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国政選挙直前にPLANスパイ艦の国防重要施設へ異常接近で、一気に議論が湧くオーストラリア


人民解放軍海軍の情報収集艦815型Haiwangxingがオーストラリア大陸棚北西で活動を展開していた(Australian MoD)

PLAN艦艇が、潜水艦通信用VLF通信施設がある西オーストラリアの海軍基地から17マイル以内を通過し、オーストラリアに波紋を呼んでいる

戦が予想される国政選挙が8日後に迫る中、ピーター・ダットンPeter Dutton国防相は本日、中国の情報収集艦がオーストラリアの排他的経済水域に侵入し、高度機密施設近くで「海岸線をなめるように航行した」のを「攻撃行為」と呼んだ。

スコット・モリソンScott Morrison首相率いる自由党Liberal Party 政権は過去18ヶ月間、中国の行動を定期的に指摘してきたが、オーストラリアが同艦を「過去1週間ほど」監視していたことを考えれば、ダットン国防相発表のタイミングは、近づく選挙と関連があるとの疑問を生んでいる。

スコット・モリソン首相は同艦に関して平静を保つコメントを本日発表した。

「我が国は国益のため、中国を常に監視していると断言できる」「オーストラリアの国益に反するこれまでの強行策や発言多数を考えると、今回の動きは友好の行為と表現できないと思う」。

PLAN艦は、西オーストラリア州のエクスマウスに近いハロルド・E・ホルト海軍基地から17海里以内を通過した。同基地は潜水艦用VLF通信施設だ。西海岸の南を通過したことで、オーストラリアが関心を示さざるを得なくなった。 ダットン国防相は記者会見で、「ここまで南下してきたのは、特に攻撃的な行為で、エクスマウスの南に進出した前例がない」と述べた。

オーストラリアン紙の編集者で国防専門家として知名度が高いグレッグ・シェリダンGreg Sheridanは、同紙コラムで、現状ではPLANに効果的に対抗できないと述べている。

オーストラリアの「小型駆逐艦サイズの新型大型哨戒艇には、戦闘に耐える装備は搭載されていない」「8隻ある小型フリゲート艦ANZAC級も同様に、中国の新型艦の前に力不足だ。さらに、任意の地点で本格的な監視できる航空機も不足している」。

カレン・アンドリュースKaren Andrews内務大臣は、同艦はオーストラリアの選挙と並行し航行した可能性を示唆した。「中国は非常に戦略的で、何をいつどうに行うかについて非常に慎重であることは皆が理解している」。

ダットン国防相は、発表に先立ち西オーストラリア州に飛んだのかとの記者の質問には答えず、選挙を理由にした発言であることは否定した。

東調級補助情報艦、Haiwangxing(ネプチューン)は、昨年7月にタリスマンセイバー演習を監視しており、以前からオーストラリア沿岸部に出現していた。取材時、同艦はブルームに向け北上中であった。

アメリカやオーストラリアなどの海軍が自国の支配下に見なす国際水域を通過する際には中国は毎回抗議するが、豪国防省は、「オーストラリアは、国際水域と空域で航行と上空の自由を行使するすべての国の権利を尊重し、他国が同じ権利を尊重するよう期待している」と指摘している。「オーストラリアは、国際水域と空域を航行する権利を尊重する」。

政治が動く

悪化傾向が続くオーストラリアの対中関係は、選挙戦で予想通り話題になっている。世論調査では、モリソンの自由党を野党労働党が上回っている。

キャンベラでは、マリゼ・ペインMarise Payne外務大臣と労働党のペニー・ウォン上院議員Sen. Penny Wongが、ナショナル・プレス・クラブでの国家安全保障討論会で、共に辛辣な言葉を投げかけた。ただし、政治的な点数稼ぎのため、中国含む外交安全保障問題では、党派を超えた強い結束を両名が示した。

ウォン議員は、労働党を率いるアンソニー・アルバネーゼAnthony Albaneseが北京に弱腰との意見に対して、「アルバネーゼ労働党政権がオーストラリアの利益のために後戻りすることはない」と発言した。

ペイン大臣は、対中関係で「いかなる当事者も国際的なルールに違反する強制や圧力にさらされることのない」ものであるべきだと強調した。

ウォン議員はソロモン諸島の騒動について、オーストラリアは気候変動問題で太平洋諸島各国を助けるため努力がさらに必要と強調し、何度も現政権を非難した。ペインは、中国と安全保障条約を締結したばかりのソロモン諸島との関係について、現政権が混乱を招いたとの考えを一蹴した。

興味深いことに、肖千Xiao Qian駐豪中国大使は今日、Sky Newsインタビューに応じ、中国とオーストラリアの「橋渡し役」になりたいと語った。もう一つのコメントは、より的を射たもので、選挙に対する中国の考え方の一端を明らかにした。「どの政党であろうと、私に選択の余地はない。オーストラリア国民が選択し、決定することだ」。■

'Aggressive act': Aussie defense minister knocks Chinese intel ship 'hugging coastline

By   COLIN CLARK

on May 13, 2022 at 9:49 AM

 

コメント

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