラムを自国の戦闘航空戦略の中心要素だと繰り返し強調しているが、非常に高価な事業であり、今でも厳しい英国の防衛予算に相当の負担をかける。英国ではF-35B138機を全機購入するのと並行し、テンペストを十分に取得するのは困難だろう。F-35Bの購入機数を減らしても、テンペストの財政負担を分散させるため、国際パートナーのコミットメントが必要だ。

BAEシステムズと手を組めば、三菱重工のX-2「心神」実験機やIHIで開発中のXF9戦闘機用エンジンの将来が危うくなる。ただし、これらの成果が日英共同プログラムに反映される余地はあり、特にX-2は将来戦闘機の開発用ではなく、専用試験機の想定だった。

政治的には、英国が日本と防衛関係を拡大すれば、急増する中国の領土的野心と軍拡を見据え、英国が戦略と軍事的優先順位をアジア太平洋地域に切り替えていく中で、確実に英国政府も支持を示すだろう。ベン・ウォレス国防相は昨年、インド太平洋地域でのパートナーシップ強化が「戦略的優先事項」と述べ、例として日本とのエンジン協定を指摘していた。

BAEシステムズから見れば、日本が開発費用を分担し、実際に機材を購入してくれれば、チーム・テンペストの今後が確実にさらに強固となると期待しているはずだ。■

 

Did America Just Miss Its Chance To Help Build Japan's Future Fighter?

Reports suggest that Japan may well join the British Team Tempest future fighter program by year-end.

BY

THOMAS NEWDICK

MAY 17, 2022 10:58 AM

THE WAR ZONE



コメント

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