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完全デジタル設計をうたうT-7A完全仕様の一号機がロールアウト! 海軍仕様B型はじめ、軽戦闘機として輸出も有望視されているが....

 T-7A Red Hawk Jet

CombatAir

 

米空軍の新型高性能ジェット練習機がセントルイスでロールアウトして重要な一歩を踏み出した。

 

ーイングは、アメリカ空軍向けT-7Aレッドホークの最初の機体を、EMD(Engineering and Manufacturing Development)プログラムのフェーズでロールアウトした。同機は、60年以上前に初飛行したT-38タロン以来の新型ジェット練習機となる。今回の機体は、初の本格仕様機で、先に完成していた2機は、社内デモ機であった。

 

 

 本日、ミズーリ州セントルイスのボーイング工場で行われたロールアウト式典では、空軍関係者が、T-7Aが訓練にもたらす画期的な特性に注目した。ボーイングは、初の完全デジタル設計機としてT-7Aを351機納入する予定で、今回の機体は来年、サンアントニオのランドルフ共用基地に納入する最初の機体となる。

空軍関係者と来賓がEMD仕様のT-7A一号機のロールアウトに招待された Boeing Screencap

 

 ボーイングの防衛・宇宙・セキュリティ部門社長兼CEOであるテッド・コルバートTed Colbertは、「我々は、デジタル技術を駆使した次世代航空機を米空軍に納入できることに興奮し、光栄に思っています」「この航空機は、ボーイングおよびサプライヤー、パートナー各社がデジタルエンジニアリング革命をリードしている姿を示す具体例となりました。T-7Aは、今後数十年にわたり、パイロット養成に従事します」と述べた。

 「今日は、ボーイングとサーブの長年の仕事、設計、パートナーシップの集大成です」とサーブの社長兼CEO、ミカエル・ヨハンソンMicael Johanssonは「サーブの知識と専門性は、1000人以上のサーブ従業員が関わり、世界クラスの練習機の設計と製造に貢献しました。私たちは一丸となって、訓練用ジェット機とは何か、そしてその製造方法を再定義する野心的なビジョンを掲げ、それに成功しました」と挨拶した。

 ロールアウト式典では、第二次世界大戦の「レッドテイル飛行隊」として知られるアフリカ系アメリカ人飛行士の遺産が、新型練習機の名前とカラーリングに敬意を表して採用されたことが強調された。

ボーイングのメディアリリースで、空軍参謀長   チャールズ・Q・ブラウン・ジュニア大将は、「タスキーギ・エアメンは、空軍史で最も有名な部隊の一つであり、T-7Aは先駆者の勇気と技術に敬意を表しています」「T-7Aレッドホークは、障壁を打ち破った飛行士に敬意を表して命名され、塗装された機体です。デジタル技術を駆使した同機は、将来の戦闘機・爆撃機パイロットの多様な訓練を可能にし、今日および明日の国家安全保障環境の要求を満たす高度な訓練システムと能力を提供します」と述べている。

 ボーイングとパートナーを組んだサーブは、デジタル設計、アジャイルソフトウェア、デジタルエンジニアリング技術を活用し、原設計から試験飛行までの時間を短縮したことを誇りにしている。レッドホークは空軍機として初めて「e」の接頭辞が付けられ(一時eT-7とされた)、積極的なデジタル設計思想が採用されたことを表している。

 また、就役後は、オープンアーキテクチャ・ソフトウェアにより、空軍の近代化に歩調を合わせ新しい機能や訓練に対応でき、現行機を上回る高い適応性が期待されている。

 現段階でT-7Aの後部セクションをサーブはリンコーピング工場で製造しているが、同社は、インディアナ州ウェスト・ラファイエット工場で同部品の米国製造を開始する。

 当面は、空軍初の生産仕様T-7Aはセントルイスで地上試験と飛行試験を行った後、サンアントニオ・ランドルフ共用基地に運ばれ、第99飛行訓練飛行隊(FTS)に配備される。同部隊は現在、T-1ジェイホークで輸送機やタンカーのパイロットを訓練しているが、T-1は2025年に退役する。一方、T-7Aは2024年に航空教育訓練本部で初期運用能力を達成する。

 T-7Aの実用化は急ピッチで進んでいるが、遅れに見舞われ、ボーイングは367百万ドル相当の財政的打撃を受けている。ボーイングが昨年、ソフトウェア修正で対処したと発表した「ウィングロック」問題や、COVID-19関連の部品不足による生産遅延など、いくつかの問題が発生していた。その結果、T-7AのマイルストーンC本格生産の決定は2023年度にもちこされた。

 同機では輸出の見込みが取りざたされているが、米空軍には当初想定の351機より多くの機体を購入する余地が残っている。

 昨年末、空軍はT-Xプログラム351機に加え、少なくとも100機、場合によっては数百機の戦術練習機の追加発注を検討していることを明らかにした。新型機は、パイロット訓練以外に、Adversary Airプログラムで攻撃機として、また「戦術的代理機体」として、高価な戦闘機から安価なプラットフォームとして、作戦レベルの訓練の移行を可能にすると思われる。

 空軍は、Advanced Tactical Trainerの要件に合う競合機を検討すると述べているが、レッドホークは、戦闘機訓練を刷新する空軍の幅広い取り組みの一環として、追加発注に非常に適しているように思われる。

 一方、T-7Bと呼ぶレッドホーク改良型が、米海軍の新規ジェット訓練システム(UJTS)の候補に挙がっている。T-7Bは、現行のT-45ゴーショーク練習機の後継機として、レオナルドロッキード・マーチンと競合することになる。

 

 

海軍向けT-7B の想像図. Boeing

 

 また、T-7Aのハイエンドな性能は、軽戦闘機としての用途を可能にし、数十年前のF-5のように海外輸出の可能性を秘めている。

 レッドホークに追加受注の可能性があるのは明らかだ。しかしまず、来年に予定通り納入が開始されれば、T-7Aは空軍の将来のパイロットの訓練方法を変える推進力として、大きな可能性を発揮することを空軍は期待している。■

 

Boeing Unveils First T-7A Red Hawk Training Jet For The Air Force

The Air Force’s new advanced jet trainer achieved an important milestone with the official rollout ceremony in St. Louis today.

BY

THOMAS NEWDICK

APR 28, 2022 2:05 PM

THE WAR ZONE



コメント

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